Fate/Bankrupt Murder(仮)   作:三角定規の角

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空くん…君の事は忘れないよ、そして主人公。
ダメだこいつ…早くなんとかしないと(諦め)


Awakening of the murderer

響く金属音、血に染まる服。両者共そんな事などお構い無しに斬りつけ合う。空は短刀、龍は打刀を用いて敵を殺さんと斬りつける。その光景は、見学者がいれば確実に“獣同士の殺し合い”と形容するであろう光景だった。

 

空の方は攻めてはいるものの、あと一歩という所で決め手に欠く状態である。龍の方は打刀のリーチを活かしてカウンター攻撃を繰り出し続け、隙を見て攻撃という堅実な方法で戦っていた。

 

しかし、龍には引っかかっている事が一つ。それもかなり重要な事である。それは“なぜ自分が剣を使えているのか”と言うことだ。勿論彼は、今の今まで刀など触った事もない。

 

(それなのにこうして刀を振り、死合ができている…)

 

これが彼の中の大きな謎であった。他にも知らない場所にいる事や知らない名で呼ばれたりなど…気になる事があったが。

 

 

 

 

 

 

 

息も絶え絶えとなっている二人。空の肩には龍の攻撃で斬られた傷がパックリとできており、右足には少し深い斬り傷。左手は斬り落とされかけている。対して龍も、胸に大きく斜めの傷を入れられております、左手の平には先程短刀を受け止めた時の穴が空きそこから血が垂れ続けていた。

 

「…っは、いい加減に…っ倒れろよ!」

 

流石に疲れが見え始め、両者共に太刀筋が乱雑になり始める。それでも、相手を殺すという闘志だけは死合前と同質を保っていた。それでも、空は短刀なので徐々に押され始めている。それでもなお空が戦えているのは、純粋に彼の技量が高いからである。

 

「おりゃあ!」

 

短刀を構え、突撃体勢に入る空。それを見て迎撃しようと刀を構えた龍だったが、踏ん張ろうとした足が血に滑り踏ん張れずに倒れ込む。それをチャンスと思ったのか、空は更に力を込めて首に向かって短刀を突き刺しに来る。

 

しかし、ふとした瞬間に均衡というものは崩れ去るものである…空が短刀を構え、ナイフを突き刺さんと走り出したときに、傷のせいか丁度バランスを崩したのだ。無論、その隙をわざわざ逃すほど彼はお人好しではない。

 

 

「しまっ!?」

 

体勢を整え一気に攻めに転じ、短刀を持った右手を打刀を振り下ろして切り落とす。立て続けに斬り上げて腹を裂き、致命傷を与える事に成功した。最後に上に斬り上げた刀を右から左へ斬り払いながら下り、距離をおいて居合の様な型を取る。

 

 

「…がぁ、いでぇ…ぐそ、が…」

 

一閃。間髪入れずに放たれた斬撃は、容赦なく空の首に吸い込まれるように綺麗に入った。ボトリと空の頭が落ちる音がすると、彼はドサリとへたり込んだ。これが、彼が初めて殺人を犯した瞬間である。

 

 

 

 

 

 

何なんだよ、訳が分からない…。刀は使えるわ知らない名前で呼ばれるわ、挙句の果てには知らない奴の記憶まであるじゃないか。相手…空とか言うやつは急に短刀取り出して斬りかかってくるわ…何なんだ全く。

 

しかも、よく分からないうちに勝手に刀を振れていた…コレも原因不明だ。ここまで来ると清々しいレベルだよ。でも一番の問題はコレ、自分の中にある()()()だな…。今までの人生でこれ程まで清々しい時間を過ごしたのは久しぶりだ。

 

それこそ…あの忌々しい継母が来る前、いや…母がいた頃でさえこれ程までの清涼感は無かった…。自分で脳内麻薬が分泌されているのがわかるかのようだ、心拍数も上がっている。これが、これが楽しみ。と言うやつなのだろうか?

 

 

 

 

彼は、自分でもわかる程の興奮に戸惑いつつも、その感覚を心地良く向かい入れていた。自分の気に入らないモノを殺す満足感、破壊衝動の侭に力を振るう快感。自らを愚者だと思い、今まで封じ込めていた自己顕示欲。

 

それら全ては、決壊寸前のダムの様にギリギリの所で抑え込まれていた。だが、理解不能な状況で死地に追いやられ、更に“人殺し”という人類最大のタブーを犯したことにより…彼の中の、壊れていたモノが、完全に―――無くなった。

 

 

表情の無い能面の様な顔に、悦びの表情が浮かび上がる。そのケダモノは、まるで産声をあげるかのように嗤っていた。見る者全てが嫌悪感を抱くであろうその嗤い声は、深い森の中へ響き渡る。

 

 

 

 

フフ…フハハ、楽しい、楽しいぞ!こんな気分は生まれて初めてだ…!これが快楽と言うやつか、今まで知らなかったとは何と無駄で悲しい人生を過ごしていたのか!あんな奴らにお伺いを立てる必要なんて何処にも無いじゃないか!

 

今なら解る、頭でなく心で!俺はオレであり俺じゃない。この体は間違いなく()()の体だが、心は俺なんだ!オレと俺は違う。言うなれば『限りなく本人に近いそっくりさん』!

 

剣を振れたのは、この身体に染み込んだ記憶と経験。奴に対して物怖じせず戦えたのは、この崩壊しかかっていた判断力や生存本能!俺は…いや俺達は無敵のコンビだ!これ程までにバランスのいいコンビはそうは居るまい…。

 

俺の才能を認めなかった奴等に、俺達の力を思い知らせてやる…俺を馬鹿にしてきた奴らを、俺達の力で!今は殆どの記憶が無い状態だが…いずれ!少し、また少しと記憶も戻るだろう…。俺の勘がそう告げている!

 

俺には才能が無かった訳じゃない!そりゃあ見つけられない訳だ…現代の日本で“殺しの才覚”なんて見つけられるはずが無い!だが、この世界ならば存分に活かせるはずだ…何せ、刀が落ちているような世界なのだから…。

 

 




戦闘描写が上手く書けないなぁ…何かいい案あれば教えて下さい。
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