俺は、春香に手を引かれ、765プロダクションの重い扉を開く。
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「ねぇ伊織ちゃん、ここ、どうやるの?」
「やよい、ここはね、こうやって...」
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「おりゃー!!亜美キーーーック!!!!」
「負けるかぁぁぁぁっ!!!真美ガーーーード!!!!」
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「真ちゃんって、いいよね...かっこよくて...」
「え?」
「私なんてひんそーで、ひんにゅーで...」
「私、穴掘って埋まってますぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「ちょ、雪歩!!!事務所に穴掘らないで!!!!」
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「私は、歌うことだけ。はしゃぎはしないわ。」
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「コラー!!!ハム蔵!!!自分のおやつ食べただろーーー!」
「ぎゅぎゅいっ!ぎゅぎゅっ!(違う!俺は食べてない!!!)」
「本当か〜?ハム蔵」
「ぎゅいっ!!!(本当だ!!!)」
「じゃあ、いぬ美か?」
「......」
「あー!!いぬ美〜!!コラーーーー!!!」
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「真、面妖な光景ですね。私も、あのようにして、皆とともに楽しみたいものです...ズズズッ」
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「みんなうるさいのー。美希が気持ちよく寝てるのに、邪魔しないでほしいな。」
「.........あふぅ。」
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「あらあら〜、みんな、元気良いわねぇ〜。私なんて、みんなみたいにはしゃぐ体力なんて残ってないわよ〜」
「あずささん、まだ若いんですから、まだまだこれからですよ!」
「あらあら〜、そうかしら〜。」
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「ふむ...我が社のアイドル達も、皆元気そうだな。」
「そうですね、社長...」
「こら!君はこのアイドル達の将来を担うプロデューサーなんだから、しっかり頼むぞ!」バシッ
「はい!!!」
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そこには、アニメやゲームなどで見たことのある掛け合いが繰り広げられていた。
まるでアニメのワンシーンを見ているような気がする。
全員が揃っていると言うことは、この世界はアニマスで言う、まだまだ新人アイドルの頃ってことか...
「あら、春香ちゃん、おはよう!」
「おはようございます、小鳥さん!」
目の前で、春香姉さんと小鳥さんが会話をしている。
これまた見慣れたものだ。
「あら?春香ちゃんの隣にいる、その子は?」
「あ、この子は私の家族です。」
「ほら、挨拶して。」
「わかったよ...」
春香に言われ、俺は前に出る。
「初めまして。天海冬乃です。よろしく...」
恥ずかしながらも小さく会釈をする。
周りからはどう映っているのだろうか。
「わぁ...可愛いですぅ!!!!」
まず最初に反応したのは雪歩だった。
「さすがは、はるるんの家族だね!」
次に、亜美と真美が同じタイミングで、同じトーンで喋る。
「みんなー、一旦冬乃ちゃんの前に集合してー!」
うわ、赤羽根プロデューサー、もう「ちゃん」付けかよ。
馴れ馴れしいな...
一同「はーい!」
プロデューサーの掛け声に呼びかけに合わせ、みんなが一斉に集まる。勿論社長もだ。
「それじゃあ、社長、そして僕も含め自己紹介をする。」
「僕の名前は赤羽根健二。このアイドルたちのプロデューサーを任されている。」
おいおい、プロデューサーの名前、まさかの声優さんと一緒かよ...
忠実すぎるだろ...
「私は、如月千早。アイドルには興味ないですけど、歌う為に此処にいます。」
相変わらず千早は歌うだけってのは揺るぎないみたいだな。
「僕の名前は菊地真って言います!好きな事はダンス、可愛いもの!でも、王子様キャラだから、女の子にばっかりモテちゃって...男の子にもモテたいんだけどなぁ..とにかく、よろしく!」
すまん、俺男だけど真の事好きなんだよな。
ボーイッシュ女子、いいじゃないか!
「わ、私の名前は萩原雪歩って言います...」
「男の人と犬が苦手で...」
いや、目の前に男居るんですけど...
恐怖症が発動しないって事は、少なからず俺は女に見られている。と言うことか。
ますます俺が男の娘と言うことを実感するぜ。
「私は水瀬伊織ちゃん!超絶可愛い美少女アイドルになるの!!よろしくね!!」
「でも、こんな小さいアイドル事務所になんで所属したのか、今でも疑問に思うわね...」
「こら伊織!なんてこと言うんだ!これからアイドルになるかもしれない子なんだぞ!!」
「何勝手な想像してるのよ!!こんな小さい事務所でアイドルやろうなんて物好きな子、いないじゃない!!!」
「なにぃ〜!!!!」
あーあ、始まったよ。
相変わらず伊織とPの喧嘩は絶えないんだな...
「こらぁ!二人とも、こんなお客さんの目の前で喧嘩しない!」
「だって、このダメプロデューサーが!!」
「はいはい、その話はまた今度」
「むー...」
律子が止めに入る。やっぱりPも伊織も律子には手も足も出ないようだな。伊織はぷくーっと頰を膨らませる。
「あ、ごめんなさい、私、秋月律子です!このプロダクションのプロデューサー業を、赤羽根Pと一緒にやってます!よろしく!」
相変わらず律子は硬いなぁ。
もうちょっと羽目を外してもいいと思うんだが...
「自分、我那覇響だぞ!こいつらは自分の友達さ!いぬ美と、ハム蔵だぞ!」
「ぎゅぎゅい!」
「ワン!!!!」
響は相変わらずのハイテンションぶりだ。今日はいぬ美とハム蔵だけか。どうせ家にいっぱい友達(動物の)が居るんだろうな。
「うっう〜!!!私高槻やよいでーっす!家が貧乏で、家庭を支えるために、アイドルになりました!よろしくお願いします!!」
うーん、やよいはやっぱりいい子だ。素直なこの感じ、家庭を支えるためという理由といい、やっぱり家族思いのいい子だ。
「四条貴音と申します。細かい所はなどは「とっぷしぃくれっと」です。」
貴音はやっぱり秘密なんだね。
それと生「とっぷしぃくれっと」。
聞けて嬉しいよ!!!
「双海亜美だよー!」
「真美だよー!」
「双子アイドル、亜美真美!誕生!!」
「今はこんな体だけど、りっちゃんくらいの年齢になったらボン・キュッ・ボン!!な超絶せくちーな体型になってるから、覚悟してよね〜!んっふっふ〜」
亜美真美は双子らしくやっぱり意気投合だね。
この子供が無理して大人びた感じにしようとしてる感じ、そう言うとこが好きなんだよね。
「私、三浦あずさと申します〜。よく道に迷います。おっとりしてるとよく言われます〜。765プロダクションのアイドルで一番最年長なので、まとめ役として頑張っていくわよー!よろしくね〜!」
あずささんはやっぱりまったりしてるね〜。見てると和やかになるよ。
「私は、765プロダクションの事務員をしている音無小鳥よ。よろしくね!」
出た、レズ空想大好きな小鳥さん。
今も妄想をしているのだろうか...
「そして私が、この765プロダクションの社長「高木順二朗」だ。」
こうやって目の前に高木社長がいるのだが、やっぱり顔は暗くて見えない。
いやおかしいだろ。なんで顔が不自然に見えないんだよ。
「それで春香ちゃん、今日は何で冬乃ちゃんを連れてきたの?」
「冬乃を765プロダクションの13人目のアイドルになって欲しいなぁと思って...」
ん...?アイドルになって欲しい...?
「うーん...社長、これ以上アイドルの人数増やせますか?」
「うむ、もう枠がないが後一人くらいは可能だ。」
「春香ちゃん、よかったわね!後一人だけ枠があるわよ!」
「やったね、冬乃!!!」
「いやちょっと待ってやったねじゃないでしょ春香姉ちゃん!」
「みんな女に見えてるだろうけど俺、男だよ?だから765プロダクションには所属できない!!!」
ここで俺は自分が男であることを春香に、みんなに聞こえるように伝えた。
しばらくの間、静寂が続く。
「えっ...えぇ!!!!!お、男の人、ですか!?」
静寂を打ち破ったのは雪歩だった。
まぁ、そりゃ当然その反応だよな。
「真、面妖な!!」
貴音は目を見開き驚きを隠せない。
「まさか、冬乃ちゃんが男の子だったなんてね...」
小鳥さんも同じく驚いているようだった。
「うーむ、冬乃君が男、か...女性だったら、今すぐにでもプロダクションに所属してもらったのだが...」
「ごめんね春香ちゃん。そう言うことなの...」
「そうですか...」
春香はしょぼんとする。
「だから言ったでしょ、姉ちゃん!俺、男だから絶対に無理だって!!」
「そ、そうだよね。普通はそうだよね...」
更にしょぼんとする春香。
「冬乃、先帰ってていいよ。」
「わかったよ、姉ちゃん。」
ほら、当たり前じゃないか。
男なのに女子が集まる765プロダクションに所属できるなんておかしいんだよ。
俺は、765プロダクションの扉を開け、部屋を出ようとした。
その時だった。
「あっ!!!」
「んっふっふ〜、いい事思いついたよーん!」
亜美と真美が何やら不審な動きを見せた。
なんだ...?
「ねぇピヨちゃん、ちょっと耳貸して!」
「え、いいけど...」
亜美が小鳥さんに何やら耳打ちをしている。一体何だろうか。
そしてピヨちゃんと言われても動じない小鳥さん。ずっとピヨちゃんと言われているからなのか...?
「なるほど!その手があったわね!!!!」
小鳥さんがなぜか納得していた。
一体どう言う事だ?
「冬乃くん、765プロダクションは女性アイドルしか所属していないの。だけど、新しいジャンルとして、今人気が出てきてる「男の娘」と言うジャンルでアイドル活動を始めてみないかしら?」
「はっ...?」
思わず扉を抑えていた手を離してしまう。それほどに驚く文字列だった。
「男の娘」。この世界でもそれが浸透しているとは思いもしなかった。
「いや小鳥さん、無理ですよ!!!僕なんかが、アイドルになれるわけがない!!!!」
「大丈夫よ!!冬乃くん、可愛いし、すぐに、人気出るよ!!!」
「んな無責任な...」
「社長、その案でどうですか?」
「ふむ、なるほど...今需要が高まってきている「男の娘」をアイドルにする、か...」
「我が765プロの強大な戦力となり得るかもしれないな」
「よし、正式にアイドルの契約をしよう。冬乃君、こっちへ来たまえ。」
「冬乃、頑張ってきてね!!!」
「いや、勝手に話進めないで...って、ちょ!!!」
「はいはい、こっちよ〜」
「ちょ、小鳥さん、引っ張らないでください!!!」
なんで小鳥さんが引っ張るんだろうか...ひょっとしたら一番楽しみなのは小鳥さんなのでは...?
そんなこんなで俺は、あれよあれよと言う間に「男の娘」アイドルとしての活動の契約、そしてアケマスのアイドル選択の自己紹介文のような物を書かされ、写真も撮られ、契約が終了してしまった。
これで俺も晴れてアイドルだ!!!!ヤッター!!
じゃねぇよ!!!俺はアイドルになる気にもなかったんだよ!!それに春香が勝手に決めてるし、トントン拍子で俺の意見は全く適応されずに契約までやってしまった。
これはいよいよ後戻りはできない。
「(仕方ない。こうなったらこの世界でとことん【男の娘アイドル】として有名になってやろうじゃないか!!!)」
男の娘アイドル、「天海冬乃」が誕生した瞬間だった。
ついに男の娘アイドル「天海冬乃」が誕生してしまいました。
次回の展開はまだ考え中です。ご期待ください!