Medaro IS メダルと共に   作:アマゾンズ

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セシリア死す!?

将矢が始めて人間に対し慟哭する。


四十話 黒き呪い

ISの実施訓練の授業風景、模擬戦による戦闘で将矢と一夏が刃の競り合いをしていた。

 

無論、お互いに専用機ではあるが、零落白夜やレーザーなどは使用していない。

 

一夏は実体剣モードの雪片、将矢はレッドマタドールの右腕パーツ、サーベルで戦っているのだ。

 

「ぐうううう!!」

 

「う、おおおお!」

 

「そこまで!!」

 

千冬の合図と共に二人は離れ、それぞれ分けられた組みへの場所へと戻っていく。労いの言葉をかけている最中、アリーナの壁を壊し現れたものがいた。

 

「誰だ!」

 

『ここがIS学園か、確かに強者の集まる場所だと言える』

 

それは傍目に見れば無人機のISだと解る姿をしていた。だが、一つだけ違う点を挙げるとすれば自意識を持ち、会話が出来ているという点だろう。

 

「な・・なんだアレは・・・?」

 

「サル・・・ベーション!?あの機体はあまりに危険すぎて封印されていたって・・・古い文献に書いてあったのを読んだ記憶がある」

 

『ほう?この身体の正式名称を知っている人間がいたとはな。確かに、この身体はサルベーション、だが・・・私の名はアサドアラークだ』

 

会話を普通にこなしているアサドアラークに対し、その場にいる全員が驚くが、千冬が口を開いて会話をし始めた。

 

「アサドアラークとか言ったな・・・?お前の目的はなんだ?」

 

『強者との戦いだ。織斑千冬、お前に戦いを申し込もう』

 

「ふざけんな!千冬姉が戦うのなら俺が戦う!痛え!?」

 

「織斑先生だ、公私は別けろ馬鹿者。ならば少し待っていてくれ、準備してくる」

 

千冬は一夏に喝を入れた後、打鉄を纏ってアリーナへと戻ってきた。見た目は変わっていないが、出来る限りのチューンを施し、千冬の動きに反応出来るようプログラムも限界までタイトにした物が組み込まれている。

 

所謂、千冬の為の特別仕様の機体なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな」

 

『構わん、行くぞ!』

 

アサドアラークは先制攻撃と言わんばかりにゴーストショットを放つ。それを千冬は軽々と回避するが、違和感を拭えなかった。

 

「やはり、僅かながらに反応が鈍いな。そこは腕で補うしかないか」

 

『そうだ、これだ。これを望んでいた・・・!これこそが喜びという感情が表れる』

 

「戦いを楽しむか・・・私も人の事は言えんな」

 

アサドアラークの放ってくるゴーストショットに対し、単純だと千冬の思考は一瞬油断してしまった。その油断をアサドアラークは見逃さなかった。

 

『油断したな』

 

「何!?うわああ!」

 

わざとパターン化しているように見せかけ、アサドアラークは千冬の油断を引き出しゴーストショットを直撃させたのだ。

 

黒いメダルの影響を受けているアサドアラークはメダフォースチャージが常時、全快される。更にはゴーストショットはそのチャージの影響を威力へ加算することが可能なのだ。

 

「千冬姉!」

 

「ぐ・・・!両腕が・・・やられただと?」

 

『楽しめたとは言えるほどではないが、中々だった』

 

アサドアラークは黒いオーラを集中し、球体を作り上げるとそれと千冬めがけて発射した。それを受けた千冬はその場でISが解除され、意識を失い倒れてしまった。

 

「千冬姉ーーーー!!」

 

一夏が駆け寄るが千冬からは、黒いオーラを見せるかのように、モヤがかったものが全身を包んでいる。

 

「千冬姉!起きてくれよ!千冬姉!!てめぇ・・・千冬姉に何をしやがった!?」

 

一夏は吠えるが、人間ではないアサドアラークは淡々と答えた。まるで興味のないモノへ言葉をかけるかのように。

 

『私からの招待状だな。そう受け取ってくれていい』

 

「ふざけんなあああーーーー!!」

 

『弱者が吠えるか』

 

怒りに支配された一夏は零落白夜を起動し、アサドアラークへ斬りかかったが、浮遊の脚部を使っている事を感じさせない程の滑らかな動きで回避し、キャンセラー付きの格闘である頭突きを背中に打ち込んだ。

 

「ぐああああ!?」

 

機械であるために、的確な攻撃を仕掛け、更にはキャンセラープログラムの影響で、絶対防御の衝撃を和らげるという防護プログラムを弱められ、アリーナの壁に叩きつけられた一夏はその衝撃で気を失ってしまった。

 

『次は誰が相手をしてくれるのだ?』

 

「俺が行く・・・!」

 

『ほう?なるほどな・・・お前は私と同じという訳か』

 

「スラフティン、起動!モード、クワガタ!ティタンビートル!アクティブ!!」

 

頭部 ディルムン 右腕 アアル 左腕 ペレト 脚部 ザナドゥ

 

だが、この時・・・将矢は最大のミスを犯していた。相手がメダルの中でも、最も危険な混沌の名を持つものであった事と自分のパーツを格闘タイプを選んでしまった事であった。

 

「行くぞ!」

 

『私のメダルが反応している・・・お前が所持者か!更には重装甲を利用した力技を使う気だな』

 

ティタンビートルは、純粋な格闘装備で構成されたKWGシリーズの中でも、重装甲に重きを置かれたパーツであり、攻撃力に関してはずば抜けているが、その分、機動力が犠牲になっている。

 

それをアサドアラークに見抜かれてしまい、将矢は焦り出してしまった。彼自身も成長してきているとはいえど、己の心の内を暴かれる事に慣れていないのだ。

 

ソード攻撃を軽々し避けられ、最大の特徴であるクワガタの大顎を模した頭部パーツを使った格闘攻撃すらも避けられてしまった。

 

『敬意をはらって、お前に見せよう。ぬおおおおお!』

 

アサドアラークから見覚えのある輝きが溢れ始める。色は灰色に近いが、紛れもなくメダフォースの輝きであった。

 

「!ロクショウ!」

 

『うむ!』

 

「『はああああああ!!』」

 

アサドアラークと将矢が発動したメダフォース、一斉射撃と縦一閃はお互いにダメージを与えたはずであった。

 

『流石だな・・・レアメダルは』

 

「はぁ・・・はぁ・・・・・む、無傷!?」

 

メダフォースの反動やぶつかり合いによるダメージを将矢は受けているに関わらず、アサドアラークの身体は黒いオーラに守られ、全くの無傷だった。

 

『終わりだ』

 

「させませんわ!」

 

瞬間、セシリアが割って入りアサドアラークへライフル射撃を放つ。その間に授業を受けていた生徒達を山田先生が避難誘導し、全員を避難させ始めている。

 

その時間を稼ぐためにセシリアがアサドアラークへ攻撃を仕掛けたのだ。

 

『ほう?弱者を避難させたか。それくらいは許してやろう』

 

「どこまで、小馬鹿にすれば気が済むんですの!?」

 

セシリアの攻撃は黒いオーラに阻まれ、本体に届いていない。それをうっとおしく感じてきたのか、決着をつける気でいる。

 

「もう飽きた・・・お前との戦いは」

 

「!?」

 

格闘戦を仕掛けようとしていると予想し、セシリアは距離を空けようとしたが、至近距離まで迫られてしまった。

 

「レアメダルの所持者にも招待状を授けよう」

 

「!!や、やめろーーー!!」

 

アサドアラークは千冬にした時と同じく黒いオーラを集中し、球体を作り上げ、それを至近距離でセシリアにぶつけた。

 

「!セシリアァァー!!」

 

「ま・・・将・・・矢・・・さ・・・ん」

 

セシリアも自身のISであるブルー・ティアーズが解除され、黒いオーラと似たモヤがセシリアにもまとわりつき、意識を失ってしまった。

 

「セ、セシリア・・?セシリア!!」

 

早歩きに近い移動でセシリアに近づき、その身体を起こし軽く揺さぶるが反応はない。状態としては眠っているのと似ているが、生きているのが不思議な状態なのだ。

 

『二人を目覚めさせたいのなら、私が主催する大会に参加するがいい。開催日は2ヶ月後、場所は国際ドームだ。待っているぞ』

 

「ま、待て!!待ちやがれええええ!!」

 

将矢はその方向へ叫ぶが、アサドアラークはその声を無視してアリーナから去っていってしまった。

 

「ぐ・・・く・・・!くそ・・・・うわああああああああああああ!!」

 

意識を失ったセシリアを抱え、将矢は獣が咆哮を上げるかのよう、空へ向かって悲しみの声を上げた。その様子を避難誘導を手伝っていた鈴、シャルロット、ラウラ、箒の四人は黙って見ている事しか出来ない。

 

 

俺は・・・俺は!一体何の為に力を得て、戦っているんだァァァァァ!!

 

 

それは此処とは違う遥かな未来で、自分を慕ってくれていた相手を、己自身の手で処分してしまった紅き衝撃の異名を持つ戦士を彷彿とさせるような姿であった。




セシリアと千冬がアサドアラークによって意識を奪われました。

生きてはいますが、日数が経てば経つほど衰弱していきます。

未来の紅き衝撃の戦士とはコミックボンボンを読んだ事がある方ならわかるかと思います。

ヒントはモンハンで有名なカプコンです。
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