十四日目
今日も朝から依頼漬けだった。今日請けた依頼はゴブリン退治。とある山の8合目辺りにゴブリンが巣を作っているので、適当に討伐して散らしてほしいという依頼。実力的には問題ないが、念のためパーティーを組んで欲しいというギルドの忠告を受けてテイラーという男がリーダーをやっているパーティーに臨時で入れてもらった。
もともと四人で活動しているパーティーのようで、連携のよく取れていたと思う。
リーダーのテイラー。パーティー中で一番背が高く、茶髪に独特の模様が入った服。青い肩当、包帯が腕に巻かれていた。職業はクルセイダー。大きめの片手剣と盾を持ち前線でタンクに近い役割をしていた。性格は気さくな兄のような感じで、気を抜くときは気を抜いて、引き締めるときは引き締めるといった切り替えがうまい人物だ。
アーチャーのキース。基本カラーは青のチンピラ口調の男性。弓の腕は大したもので、テイラーの指示した通りに敵を狙撃していた。アーチャーのスキルには運が絡む要素が多いと聞くので、彼の幸運値は意外と高めなのかもしれない。
戦士のダスト。くすんだ金髪に赤い服。瞳は赤色で、左目に泣き黒子がある。職業は長剣を扱う戦士と言っていたが、その言葉に何となく違和感を感じた。なぜそう思ったのかはよく分からないけど、少し気になる男だった。年は18と私よりも1つ下だった。テイラーと共に前線で戦い、テイラーの作った隙を逃さずに攻撃する。前に出るタイミングと交代するタイミングはプロのものだと感じた。まぁプロなんだろうけど。
ウィザードのリーン。ポニーテールに黄緑色のパーカーのような服。その上から青いマント。という結構おしゃれな格好をしている女の子で、タヌキアライグマのような尻尾が出ている。私も一応魔法は使えるが、本職の魔法使いとパーティーを組むのはこの日が初めてだったので少し興奮したのを覚えている。中級魔法まで使えるとは本人が言っていたことだが、魔法に詳しくない私には全く分からなかった。パーティーの中では後方支援をしており、仲間に風を纏わせるウィンドカーテンという魔法はクーフーリンのように矢避けの加護を授かった気がしてとてもテンションが上がった。
私はこのパーティーでは切り込み隊長のような役割をさせてもらった。ゴブリンの群れの中に飛び込んで後ろのほうにいるゴブリンから殲滅していくのは意外と面白かった。小鬼と呼ばれるゴブリンと私の身長差が20cmくらいだったのはかなり傷ついた。
それはそうと、ゴブリンの対処法としてはコボルトと一緒。武器を破壊すれば攻撃力が激減するので、もういっそ手首辺りを切り落とせば簡単に倒せる。囲まれないようにすれば脅威なんてものは一切ない。
ゴブリン討伐のあとの帰り道でリーンに魔法について質問していると、背後から殺気を感じたのでゲイ・ボルグを反射的に投擲してしまった。偶然にも初心者殺しだったからいいものを、これが盗賊だったなら私の精神に大打撃だった。人は殺したくないからね。神器の効果である分裂からの全弾命中に対して4人かた質問攻めにされそうになったが、自分の持つスキルと説明した。不満気だったが、なんとか納得してもらった。
ゴブリン討伐事態に特に収穫は無かったが、初心者殺し討伐分の経験値と牙や爪の素材売却分のお金は手に入ったのでいいことにした。
ギルドに帰っていつもの如くポーカーをしたのだが、女神様と一緒にいた少年、カズマ君にぼろ負けした。どうやら幸運値がとんでもなく高いらしく、3回連続でストレートフラッシュ出された時点で勝つのは諦めた。カズマ君に運が絡むゲームで勝負するのは愚策である。
十五日目
今日も今日とて討伐依頼を請けてきた。最近、討伐依頼ばかり請けているような気がする。一番お金が手っ取り早く稼げるのでしょうがないとは思うけど。
今日の獲物は縄張り争いをしていたマンティコアとグリフォン。日本でもそれなりの知名度を誇る幻獣だけど、霊体じゃないので攻撃が当たる、つまり倒せる。
マンティコアは簡単に言うならキメラのようにいろんな動物の特徴を持った化け物である。サソリのような尻尾、ライオンのような巨躯、人間のような顔と、かなり気持ち悪い。人間のような顔をもっているくせに人肉が好物。この生物を作った人は少し趣味が悪いと思う。
マンティコアの対処法としては注意するべきなのは毒針のみなので、早々に尻尾を斬り落とすと後々楽になる。マンティコアの攻撃速度は初心者殺しと同じか少し速い程度なので、初心者殺し殺しができる人なら簡単に倒せるはず。
グリフォンの方も日本に限らずだいぶ知名度がある幻獣であり、名前を聞いただけでも特徴が分かったりする人がたまにいるくらいだ。特徴は鷲の翼と上半身、ライオンの下半身を持っている。某運命ゲームのスマートフォン版にはこのグリフォンと雌馬の間に生まれたヒポグリフという生物が宝具として出演していた。飼い主はシャルルマーニュの最弱騎士の男の娘だったか。
グリフォンは鋭い爪と嘴以外に脅威と感じるのは飛べることくらいしかないので、風魔法などを使って叩き落として翼を捥ぐのが効果的だと考えられる。もちろん私は魔法を習得していないので、以前ゲイ・ボルグが使えなかった時のために購入した長剣を投げて墜落させた。2頭同時に相手をしなければいけないという大変な依頼ではあったが、ゲイ・ボルグの能力を使わなくても討伐はできたので安心。
この依頼の推奨レベルは20くらいだったはずだけど、ステータス面でレベル差をカバーできるという不思議なことが起きている。ヒャッハー師匠どれだけ修行詰め込んだんですか。
それはそうと、依頼達成時点で16レベルになった。未だにルーンの活躍の機会がないが、まぁ探索のルーンとかは使うだろう。アンサスは死体を焼いて臭いでモンスターを呼ばないようにはできる。キャスターの方のクーフーリンのように実戦で使えるようになるのは何時になるのだろうか。
夜にギルドに行くとカズマ君がポーカーで大儲けしていた。誰がカズマ君を倒せるかという賭けまで始まっていた。彼は商人とかになったら将来も安定だろうに。
十六日目
この世界に存在するスキルには熟練度という、言うなれば隠れステータスのようなものがあるらしい。熟練度が高ければ高いほどスキルを使った時の威力が上がり、熟練度が高い人が初級魔法を使って攻撃すると、中級魔法のような威力になることもある。というのはリーンに教わったことなのだが、私には魔法の知識は全くないので初級魔法と中級魔法の違いがイマイチよく分からない。まぁ魔法を使えば使う程攻撃力が上がる、剣を使えば使う程キレが良くなるといった認識で間違いはないだろう。私の持っているスキルの中で、今育てていきたいと思っているのは昨日のレベルアップで習得した剣に関連するスキルとスタミナアップに関係するスキルだ。
ということで、その両方を育てるべく以前エギルの木を伐採した森に突入してきた。依頼を請けたわけではないのでいくら狩っても報酬金は貰えないが、昨日のマンティコアとグリフォンの討伐依頼で50万エリスほど貰っているので特に支障はない。ひたすら走って、モンスターを見つけたら切り捨てて、あらかじめルーンを刻んでおいた石を死体の近くに置いて魔法を起動、起動を確認したらすぐにまた走り出すというレベル上げを行ったところ、レベルは1の上昇、ギルドカードの筋力、魔力、器用、敏捷の数値が一回り上昇した。朝から夕暮れまで走り続けてこれはよいのか悪いのか分からないが、走る速度と継続時間は1回の休憩をはさむごとに成長していたと思う。
ただ不満なのは、また筋力の値が上昇したこと。ステータスに影響されているのか、単に冒険者としての生活がそうさせるのかは分からないが、最近腕や脚に筋肉が付き始めたように思う。流石に腹筋は割れていないが、これから割れていくのかもしれない。筋トレもしてないのに…。腹筋の割れた女性が男性にどう思われるかと思うとかなり悲しくなる。
これ以上筋力の値が上がりませんように…。
作者「ネタが無くなりそう」
友人「知ってた」