Fate/Bankrupt Murder(仮)   作:三角定規の角

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主人公ぶっ壊れ回。
完全にサイコな考えで行動しちゃいます。それと、ビビった理由は急に刀持ったからです。
誰でも刀持ったやつと喧嘩したくないよね?


Debris and Bankrupt

彼が久しい感覚と共に目を醒ますと、目の前に彼を蹴り飛ばしている奴等が居た。彼の体はくの字に曲がり腹を抱えている。彼がおかしいと感じて思考を巡らそうとした瞬間、恐らく先程彼を蹴り飛ばしたであろう人間が彼に唾を吐き話し始めた。

 

「あー、わかるかなぁ(ロン)?お前みたいな孤児は俺らの派閥じゃ邪魔者なんだわ。その上(カク)と仲良くしちゃってまぁ…俺らが教えないとわからないの?お前と鶴じゃあ釣り合わねぇの。理解したか?」

 

(クウ)さんの手を煩わせる前にさっさと死ね!」

 

怒鳴られているこの状況が彼には理解できなかった。自分は住宅地にいて、腹を刺され死んだはず。なのに今いるのは森の開けた場所。そのうえ目の前の男どもはナイフを持っていたり時代錯誤の服を着ていたり…。

 

()は思考停止状態だった。それは罵倒されたからではなく聞き覚えのない名で呼ばれ、更に知らない名前がどんどん出てくるからである。それに加えて目の前の奴等が言ってる事が理解できないという事も理由の一つである。

 

(…何言ってんだこいつら)

 

コレが、彼がこの世界で生き始めた時の初めての感想である。

 

 

 

 

 

理解不能で彼がボーッとしていると、目の前の空と呼ばれた男の取り巻きの一人が蹴りを放ってきた。彼はそのまま、無意識に今までの経験上最も肉体的被害の少ない箇所で受ける。

 

それでも衝撃までは完全にいなせる訳はなく、大勢を崩してそのまま倒れ込む。まるで自らの体では無いような感覚に彼は戸惑っていたが、ふと目を横に向けるとそこには一振りの打刀。

 

打刀を見た瞬間、頭の中で誰かの記憶がフラッシュバックした。自分が剣を振っている感覚というか、振った経験があるかのような錯覚に陥った。だが肝心のここまでの経緯や自分がどういう状況なのかはわからないままだ。

 

(この刀で…コイツ達を脅せばいいんじゃないか?)

 

 

 

側に落ちていた打刀を拾いあげる。

 

 

 

持ってみて先程の感覚は確信に変わる。やけに柄の部分がしっくりくる、まるで()()()()()()()()ように。本物にしか無いであろうこの重厚感や重みは、コレが斬るだけで人が死んでしまう武器である事を主張していた。

 

その瞬間、何故かは彼もわからないが…今まで受けてきた圧倒的な暴力が酷く弱々しいものに感じた。そして同時に、こいつ等が攻撃を仕掛けてくる悪ならば自分が反撃しても構わないではないか、いっそ殺してしまってもいいではないか…と

 

ある種マトモな人間が考えてはいけない事であった。人は皆ある程度のストレスを受けながら生活している。ストレスは言い換えれば[精神的な暴力]を受けていることと同義。言ってしまえば人は皆暴力を受けて生きている。

 

だが、彼の脳が弾き出した結論は…暴力を振るう人間()が居るならば、ソイツを消してしまえば自分は安全であるという結論。究極的に自らの保身のみを追求した思考であった。

 

そんな考えが浮かんだ瞬間、全身に憎悪が広がった。憎い、憎いという気持ちのみが前に出てくる。しかしそれは、感情を表さない彼の顔には無表情という形でしか現れなかった。

 

「なぁに睨んでんだゴラァ!そんなに殴られてぇのk!?」

 

罵声が突然切れ、目の前の男が吹き飛ぶ。彼が下からアッパーの様に顎を殴り抜けたのだ。先程まで彼を罵っていた男は、口から涎を垂らしながらだらしなく床に伸びていた。

 

「な…テメェ!テメェらやっちm…」

 

仲間が殴られた事に怒り、周りを率いて彼と戦おうとした取り巻きを空が殴りつける。殴られた取り巻きたちは何故?といった表情で空に問いかける。

 

「なっ…何するんですか空さん!?」

 

取り巻きからの問いかけに、彼は何かに気付いたように話しだした。空はここらの不良の大将。人を見る目は長けていた、その彼だからこそ気付いたのだ。目の前の男がいつもの彼とは違うという事に…。

 

「あらぁ?わかんねぇ?コイツ今一番被害の少ない場所で蹴りを止めやがったの、分かる?今まで散々俺らに鳩尾やら頭やら顔やらを殴られてきたコイツがだ」

 

「そ、それがどうしたんですか…?」

 

取り巻きの質問を聞くと、空は額から軽く汗を流しながら一歩下がってこう呟いた。それは、彼の取り巻き達にとっては信じられない言葉だった。

 

「…アレは“ヤバい”ものだぜ、オイ。今までの貧弱クソ雑魚龍クンとは訳が違う。俺の勘が[逃げろ]って警告してやがる、アイツは…人間として俺達とは違うモノだ…だからよ」

 

「俺等の邪魔になる前に…ココで殺すわ」

 

スッ…と空が袖からナイフを取り出す。それに連動するかのように空の体から力が抜け、ゆらゆらと揺れ始めた。傍から見ても、確実に殺すつもりで来ていることは明らかである。

 

「…っし!」

 

空が走りながらナイフを彼の腹めがけて突貫してくる。それを見た彼は左の手の平をナイフに対し垂直に構え、ナイフを手の平にわざと刺させる。それを見た空は顔を引き攣らせながら後に跳び、距離を作る。

 

周りの取り巻きたちはナイフが手に刺さっているにも関わらず、悲鳴どころか表情すら変えずに空を見つめている彼を見て、ジリジリと後ろに下がりだした。そして、一人が逃げ出した瞬間、我先にと逃げ出してしまった。

 

そんな中、彼だけは冷静に傷の具合と記憶や知識の整理をしていた。

 

(痛覚はほぼ無し、意識を失う前に比べ筋肉は減少。体格は…変わらずか。それに)

 

先程の回避行動は彼だけの力ではない。正確には前世の彼だけの(技術)ではない。彼だけならば、素手攻撃への受け身や回避はできたとしても、咄嗟に刃物を素手で受け止めるなどできなかった。だが…

 

(現にできてしまった、か…謎が深まるが今は目の前に集中した方が良さそうだな)

 

彼は後ろに下がった空を見やると左手に突き刺さっている短刀を抜き、静かに構えた。互いの命をかけた戦い(殺し合い)の開始である。




主人公よりも空くんの方がマトモですね…仲間居るし、思いやりあるし。
それに比べて主人公は…もうこれ救えないでしょ(諦め)


ここから真面目な話。

この作品で分からない部分や設定があればどんどん感想で聞いてください。文字数やテンポの関係で書けなかった裏設定や作者の意図程度ならば説明できると思います。

感想、評価、お待ちしとります。
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