最低系ちうたん魔改造物   作:hotice
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なんか筆が進んだので結構遅くなっちゃった。ゆるし亭ゆるし亭。


4話

 「さあ皆さん!今日は修学旅行ですよ!」

 ネギが嬉しそうに大声を張り上げた。同時にクラスから歓声が爆発する。
 事前に千雨は耳を塞いでいたが、それでもなお耳の奥まで響くほどであった。

 まあなんだかんだ言っても千雨自身かなり今回の修学旅行は楽しみにしていたのだが。
 魔法という存在を認識してから、千雨は不機嫌オーラを失くして徐々に友達と関わるようになった。また、ネギの世話を焼いている間にネギからも慕われてしまい、結局そのせいで(おかげか?)クラスメイトからも話しかけられるようにもなったのだ。
 なんだかんだ今の学園生活を楽しく過ごしているのは事実だった。修学旅行だって楽しくなるであろう。

 ニコニコと笑っているネギに向けてちょいちょいと手招きしてやると、不思議そうな顔をしてこちらにやってくる。

 「どうしたんですか?千雨さん?」
 「なあ、ネギ。修学旅行中は教師としてあんまり気張らずに素直に楽しめよ」
 「え!?いやでも、そんなことは出来ないですよ」
 「うるせえ、私たちの方が年上なんだよ。ガキが気にしてんじゃねーよ」

 そう言ってネギの頭をくしゃくしゃに撫でてやる。最初は恥ずかしがっていたのだけれど、今は結構素直に撫でられたままでいる様になった。
 実は結構ネギの髪の毛はサラサラなので撫でるのが楽しかったりする(羨ましい話だが)。ネギも嬉しそうな雰囲気をしてるし嫌がってる訳ではないのだろう。
 まあ私がよくネギの頭を撫でるせいで、クラスメイト皆からも頭を撫でられるようになってしまって教師の威厳とやらに悩んではいたが。ガキに威厳なんか必要ねーだろ。
 
 「それにお前結構京都旅行楽しみにしてたんだろ?」
 「うっ・・・・。確かにそうですけど・・・・」
 「お前な、京都の旅行パンフレットどんだけ拾って来たと思ってんだよ・・・・。
 それで自分の行きたい場所をさも定番お勧めスポットのように紹介してんのもバレバレだぞ。今更だ、今更」
 「あはははは、バレてましたか・・・・。そうですね、実は結構お寺参りとか楽しみだったんです」
 「どうせお前のことだから一応全部予定立ててあるんだろ?
 ネギが行きたいって言えば反対する奴なんていねーんだからお前の好きなようにやれよ」
 「で、でも!皆さん行きたい所とか!」

 ネギが反論の声を上げた。なんでちょっと強めに頭を撫でてやる。頭が揺れて慌てているが無視して撫で続ける。
 暫くすると観念したのか、素直に班員たちにお願いし始めた。もちろん結果は秒速でOKだったが。

 でもこうしてネギが自発的ではなくとも我が儘を言うようになったのは嬉しい事だった。
 最初は中々の頑固者でそういう面を見せまいと必死だったのだが、最近はようやく素直に表すようになってきた。
 ガキらしくない振る舞いにムカついて構い倒した結果向こうがついに折れたのだ。
 何せネギが子供っぽい面を見せたくないのは恐らく自分自身にだからだ。それが近くにいる大人にならば、あるいは同じ年頃の子供なら問題ないのだろう。
 でも自分は駄目だ。「子供でいたくない」ではなくて、「いちゃいけない」なんて悲しすぎる。

 「えっと、その千雨さんありがとうございます・・・」
 
 ネギからお願いされた委員長が舞い上がった結果、またもやネギがもみくちゃにされていたのだがどうやら抜け出して来たようだった。
 
 「こんくらい気にすんなよ。それより旅行楽しもうな」
 「はい!」



 「うわわ!千雨さんひどいですよ!せっかく1位だったのに!」
 「うるせえ、勝負に情けはかけられねぇんだよ」

 そう例え年下であろうとも私はゲームであるのならば情け容赦はしない。
 ジャンプ台から飛び出そうとするネギに向かってうまく赤甲羅をぶつけてやる。こうすれば速度を失ってジャンプ出来ずに谷に落ちて大幅なロスになる。

 まあ大体わかるかも知れないが私たちは今京都に向かう新幹線の中でゲームをしているところだった。
 ネギもこの半年でそれなりにゲームを教え込んだけど、それでももう同い年の子供では手も足も出ない程に上手くなっている。
 けれど勝つのは私なのだ。他の何で負けてもいいが、ネットとゲームは私の本領。ここだけは負けるわけにはいかない。 

 「千雨ちゃんやっぱゲームうまいわねー。私とかふるぼっこよ、ふるぼっこ」
 「いや、明日菜はプレイングが雑いんだよ。何も考えずに直感だけでプレイしてるだろ」
 「え?ゲームなんてそんな物じゃないの?なんで勉強以外で頭使わないといけないのよ」
 「なんや?まるで明日菜が勉強では頭使ってるような言い方やなー?」

 木乃香の一言に周りで(大体はネギの)プレイングを見ていた奴らが一斉に噴き出した。
 笑われた明日菜自身も名誉あるバカレンジャーのリーダー、バカレッドと言われる所以の自覚はあるようで歯噛みしたまま何も言えないようであった。
 それもそれで笑われているのだが、勉強していない明日菜が悪いからな。

 そうして楽しく新幹線の旅を過ごしていると、いきなりネギの雰囲気が切り替わる。
 バイブからの情報でネギは京都に親書を渡しに行くのだが、それを妨害する奴らがいるのは聞いている。ついでに木乃香の奴をさらって、化け物を召喚しようとしていることも。まあ仮に召喚されても今回は完全復活したエヴァがいるから大丈夫らしいが。

 恐らくはそいつらによる妨害なのだろう。
 今見たところ、武闘派達も何やら感づいて警戒態勢に入っているし。
 私も心構えだけはしてエヴァの近くに避難する。どうやら15年間ずっと行けなかった修学旅行がそれなりに楽しみだったらしく機嫌がいいので、多分守ってもらえるだろう。

 え?ネギの傍にいないのかだと?
 うるせえ!私の貧弱さをなめるな!そういうのは明日菜とかの役目なんだよ!
 それに最終決戦では明日菜がいた方が便利らしいので、なるべくネギと明日菜の二人に経験を積ませるべきだそうな。なのでこれは正当性のある行為だ。

 すると車両の後ろの方から悲鳴が聞こえてきた。
 何が起こったのか振りむくとそこは地獄絵図だった。
 地面から()()が生えてきているのだ!うねうねとしたピンク色のそれがクラスメイトに襲い掛かっている。
 おい、駄目だろ!もうそういう方面はバイブだけで十分なんだよ!これ以上増えんじゃねぇぞ!?

 バイブ、早くこいつなんとかしろよ!お前のライバルだぞ!同業者だぞ!

 「もうやってるので大丈夫ですよー。後はクラスメイトの皆さんが片付けてくれますからー」

 頭の中に声が響く。それと同時に触手の動きが止まった。
 ひどい有様だった。R15くらいは行きそうな状況だ。ちらりとネギを見ると顔を真っ赤にして目を覆っている。
 その間に、怒り狂った武闘派達によって触手は踏みにじり、引きちぎり、擦りつぶされていた。てか動きが止まるまで明日菜とエヴァの周囲以外は武闘派も例外なく触手にねちょねちょにされていたのだが、少し強すぎないか?なんでそういうとこ自重しないの?
 幸い触手が破壊されれば、ねちょねちょも消えたのだが。
 しかし、あれか?魔法使いには変態しかいないのか?

 それにエヴァも横で大きな溜息をついていた。どうやってかは知らないが触手を退けてくれたのは有難かった。
 けれど彼女はとても疲れたような顔をしている。体力的にはかなり余裕そうではあるんだが。


 そして、それからもネギの親書を狙った相手の妨害は続いた。
 しかし!どれもこれもエロいトラップばかりなのだ!ふざけんなよ!
 清水寺では滝が弱い魔法薬(それも媚薬に)変わっていたり!きちんとネギが解除したから良いものの、ちょっとムラって来ただろうが!お前これでのどかとか後夕映の奴が目覚めたらどうすんだよ!
 特に夕映!こいつ結構やべーやつなんだからな!あのバイブが自信満々にかなりのむっつりスケベ認定した程なんだからな!

 他にも落とし穴に服が脱げる系のスライムを配置したりしやがったり・・・。
 なぜかご丁寧にスライムを叩き潰せば、元々着ていたものは帰って来たのだが。
 もうほんとに駄目だろ!これ以上はR18になってしまう!
 そして夕映が本当に目覚めてしまいそうになってんだろうが!結構スライム辺りで怪しげな顔とか目とかしてたぞ!

 止めねばならないだろう・・・・。例えバイブアタックを仕掛ける羽目になったとしてもだ。
 特に夕映の為に。




 ざり、ざりと砂利を踏む音が響く。奇襲を仕掛ける側として音を鳴らすなんていうのは馬鹿極まりないだろう。
 何せ敵の隠れ家は山奥深く、人などおらず物音などまず聞こえないのだから。
 私の足音はよく響くことだろう。

 でもそれで構わない。というかそもそも足音を消して歩くことなんて私には出来ない。
 全てバイブ頼みだ。・・・・バイブ頼みって我ながらひでぇ言葉だな。

 「おっとそこで止まってもらおうか」

 声が掛けられた。ぶっちゃけどこにいるのかも分からない。
 けれど向こう側からうっすらと3つほど人影が見えてくる。
 女が2人に、ネギと同い年程度の子供が一人。バイブからの情報によればこいつらが犯人で違いないのだろう。

 この変態達は私がここで止めなければならないのだ。

 「それで何の用・・・ていうのは無粋やねぇ。
 ここに来る理由なんかそら一つしかあれへんやろし・・・・。
 ただ一つ聞かせてほしいんやけども、道中私らの魔法を妨害してたのってもしかしてあんさん?」

 真ん中の彼女が鋭い眼光でこちらを睨んでくる。
 恐らくはこいつが変態魔法を使っていたのだろうか。すごい殺気を感じる。
 基本どの魔法もバイブに頼んで止めさせてもらった。当たり前だ。
 ていうかそんな事で殺気を向けるなよ。

 「ああ、そうだぜ。
 そんでもって悪いが一瞬で終わらせてもらうぜ、来い!」

 ぶっちゃけバイブを出すのはとても、とっても!恥ずかしいのだが、私の戦闘力はクソ雑魚ナメクジなので頼らざるを得ない。
 頼りのエヴァはフェイトとネギ&明日菜のバトルを見守りに行ってもらっている。
 
 そうして私の言葉に反応してどこからともなくバイブが手に現れれる。月夜に照らされて、怪しい光を放っていた。
 ほんとこれでバイブでなければかっこいいのだがぁ。
 
 
 「っへ、変態ぃ!!!」

 左側に立っていた女から罵倒が飛んでくる。
 正常な反応だな・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 やめろおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!
 ほんとにやめてください!お願いします!私だって思ってるよ!!!!
 今この姿が完全にやばい奴だって!でも顔真っ赤にして言われるとほんとにメンタルが軋むんだよ!

 「変態!変態!この、変態!
 私だって人を切るのが好きですけど、でもさすがにそれはないでしょう!?
 このドスケベ女!」

 ぐふっ、ガハッ、ゲボォ・・・・。
 ふー、ふー、うっ!あがぁ!!
 だ、駄目だ。足から力が抜ける・・・。立っていられない・・・。
 人切りから変態認定されるのはさすがに辛いぜ・・・。
 恐らく今ならちうたんがクラスメイトにばれても涼しい顔で流せる自信がある。

 くそぅ・・。本当ならこんなことはしたくなかったんだ・・・。
 前から何度も何度もバイブ以外の姿に変身できないのか聞いたのだが、出来るけど絶対にしないと言われたのだ。それはもう激しい拒絶だった。勿論こっちも数か月粘ったのだが一向に頷きやがらなかった。そこになんで拘るのだ、もっと他に拘るところとかあるだろうがこのアホがあああああぁぁぁ!

 見ろよ!3人ともどん引きしてるだろうが!
 そんな目で私を見ないでくれ!私は変態じゃあないんだ!

 てか真ん中の野郎!てめーにそんな目で見られる覚えはねーぞ!
 お前だって変態魔法使ってやがる癖によぉ!!!


 「そ、それに私たちの魔法に干渉して、全部あんなエッチな物に変えて!
 ほんとに!この!変態!」

 ・・・・・・・・ん?

 「なんですか!あの触手は!?あんなので毎日オナッ・・・・////。
 そのえ、エッチなことしてるんでしょう!?その挙句クラスメイトまで巻き込むなんて!
 この、変態!」


 ・・・・・・・・・・んん??
 ・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・おい、クソバイブ。

 「はい?何でしょう」
 「正直に答えろよ。
 お前電車の中での妨害にどんな風に干渉した?」
 「彼女たちがですね、カエルの式神で混乱させた隙に親書を盗もうとしたので、ジャックして拘束型の式神に変えて無力化、並びに突入してきたときに確保できるようにしました」

 ほほー。次。
 清水寺の件については?

 「清水寺では滝がお酒に変えられているようでしたので、人体に悪影響を及ぼさないようにアルコールを分解して悪影響のない成分のものに変えました」
 
 ふーん。で、最後。
 落とし穴については?

 「これはもう単純に落とし穴で怪我をされないようにクッションを敷かせていただきました」

 はー。なるほどなー。
 えらいなー。おかげでこいつらのたくらみはぜんぶしっぱいだー!
 
 ・・・・・・・・・・なわけあるかあ!!!
 全部お前のせいじゃねえかあよおおおおおお!!!

 この人達普通の悪人(?)じゃねーか!普通に悪い事しかしてねーじゃん!
 そらそうだ!変態の一言だって言いたくなるわ!!
 まじでふざけんなよ、お前!お前のせいでこんなとこまで来て戦う羽目になってんだぞ!
 まだそっちはいい!私が戦うわけじゃないし。

 ただなぁ!お前な!これで夕映の奴が目覚めたらどうしてくれんだてめぇ!?

 あ?その時は責任をとってバイブ業に専念させていただく?
 ふざけんな!そっちの道にこれ以上夕映を引き摺り込むな!足の先くらいは沼に嵌り始めてんだよ!
 てか、てめぇ絶対に故意的にやってるだろうが!
 お前その内豚のケツに突っ込むぞ、この野郎!

 「すいませんでした!それだけは許してください!
 僕は女の子にしか使われたくないんです!」

 うわ、ひっで。
 
 てか今分かったぞ。エヴァの溜息はこれが理由か!あいつ気付いた上でまだマシな方に逃げやがった!
 通りでフェイトとかいうやつとネギを上手くぶつけて見守るなんて面倒くさい真似を進んでやったんだな! 

 くっそ、私も帰りてぇ・・・。
 おいバイブ、なんとかしろよ・・・。もうやだ・・・。

 
 ━━こうして天ヶ崎の野望は潰えたのだった。







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