Medaro IS メダルと共に   作:アマゾンズ

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一夏とバトル。

女尊男卑信仰者達が神帝のSin(罪)を目覚めさせてしまう。


※今回はOne Arms Weapon(対ゴッドエンペラー戦BGM)の推奨箇所があります。


第十三話 大罪!憤怒(ラース)ゴッドエンペラー

VTシステム事件から一夜が明け、将矢は医務室で目を覚ました。隣にはラウラが眠っており無事だということに安堵したがもう一つ気になったことがあった。

 

「ロクショウ!大丈夫?ロクショウ!!」

 

『ロクショウは今、眠ってる。メダフォースの影響だな』

 

メタビーが代わりにロクショウの状態を伝えてくれた。メダフォースを発動した影響で眠り続けているとのことだ。

 

『お前も消耗が激しいみたいだから休んでおけよ。しばらく格闘型は使えないからな』

 

「ああ・・・わかった・・よ」

 

メタビーに促され、将矢は再び眠りについた。それと同時にラウラは目を覚まし、天井が視界に入った後、寝息が聞こえる方に視線を向けると規則正しく上下に呼吸している将矢の姿があった。

 

「あれは・・・一体」

 

ラウラは天井に視線を戻すと取り込まれる前に聞こえた謎の声を思い返していた。機械音声でもなく、人間でもない低く曇ったような声。

 

聞いたことのない声にラウラは思い出した瞬間に震えたが、それと同時に眩しい光を見た事も思い返していた。

 

眩しく力強いのに敵意はなく、取り込まれていた自分を助けてくれた光。僅かに見えたのはヘッドシザースらしき影だけ。

 

望んだものが手に入ると思った瞬間、自分という存在が消えていく感覚に怖くなった。教官である千冬だけではなく、赤い悪魔と呼んでいた機体に食われそうになった。

 

「私は、私でしかないのか・・・相応しいなどではない、力を求めればより強い力に飲まれてしまう・・・ただ、それだけだったのか」

 

ラウラは自分で時分の行ってきた事を思い返し、反省した。千冬に相応しいか相応しくないかではなく、ただ自分を見て欲しいというだけであった。

 

「教官にはなれないが・・・私が私となることは出来るはずだ。今一度、お前と戦ってみたいぞ、土谷将矢。今度は単純な戦いでな」

 

眠り続けている将矢に視線を向けた後、自分も身体を休ませようと眠りについていった。

 

 

 

 

所変わって、IS学園の会議室では何度もスラフティンが脱皮の際、発動したスラフシステム、そして同時に光の中で発動したメダフォースに関して議論が交わされていた。

 

「あの男から機体を接収して研究するべきです!」

 

「異議有り、あの機体は専用機として登録されており、彼以外には動かせません」

 

「それなら、研究所なりで解除させるべきです!あれは危険すぎます!」

 

「それは彼に実験体になれという事ですか?そんな非人道的な事を認める訳にはいきません」

 

「ISにはない自動修復装置、そしてあの謎の輝き、極めて危険とは思わないのですか!?」

 

女尊男卑に近い教員がヒステリックを起こしながら自分の意見を述べているが、その思想が薄い教員は異議を申し立てており、一向に話がまとまらないでいる。

 

特に危険視されているのがメダフォースだ。一撃でVTシステムと化していたレーゲンを破壊してしまった事が問題であった。

 

「あれら二つの現象は織斑一夏氏の零落白夜と同じ、単一仕様能力である可能性があります」

 

「そ、それは・・・」

 

「もし、そうである場合・・・不条理な方法での取り上げは認められません」

 

一人の教員の言葉に全員が押し黙ってしまう。メダフォースとスラフシステムが単一仕様能力であったのならIS特有の能力という事になるため、従来の専用機と変わらないことになる。

 

「ISにはまだまだ謎が多い。一つの意見で決めてしまうには早すぎると思います。よって操縦者である土谷将矢氏に一存する事が一番だと思います」

 

ヒステリックを起こしていた教師は悔しそうに歯を噛み締め、意見を取りやめた。

 

千冬も危険性を考慮していたが、ビーストマスターやゴッドエンペラーに比べればメダフォースやスラフシステムはまだ許容できると考えた。

 

「教師は何とかなったが・・・心配だな」

 

千冬の予感は悪い方向へと考えていた。教師は今この場にいる全員が学園長の一言で承諾したため、スラフティンを取り上げようとすれば罰が下ることになる。

 

だが、問題は生徒の方である。メダフォースとスラフシステム、この二つの機能を目の当たりにした為に、スラフティンを強奪しようとする輩が出てくるだろう。

 

流石に生徒までは手が回らないのが現状である。危険視しながらも千冬は己の無力さに歯痒さを感じつつ。、会議に集中した。

 

 

 

 

 

その日の放課後、身体を動かそうとアリーナへ向かう途中、一夏に声をかけられた。

 

「将矢!俺と勝負しろ!」

 

「?いきなりなんだい?訳も分からず勝負だなんて」

 

「いいから来いよ!」

 

どうやらアリーナへ向かうらしく、断るとしつこそうなので着いて行く。アリーナの使用許可を貰うと一夏はISスーツに着替え、アリーナへ立つと白式を展開した。その向かい側には首を横へ傾げた将矢がいる。

 

「偽物だったとはいえ、お前は千冬姉を不思議な力で倒しちまった・・・あれは俺が倒すべきだったはずなのに!」

 

「何を言ってるのさ?あれは結果論だよ。教員部隊も間に合わず、ブロッソメイルの姿になったあれを倒せたのは俺の力じゃない」

 

「違う!あれは千冬姉の複製なんだ!だから、お前を倒す!千冬姉の名誉ためにな!」

 

「訳が分からない・・・なんで俺を倒す事が織斑先生の為になるの?」

 

「いいから早くスラフティンを展開しろ!お前に勝って千冬姉がお前に負けてない事を俺が証明してやる!」

 

どうやら一夏はVTシステムによって複製されたとはいえど、千冬に勝利した事が許せないようだ。だが、将矢にとってあの出来事は千冬の技術とブロッソメイル、二つの相手をしていたに等しい。

 

「こちらの言葉を聞く気はないって事かよ・・・。スラフティン、起動!モード・カブト!アークビートル、アクティブ!!」

頭部・プロミネンス 右腕・イグニッション 左腕・エクスプロード 脚部・ファイヤーワーク

 

それはカブトムシの王者とも言われるヘラクレスオオカブトをモチーフにした機体であった。両腕はライフルとガトリング、脚部は機動力を重視した二脚型。極めつけはヘラクレスオオカブトの角を模した頭部だろう。

 

「な、なんだよ・・それ!クワガタムシの姿じゃない!?」

 

「これはヘラクレスオオカブト、カブトムシの王者とも言われてる姿をモチーフにしてあるんだ」

 

「そんなのは関係ない、行くぞぉ!」

 

『合意と見てよろしいですね!?それでは、ロボトルゥゥゥ!ファイトォォ!!』

 

合図が鳴り、一夏は白式のスラスターを全開にして瞬間加速を使い、将矢へと接近してくる。零落白夜をすぐには使わずに斬撃でダメージを与えつつ、止めで使う方法へとシフトしている。

 

おそらくは千冬のアドバイスと特訓メニューをこなした事で、効率のいい戦闘方法を身につけたのだろう。

 

これにはメタビーとデビルメダルのレイン、この場には居ないがロクショウも素直に称賛しただろう。

 

だが、メタビーも容赦はせずに将矢にアドバイスを送る。あれからメタビーはアークビートルのパーツに身体を慣れさせるために、仮想ボディでずっと着けたまま生活していた。

 

仮想ボディであるとはいえ、メダルの技量が追いついていないメタビーにとって、それは人間で例えるなら数十キロの重りを着けながらの生活と同義であった。

 

その結果は今の戦いで生かされている。重かったはずのアークビートルのパーツはすっかり馴染み、むしろ本来のメタルビートルのパーツが軽すぎると思えるようになってしまった事から成長を伺えるだろう。

 

「うおおおおお!」

 

「くっ!」

 

回避をしようにも将矢とメタビーではパーツを扱ってきた練度が違いすぎていた。そこで軽い斬撃は受け止め、零落白夜を発動しようとするタイミングを教えて回避するようメタビーは戦闘アドバイスしている。

 

装甲が厚いとはいえ、ダメージは少しずつとはいえ蓄積されていく。

 

『将矢、お返しにイグニッションとエクスプロードを同時に撃ちこめ!』

 

「おう!」

 

ライフルとマシンガンによる弾丸の雨、を一夏へ向けて放つ。ライフルを避ければマシンガンが、マシンガンを避ければライフルが狙ってくる。弾丸一発を受けるだけでよろけてしまい、思うように間合いが取れない。

 

「く、射撃型は接近戦に持ち込めれば勝てるはずなのに!!」

 

「そう簡単に持ち込ませないのは当たり前のことだろ?」

 

一夏は斬撃を繰り出す際のパターンが一定化していることにメタビーが気づき、アドバイスした。

 

『将矢、織斑のパターンは真っ直ぐに振り下ろしてからの横薙ぎ、そこから右斜めに振り下ろしてくる』

 

「!」

 

「っ!?よけられちまう!」

 

意表を突こうと刺突を繰り出すが、それを避けられ切っ先が壁に入り込んでしまった。そのチャンスを将矢が逃す訳がない。

 

『今だ!プロミネンスを使え!』

 

「わかった!いけえええ!!」

 

ヘラクレスオオカブトの角を模した発射口にプラズマが走り、チャージを一瞬で終わらせると強大なビームを白式へ向かって放った。

 

「うわあああ!」

 

プロミネンスの直撃を受けた白式は派手な損傷は無いものの、シールドエネルギーがゼロとなって試合終了となった。

 

「ま、まだだ!もう一度戦え!!」

 

一夏はエネルギーを充電する度に何度も将矢へと挑んでいった。しかし、戦えば戦うほどにメタビーが一夏の攻撃パターンを学習していき、将矢自身も太刀筋に慣れてきてしまったのか、大振りな方法で回避するほどまでになっていた。マシンガンとライフルのみを使い、プロミネンスを使う時もあったが、次第に使わなくなっていった。

 

それが三時間続き、他の生徒達が訓練に来た事で一夏は戦いを止めた。

 

「はぁ・・はぁ・・・俺は必ずお前に勝つからな!」

 

それだけを伝えられ、一夏はアリーナを出て行った。将矢もずっと戦いっぱなしの影響か疲労の色が濃い。

 

「ま、全く・・・ここまでやるかな」

 

 

将矢も一夏が出て行った後に続くかのようにピットへと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏との戦いの後、機体を待機状態に戻し休憩を取りつつ、飲み物を飲んでいると将矢の前に六人の女生徒が目の前に現れた。

 

「?俺に何か用?」

 

「アンタの機体を私達に渡しなさい!」

 

「はぁ?いきなり何を言ってるんだい?」

 

「アナタの機体はアナタが持つべきではないのよ!私達が使ってあげるから、よこせって言ってるのよ!」

 

リーダーらしき女性とそれに便乗して強気な態度を取っている女性が将矢に詰め寄ってくる。

 

「何か勘違いしているようだけど、スラフティンは俺の専用機なんだ。君達が扱える訳がないじゃないか」

 

「いいからよこしなさい!男のくせに!!」

 

「そうよ!!」

 

「早く渡せば身の為よ!!」

 

「あんな過剰な力を持っているISは私達のような強い女に相応しいのよ!」

 

そういって将矢を押さえつけると強引に待機状態になっているスラフティンを奪い取り、今度は手にモップなどを持って将矢を殴り始めた。

 

「ぐっ!いつう!な、何を!?」

 

「私達に逆らった罰よ!!身の程を知りなさい!!」

 

頭だけは守るように腕を犠牲にして、将矢は身を守っていたが限界が来てしまい。ボロボロにされてしまった。

 

「ふふ、手に入れたわ。この機体は私達の象徴に・・・・!」

 

「や・・・め・・ろ、スラ・・・フティ・・・ンが・・・怒り・・だす!返して・・・くれ・・・」

 

ボロボロにされながらも手の中でスラフティンを弄ぶ女生徒に注意するが、それを鬱陶しそうにして将矢の腹に蹴りを入れた。

 

「ゲボッ!?」

 

「黙ってなさいよ!さぁ・・・私が新しい操縦者よ。私と共に戦いなさい。スラフティン」

 

蹴られた衝撃で将矢は意識が朦朧となり、気絶しかけている状態で手を伸ばしていた。だが、女生徒達はそんな事をお構いなしにスラフティンを弄りまわし、展開しようとしていた。

 

 

展開しようとしたその瞬間、スラフティンは拒絶の意志を見せるかのように女生徒に弱いスタンガンのような電気を流し、将矢の下へと投げ出された。

 

「ど、どういう事よ!今、電気が流れたわよ!?」

 

「もういいわ、こんな奴の専用機なんか壊してしまえばいいのよ!!!」

 

しかし、その言葉が最悪の事態を招いてしまった。メダル達の意志は全員が憤怒に飲み込まれ、近くにいるボロボロの将矢にスラフティンが強制装着されてしまった。

 

「え?」

 

「な、なによ!?機体が勝手に!」

 

スラフティンが僅かに輝くと脈動音が大きな音で響き始める。その音を聞いた六人の女生徒達は借りていた打鉄やラファールを展開し、警戒する。

 

そこで待っていたのは無人機襲来事件を遥かに凌駕する悪夢の始まりであった。

 

『スラフティン、オートモードオン。メダルのリミッターを一時的に解除状態にします』

 

「グルオオオオオオォォォ!!!!!!!!!!!!」

 

内部から孵化するように現れたのは無人機を一瞬で葬り去ったあの機体であった。

 

頭部・デスブレイク 右腕・デスミサイル 左腕・デスレーザー 脚部・デスクローラー。

 

あの時のように盾を装備しておらず、完全体の姿である。更には憤怒に支配されており敵と味方の区別が付いているのかさえも分からない。

 

「ふん、叫び声をあげたところで所詮ハッタリよ!」

 

「男が私たちに勝てる訳ないじゃない」

 

メンバーのうち二人が自信満々にゴッドエンペラーへ軽口を叩いているが、ゴッドエンペラーは何も言わない。

 

「行くわよ!」

 

「先行はもらうわ」

 

「あの機体を奪うためにね!」

 

リーダーが声をかけた瞬間、軽口を叩いていた二人が先行する。ラファールであるためにマシンガンとアサルトライフルを連射した。

 

 

 

[推奨BGM Judgment of God 対ゴッドエンペラー戦]

 

 

 

 

『ユ・ル・サ・ン!!』

 

ゴッドエンペラーの意志となっているカブトメダルが強く輝き、デスミサイル、デスレーザー、デスブレイクの照準を先行している二機のラファールに合わせている。

 

「「え?」」

 

【メダフォース!いっせいしゃげき、はつどう!】

 

一斉に発射されたブレイク、レーザー、ミサイルは先行者二人の機体を一瞬で葬り去ってしまった。絶対防御を貫通し、壁を破壊。二人の生徒は痛みと血に悲鳴を上げている。

 

「な、なによ・・・!なんなのよこれえ!!」

 

「いや、来ないでいやああ!」

 

逃走を図ろうとした打鉄を纏った女はデスミサイルにロックオンされ、上空で撃墜されてしまう。

 

『キサマラハ、カンゼンニハカイスル・・・!マスターヲ、イタメツケタコト、コウカイスルガイイ!!!!』

 

「ISが・・・!!」

 

「喋った!?」

 

「そんな事が・・・!?」

 

憤怒の化身と化したゴッドエンペラーは暴走し、女尊男卑の思想を持つ女生徒へ向かって破壊という名の報復を開始してしまったのであった。




ゴッドエンペラー再登場!しかも、リミッター解除状態ですのでメダフォースは満タンです。

メタビーやロクショウはアニメモチーフ、ゴッドエンペラーやビーストマスターはゲームモチーフのメダフォースとしています。

マスターを助けるため強引なリミッター解除を行ってしまい、暴走してしまったゴッドエンペラー。

そこへ助けに来たのは意外な人物であった。

では、次回
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