僕、天海春香の弟です。   作:YAYOI@小説書き始めました

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第7話【「男の娘アイドル」としての決断】

俺はこの世界で男として生まれ、男として育った。

別に肌を露出する事や、裸でいる事に別に抵抗はない。

 

その筈だ、だが...

 

「ええ...いきなりこの場で裸になれ、と言われましても...」

 

「いいじゃないの!冬乃くん、男の子でしょ?だったら別に男の子の裸なんだし、写しても問題ないよね?」

 

MCは、最後の依頼として、今、カメラの回っているこの場で、服を脱いでほしい、と言われたのだ。

 

流石の俺でも、普段は裸に抵抗は無いが、カメラが回っていてしかもアイドルの初仕事、となると、やはり抵抗のあるものだった。

 

「ちょっと、MCさん!!!いきなりそれはひどいんじゃ無いですか!!!!」

 

「今は冬乃くんに聞いているんだ、姉である春香ちゃんは、黙っていてもらいたい」

 

「うっ...そんな...」

 

MCは姉、春香のコメントを一切聞こうとはしなかった。

 

「で、どうなの???冬乃くん!」

 

そのMCは、俺へとどんどんと詰め寄る。

その顔は、期待と欲望で溢れていた。

 

俺はあまりの勢いに圧倒され、喋れずにいた。その時だった。

 

「MCさん、ちょっと待った!!!!!」

 

助けに来たような声で、MCを止める。

 

「プロデューサー...!」

 

それは、撮影風景を見ていたプロデューサーだった。

俺への最後の依頼と、それを強要させるそのMCの態度にカチンと来たのだろう、MCに対してきれていた。

 

「君はこの子たちのプロデューサーだったよね???」

 

「そうです!!!うちのアイドルにこんなことをさせるのは許しません!!!」

 

「まぁまぁそう言わずに、この子は男の子なんだし、別に問題はないでしょ?」

 

「大ありです!!!この子は男の子、男の娘という見方ではなく、俺の大切なアイドルなんです!!!そんな大事なアイドルの困っている顔を放っておくのは、プロデューサー失格です!!!」

 

「プロデューサー...」

 

俺の事を大切なアイドルとして見てくれている、そして俺の事を守ってくれようとしている。

 

「わかったよ、この撮影は中止だ!!!テレビの事もなかったことにする!!」

 

「そんなこと承知の上です!!!!」

 

「ちょ、ちょっとプロデューサー!そんなこと言わなくてもやりますよ!」

 

「ダメだ、冬乃!嫌がっている事を無理強いさせることはできない、プロデューサーのやるべきことは、大切なアイドル達を守ることでもある。この依頼を取り消さなければこの仕事は受けられない!」

 

「わかったよ!それじゃあお前達、解散だ!!!」

 

プロデューサー、MC双方共々、キレながら別れる。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!!!」

 

思わず俺は双方を止めた。

 

「確かに俺は、男です。肌を見せても問題はありません。でも、俺は今は普通の男の子では無い、「男の娘アイドル」天海冬乃です。

アイドルとして、受けた仕事は全うしなればなりません。

そうしないと、お仕事を取ってきてくれたプロデューサーにも迷惑がかかります!」

 

「ふ、冬乃、そこまで言わなくても無理と言えばいいんだよ!?」

 

「いえ、ダメです。ここで俺が折れて仕舞えば、きっとこれから、765プロへの仕事の依頼など減ってしまうかもしれません。」

 

そして俺はもう一度声を大にして、こう言う。

 

「僕はアイドルです!!!受けた仕事は最後までやり切ります!!!」

 

「冬乃...」

 

春香とプロデューサーが、顔を綻ばせる。

 

「MCさん、さっきの撮影の続き、お願いできますか?」

 

「そう言うのを待ってたんだよ!冬乃くん!!!」

 

「皆!撮影続行だ!!!」

 

そして俺のその言葉で、また撮影環境が整った。

 

 

 

 

 

@

 

 

 

 

 

「冬乃、本当に良かったの?」

 

「そうだぞ、冬乃、あまり無理しなくてもいいんだ。仕事は全部俺がとってくるよ」

 

「いえ、別にいいんです。ここで俺がしっかりとアピールをしておけば、これから先のアイドル活動、いや、765プロ全体への認知度上昇につながるかもしれないので...」

 

「冬乃、随分とプロデューサー業みたいなこと言うな...」

 

「でも、冬乃がそう言うなら俺は止めない。最後まで撮影をやり切ってこい!!!」

 

「はい!!!!」

 

「春香姉ちゃん、行くよ!!!!」

 

「う、うん!!!」

 

 

 

 

@

 

 

 

 

 

 

 

「それでは最後の依頼として、冬乃くんにはその場で服を脱いでもらいましょう!あ、もちろん上半身の服だけね!」

 

「わかりました!!!」

 

そして俺は、上半身に来ているパーカー、Tシャツ、シャツと次々と脱いで行く。

 

家で脱ぐ時は別に普通なのに、いざカメラの前で脱ぐと緊張するな...

 

「はい、脱ぎました!」

 

そして俺は上半身裸になった。

 

目の前のカメラ映像が流れモニターを見ると、上半身が裸になった俺が写っていた。

 

「冬乃くん、が服を脱いだ!だけど、胸もないし、少し腹筋も割れてる、やっぱり男の娘だ!」

 

MCはそう言うが、モニターを見ると、胸の部分が髪の毛で隠れていて、女の子に見えない事もなかった。

 

「と言う事で、男の娘アイドル、天海冬乃と!」

 

「その姉である、天海春香を」

 

「「よろしくお願いしまぁーーーーーっす!!!!」」

 

「はい、天海冬乃くん、天海春香ちゃん、お疲れ様でした!いやぁ〜、最後は「さすが姉弟!」って感じの

息ぴったりだったね〜」

 

「そんなこの2人のアイドル人生を、これからもみんなで応援していこう!!!以上、今日の「気になるアイドル、何してる?」でしたー!また来週、お会いしましょう!」

 

「はい、カットー!!!いやぁ、2人とも良かったよー!撮影お疲れ様!!!」

 

「はい、ありがとうございます!!!」

 

「プロデューサー君、これからもテレビ出演を依頼するかもしれないし、よろしく!!!」

 

「はい、ありがとうございます!!!!!!!」

 

 

 

@

 

 

 

 

「2人とも、今日はお疲れ様!」

 

「はい、お疲れ様です。プロデューサー!」

 

「今日の撮影すごく良かったよ。これで君達2人の知名度アップに繋がるな!」

 

「とりあえず、今日の撮影はこれで終了だ。2人とも、事務所に戻るぞ!!!」

 

「「はい!!!!!」」

 

 

 

@

 

 

 

その後、俺たちが出演した回が放送されるや否や、SNS、ツイッターなど、色々な場所で、「【朗報】「男の娘アイドル」天海冬乃ちゃん、マジで男の子だった」と言う記事が出来上がった。

そして、俺たちの知名度は急上昇したのであったが、その一方で、「天海冬乃ちゃん、極度の貧乳の女の子じゃないか説」も、出回るのであった...

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