Fate/Bankrupt Murder(仮) 作:三角定規の角
さて、どうしたもんか。俺は少ない脳みそをフル回転させながらこいつらの料理方法を考えていた。
(流石に3vs1は分が悪い。できれば一体ずつ位が丁度いいんだが…ま、なんとかなるだろう)
俺は考える事を一度放棄し、敵に狙いを付ける。そう、俺が考えた所で無駄なのだ。《下手の考え休むに似たり》と諺にあるくらいなんだから、考えるよりも動こう。…俺のこの二度目の生になんの意味があるのか、どの敵をどういう順番で殺すのか、この先はどうするのか…考え始めると全てが無意味で無価値な、それでいて『生きるなんてどうでもいい』なんて格好つけて言っていても何処かこの二度目の生に安心している自分が見えてきて…更に自分が嫌になる。
(結局、俺も。死ぬのは嫌なんだな)
そこまで考えたあと、考えを打ち消すように頭を振る。今は前世の俺じゃない、いじめてきた奴等も、親も『良い大学を出て一流企業に就職』とかいう日本人の理想見たいな、レールのような物が無い。
「…」
改めて敵の配置を見る。近距離に一人と遠距離に二人、うち遠くに居る奴一人が腕を斬られて重症。しかも有り難いことに遠距離の二人はすぐに戦闘に参加はできなさそうなので近距離の奴に集中できそうだ。
目の前の奴…女か、男なら搦手で殺すつもりだったが女なら勝てるか。後ろの二人は…まだもたついている、コレなら勝てるか?
「…ブッ殺す」
おそらく、俺は暗殺者的な職の人間なんだろう。身のこなしや剣術等を考えれば嫌でもわかる。最初は武士かとも思ったが…武士なら首をへし折るような徒手格闘は覚えていないだろう。
「…ほざけ、我等が村の恥さらしが」
村…?村があるのか!?そうか、それはいい!コレで逃走時の路銀は確保の目処がたった。村ならば食料や水、金目のものがあるはずだ。それを頂かねば…。
「…何を笑っている?この私を前にして笑っていられるとは、随分と舐められた物だ。さて、そろそろ貴様のような出来損ないを相手にしている暇は無いのでな。殺させてもらうぞ!」
殺す?お前が、俺を殺しに?…コロしに…フフ。自分でも口元が緩んでいるのがわかる、どうも殺し合いとなると少し…その、『ハイ』になるというか、興奮状態になるみたいだ。アドレナリンだとかのせいなのか?
「フ、フフハハハ!そうか、俺を殺しにか!だがその覚悟はしてきたのか?殺しに来たと言うことは、逆に殺されても文句は言えないぞ…?フッフお前の腕では俺の血を流す事はできても、俺の命を取ることはできん!ハッハハハハァ!」
「…寝言は寝て言え。最も、今から永遠に眠るのだから言えんだろうがなっ!」
女が後ろの二人に目配せをした。俺もそちらをチラリとみやると、奥の二人が来た道を戻り逃げ出そうとしていた。咄嗟にそちらに向かおうとすると…目の前の女からの殺気が一気に増幅した。煽りのおかげなのか、少々目が血走っている。さっと奥の二人に目をやると、腕を斬られた奴を背負って逃げた後だった。
「フン…本来ならば三人でジワジワと嬲ってやるつもりだったが、気が変わった。お前だけは私が殺してやる!」
女は刀を抜刀し、コチラに切っ先を向けている。距離は十分。勝てる!
「白鷺!いざ参るっ!」
「かかって来るがいいさ、相手をしてやる」