Medaro IS メダルと共に   作:アマゾンズ

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メノマエノ モノハ スベテ ハカイ・・・スル

ハカイスル!!!


第四話 顕現!獣の王

約束の一週間が経過し、将矢と一夏はピットの内部にいた。どうやら幼馴染の女性、あの束さんの妹である篠ノ之箒さんと話しているようだ。

 

特訓の事のようだが、どうやら剣道ばかりでISに関する事は全く教わらなかった様子。

 

体力も大切だけど知識も大切だ。将矢はそう思いながら束に施された地獄の訓練勉強会を思い出してしまい震えてしまった。

 

「土谷、済まないが一夏の機体が遅れている。先に戦ってもらえるか?」

 

「分かりました。スラフティン、転送!モード・クワガタ!スミロドナッド、アクティブ!」

 

今回はヘッドシザースではなく、スミロドナッドで戦うことにしたのだ。戦い方、属性をデータで見た判断である。

 

「む、今回はクワガタではないのか?」

 

「ええ、今回はサーベルタイガーです。それじゃ行きますね(ロクショウ、頼む)」

 

『ああ、戦闘支援は任せておけ』

 

ピットから飛び出し、姿を見せる。全身装甲に近い為、顔が見えない。ギャラリーもスラフティンの姿を見て嘲りを示すように笑い転げている。セシリアも例外ではなかった。

 

「な、何ですの!その姿、笑いが止まりませんわ・・・あはは!これでわたくしの勝利は確実ですわ、泣いて謝れば許さないこともありませんわよ?」

 

「はぁ、戦うって決めたのに逃げる選択肢がどこにあるのさ?」

 

「そうですか、なら・・お別れですわね!」

 

 

ステージ・アリーナ(サイバー扱い)機体・ブルー・ティアーズ

 

【わたくしに負けることを光栄に思いなさい!】

 

 

『合意と見てよろしいですね!?それでは、スミロドナッドVSブルー・ティアーズ!!ロボトルゥゥゥ!ファイトォォ!!』

 

 

 

 

【推奨BGM ロボトルファイト!】

 

 

ブルー・ティアーズの装備されているライフルを手にセシリアは正確な射撃を撃ってきた。

 

だが、それは動かないことを前提にしたものである。これは訓練ではなく戦闘だ。それだけに相手も動く。

 

攻撃を回避すると将矢は素早く走り出した。ヘッドシザースよりも動きが早い。

 

「な!?避けた!?」

 

『将矢、ストローハンマーで牽制しハンター設置だ!』

 

「ああ!うらああ!」

 

「!」

 

左腕のストローハンマーでブルー・ティアーズを殴りつける。自分の攻撃が避けられた事にショックを受けていたのか直撃してしまう。

 

吹き飛んだところを確認すると将矢はハンターの機能を使い、アリーナ全体にトラップを仕掛けた。

 

「きゃあああ!?」

 

セシリアがシールドエネルギーを確認するとダメージは85、かなりの数値を削ったことになる。

 

「わたくしに当てるとは、もう許しません!行きなさい、ブルー・ティアーズ!そして、このセシリア・オルコットが奏でるワルツで踊りなさい!」

 

自信満々にビットを展開し、将矢を撃とうとした瞬間、ビットの一つが爆発した。

 

「え?ど、どういうことですの!?」

 

将矢は距離を取った位置から一歩も動いていなく、自然体のままだ。

 

「も、もう一度!きゃあ!?」

 

またもやビットが爆発し、攻撃に参加したビットは全て破壊されてしまった。

 

「俺は代表候補生でもなければ、ISに関してだって素人・・・データを見て対策ぐらいするさ」

 

「く・・!これなら、どう・・きゃあああ!?」

 

ライフルで狙いを定め、引き金を引いた瞬間、今度は得意とするライフルが爆発してしまい、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーが削られてしまう。

 

「うう・・・相手は格闘型ですわ。何か・・何かあるはず!」

 

「ネタばらししてあげようか。俺はね、対射撃用トラップを仕掛けたのさ」

 

「対射撃用トラップですって!?」

 

「そう、俺の頭部パーツであるハンターの攻撃方法さ。セシリアさんが射撃を使おうとすればそれに反応してダメージを与える」

 

「トラップなんて・・・卑怯ですわ!」

 

ギャラリーもそれに賛同するように正々堂々戦え!卑怯者などと罵倒を浴びせてくるが将矢は冷静に答えた。

 

「なんでトラップが卑怯なの?相手のデータを見つつ特性に対して対策し、戦いに備えた後、本番では相手の力を削いだり妨害しながら、自分を優位に持っていくなんて、戦略の基礎中の基礎じゃないか。ISが生まれる大昔からだよ?」

 

将矢の言葉に教師陣は納得してしまっていた。妨害や相手の力を削ぐなどといった行動は常に行われている。それを将矢はトラップで相手の優位性を妨害したに過ぎないのだ。

 

「く、それなら!インターセプター!」

 

「なるほど、武器を失った時の為の武装か。でも、羽根はもぎ取ったよ」

 

瞬間、スミロドナッド形態のスラフティンのスピードが上がる。まるでそれはサーベルタイガーが獲物を狙うかのように。

 

「は、早い!?」

 

「だあああああ!!」

 

「きゃああ!」

 

『今だ、マウントを取って殴り続けろ!』

 

ロクショウしからぬ野性的な攻撃の指示を受けた将矢は、ストローハンマーでセシリアを殴り倒した後、マウントを取り殴り続ける。戦い方に綺麗さは必要ない、相手の息の根を止めるまで攻撃を止めない事、それが束に教わった戦術の基本の一つである。

 

「止めだ!フレクサーソード!!」

 

強引に立ち上がらせ、フレクサーソードでブルー・ティアーズを引き裂くとエネルギーシールドが完全に消失した。

 

『機能停止!!勝者!スミロドナッド!!』

 

「やりすぎちゃったな、大丈夫かい?セシリアさん」

 

「は、はい。わたくしは大丈夫ですわ」

 

「セシリアさんだって相当努力してきたはずなのに、どうしてそこまで横暴になっちゃったのかな?慢心してなかったら俺が負けてたよ」

 

「あ・・・・」

 

将矢はセシリアを立たせた後、どうして見下す態度を取るようになってしまったのか、冷静に戦っていたのなら自分が負けていたと言ったのだ。

 

「それじゃ、次は油断しないように頑張って」

 

「は、はい」

 

 

 

 

 

そういって将矢はそのまま自分のピットへと戻っていった。機体を解除すると一夏がいきなり胸ぐらを掴んできた。

 

「おい、将矢!なんだよ、あの戦い方!!」

 

「?あれが俺の教わった戦い方だよ。何か問題あるのかい?」

 

「ある!あんな攻撃、女の子にするもんじゃないだろ!!」

 

「首が苦しいから離してもらえないかな・・・?」

 

「お前!いてええ!」

 

一夏が将矢に殴りかかろうとした瞬間、一夏は頭を出席簿で叩かれた。それをやったのは千冬である。

 

「何をしているんだ?お前は」

 

「将矢の奴が女の子に乱暴な攻撃をするか、いてええ!?」

 

千冬は一夏が言い終わる前に再び出席簿で殴った。

 

「お前は馬鹿か?土谷はオルコットの機体を研究し、効果的な戦略を使っていたに過ぎん。それにマウントを取るなど当然の戦略だ」

 

「だけど!」

 

「これ以上は土谷とオルコットの戦いを侮辱する事になるぞ?お前も機体の準備があるのだから行ってこい」

 

「くっ!将矢!絶対にお前を改心させてやるからな!!」

 

一夏はそれだけを言うと機体の調整に向かっていった。それを見届けると千冬は謝罪の言葉を口にした。

 

「済まないな、どうにも私の弟は戦いを勘違いしているようだ」

 

「気にしてませんよ。だけど・・・織斑の考えって男尊女卑に近くありませんか?今時、女性が弱いなんて事はないと思いますけど」

 

将矢は乱れた制服を直しながら千冬に意見する。

 

「女尊男卑の世の中、行き過ぎてはいるが、確かに女が弱いという事はないな」

 

「対策だなんて大昔からあるのに、何もしないで戦うなんて行き当たりばったりすぎますね」

 

「ああ、どうにも私の弟は正々堂々に拘り過ぎている節があるな・・・卑怯だと罵った所で戦略と言われれば何も」

 

話している間にセシリアと一夏の試合が終わったようで、結果は油断しなかったセシリアの勝利であった。

 

そして、一時間後。将矢と一夏の戦いが始まろうとしていた。

 

「少しばかり、痛めつけてやってくれ」

 

「良いんですか?織斑先生」

 

「頭を冷やすには良い薬だ」

 

この人、やっぱりスパルタじゃないか。怖いよやっぱり。

 

「さて、スラフティン!転送!モード・カブト!ウォーバニット、アクティブ!」

 

『今回は俺のパーツじゃないんだな?』

 

「ウォーバニットも使わないとね」

 

『そう・・な・・・!?』

 

「メタビー?とりあえず、行きますね」

 

アリーナへ飛び出すと一夏が白い機体を纏って立っていた。どうやら刀が武装らしく剣道の構えを取っている。

 

「将矢!俺がお前に勝ってセシリアに謝らせるからな!」

 

その言葉にギャラリーの応援が一層強まる。やはりイケメンで力強い言葉を発すれば、女性からはヒーローや王子様に見えるのだろう。

 

「別に構わな・・っ!?」

 

『ま、待てって!ビーストマスター!お前が出ちゃ』

 

『メタ・・・ビー・・・アイツヲ・・・タオシ・・・タイ』

 

『ビーストマスター・・・』

 

『我ガ・・・マスターヲ・・・侮辱シタ・・・ユルセン』

 

『分かったよ、破壊し尽くすなよ?』

 

『無論・・・』

 

スラフティンから鼓動は走る。次第に強くなっていき、脚部からコードのようなものが何本もアリーナの壁を貫通し、電力を吸い取っていく。

 

「な、なんだ?」

 

装備しているパーツがまるで脱皮をするように割れていき、その中から現れたのは獣であった。

 

『グルオオオォォォーーーー!!』

 

誕生と同時に存在を知らしめるかのように頭部パーツから発せられた咆哮は、見るもの全てを戦慄させていた。肝心の将矢の意識は眠っており、主導権を持っている。

 

頭部・デスブラスト 右腕・デスボム 左腕・デスビーム 脚部・スパゲティ

 

「ま、将矢!お前!?」

 

『オリムラ・・・イチカ・・・我ガ・・・マスターヲ・・・侮辱シタ・・・ユ・ル・セ・ン・・・・!!ハカイスル!!』

 

「喋った!?」

 

獣の王は標的に狙いを定めると戦闘態勢を取った。

 

『合意と見てよろしいですね!?それではビーストマスターVS白式、ロボトルゥゥゥ!ファイトォォォ!!』

 

『ハカイ・・・スル!!グルオォォォォ!!!』




獣の王(不完全)の出現です。破壊すると言っていますが魔の十日間のようなことにはなりません。

一夏をアンチしているかのように見えますがビーストマスターを出現させるためです。

このビーストマスターはゴッドエンペラーと近いです。将矢くんの意識はメタビーが守っています。

軽はずみな発言で獣の王を怒らせてしまった一夏くん。どう戦うか。

それでは、次回!!
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