このヒロイン…自分の作品の中で最悪の人生の転生者となっています。
残酷描写などのエグイ所は余り書いてはいませんが不快になる方もいると思いますので「それでもいい」という方だけお願いします…
私は…あの人といられれば何もいらなかった。
そう思えていたのは、彼が本当に私の事を愛してくれた事…
私も、初めて異性を好きになったのは彼だけだと思っている。
私の前世は、最悪だった…
本来であれば義務教育を受ける時期であっても、私がやっていた事は強制的な売春だった事だ…
まともな愛情なんてなく、ただ自分の性欲を満たすために育てただけで父親から強姦され、その事を知った母親に汚物のように捨てられ、引き取り先の孤児院で裏家業としてやっていた売春宿で、数多の男たちに慰め者となり、本当の意味で家畜同然の人生で、周りには私と同じような女の子が沢山いた…
中には薬漬けにされて精神を病んでしまったり、幼い体での出産に耐え切れずに亡くなる子も多かった。
その中でも私は長生きをした方で、二十代ぐらいになった時、多くの出産と無理矢理な性交が仇となり、病気を患い治療はされずに廃棄処分と扱いされ、殺された。
まともに名前を付けられなかった私は
こんな人生を送った私だったが、女神と名乗る胡散臭い子供に転生させてもらったが、この時だけは感謝したかった…
だって彼に会えたのだから…
この世界の両親は私に優しくしてくれた…ライトなんて名前も気に入っていたけど、それ以上の出会いがあった。
幼馴染として仲良くなり、一緒にいて嬉しいと思える人だった事もあったが、欲情の慰め者として前世を過ごし人間不信となった私を普通の女の子として見ていた事に、罪悪感を感じ彼も転生者と知り、私が転生者と明かし過去の事を話した彼のリアクションは意外だった…
「そっか…お互い最悪の人生の経験者で似た者同士じゃん。そんなの気にしてたらこの先の人生つまんねえと思うぜ?だったら俺とこの世界を楽しもうぜ!」
そう言ったあの人の明るい笑顔が私にとっての救いとなり、共に過ごした事は今でも宝物だ。
私と似た者と言ったけど、彼は本当にそう思っていたのかと疑問にだったが…彼の尋常ではない不幸な人生は私と比べれば遥かに私の方が軽蔑の眼で見られてもいいくらいだ…
彼がそんな目で見ていない事が分かったのはもう一人の転生者との喧嘩で言った一言だ。
喧嘩の発端は彼が余りにも原作に介入した事に対して嫉妬した事で、転生者の特典の一つの『転生者の過去を知る事が出来る』で彼と私の前世での事を笑いながら侮蔑しく言ったからだ…
そいつは、原作に介入しようとも自己中心的で魔法学院の皆からも嫌われていたが、実力は高く高位貴族だった事もあり厄介者と見ていたからだ。
彼が原作に介入していたのも、この先の展開を壊さないようにする為に動いていただけで、好きでやっていた事ではなかった。
彼と私を空き教室に呼び出し、私の前世でやっていた事を言った後に、自分の女を差し出すから私から手を引けといて来たのだ。
「ふざんけんな…アンタが何しようが勝手だが、ライトをなんで差し出さないといけないんだ?」
「バカだなお前も、見た目もいいし前世の経験で面白い調教出来そうだからに決まっているだろ?お前だってその女と仲良くしていればその内自分の都合のいい性処理の道具に出来ると思ったんだろ?」
私の過去は最悪の人生だ。
私の体にはあの地獄の日々の記憶や経験から男の媚び方も知っている事にアイツは気が付いたのだ
彼に迷惑を掛けたくなかった私は自分を見捨てる様に言おうとした時に…
その一言の後の下品なあいつの笑いに耐えきれなかった…彼はブチ切れた。
「てめえが何と言うとも…今を生きようとしている女の子にそんな事がよく言えるな!そんな奴にライトは渡さねえ!!…ただじゃ済まさねえぞこのクソ野郎!!」
自分の事をいくらでも馬鹿にされようと怒らなかった温厚な彼が、私の事がきっかけで怒りを爆発させた事で殴り合いから校舎の一部を破壊する大喧嘩になった。
その後、教師達やサイトやルイズを含めた生徒たちの仲裁で喧嘩は鎮火されたが結果は彼が勝った…
その後、この喧嘩は大問題となったが、お咎めは反省文のみで済んでアイツには校舎の修繕費と無期の停学が言い渡された事は意外だったけど、その理由は後で分かったからだ。
どうやら事情を知ったルイズ達がこの件について圧力をかけたらしく彼に責任は無かった事にされ問題ばかり起こすアイツを制裁する為にやったみたいだった…
それと彼の人望もあったみたいで、私はいつの間にかルイズ達の友人となっていた事に疑問を思った。
「過去を忘れろとは言わねえけどさ…俺やサイト達は君を大事に思ってくれている事…なんでか分かるか?」
私は分からなかった…こんなにも汚れきった私に優しくしてくれる人なんていないと…
「君が優しいからだよ…前世ではあんな目に遭ったから君はそうしない人になろうと思った。
だからサイトやルイズも助けてくれたんだと思う。もう自分を悪く言うのはやめてくれ…俺はそんな君を見たくない」
それだけで、彼を好きになるのは十分だった…
その後夏休みに実家に帰った時に、夜這いを仕掛けたけど…彼がこうゆう事に耐性が無い事が分かり、下着姿でベットにもぐりこんだ時に起こった事は…大量の鼻血を出し気絶した事、その後もアプローチしては、はぐらかされ逃走されたりと私にとってはがっかりしたが…
「そうゆうお礼はマジで勘弁してくれ…マジで耐えられん…」
感情的になって肉体関係を結ぶ事を良しとしない彼の意思は分かるけど…意図的に私が抱き着き胸を押し付けたりしたりした後に、トイレに駆け込んで処理している所を見てしまった事もあり彼の行動を情けなく思った事はかなりあった。
我慢しなくていいのに…
そんな事もあったけど、学院生活は好調だった…
アイツのせいでこんな事になるなんて…
ある日、息を切れせた彼が今すぐに国を出る事を言いだしてきたのには驚いていたけど、只事ではないと判断した私は彼と国外に逃亡した。
本当は私の両親も逃亡しようとしたのだけど…既に手遅れだった…
サイト達にも声を掛けていたので一緒に逃亡できたのは良かったが、この後彼から言った一言で私は一大事になったと判断した。
「あのバカが何かやったに違いない。…俺は辺境に行って暮らす事にする。サイト…すまんがここまでだ…残酷な言い方だが俺はこの件に関わりたくない…」
その後、国を取り戻そうとサイト達に説得されたがもう係わらない事を言った後に、ルイズ達にも侮蔑の声もあったが彼は聞き入れずに立ち去った…私も付いて行った。
私はその時に知ったのだ…原作は修復不可能なほどに壊され、この先何が起こるのか分からない為に逃げたのだ。
私はそんな彼を軽蔑する事は無かった。
その後、私たちは辺境の町で暮らし始め、果樹園を始め平和に暮らしていた。
私も彼もお互い意識しあっていた為に告白出来ずにいて、その関係がいつ変化するのかを待っていた時に、最悪の事態を私たちを襲った…
あのバカが私達を追って戦闘を仕掛けてきたのだ。
彼の機転で私は逃げる事は出来たが、彼は「後で合流する…その時に言いたい事があるんだ。楽しみにしてくれ」と言った後に、特典の一つだった
合流場所としていた村でずっと待ち続けていたが、一向に来る気配がない事に嫌な予感がした私は彼と暮らしていた町に行った時に…私は知ってしまった。
果樹園をしていた時の、取引先の気の良いおじさんと話す事が出来た事で分かった事は…
彼は敗北しこの町の広場で公開拷問された事…その際に私の行方も追っている事で、現在私には膨大な賞金がかけられているらしい…
おじさんに「早くここを出た方がいい…彼には借りがある。恩人を突き出したくない」と言われその日のうちに私は町を出て村に戻った…
その時に私は確信したのだ。
あれが最後の別れになったという事を…
隠れ家に戻り無気力状態になっていた時にふと彼の最後の言葉を思い出した…
「その時に言いたい事があるんだ。楽しみにしてくれ」
その言葉の意味が分かったのはおじさんから貰った鍵だった。
彼に譲渡された
箱の中に入っていた手紙を私は手を震わせながら読んだ。
「俺は君が傍に居たから自分らしさを失わずに済んだと思って感謝している。俺は女性と付き合った事は無くて、君を友人か妹として見ていた事もあって、自分の気持ちを上手く伝える事は出来なかったが、今はこう言える。
俺は君と一緒にいたい。
この先もずっと傍に居て欲しいと思った。
だから、口で言って咬んだりしたら気まずいので手紙でこの言葉言います…
俺のお嫁さんになってください…
その指輪は俺の気持ちです。
OKならその指輪を付けて返事を下さい」
手紙を読み終えた時に思った事は……
一生を共にしたいと思えた愛した彼を失った喪失と絶望…
アイツに対する憎しみによる復讐心だった…
殺シテヤル…ワタシノ全テヲ奪ッタ…アノ転生者ニ同ジ事ヲシテヤル…
そして…黒い感情が全てを支配した私がやろうとした事は、この世界を救おうとした事ではなく、アイツに対する復讐鬼となった事だった。
その後の私は…人を殺しまくった。
アイツの先兵を一人残さず、たとえ命乞いをしようとも女性や老人子供であっても無慈悲に殺しまくった。
人の心などもういらない…
あいつに協力するような国も全て虐殺して亡ぼしていった。
女神には「気持ちは分かります…なぜこんな事をするのですか!こんな事を彼が望んでいると本気で思ってやっているのですか…もう見ていられません。違反者としてあなたを処分します」と言われたが…
私を担当してくれた神様には…その時には憎しみしか持っていなかった為に暴言を言っていた。
「だったらなんで転生させたの?私はこんな目に遭うのだったら転生なんてしなかった…貴方たち神の都合で勝手に転生させられて…あの人は苦しんで死んでいった!!元凶のアイツも未だにこの世界で好きなようにしていて何も手を出さない神が私に説教なんて都合がよすぎるのよ!!
『原作崩壊しても、責任は神は取らない』…そう言ったわね…だったらアイツに殺された人達はどう思うのかしら?この世界が創作物の世界だからって、何も出来ずにゴミのように捨てられ殺されるのを貴方たち神が見ていて楽しんでいるとしか思えないわ!!
私達が不幸な目に遭う所見て楽しんでいたんでしょ?あの人を拷問されて殺しといて、アイツに何も処罰されていないのが良い証拠よ!
処罰したいんだったらすればいい…話す事は無いわ!もう二度と私に連絡寄こさないで…好きに生きて勝手に死ぬから!!どんな手を使ってもアイツは私が殺す…その邪魔は神でも許さない…」
その後、女神の連絡はこなくなった…何故か処分はされず特典もそのままだった…
私はその時、この復讐劇を最後まで娯楽として観て楽しむために違反者としての処分をせず、私を野放しにしたと浅はかに思っていたが…真実は違った。
その陰で女神は転生世界に干渉出来ないルールで私を救う事が出来ない罪悪感と後悔で泣いていた事…そしてせめての何も出来ない償いとして特典のロックは復讐が終わるまで見守る為にしてくれた事を後で知った。
町の一つを亡ぼしていた時に、数年ぶりにサイト達と再会した時に私の豹変ぶりに困惑していた。
昔の私だとは思えなかったと言ったけど、全身血塗れで杖と近接戦闘を兼ね備えた複合武装で人を切り刻んでいたら困惑もする。
サイトは惨殺した兵士の生首を持った私を見てかつての級友がここまで残酷で非道な事が出来たのかを疑っていた。
「君みたいな優しい人が…なんで?」
「虫唾が走るような事言わないで…アイツに属する人間は全て殺すわ。
サイト…貴方は属していないようだから殺さないで置いてあげる…あの人の友人でもあるしね」
「あの人…彼はどうしたんだ?」
「死んだわ…アイツに殺された。アイツに同じ目に遭わしてやろうと思っていて今この辺りの町や村を掃除してるの!皆邪魔だったから処分しただけ…早く会いたいな…ただで殺すのは惜しいからどうやって苦しめてやろうか考えているの!!私の全てを奪ったアイツに何が出来るのかを考えるだけで楽しいの!!」
その時、瓦礫から抜け出し助けを求めた子供を躊躇なく首を切り落とそうとした私をサイト達は止めた…
「なぜ止めるの?此処の町はアイツの支配下に下った町よ…私利私欲で肥やし侵略したゴミどもをなぜ助けたの…サイト?」
「ライトこそなんでなんだよ!!子供好きで優しかった君が躊躇なくこんな事するなんて…この子にそんな罪が…」
「ゴミ掃除は徹底しないと気が済まないだけよ…邪魔するなら殺すわよ…」
この事で私はサイト達を敵と認識し戦った。
この時のサイト達は思った事は既に私がもう心が壊れている事に気が付いたのだろう…
全員の総攻撃を掛けられた私は敗れ一時は牢獄に入れられたが、サイトに説得され革命軍に協力する事になった。
何で私を仲間にしようとしたのかを聴くと…
「ほっとけない…あんな別れ方したけど彼とは親友だ…俺はそんな彼が大事にしていた恋人を殺す事なんて出来ない」
お人好しが過ぎると言い、一部条件を吞み仲間となった…
その後、革命軍はついにアイツを追い詰め拘束する事に成功しアンリエッタを女王とした新国家を設立した。
私がその頃やっていた事は…
アイツに数ヶ月に亘る拷問をしていた事だ。
回復薬を使い何度も指を潰しては再生させる事をしたり、恨みを持つ者による斬り刻みなど…精神が崩壊するまで行った…何度も何度も数ヶ月も…
アイツは、自殺も出来ずただ生きているだけのものとなったのを確認した時、もう一つの目的を果たそうとした。
私は彼が亡くなったとされていた牢獄に行ったがそこは本当に寂しい所だった。
光が一切入らない暗闇の中で、骨になるまで放置され死んでいった彼の遺骨をカイト達は丁重に回収して渡してくれた事に感謝し、遺骨のひった箱を愛しく抱きしめた…
私の復讐は終わったのだ…
そう思った時に、箱が血塗れになっている事に気が付き服で拭きとろうとしても血が拭き取れないのだ…
何度も何度も拭くけど血が拭き取れない…何故かと思った時に私は自身の両手を見た時に確信したのだ…
私自身が血で汚れているんだ…
その時の私がした行動に全員が言葉を失ったと聞いた…
私がした事は…自分の手を過剰に布で拭きその摩擦で手から流れる血を、サイトが止めるまで拭き取ろうとした事…
止めた後に、泣きながらこう言ったそうだ…
「仇ををとったのに…なんでこんな気持ちになるの?サイト…ルイズ?なんでそんな目で私を見るの?なんで私こんな事してるの?あはは…こんな血塗れの汚い女…最低の人殺しなんてあの人はもう愛してくれるなんてないよね…」
その後、発狂して涙を流しながら笑っていた私をサイト達は慰めの言葉もかけられずに見ている事しか出来なかったそうだ…
サイト達はその時の私をこう言っている…
この革命戦争の一番の被害者でもあった…と
その後の私は……
復讐を糧にして生きいた為に、この先の人生を全く考えていなかった…
私が出来る事は彼の遺骨を日当りのいい丘に埋葬した事、後は旧国家を指示していた腐敗貴族の粛清だった…
サイト達はこの役目を私のさせた事に良い感情を持たなかったみたいだが、血で汚れきったこの体にはちょうど良いと思っていた…
政治が安定した頃。私はサイト達に別れを告げずに立ち去った…
置き手紙には「今までありがとう。彼のお墓の管理お願いします…私には彼といる資格なんてないから」と書いて…
その後、私はひっそりと誰も訪れない秘境で暮らし、余生を過ごそうとした…
あれから数年経った頃に、この隠れ家を着き止めたサイトとルイズが私を訪ねてきた時に、私が生きていた事に喜んでくれた。
黙って出て行った事に少し問い詰められたが、私は大量殺戮者で今でも新国家での間でも、悪い事をすると『鮮血の死神』がお仕置きに来ると子供たちに言い聞かされるほどの重罪人だ。
人と過ごす事が無くなった事で、二人と話すのはぎこちなかったが色々な話が聴けたので楽しい時間だった。
「君の両手の手袋とそれにそのネックレスは…やっぱりあの事を気にしているのか?」
「ええ…私の手は汚いからね。こうして無いと血塗れになっちゃうから…」
彼から貰った指輪も今は外してシルバーチェーンを使ってネックレスとして身に着けているが、復讐を決意したあの日から革命戦争時までに数多の血で汚してしまった事をあの人は許してはくれないだろう…
いや…本当は笑って「そんなよりいいの作ってやるよ」と慰めてくれるだろうけど、その指輪付ける資格なんてもうない。
サイトは私の言葉に少し悲しそうな顔をするが、それは私の罪だ…「気にしないで私の罪だから」と笑顔で答えると私の笑顔に気に食わなかったのか、ルイズは相変わらずの悪態をついてはいたけど、自殺していたかもしれない私を元気づける様に行ってくれた事と未だに殺人鬼だった私を頬を赤く染めながらも数の少ない友達と言ってくれた事には嬉しくて泣いたぐらいだ。
あの人のお墓について聴くと、大切に管理してくれている事と、私の事を知っている人からも「早く帰っておいで」と言われたが、もう私は此処で余生を過ごす事は決定していたの言付けだけ頼んだが、一度だけでいいから会いに来てほしいと言われたのでいつか行くと約束した。
別れ際に何か欲しい物は無いかと言われた時に、私はあの人に渡したかった指環のデザインが書かれた紙を渡し作ってくれるように頼んだ時に、サイト達は話せて楽しかったと笑顔で帰って行った…
その数年経った時にサイト達迎えに来てくれたけど、いきなり新国家の王城に招待されるとは聞いていなかった。
アンリエッタとは数回しか会っていなかったが顔を隠すためのフードを取った時に、『鮮血の死神』とわかり護衛騎士が警戒された事は仕方がない事だと思っていたが、彼女は友人と接してくれた事は嬉しかった。
その後、タバサやキュルケや他の学院生活で知っていた人たちと話す事になり、あの革命戦争での武勇伝などの話で盛り上がって本当に楽しかった。
私があんな事をしていたのに…皆優しかった…
その後、彼の為の指輪を受け取ろうとした時に、行かなければいけない場所があると言われたけど、その場所は分かっていた…
彼の眠る墓だ…
私は正直行きたくなかった。もう二度と行かないと思っていたのに、サイト達に無理矢理連れて行かれそこで見たのは…
「何…これ?なんでこんなに?」
彼の眠る場所は無数の花で彩られ、別の世界に来たと思えたほどだった…
私がここで埋葬した時は只の草原のはずだったのに…その理由はすぐにわかった…
数少ない知り合いであり、理解者と言えた果樹園をしていた時に取引をしていたおじさんが、ここまで頑張ってくれた事をサイトに聞いた…
私との再会を望んでいたみたいだけど…もう亡くなっていた。
彼の指輪もおじさんが作ったもので、今回の指輪も作成に尽力してくれたみたいだったが、指輪完成後の数日後に老衰で亡くなったそうだ…
「会えないのは悲しいが、こんな老いぼれの事を慕ってくれたのは感謝しとる…この指輪はその礼じゃ」
その一言で泣き崩れたのは…言うまでもないだろう。
私は…愛されていたのだ…あの人以外にもたくさんの人に…
その後、私は指輪を受け取った後に隠れ家に戻ったが、変化があったとすればその後、彼のお墓の管理を私がする事にした事だろう…
私の罪は消えない…でも優しくしてくれた人たちには恩を返そう。
いつの間にか私は彼の眠る丘の近くで暮らしていた…
私がした事は孤児院を作り多くの子供たちの教育をした事だった…こんな事では償えないと思えたが多くの子供たちが成長し旅立ち、それを何十年経った後に孤児院の後任も頼める教え子も出来、もう少ない寿命をどう過ごすかを考えた時に、私がした事は彼の墓まで行きそこで死のうと思った事だ。
自分の寿命は分かりきっていた…彼から貰った指輪と私が作ってもらった指輪を、ネックレスとして無くさないようにしっかりと身に着けていたがこの時は外し指にはめた。
彼に渡したかった指輪はネックレスとしての飾りとなってしまったが十分だった…
本当は指輪を付ける資格なんてないだろうと思ったけど、付ければ彼が会いに来てくれると思ったが…
「こんな時でも…幻影でもいいから出てきてほしかったな…そんな都合のいい話ないか…」
彼の姿を見る事は出来なかった。
でも、それでも良かった…私に会いになんて来ない…私の最大の後悔は…
この世界で彼と一生を共に出来なかった事なのだから
でも幸せな事はあった…サイトやルイズ達が友達だと言ってくれた事、孤児院の子供達から母さんと慕ってくれた事…その事は私にとっては一番にこの世界で償えた事だと思っている…
その優しい友人達と子供たちに「ありがとう」と言い私は〈ゼロの使い魔〉の世界での人生を終えた。
私が死んだと同時に、また見覚えがある部屋にいた。
そこには私を担当してくれていた女神がいたが…彼女はその場で土下座をして涙を流し謝っていた。
むしろ謝罪しなければいけないのは自分だった…
再転生の権利もあると言われたが…
「再転生は望みません…違反者としての処分でお願いします」
この意思は固く私は決定が決まるまで待機となっていたが、女神が急いで電話をかけ、別の神を呼んできたがなんの用だろうと思った時…
「実は私は彼の担当の神でね。彼の再転生を知らせに来たのだが…君に頼みたい事があってね…」
その神から事情を聴いた時に私は自分のした事に後悔した。
彼が私を復讐鬼にさせてしまった事を、負い目を感じてしまい再転生先を過酷な世界での転生を望んだ事知った…
「俺に会う資格はないですね。俺のせいで不幸になりましたから…
彼女が再転生を望んだのなら平和な世界で幸せになってくれると嬉しいですよ…
拒むのであれば記憶消してでも再転生させてください。頼みます…神様」
彼の言葉に少し怒りの感情が感じてしまった。
不幸になったのは彼のせいではなく、あの転生者の原作改ざんのせいだ。
それをまるで「自分が悪い」と言わんばかりに責任を感じて、私の事に関しても幸せになる為に自分の事を忘れろなんて言葉は、まるで私が彼と一緒で不幸だったと言いたいのかと思ったくらいだった。
その怒りの感情で私が言った事は意外な言葉だった…
「彼の行った世界に転生させてください!!今度は間違えませんから…お願いします」
「そのつもりだったから気にしなくていいよ。むしろ私は彼には報われた人生を送って欲しいと思っているぐらいだしね。今から転生しても数年しか歳は変わらないから歳の差カップルになる事は無いだろうし…特典はどうする?君はAランク…特別おまけとして、転生場所の指定には特典を消費する事になっているんだけど、それを除外してあげよう」
神様の言葉に少し違和感を持った私だけど、彼の傍に行けるならどんな世界でもいい…
私が指定した特典は以下の通り
1・他の転生者の特典の無効
2・新型神機を使えるようにする
3・異能生存体の取得
4・
5・直死の魔眼の取得
6・他の転生者の特典を一時的に使用が可能となる(制限あり)
7.七つ目の特典はいつでも変更する事が可能とする。現在は無し(無制限に変更可)
「彼と同じで欲が無いのが少し残念だよ…
その神様は本来の特典以上にスペックの良い物に変更してくれたみたいだった…
6と7番目の特典に関しては、神様からの謝罪としての特典らしいけど、良いのかな?
その事を聞くと神様たちの言った事は…
「欲が無さ過ぎるのもいけないからこの対応と思ってくれていいよ。
でも、やり過ぎたかなとは思うけど、君達には酷い転生をさせてしまったからその謝罪としては破格なものにしておいただけだ。彼の事頼むよ」
「何も出来なかった私にも責任はあります…謝罪として受け取ってください」
この神様達は見た目はともかく優しい神様だった…
本来は神機の扱いについての修行もあったのだけど、早く転生したかった事もあり断った。
私はあの人に会いたい…
二人に深く感謝し彼の転生した世界に行った…
「絶対会って一発ひっぱたいてやるんだから!!もう離れないって言って我儘言うんだから…覚悟して待っていなさい」
もう後悔はしたくない。その為の再転生なのだから…
「さて…今回の件についてはこれで安泰かな?良かったよ…」
ホッとしたように神は笑顔になったが…
「先輩…どうしよう…私またミスしてしまいました…」
「またかい!!この前の転生者の時だって君のミスでクレームが酷かったんだから…何をミスしたか聞いておくよ」
「はい…実は主人公の妹として転生させてしまいました。彼に申し訳ないかな…と思いまして…」
神は盛大な溜息をつく…彼はどうやら本当に運が悪い…
女神の今回の件のミスは不問としたが、次は無いと警告したが、彼女は根がかなりの真面目なので重大なミスはこの先しないだろうと思うが心配した…
「彼の再転生もかなりのトラブルに巻き込まれそうだね……」
「申し訳ありません…先輩」
「やれやれ…違反者の事もあって不安だけど彼等なら平気だろうけど…警戒しておこうか」
「そうですね…あの違反者は今回の転生の被害者でしたからね…またトラブルが起こったたら私はどうしていいか…」
神もその事に関しては警戒していた…
あの違反者は違反神に性格を歪められるペナルティを無断で付けられ転生した事で、今回のような結果となった事と、事前に申請した特典も本来と違う物だった事で悪質な改ざんと判断され、その違反神は今拘束され余罪を追及の為上司の神が取り調べ中である。
それが分かった理由は二人の特典である〔他の転生者の特典の無効〕が発動していない事だった。
二人は不幸特典のあるBランクとAランクであり、あの違反者が特典を使ったとしても無効になるはずが、二人の過去を知り過ぎていた事に違和感を感じ、神が調査部に連絡し、その後の報告であらゆる部署の不正行為が発覚した。
しかも単独犯ではなく各部署に協力した違反神いるようで、その対応で現在上層部にも混乱が生じ各部署がクレーム対応していたが、尋常じゃない数に違反神や上層部の雑な対応に神は呆れていた。
「爺さんが取り調べやってるからすぐ話すだろうけど、他にも被害はあるって聴いているし…しっかりしてくれ…上層部」
「上層部も人事異動が多くて対応が出来ないみたいですね…上層部の先輩が『転生課で働いていた方が楽しかったよ!!何?この毎日デスマーチ状態!!これなら話断っておいた方がよかった』って私に泣きついていましたし…何か好くない事でも起こりそうな気がします」
「やれやれ…本当にいつ治まってくれるのかな」
少しヤンデレみたいになりましたけど…某ゲームのヒロインみたいにしないのでご了承ください…
個人的には過去が重すぎたヒロインにしてしまった事に少しばかり後悔がありますけどね。