今回内容薄いかも?
三十九日目
どうやら昨日討伐したデュラハンには懸賞金がかかっていたようで、朝、ギルドに顔を出すと他の冒険者たちから熱烈な歓迎を受けた。冒険者になったばかりの年若い少年少女、デュラハン討伐の際に水属性魔法で攻撃していた女性魔法使い、デュラハンに特攻を仕掛けて返り討ちにされかけた筋骨隆々とした男性冒険者。最後以外は話しかけられたり抱き着かれても問題ないけど、最後はダメ。絵面的にも私の精神的にも最悪だ。というか、私を抱きかかえる女性冒険者は何なんだろう。私はぬいぐるみじゃないんだけど。ちいさーい、かわいーいじゃないよ。気にしてるんだよ低身長。
周りの冒険者に背中を押され、流されるようにしてカウンターに辿り着いた私はデュラハン(ベルディアというらしい)討伐の報酬金を笑顔の受付嬢に手渡された。今思えば若干張り付けたような笑顔だったが、あの時の私は気づかず、場の雰囲気に流されて喜んでいたものだ。
その後、ダクネス、めぐみん、アクアの順でギルドに入ってきた。彼女らも私と同じように冒険者に歓迎され、アクアなんかは特に場の空気に流されて大酒を飲んでいた。ダクネスはほどほど、めぐみんはダクネスによって飲酒を妨げられていた。私は日本の法律では未成年だったため、酒の呑み方は分からなかった。幸い、私の家族が一年中酒を飲む歌を体現したような人で、彼らの世話を何年かしていたのでその辺の知識を使わせてもらった。酒の合間に水を飲むぐらいしか知らなかったけど。とりあえずお屠蘇を除いた人生初の飲酒が19歳だとは思わなかった。
三十分ほど飲み騒ぎしている冒険者たちをよく飽きないなと思いつつカウンターから眺めていると、昼頃になってカズマ君がギルドにやってきた。カズマ君も私たちと同様にギルドの熱気に驚いていたようだけど、酔っ払いが苦手なのかアクアと軽く会話してカウンターに歩いてきた。私は軽く返事をするだけで終わったけど、ダクネスとめぐみんは酒の奪い合いをしていた。文だけ見たらアル中の危ない争いにしかならない。
ダクネスに報酬を受け取ってこいと言われカウンターに向かったカズマ君は、私が報酬を受け取ったのと同じ受付嬢に報酬を貰いに行った。ダクネスとめぐみんに私が貰ったのと同じ大きさの袋を渡し、私たちのパーティーに特別報酬が出ていることを告げた。カズマ君は不思議そうにしていたけど、後ろにいる冒険者たちが私達がいなければデュラハンを倒せなかった、という声ではっとしたような顔になっていた。半分以上アクアの浄化系の魔法のおかげですね。分かります。
デュラハンにかけられた報酬金は三億エリス。討伐でMVPになった私たちのパーティーにはその全額が支払われることになった。等分しても六千万エリス。しばらくは遊んで暮らせる額の進呈があると聞いて、周りの冒険者たちのテンションも急上昇。パーティーのリーダーであるカズマ君に対する奢れコール。それを無視したカズマ君は自分がいつも以上にのんびり安全に暮らすと宣言した。ドMのダクネスと爆裂狂のめぐみんは当然の如くこれに猛反対。私?もしそうなったらそうなったで、今の暮らしを少しグレードアップするだけで、いつも通りパーティーに加入しているだけで強大なモンスターの討伐には一人で行くだけだ。カズマ君はチートを持っていないし、こうした戦闘狂のような発想はないだろうから、たくさんのお金が入ったら安全に暮らしたいと思うのはしょうがないことだと思う。
まぁ、そんなことはできないんだけど。なぜかというと、この後に渡された請求書が関わっている。
アクアがデュラハンの討伐に使った魔法は小規模とはいえ水の女神の権能を使った災害レベルのものであり、それを街のすぐ近くで使ったのだから当然街にもその被害は出るわけで、アクセルの街を護っていた防壁と、その先にある民家に被害が出ており、その弁償を一部だけでもして欲しいという請求書だ。その金額は三億四千万エリス。見事に足りない。私の貯金を全額切り崩しても足りない。こうなったらモンスター討伐依頼を請けまくるしかないだろう。
というわけで早速ウィル・オー・ウィスプを討伐してきた。
炎を飛ばしてくる厄介な精霊だったけど、正直物理攻撃が通る時点で私の勝ち確定である。突然発生する炎は槍を振ったときの風圧で吹き飛ばした。あとは首ちょんぱ。攻撃パターンを確かめる必要もないのでさっさと殲滅した。
そういえば、私の壊れた革鎧の代わりになる物を早く手に入れないと。今は報酬が借金返済という名目で天引きされていってるから、貯金を使って代わりを買っておかないと。
四十日目
あの武具屋の店主はふざけているのだろうか。もし大真面目にあの服を選んでいるなら頭に蛆虫か何かが繁殖しているのではないだろうか。
失礼。少し頭に来る出来事があったのでつい思ったことをそのまま書いてしまった。インクを使って書いているとこういう消し方しかできないのが難点だ。
今日は昨日の日記で最後に書いていたように、壊れてしまった革鎧の代わりになる新しい防具を買い武具屋に行った。以前から防具や長剣を買っている行きつけの店だ。店に入るなりデュラハン討伐のことを褒められて暫く会話したけど、特に興味もない話題に移りそうになったのでそのまま防具がその戦闘で壊れたことを伝え、新しい防具が欲しいと告げた。
店主はしばらく私を観察して店の奥から全身タイツ、その中に着るという胸と股間部のみを隠したような服。というか下着。某運命ゲームの登場人物であるスカサハ、所謂おっぱいタイツ師匠の衣装だ。とりあえず殴った。店主との友好度はそこそこであるとは自分でも思うが、それが私の中で激減した瞬間である。
一応念押ししておくが、私の今の身長は147cm、誤差は±1~2cm。おっぱいタイツ師匠は168cm。お分かりいただけるだろうか。身長差は約20cm、スタイルは言わずもがな。私の身長とスタイルを某運命ゲームのキャラクターで表すなら大江山の総大将、というか鬼2人と全く同じだ。しかも彼女たちよりも若干筋肉質。書いてて悲しくなるが、そんな女があの師匠と同じ格好?良くて軽蔑の目+失笑、悪くて痴女扱いだろう。なにをあんなに考えていたのか分からない。もしやそういった趣味があったのだろうか。殴った後に罪悪感に駆られて治療とかしたけど、もしやしないほうがよかっただろうか。
もうこのことは忘れよう。店主の顔を見るたびに店長がそういった趣味をもっていると思うよりはマシだろう。それはそうとして、防具はちゃんと新しいものを購入した。物音を聞いて大慌てで店の奥から飛び出してきた店主の奥さんに事情を話して、動きやすそうなものをチョイスしてもらった。料金は迷惑料も入れて渡しておいたが、多分バレてはいないだろう。少し主人とおはなししないといけないから、と店に臨時休業を知らせる看板を置いた奥さんの目が笑っていなかったのが印象的だった。
奥さんに選んでもらった防具は鉄の部分を外せば見た目は完全に服なのだが、使っている繊維が特殊なようで防具としても使える代物らしい。デザインはクーフーリン[プロトタイプ]、通称プニキの着ている服だ。ちゃんと両肩、左腕、腰に鉄の防具がついている。さっきも書いたが着脱可能、普段着としても使用できる優れものだ。せっかくだし今度から膝から下に包帯(さらし?)を巻き、ゲイ・ボルグでモンスターにとどめを刺す時に穿て!抉れ!ブチ抜け!と言ってみようかな。…やめておこう。足に包帯を巻くのはともかく、決め台詞なんて言ってるのを傍から見たら多分痛い人だと思われる。私が見ても片腹大激痛だわ、とそんなことをしていた相手を全力で煽るだろう。実際私の友人がそうだったし。相手が半泣きになっても煽ることを止めずに楽しくて仕方がないといった表情で人の周囲を反復横跳びする彼は畜生と呼ぶにふさわしい男だろう。彼に比べたらカズマ君なんてまだかわいい方だ。きっと。
結局今日は防具を買うだけで終わってしまった。大体店主のせいだ。そうに違いない。
作者「ネタg(ry」
友人「予想はついてた」
作者「なんか案ない?」
友人「別のキャラの視点とかで書いてみるとか」
作者「なるほど、検討しとくわ」
友人「俺の提案採用された試しがないんだけど?」