亀更新ですけど、よろしくです…
「今日のターゲットはオウガテイルとザイゴートか…楽な仕事大歓迎です」
俺は見晴らしのいい丘で見張りをしているが、まだ獲物が見えていないので余裕を見せていると、隣にいる金髪ロングの少女が緊張と不安からか声を震わせて文句を言った。
「先輩は楽かもしれませんけど、私はこれが初めての実戦なんですよ!!それに前線の隊長達にそんな軽口言ってるとどんな注意があるか…」
新人ちゃん…そんなに緊張しなくてもいいと思い軽く用事を済ますような感じの内容だと安心させる為に…
「だから楽なんだって…隊長は経験豊富で最悪堕天種に囲まれるぐらいにならないとピンチにならないさ…
だからこそ、俺がこうしてスナイパーとして警戒してるんだから安心して作戦実行出来るんだし、君も緊張しないでくれ。俺の補佐してくれりゃあいいだけの楽な仕事だしな」
アレ?おっかしいな…俺は緊張ほぐしの為に言ったんだが…すっげえ怖い目つきで睨んでるよ。
逆効果になったが、言っとくが新人ちゃん…初任務がこんなに楽なのは、君がお偉いさん(フェンリル本部の高官)の一人娘の命令だったりするが、気がついてないよね。
いや、隊長から彼女の事聞いたけど、複雑な事情があるみたいだけど親父さん…苦労してんだね。
本音を言いたい所だけど、面倒くさい抗議がありそうなので黙っていると、隊長達が本当にあっさりとオウガテイルとザイゴートを討伐をしていくのを確認していた。
「私は隊長達に付いて行きたかったのに、なんでこんな人と一緒に索敵なんてしなくちゃいけないんですか…」
「さあ?隊長決定だから気にしたらいかんよ」俺は気楽に言った時に隊長から討伐完了の通信があったの合流する事になったけど、隊長も意地が悪いな…こりゃまだ
新人ちゃんも俺の後をついてきながらもぶつぶつ文句言って合流場所に帰還しようとしてるけど…彼女は警戒心がまるでない状態だ。俺は「新人ちゃん…悪いけど不合格だね」と言って俺は何気なく神機を背後に構えて数発撃ったが、何故そんな事をしたのか彼女は分かっていないようだった。
「先輩何を!!…って…」
「油断大敵だよ…よく言わない?帰還するまでが任務だって、どんな時でも気を抜かない事だよ」
確実に弱点を打ち抜いたオウガテイルが、数匹倒れている事に気が付いた新人ちゃんは俺を驚いたように見てるが、俺も数年もこんな事やっていたら簡単出来る。
…神様の爺さんとの訓練と比べればこんなのイージーモードの格ゲーに近い…(因みに爺さんとの訓練はナイトメア?ヘル?そんな所だ)
さっきのオウガテイルで任務完了だろうし、いまだに驚きを隠せない新人ちゃんの捕食を頼んでおいた。
「捕食の方は君に任せるよ…明日から今よりハードになるかもしれないから頑張っていこうか」
新人ちゃんが捕食したのを確認して神機を肩に担いで隊長達との合流ポイントに行く。
その行く時間、彼女の愚痴は無く静かで暇だった…雑談ぐらい振った方が良かったかな?
「隊長…酷いですよ!あんなミス押し付けるなんて!!」
俺はあの任務の後に隊長に直接文句を言いに行ったが、「あんな事で死ぬなんてこと無いだろ?警戒心と戦闘力は俺達より上だろ?」と笑いながら対応されているけど、こっちは彼女のお守りもあるのでやめてほしいと言ったが…
「いや…だから安全な場所に待機させたんだろうが、別名オールワークス…奇跡的に全てのタイプの神機を扱え、本来であれば部隊長にふさわしいのに、あらゆる面倒事を俺に押し付けて逃げているのは俺に対する嫌味か?カナタ=トワ少尉殿?」
すっげえ怖い顔で本当の事言ってきたから文句は言えんけど…
「その点は感謝してますけど…なんか面倒事を押し付けられたような気がしたのは気のせいですよね?」
俺が言った傍から目をそらし口笛吹いてるあたり多少本音だろうけどね。
一応あの子の扱いについては聞いておくか…隊長は頭を掻きながら新人ちゃんのクリスの事について話してくれた。
「本人の前で話題には出してほしくないのだが…家庭の事情と言うものだ。
この頃の神機使いの死亡率が低くなった事で、戦闘経験のない事務処理担当者の非常事態時の訓練という名目で彼女…クリスが前線での任務に立候補したのはいいんだ…俺も断ろうと思ったが、あの人は上司としては尊敬に値する方なんだが…少々困った癖があってな」
「つまり…ふざけた言い方になりますけど…娘大好き暴走オヤジって事ですか?」
「その言い方はかなり酷いが、今回の配属に関しては俺に押し付けたのはそうゆう事だろうな。
俺が新米の時に世話になってな…夫婦で前線出て戦っている所は今でも憧れたよ。
クリスもそんな両親みたいな神機使いになりたいと思ったのだろうが、配属先は事務処理で不満もあったのだろう。
…あの人は神機使い最悪の最後を娘にさせたくない為に事務処理に配属したと思うが、気持ちは分かるからな」
隊長の表情が悲しそうなので、つまり奥さんが悲惨な死に方をした人がいるという事か?
空気読んだ方がいいかな?
「こんな事は言いたくはないが、もうそろそろお前に隊長やってもらいたい…その為の事務処理や前線補佐の副長としてクリスを鍛えて欲しいのも狙いだ…
カナタが来てから最近の神機使いの死亡率が激減した事は評価が高く、普通の扱いとされてるのはおかしいと言ってくる他の部隊長からの苦情も多い…悪いが俺は数回の任務で引退予定だ。いい加減、嫁を安心させたいからな…」
「苦情はともかく隊長の家族の事を言われると罪悪感ありますね…」
隊長は「すまんな…」と言って表情を曇らせるが、それは俺が責任逃れで逃げていただけだし隊長になる事は抵抗はないが、どんな苦情を言われてたんだろ?確認のために聞いてみるか?
「俺に対する苦情って多いんですか?」
「…悪い意味じゃないが、教育面や事務処理も分かり易く前線での活躍は本部では名前を知らん奴はいないぞ。
特務でも失敗は少なくテンナイン(99.999999999%の事)の異名も持つお前を出世の道具として欲しがるお偉いさんはかなり多いぞ?
初めて会った時の事は今でも覚えてるよ…」
「…あの時は本当にやばかったですからね」
俺と隊長の出会いは本当の意味での最悪なものだった。
俺は始めは一人で前線に行き任務をこなして、今では息抜きとなっている漫画制作をしながらのんびり生きていたのだが、隊長が担当した新人教育の為の討伐任務で、当初はオウガテイルしかいないとされていたのに関らず、事前調査で確認されていなかったコンゴウやシユウがいたのだ。
しかも、救援に送り込める神機使いがいたのに関わらず本部は人員不足理由に無視をした。
俺はその頃近くで別のアラガミを狩って帰還しようとしていた時に、救援要請を受け隊長達を助けたんだけど…どんなに強くともあれは無理だね。
例えるならチュートリアルモードでラスボス出てきたみたいな絶望しかない状況で隊長はよく守ったと思うよ。
その場にいた新人は全員ある意味酷かった。(これは察してほしい)
それで救援任務終わって帰還した時に、俺がコンゴウやシユウをほぼ無傷で倒した事が知られた後に、社畜の如く討伐任務をしていた事を知った隊長が俺を拾ってくれたおかげで今は平穏な日々を過ごせている。
だけど、そのせいで隊長は胃薬と頭痛薬が常備薬となったのは言うまでもないよね(俺のせいだけど)
「それでも普通なら過労死してもおかしくないような、あの討伐任務をどうやって達成させたんだ
?」
…直死の魔眼のおかげです。
俺のうっかりミスだけど、仕事を早くさっさと終われせて趣味の漫画と小説活動をしたかったので使ったけど、それが原因でこんな事になるとはね。
…ゲームならともかく毎日18時間以上討伐任務って普通死ぬわ…
フェンリルってこんなにブラック企業なのかね?
その辺りの事を隊長に聞いてみると意外な答えがあった。
「お前の異名のオールワークスが関係する事だが、どうやら研究部署であらゆるデータが欲しい事から依頼が殺到したらしい。
それと、あの時、俺達を助けた事に対する嫌がらせもあるだろうな…」
…なるほどね。
俺も大した事してないと思っていたけど、信頼されていたからの仕事量だったのね。
でも、邪魔したぐらいでこんな事するかね?
もっと、別な意味がありそうで怖いんだけど…
まあいいや…それよりも俺が隊長か…
一応どんな事やるのか聞いておくか。
この後、俺は隊長となってアラガミを後に副官となるクリスと新人たちと討伐していくのだけど…
俺はまだ知らなかった。
新人教育やアラガミ討伐作戦の効率のいい案の作成…前線指揮での活躍で俺は知らない内にフェンリルの中で無くてはならない人材となっていた事…
そして、上層部の幹部が俺の存在を疎ましく思っていた事であんな事になるとは…思っていなかった。