僕、天海春香の弟です。   作:YAYOI@小説書き始めました

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まさか、ここまで伸びるとは思ってもいませんでした。
これも読者の皆様のおかげです...!
これからも語彙力皆無ながら、頑張って書き進めていきますので応援のほどを!!!


第4話【葛藤】

俺は、アイドルをすることになってしまった。

 

だが、平日はただの一般的な男子中学生。

いたって普通と変わらない。

だからこその悩みもある。

 

そう、前にも話した通り、雑誌が販売され、それに765プロの特集記事が掲載された。

10ページ分あったのだが、それの半分以上が

「新ジャンル「男の娘」アイドルの誕生!「天海冬乃」!」

という見出しだった。

その見出しは2ちゃんねる、SNS、ニュースなどで取り上げられ、765プロが一躍有名になった。

それに伴い、俺自身が、違う意味で有名になってしまった。

 

そのせいで、俺の学校での視線は、好奇の視線を向けられていた。

 

「おい、冬乃、こっち来いよ!!」

 

同級生に呼び止められた。

そいつは、学年1のいじめっ子である「竹中 周防」だ。

 

俺は、いつも女子のような見た目をしているせいで「オカマ!」や、キモい!」などの罵声を浴びせられていた。

 

それが最近、ヒートアップしている。

大体察しの鋭い人なら分かるだろう。

 

あの雑誌がSNSでも話題になった。

そう、俺が「男の娘」アイドルとしてデビューすると言う話を見て、さらにいじめがヒートアップした。

 

「おい!俺の言うことが聞けねぇってのか!!!!早く来いよ!!!」

 

「は、はい!!!」

 

「ねぇちょっと、竹中くん、やめなよ!!!」

 

「うるせぇ、お前らは黙ってろ!!」

 

「こいつが女っぽいからって言って、お前らはこいつを庇うのか!こいつは俺らと同じ男なんだ!!!そんな奴が女っぽかったら気持ち悪いに決まってるだろ!!!!」

 

「しかも何が男の娘だ!アイドルになるだと?」

 

「気持ち悪りぃんだよ!!!」

 

「うっ......」

 

俺はこの見た目なせいで、女子と喋ることが多かった。

女子たちは、俺がアイドルになると言うことに関して、「気持ち悪い!」と言う言葉はなかった。

それよりか、「冬乃くん、可愛いし、絶対いけるよ!!!」と言う言葉をかけてもらえることが多かった。

要するに女子ウケがよかったのだろう。

中学男子は男の娘の良さがわからないのか。

そう思った。

 

俺は、いじめっ子の周防に、学校の屋上へと連れていかれた。

 

 

 

 

 

@

 

 

 

 

「気持ち悪りぃんだよ!!!!」

 

「うぁっ!」

 

屋上に上がるなり、いきなり殴って来た。

 

「男が、アイドル?しかも女の格好をして、だと!!」

 

ドゴッ

 

「ぐっ」

 

「まぁ、それは俺も、なる前は思ったよ!!!!

「でも、なってしまったものは仕方ないじゃん!!!」

 

「じゃあ、お前の顔をボコボコにして、二度とテレビに出れねぇ様な顔にしてやるよ!!!!」

 

「ぐあぁっ!!!」

 

痛い、痛い。

周防が俺の頬を殴る度、口の中が切れ、血の味がする。

 

でも、俺にはどうすることもできない。力も弱く、身長も低く、体格も細い。

 

対して周防は、俺よりも身長は高く、力も強く、体格も厳つい。

 

まともに戦っても勝ち目はない。だから、抵抗できずに殴られ続けている。

 

「まだだ、まだ足りねぇ!!!」

 

「うっ!!」

 

周防の一方的な殴りは続く。

 

 

 

 

 

@

 

 

 

 

「まだ、まだだ!!!」

 

最早、殴り返す様な体力も残っておらず、ただ殴られ続けられるだけ。

 

口の中は血の味で充満し、目の上も切れ、血が流れる。涎も血が主となったもの。

 

このまま俺、死ぬんかな...

 

そう思った時だった。

 

ガチャン

 

「お、おい!!周防、お前何やってんだ!!!」

 

「やべっ、剛馬先生だ!!!」

 

ドアを開け、現れたのは、学校中が皆、恐怖して歯向かおうとしない、体育教室「剛馬 忠」だった。

 

先生は、周防の方を掴み、そのまま、自分の腕に挟む。

 

「痛い、痛いって先生!!!」

 

「黙れ!!!お前が経験したこの痛さに比べたら、冬乃の傷に比べりゃかすり傷程度だ!!!」

 

「おい、冬乃、大丈夫か!?お前は保健室へ行け!!」

 

「は、はい、先生ありがとうございます」

 

「いいんだよ!これが俺のできる最大限の事だからな!」

 

周防は先生に捕まり、身動きが取れない。

 

俺は立ち上がり、保健室へと向かう。

 

「おい、天海、歩けるか?」

 

「は、はい」

 

「そうか、早めに保健室に行けよ!口の中も血まみれだし、顔も血が出て放置すると危ないからな」

 

「すみません、ありがとうございます」

 

俺は、先生の後ろを通り、ドアを開け、保健室へと向かう。

 

 

 

 

@

 

 

 

 

「ちょ、冬乃、大丈夫か!?その傷、尋常じゃないぞ!!!」

 

「はい、な、なんとか...」

 

この人は、保健の先生である、「田島 尚之」先生。

男性だが、面倒見も良く、女子からも慕われている。

 

「とりあえず、顔の血を流して、口の中の血を水で洗ってきて!!!!」

 

「は、はい」

 

 

@

 

 

俺は言われた通り、顔の血と口の中の血を洗い流す。

 

「いったぁぁぁぁ!!!!」

 

顔の血を流す時の痛みはそこまでの痛みではなかった。

 

問題は口内だった。

切れている箇所は2桁に登り、全ての場所から血が出ていた。

 

「これ、とんでもない数だな...」

 

驚きを隠せないまま、先生の元へと

足を運ぶ。

 

 

 

 

@

 

 

 

 

「お、お待たせしました」

 

「とりあえず早く!そこの椅子に座って!!!」

 

かなり焦った表情と動作が見て取れる。

そりゃ自分の学校の生徒が傷だらけ担ってたらそうもなるわな。

 

先生は俺の方を持ち、誘導する様に椅子へと座らせる。

 

「うわぁ、この傷どうしたの!?」

 

顔の傷は5箇所に及んだ。

目の上、顎、両頬、鼻頭。

それ+口内の切り傷10箇所だ。

とんでもねぇな、これ...

 

「実は、ですね...」

 

 

 

@

 

 

 

俺がどの様な経緯でこの傷を負ったのかを話した。

 

「そうか、そんなことがあったんだね...」

 

「君がアイドルになることが気持ち悪くて、周防くんが殴ったと」

 

「はい...」

 

「でも殴るにしては傷が多すぎる。まぁ、あの子、力なら高校生並みだからね...」

 

「実は俺、アイドルになっていいのかなぁって、考えてるんです...」

 

「俺みたいな男か女かもわからない半端者がアイドルになって...」

 

今の俺は男だ。女でもなく、男でもない様な、中途半端な存在。

だからこその「男の娘」なんだろうが、俺がアイドルになっていいのだろうか?そう思っていた。

 

「でも、俺は君がアイドルになってもいいと思うな」

 

「どうしてです?」

 

「だって君、かわいいじゃん!!女の子みたいだし、今すぐにでも彼女にして、犯したい!!!」

 

「ちょ、ちょっと先生...?」

 

ひょっとしてこの先生、ショタコンか??もしくは男の娘が大好きなのか?

 

とりあえず変態ってのは間違いなさそうだ。

 

「...ゴホン。失礼。」

 

「そういうことは、だれかに決めてもらうものではないと思うんだ。」

 

「そういうものは、自分の意思で決める。他人に決めてもらったら、後悔しか残らないからね」

 

「そ、そうですね...」

 

俺も、前世ではそうだった。

 

他人に仕事を決めてもらい、それをやって、後悔する。

そんなことばかりだった。

 

だが、今は違う。

 

もう前世と同じような過ちは繰り返したくはない。

 

「わかりました。」

 

「ありがとうございます。相談に付き合ってくれて...」

 

「いいんだよ、もしも何か相談したいことがあったら、また僕に教えて。答えられる限りで答えるよ」

 

「はい!!!!」

 

これからも相談したいことがあったら、先ずは田島先生に相談してみよう。

 

 

 

@

 

 

 

俺は、先生に消毒を済ませてもらい、早退した方がいいという先生の考えで、先に早退し、家に帰宅した。

 

「ただいまー...」

 

「おかえりー!って、どうしたのその傷!!!!」

 

帰宅した俺を出迎えてくれたのは姉の春香だった。

今日の朝、姉は学校でテストがあると言っていたので、昼までだったのだろう。

 

「あー、そのことについてだけど...」

 

 

 

 

@

 

 

 

 

 

帰宅し、着替えた俺は、姉の春香に学校であった事を話した。

 

「そんなことが...」

 

春香は、とても悲しそうな顔をしている。

 

「うん、だから俺、アイドルになっていいのかな、って...」

 

春香も、少し考え込む様な表情を見せた。

 

少しの沈黙の間、春香はこう話した。

 

「それは、自分で考えるべきだと思うよ」

 

「人に決めてもらって、あの時決めたのは間違えだったんだ...というので後悔しちゃうかもしれないし...」

 

「だから、自分で決めるのがいいよ!」

 

やっぱり春香も同じ事を...

 

「わかった。姉ちゃんありがとう!!!」

 

「いいっていいって!」

 

「あ、この話はプロデューサーさんに伝えておくね!」

 

「うん、その方が助かるよ!」

 

どうやら春香はこの一件をプロデューサーに伝えるらしい。

まぁ、その方が一か説明する手間は省けるな。

 

 

 

 

@

 

 

 

 

話が終了した後、自分の部屋に戻る。

 

「俺が、アイドル、ねぇ...」

 

ベッドに横たわり独り言をつぶやく。

アイドルになったとはいえ、まだまともな仕事があるわけじゃない。

まだ「アイドル」になった実感は湧いてこない。

 

「これからアイドル続けてたら、今日学校であった出来事みたいな事、起きるのかな...」

 

今日学校で起きた事、思い出すと怖くなる。

 

「有名になったら学校だけじゃなく、殺人未遂だとか、殺害予告だとか、そういうものにも遭遇するのかな...」

 

さらに怖くなる。

 

「でも、アイドルマスターの世界に生まれて、天海春香の弟として生まれて、こんな女の子みたいな姿に恵まれて...」

 

神様が与えてくれたこの体、そして、この世界に生まれた奇跡。

 

「絶対に、トップアイドルになるんだ!!!他の765プロのアイドルと同じ様に...!!!!!」

 

この夢が、いつか現実になる様に、俺はこれからもアイドル活動を続ける事を誓ったのだった。

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