亜種特異世界 蒼穹航路 グランブルー 作:メンタル豆腐
「っダヴィンチちゃーん!!モンスターいるなんて聞いてないんだけどー!」
藤丸立香は爆走していた。守りを駆け抜け、道無き道をひたすらに背後も見ずに走り抜ける。
後ろにはキノコの仲間みたいなモンスターと、ケルベロス擬きの犬が立香に追いすがる。戦闘力皆無な彼だけど、足だけは強健だった。
いくら強力なサーヴァントに守られているとはいえ、自陣のサーヴァントと敵が衝突する場合、宝具のぶつかり合いになり巻き込まれるのは必至。故に流れ弾を全力で回避しつつ、魔術と令呪による支援をするという奇妙な技を覚えていた。現在魔術に関しては回復系、強化系しか習得していない。エルメロイ二世曰く「馬鹿にハサミはまだ持たせられん。」と禁じられていた。解せぬ。
「っ…あ、出口!」
樹々の先に光が見える。おそらく、森の出口で間違いない。
全速力で駆け上がる。ラストスパートになり、迷いなく木の枝をかいくぐりジャンプする
「よっしゃああ!!ってっうわぁ!」
「きゃあ!」
「ルリア!? ふぎゃ!」
青く澄んだ空みたいな髪の毛が見えて、「人だ!」と慌てて避けた先に赤いナマモノがいた気がしたが、気のせいだろう。
「ビィ!」
「ビィさん!、大丈夫ですか!?」
「っつう、おいこら!お前!おいらの上からどけよな!」
立香は慌てて周りを見渡したが、やっぱり人がいた。空色の髪の少女と、薄茶の少年が慌てた様子でこちらに駆け寄ってきた。二人とも14〜16ぐらいの風体だろうか、漸く第一村人を発見したなと安堵したら、腕の何か蠢いている。
身体を起こし持ち上げると、喧々轟々に怒るちっちゃなドラゴンが涙目で立香を睨みつけていた。
「フニフニだ。」
「遊んでんじゃねえ!おいらはぬいぐるみじゃねえんだぞ!」
「しかも喋る。」
「こらあ!聞いてんのか!」
「あ、あの、その辺で、ビィさんを放してくれませんか?」
立香はフニフニとビィというドラゴンを蒼い少女に渡すと、じいとビィを観察する。喋るドラゴンだなんて御伽噺みたいだな。フォウとは違う愛らしさだ。なんか駄犬ぽい感じが実にいい。フニフニだし。
「ねぇコレ、君のペット?」
「へ?ペットだなんて!ビィさんは大事なお友達ですよ。」
「へー」
「おめぇ絶対分かってないだろ!」
「っプクク、ビィ、怪我はない?」
「グラン!笑うなあ!」
『なかなか、カオスな状態だけど、君達、モンスターが来るけど良いの?』
ダヴィンチちゃんの声にその場の空気をが、がらりと変わる。
「グラン!」
「分かってる!」
グランと呼ばれた少年は迷いなく背中にあった戦斧を引き抜くと、迫ってきたケロベロス擬きを斬りつけ、そのまま6メートルぐらい吹き飛ばす。その次に追ってきたキノコ擬きも、その流れで横一線に胴体を真っ二つに斬り捨てる。無駄がない見事な斬撃に、立香は思わずヒューと口笛を吹いて拍手する。
この少年、細身だが相当な手練れだ。判断力も速いし精神的にも冷静だ。多分、イスカンダルあたり、余に仕えぬか?と勧誘するぐらい強いし、下手なサーヴァントより強いかもしれない。
「 グラン、大丈夫ですか?」
「ありがとうルリア、俺は大丈夫だよ。あ、これ、お兄さんを追ってきたの?」
「いやー、ごめん。そいつに追われてたの忘れた。助けてくれてありがとう。俺は、藤丸立香。君は?」
「俺はグラン。よろしく」
朴訥な感じで朗らかな好青年だ。あの童話作家あたり「これはまた見事な王道主人公属性だな!つまらん!」とか言いそうだ。ゲルマン系の顔立ちに蒼い服に甲冑姿からして中世ヨーロッパに似た世界なのだろうか。
「私はルリアです!で、こちらが、」
「おう!オイラがビィだぜ!トカゲじゃないからな!オイラはドラゴンだから、そこんとこ間違えないでくれよな!」
えへへと笑うその笑顔は、薄汚れた某黒髭海賊とか某青髭野郎とか某日輪の騎士とか某淫乱尼僧とか近づけたくない感じの天使ちゃんである。胸には大きな宝石のネックレスに白いワンピース姿が寒々しい。寒くないのかねチミぃ。
何だろう、一瞬マシュとフォウに会いたくなった。ホームシックかな。とりあえず彼等から情報貰わなくちゃな。と立香はコホンと咳払いする。
「少し、聞きたい事があって。と言うか君強いね、えっとグラン君だっけ?」
「ハイ。」
「君は何者なんだい?」
その問いに少年はキョトンと幼い顔を向けると、ニッと年相応の眩ゆい笑顔を立香に向けた。
「俺は騎空士、イスタルシア騎空団団長 グランです。」
その声はよく通って聞こえた。
そう、これが人理修復を目指す魔術師と星の島へ向かう騎空士との最初の出会いとなる。
グラブル主人公
グラン(男)
ジョブ: ウェポンマスター Level20
たぶんスキンはファイターのまんま仕様。剣と斧が得意
バリバリの前系