お兄さん許して次はきっと今より早く更新するから、きっと!
翔と麗華が仲直してから数日が経った。仕事にも慣れて流石にずっとこの家で働いてる人たちほどとはいかなくとも、翔の執事ぶりはそれなりに様になった、と本人は思っている。
「翔~、のどが渇いたから紅茶淹れて」
「はい、ただいま」
「ついでに箱ティッシュが空になったから新しいの持ってきなさい」
「はい、ただいま!・・・執事というより便利屋じゃねこれ・・・?まぁ、俺を頼ってくれてんだ、お嬢様の為に頑張りますかねぇ」
「何か言ったかしら?」
「いえ!何も!」
「なんでもいいけどなるべく早くね」
「承知しております!」
そう言うと翔は星華を探しに庭に走りながら、以前より麗華の笑顔が増えたことに喜びを感じていた
◇ ◇ ◇
翔が紅茶とスコーン―厨房で先ほど焼きあがったばかりだ―を持って麗華の部屋に戻ると、一足先に星華が戻っていた
「お待たせいたしましたお嬢様。紅茶と厨房から出来立てのスコーン、新しいティッシュです」
「そう、ありがとう。後はこっちでやるわ。下がっていいわよ」
「では。何か御用がございましたらお呼びください」
「・・・行ったわね、時間ならちょうど空いたからあなたの訊きたい事言いたい事聞いてあげるけど」
星華は翔の持ってきた紅茶を淹れながら麗華に尋ねた
「お嬢様、少々翔さんを使いすぎでは?普段であればティッシュなどご自分で取りにいかれるではありませんか」
「わかってるわよ、そんなことくらい」
「翔さんがお嬢様の執事なのはこの連休中だけです。いくら仲直りをされたとはいえ、これではまたケンカになってしまうことだって」
「わかってるわよそれくらい!」
「っ!でしたら」
「でも!アイツが私のわがまま全部聞いてくれるって思ったら!なんだか歯止めがきかないのよ!私だってこのままじゃ今度こそ嫌われるってわかってる!でもアイツが今だけは私のためだけに動いてくれるっておもったら・・・こんなの初めてなのよ、この気持ちをどうしたらいいかわかんないのよ・・・」
星華は何も言わずに麗華を抱きしめて頭を撫で始めた
「ひとつ大人になられましたねお嬢様」
「こんなわがままが大人な訳ないじゃない」
「いいえ、すこしずつ大人に近づいていらっしゃいますよ」
「星華はこの気持ちがなんなのか知ってる?」
「えぇ、よく存じております。形は違えど誰しもが通る道ですよ」
「じゃあ、教えて?」
「ダメです。その答えはお嬢様が自分自身で見つけなければいけないものです」
「なんだか今日の星華は優しいのにいじわるね」
「ふふっ、そうでしょうか?お嬢様の翔さんに対する接し方がうつってしまったかもしれません」
「星華のそんな笑顔初めて見た」
「お嬢様がよく笑うようになったからですよ」
麗華の部屋からしばらくの間楽し気な二人の会話が途絶えることはなかった
◇ ◇ ◇
その日の夜、翔の携帯にりんから電話があった。
「やっほーしょーくん!あれから麗華とは仲直りできた?」
「電話かけてくるなりそれかお前は。まぁ、なんとかなったよ。むしろ前より距離が近くなったというか近すぎるような気もしないこともないけど」
「そっかそっか~、仲直りできたならよかったよ。連休中に家行ったら泊まり込みの仕事してるって聞いて不安だったんだけど問題なかった感じだね。でも仕事してるのに麗華と話す時間あったの?」
「あー、そのことなんだけどな「ちょっと翔、誰と話してんのよ。呼んだらすぐ来なさいよぉ」はぁ!?今日の業務時間終わってんだろうがよ!?あぁ、悪い、落ち着いたら掛け直す!ごめんな!」
「えっ、ちょっと待ってよって、切れちゃった・・・」
翔はりんに悪いと思いつつもお嬢様の元へ急いだ。りんとも話したくとも仕方ないのである。今の翔の仕事は麗華の執事なのだ。
「遅いわよ、わかってる?今のアンタは私の執事、つまり私の手足なわけよ。呼んだらすぐ来てよ、バカ・・・」
「まさか業務時間外に呼ばれるとは思ってませんでしたけどね。えぇ。お待たせいたしましたお嬢様。ご用件は何でございましょう?」
「アンタ自分で業務時間外って言ったじゃないのよ。だから今は敬語なんていらない。ただ寝付けそうにないから話し相手が欲しかっただけよ。」
「じゃあ、お茶入れてくるから待っててくれ。俺の二流三流ので悪いけど」
麗華はできる限り感謝の気持ちを込めた笑顔を浮かべると
「別に構わないわよ。昼間の紅茶美味しかったから。ただなるべく早くね」
初めて見る麗華の表情に戸惑いながら給湯室へ向かう翔は、言いようのない感情にとらわれていた。
「なんか最近調子狂うんだよなぁ、アイツは大して変わったわけじゃないと思うんだけど、うーん、どっか違うんだよなぁ・・・なんでアイツの言うこと全部受け入れられるんだろ・・・」
首をかしげながら紅茶を淹れている時に思い浮かべた麗華の笑顔は今まで見てきたものと違っていて、今までよりずっと魅力的で、その原因はわからなくて、でもわかっていて、でもそれを受け入れてしまえば今の関係性が崩れてしまう気がして、翔はその答えを自分の中で否定し続けた
「そんなはずはない、俺がアイツに、麗華に恋してるとか・・・絶対にないだろ・・・うわ、この後どんな顔して麗華にこの紅茶持ってけばいいんだよ・・・ちくしょう」
あれ・・・おかしいな・・・麗華がメインヒロインみたいだぁ・・・
いや、魔王のみんなメインヒロインなんですけどね
麗華編が一向に終わらない・・・そして難産。
もう少し書けそうだったけどこれ以上書くと締め方がわからなくなりそうだからとりあえずここまで
次回も更新は未定です