ようこそ実力至上主義の教室へーIn this deceitful world, even bigger lieー   作:lOOSPH

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Hell-Vertrag


Sammeln Sie in einer fremden Straße, rotes Punktpaar !

その日の夜

 

堀北は不気味な雰囲気の綾小路に連れられて

彼の部屋に連れられて行く、今後のことを話し合うためらしい

 

「一応聞いておくけれど、何かしようとしたら・・・」

 

「そんなに警戒しないでくれ給えよ・・・・

 

 どうせだったら落ち着いて話せる場所の方がいいだろう・・・・?」

 

そう言って綾小路の部屋の前につく二人

不気味な雰囲気の綾小路はカードキーを通して扉を開ける

 

「入りなよ・・・・

 

 ほかの奴にも面を通しておきたいからさ・・・・」

 

「ほかの奴・・・?」

 

扉を開けて堀北を先に入れて

扉を閉めつつその中に入っていくと

 

奥から人の気配を感じた

 

そこにいたのはなんと

 

「あ、私が帰ってきt・・・・・・って堀北ちゃん!?」

 

「どういうことだよ!

 

 なんで堀北がここに・・・・」

 

「ふふふふふふ・・・・

 

 偶然外で会ってね・・・・」

 

六人の雰囲気が違う綾小路たちであった

堀北はなぜここに六人が集っているのかにも疑問を覚えたが

 

それは片隅においておき、彼らのもとにゆっくりと近づいていく

 

するとその六人の中で唯一の女子の綾小路が

ゆっくりと堀北のもとに近づいていく

 

「ここに来たということは・・・・

 

 貴方なりの答えは見つかった?

 

 よかったら聞かせてもらえないかな」

 

「ええ、あなたの言う通り私には欠点があった・・・

 

 でも私はだからと言ってその欠点は簡単に克服できるものじゃない・・・・

 

 だったらその欠点を踏まえたうえで私は私自身のために動く・・・・

 

 もしも他人をうかつに見捨てずにそれが私の有利に

 進められるというのなら、私は彼らを救う努力をする

 

 あくまで打算的だけど、これが私なりの答えよ」

 

「ふうん・・・・」

 

女子の綾小路は鋭い目つきで堀北を見る

堀北もその目つきに臆さないようにじっと彼女を見る

 

すると彼女はふっと笑みを浮かべる

 

「ま、いっか

 

 あたしは堀北さんがしっかり

 自分を見据えててくれているなら

 

 それ以上は何にも言わないよ

 

 それじゃ、これからよろしくね堀北さん」

 

「え、ええ・・・

 

 よろしく・・・」

 

急に雰囲気の変わった女子の綾小路の反応に

堀北はペースを乱されて思わず返事をしてしまうのだった

 

「さあて・・・・

 

 それじゃあ堀北・・・・

 

 あらためて赤点組である須藤たちの

 救済のために動かせてもらうことになるけど・・・・

 

 まずは・・・・・・いや聞く必要もないね・・・・

 

 どのみちあの三人を引き込んであげないと始まらないし・・・・」

 

「あの書き込みのことも考えると難しいかもね・・・・

 

 下手したら無視を決め込むかもしれないよ?」

 

「書き込みって・・・?」

 

「気にするな、大した問題じゃねえ」

 

堀北には例の、堀北いじめようぜの書き込みについては触れられていない

 

「まあここはもう一度櫛田の力を借りて・・・・」

 

「待て」

 

「・・・・・・なんだい・・・・?」

 

不気味な雰囲気の綾小路の言葉を

動物的な雰囲気の綾小路は遮った

 

「俺は櫛田の手を借りることに反対だ

 

 あの女は信用できない

 おそらくだがあの女は近いうちに俺たちの敵になる

 

 引き込んでいくのは危険だ」

 

「あたしも俺に賛成・・・・

 

 あたしにも彼女の腹の底がつかめないと感じたから」

 

「前々から櫛田を嫌ってた俺はともかく

 櫛田と仲よくしていたあたしがそういうとはな

 

 しかし現状、櫛田を通してでねえとあいつらは呼び込めないぜ

 

 どうするんだよ・・・・」

 

「フフフフフフ・・・・

 

 ないものに頼れないなら

 あるものでどうにかしようじゃないか・・・・

 

 ねえ堀北・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路に呼ばれて

思わず彼の方を見てしまう堀北であった

 

「須藤君を君が説得するんだ・・・・」

 

「何を言っているのよ、彼は私とは・・・・」

 

「大丈夫、須藤君とはあたしが通しておくから

 

 今の堀北さんならきっと彼を納得させられるってあたしは信じてる・・・・」

 

「綾小路さん・・・」

 

力強い笑顔を向けられて

不思議と自身の湧いてきた堀北は

 

力ある頷きで返すのだった

 

「さてと・・・・

 

 それでは行動に移ろう・・・・

 

 勉強をやること自体は難しいことじゃないからさ・・・・

 

 須藤を引き込めればあとは簡単だ・・・・

 

 やってくれるね俺にあたし・・・・」

 

「ちょっと待てよ!

 

 俺は別に勉強会には・・・・」

 

「いいじゃない、少しぐらい付き合ったって・・・・」

 

「・・・・・・あたしまでそういうのかよ」

 

不気味な雰囲気の綾小路の言葉に反論する動物的な雰囲気の綾小路だったが

人間的な女性の綾小路に言いくるめられてしまい、渋々了承するのであった

 

「・・・・・・・」

 

その光景にどこか異様さを感じている

見た感じ六人は仲の良いグループのように見えるが

 

その会話はまるで個人が独り言を言っているような会話であると感じていた

 

すると

 

「・・・・・・君も気が付いたか・・・・」

 

「っ!?」

 

堀北の左隣にいた

仮面をかぶった男子生徒が話しかけてきた

 

「・・・・・・君が感じているそれは決して気のせいではない

 

 そもそも人間というのは目で見た者は信じられても

 自分の身に感じているその感覚に対してはどうしても信じ切ることができない

 

 だが人間とてほかの動物が持ち合わせている危機感知能力を失っているわけではない

 

 時には目で見ているものだけではなく

 自分が感じたと思うことを信じてみるのも間違いではないことだってある

 

 君がそうだと感じたことは間違いであっても気のせいであることは決してない

 

 それを覚えておくのだ・・・・」

 

「あ・・・」

 

そう言って再び黙り込んでしまった仮面をかぶった綾小路であった

 

「目で見ているものだけでなく

 自分が感じたものが気のせいであることは決してない、か・・・」

 

そんなことをつぶやくと

 

「さて・・・・

 

 大体のプランは整ったね・・・・

 

 それではさっそく明日結構してみるとしよう・・・・

 

 それじゃあ・・・・・・よろしく・・・・」

 

「ええ

 

 それじゃあ堀北さん

 頑張ってね」

 

「・・・・ええ」

 

こうして改めて

赤点組の救済を開始するのであった

 

・1・

 

翌日の放課後

 

「須藤君たち、ちょっといいかな・・・・?」

 

さっそく女子の綾小路が三バカに接触した

 

「あ、ああ綾小路さん!?

 

 俺らになな何の用っすか!」

 

池は大げさに動揺している

 

「ちょっと三人とお話があるんだ

 よかったら放課後、いいかな?」

 

「い、いいいいっす!

 

 お前らもいいよな!!」

 

「も、もちろんだぜ!」

 

「お、おう・・」

 

池の返事に山内も有頂天になって返事し

須藤はほかの二人と違ってとりあえずのように返事をした

 

「それじゃあさっそく来てもらえるかな」

 

そう言って三人に来てもらえないかと誘い

三人はそれぞれの反応で話を受けるのであった

 

「何あいつ・・・何しようっての・・・?」

 

その様子を見ていた影がいたことに気づかずに

 

「な、なあひょっとして綾小路ちゃん俺に気があるんじゃねえの!?」

 

「何言ってんだよ寛治、綾小路ちゃんは俺に話があんだよきっと」

 

「めんどくせえな、俺たちに何の話があんだよ・・」

 

須藤が女子の綾小路に尋ねていく

 

「ごめんね三人とも

 

 話をしたいのはあたしじゃないんだよ」

 

「へ・・・って!?」

 

「「うええ!!」」

 

池と山内はひどく驚く

 

なぜならその前には不気味な雰囲気の綾小路と堀北の姿があったのだから

 

「おやおや・・・・?

 

 何を驚いているんだい・・・・?

 

 堀北はただ単に君たちに話が合って

 彼女を通して君たちを呼んだだけだろうに・・・・」

 

「お、おおお、俺たちに!?」

 

「ななな、何の用でしょう

 俺たち何かしました」

 

もはやびびりまくって対象の堀北もあきれの様子を見せる

 

「落ち着いて、堀北さんの話を聞いてあげて・・・」

 

女子の綾小路に言われ、二人は少し気が楽になったのか

表情から少し緊張感が抜けていくのがわかった、そして堀北が切り出していく

 

「単刀直入に聞くわね

 

 貴方達はこのまま平田君の勉強会に参加するつもりはないの?」

 

「え?

 

 べ、勉強会?

 

 いや、だって勉強とかだるいし

 平田モテすぎでむかつくし・・・

 

 テスト前日に詰め込んだらなんとかなるかなって

 

 中学だってそれで乗り切ってきたし」

 

池の言葉に山内も二度三度頷いた

 

「貴方達らしい予想通りの考え方ね

 

 でも、そのやり方では貴方達はむしろ

 退学になる可能性の方が高いわ」

 

「相変わらず何様なんだよお前は」

 

須藤がにらみを利かせて堀北に言う

 

「私が一番に心配しているのはあなたよ須藤君

 

 貴方は二人と比べても退学への危機感がなさすぎる」

 

「そんなのてめえにはかんけえねえだろ

 

 勉強なんてテスト前にやりゃ十分だろ」

 

「おい、須藤・・・」

 

突っかかっていく須藤をなだめる池

 

「ねえ須藤君、よかったらもう一度勉強会に参加してもらえないかな

 

 今度はあたしも手伝うから・・・・

 

 もしも一夜漬けをしたとして、それでだめだったら

 須藤君の大好きなバスケットだってできなくなっちゃうんだよ」

 

「そ、それは・・・そうだけどさ・・

 

 でも俺は少なくともまずはこの女のあの時の暴言に対しての謝罪が先だ!」

 

そう言って堀北に対して敵意むき出しの言葉を吐き捨てる

 

だが堀北が口にしたのは謝罪の言葉ではない、代わりに言葉を続けていく

 

「私はあなたが嫌いよ須藤君」

 

「んな!?」

 

堀北のその言葉は今のこの状況を悪化させてしまうもの

だが須藤に何も言わせることなく言葉を続けていく

 

「でもね、私とあなたがお互いに嫌いか

 どうかなんて言うのは今の状況では些細な問題でしかない

 

 私は私のために勉強を教える、あなたもあなたのために勉強すればいい

 

 違う?」

 

「・・・そこまでしてAクラスに上がりたいのかよ

 

 嫌いな俺を誘ってまで」

 

「ええ、そうよ

 

 そうでなきゃあなたとこうやって話なんてしないわ」

 

堀北のその一言一言に対して

須藤は苛立ちを重ねていくのがわかるが

 

綾小路たちはあくまで様子を見る

 

「俺はな、バスケの練習で忙しいんだよ!

 

 いくらテスト期間中だっつってもな

 ほかの連中は休んでるつもりはねえ

 

 お前なんかのために時間を割いてる余裕なんざねえんだよ」

 

須藤はあくまで勉強会に参加しない意思を見せていく

だが堀北の表情には余裕がある、須藤のこの反応は想定の範囲内であるかのように

 

「あの時の勉強会で私は少しやり方を変えてみようと考えたの

 

 貴方達は基本的な問題はおろか、基礎すらもできていない

 たとえるならば貴方達は大海に放り出された蛙のようなもの

 

 どこに行けばいいのかもわからず、ただ右往左往しているようなもの

 

 それに須藤君のように趣味に充てる時間を

 削られることがストレスになる人のことも考慮して

 

 この問題を一気に解決する方法を思いついたの」

 

「へえ、そんな方法があるのかよ

 

 だったら教えてもらえませんかね」

 

鼻で笑う須藤

 

「簡単よ、今からのこの二週間

 真面目に授業を取り組めばいい」

 

これには三バカは驚きを隠せない

 

女子の綾小路も驚きの様子を見せたが

不気味な雰囲気の綾小路は感心したような表情を見せる

 

「今から心を入れ替えて

 死ぬ気で授業を受けなさいと言ったのよ」

 

「ふ、ふざけんな、そんなのでうまくいくわけ」

 

池は意見するが

 

「あら?

 

 何か問題があるかしら?

 

 学校の授業は休みを挟んでもおよそ六時間

 勉強会のために一、二時間放課後に時間をむげにさくよりも

 

 はるかに効率がいい、だったらそれを有効活用すればいい

 

 そうすれば放課後に時間を当てていく事もないから趣味に充てる時間だって作れる」

 

「なるほど・・・・

 

 確かにそれなら勉強する時間も

 趣味に充てる時間も割くことはない

 

 でも、そううまくいくの?」

 

女子の綾小路が聞く

 

「そ、そうだぜ、授業内容なんてついていけねえし・・・」

 

「そうでしょうね

 

 だったら授業の合間の休み時間を利用して

 短い勉強会を開けばいいの、要約していくと・・・」

 

堀北はもってきていたノートを開いてそこにかかられている仕組みかを説明する

 

一時間の授業が終わったら、すぐに全員で集合し、わからなかった部分を報告していく

 

そしてそのわずか十分間の間に、堀北がそれに対する答えを教える

 

そしてまた次の授業へ、このローテーションを放課後まで続けていく

 

だがこれは簡単なことではない

授業にロクについていけない彼らが

この短い時間で学習できる保証がないのだから

 

「うう、混乱してきた

 

 こんなのうまくいくのかよ」

 

池達も薄々それが大変な事だと気が付いている

 

「そうだよ、休み時間じゃ勉強会に充てる時間よりも短いし

 

 わからなかった部分の解説とかはどうするの?」

 

「問題ないわ

 

 私がその授業中、すべての問題に対しても

 わかりやすく解答をまとめておくから

 

 それを綾小路君と綾小路さん

 そして私のマンツーマンで教えればいい」

 

「なるほど・・・・

 

 確かにそれなら10分という時間を有無駄なく消化できるねぇ・・・・」

 

堀北は二人の綾小路の方に目を向けていく

 

「二人とも、お願いできるわね」

 

堀北の問いに二人はうなずく

 

「けどやっぱり・・高校の勉強難しいしさ

 

 間に合うと思えないぜ」

 

「でも一時間で学ぶ授業の内容は、意外と少ないものよ

 

 ノートで写すだけでもせいぜい1、2ページ分よ

 

 その中からテストに関係されているだけのものに絞り込めば

 1ページにも満たない知識を詰め込むだけで済む

 

 どうしても時間が不足する場合にだけ、昼休みを利用する

 

 私は問題の内容を無理に理解させるつもりはない

 

 ただできるだけ頭に叩き込んでほしいだけ

 

 大事なのは授業の時は先生の声

 黒板に書きだされる文字のみに集中すること

 

 ノートをとる作業はいったん忘れなさい」

 

「つまり、ノートをとるなってことか?」

 

「実は書きながら問題や答えを覚えていくのは案外難しいものなのよ」

 

「確かにね・・・・

 

 ノートに書き写すことに集中しすぎて

 肝心の内容の暗記が疎かになるだろう・・・・

 

 そうするとただノートを書き写すだけの

 ことに貴重な時間を使ってしまうからねぇ・・・・」

 

つまり堀北はもう放課後に勉強させるつもりはもうなと言う事であった

 

「まあ物は試し、否定する前に実践してみればいいのよ」

 

「・・・やる気になんねえな

 

 そんなもんやったって、俺はお前みたいながり勉とは違うからよ

 

 そんな簡単な、裏技みたいに勉強ができるとは思えねえ」

 

堀北なりに三人に配慮した方法だが

まだ肝心の須藤が首を縦に振らない

 

「馬鹿ね」

 

「ああ?」

 

「勉強なんて地道に時間をかけて覚えていくほかに上達する方法なんてないわ」

 

堀北はそれでも自分の姿勢を崩さない

 

「だったらなおさら・・」

 

「じゃあ聞くけれど

 

 あなたが情熱を注ぐバスケットには近道や裏技があるの?

 

 あるなら教えてもらえる?」

 

「んだと!

 

 そんなもんあるわけねえだろ

 

 何度も何度も地道な練習を重ねることで、初めてうまく・・・なん・・だよ・・・・・はっ!?」

 

須藤はそこまで言ってハッとするように息をのむ

 

「そうよ、地道に積み重ねていく以外に上達なんてしない

 それは勉強のみならずバスケでもほかのことでも一緒

 

 あなたがもしも赤点をとれなければあなたの大好きな

 バスケットを続けていく事はできなくなってしまう

 

 貴方は好きな事のためなら全力で頑張れる人

 その情熱を今回勉強に回していってほしい、それだけよ」

 

堀北は堀北なりに須藤にあゆみ寄っていく

須藤もその様子に驚愕するがそれでもやはりうんは言えないようだ

 

「・・・やっぱり俺は、納得がいかねえよ」

 

須藤はそこまで言ってその場を去っていこうとするがそこに

 

「そういえば・・・・

 

 君は彼氏はいなかったよね・・・・」

 

「・・・・・・え?

 

 いきなり何を言って・・・・」

 

「もしも次のテストで50点以上を取れたら彼らの望みをかなえてあげられたらどうだい・・・・?」

 

「ちょっと何言って!?

 

 あたしは・・・・」

 

「なんだって!?

 

 そういうことだったら!

 

 俺とデートしてください!

 

 51点取りますから!」

 

「いやいや俺が!

 

 俺とデートを!

 

 俺は52点取りますから!」

 

すると池が反応し、その次に山内も反応する

女子の綾小路は不気味な雰囲気の綾小路の真意に気づき

 

彼を睨みつける

 

「堀北が作ったチャンスだ・・・・

 

 それを君が使わないでどうする」

 

「あ・・・・」

 

そう言われて女性の綾小路はしぶしぶのることにした

 

「そんな急に言われても困るよ・・・

 

 私、テストなんかで人を判断なんてするつもりは・・・

 

「いいじゃないか・・・・

 

 勉強を頑張ったご褒美を彼らにあげるという形で・・・・」

 

すると

 

「・・・・・・あたしね、何事にも真剣に

 とりくめる人、努力する人は素晴らしいって思うんだ

 

 あたしも何事も努力をして頑張ってそれで今のあたしがあるの・・・・

 

 だからみんなが嫌いなことにも頑張って努力できる人、すてきだって思います」

 

「うおおおおお!!!!!!

 

 やる!

 

 やるやる!

 

 やります!」

 

ぶっちゃけどうでもいい奴が釣れたので

それを無視して不気味な雰囲気の綾小路は須藤と堀北に言う

 

「須藤・・・・

 

 これは好機だよ・・・・

 

 君だってこのまま堀北に馬鹿にされっぱなしも嫌だろう・・・・?」

 

そう言われると須藤は堀北の方を見る

 

「・・・そうだな、てめえよりいい点とまでは無理でも

 

 俺だってやればできるんだってことをてめえに見せてやるぜ」

 

と堀北に宣戦布告するように言うのであった

 

「別に何でもいいわ、やる気になってくれたのならね」

 

堀北はあきれながらもまずは関門を突破するのだった

 

そして、そんな様子を見つめる一つの影が

 

「堀北の奴・・・

 

 調子に乗りやがって・・・

 

 思い知らせてやる!」

 

櫛田はそう言って堀北達の元に向かおうと

するが不意に服を引かれ戻されるのであった

 

「にゃあっ!」

 

「悪いな・・・・

 

 こんなところで邪魔されたくないんだよ」

 

櫛田を引き戻したのは動物的な雰囲気の綾小路だった

 

「綾小路君!?

 

 あ・・・」

 

櫛田はハッとして彼を見る

その鋭い雰囲気を戻すことなく

 

綾小路を睨みつける

 

「さっきの言葉・・・・

 

 ひょっとして聞いた・・・・?」

 

「聞いたな、でも別に聞いたからって何だってんだ?」

 

すると櫛田は綾小路のネクタイを引っぱって言い張る

 

「あんたこそあたしの邪魔しないでくれる?

 

 あんたが堀北のことをどうしてかばうのか知らないけど

 どうせあんたなんて散々利用されて使い捨てられるだけよ」

 

「堀北が俺をどうしようがなんかに興味はねえよ

 

 俺はあくまで俺の都合で動かせてもらうだけだ」

 

「あんたの意見なんて聞いてない・・・

 

 これ以上何か言っても時間の無駄だから放してもらえる?」

 

「そうだな・・・・」

 

そう言って櫛田の襟をつかんでいた手を離す

すると櫛田はすかさず動物的な雰囲気の綾小路の手を取り、自分の胸に押し付ける

 

「んなっ!?」

 

「油断したわね、これでもうあんたは詰んだ

 

 もしも私の邪魔をするんだったらあんたにレイプされそうになったって

 学校に訴えさせてもらう、この通りあんたの指紋も付いたから証拠もある

 

 裏切ったら許さないから・・・」

 

櫛田はそう言って鋭い眼光で動物的な雰囲気の綾小路を睨む

 

「ち・・・・

 

 私とあたしから櫛田が邪魔に

 入らないように頼まれていたんだが・・・・

 

 逆にまさか俺が攻略されるなんてな・・・・」

 

「・・・フフフ」

 

すると急に櫛田は無邪気な笑顔を向けてきた

 

「私と綾小路君、二人だけの秘密だね」

 

「ああ、そうだな・・・・

 

 俺とお前の二人だけの秘密、だな」

 

綾小路はそれでも臆することなく言葉をつないでいく

すると櫛田は綾小路の耳元に顔を近づけてつぶやいた

 

「私、あんたみたいな奴、嫌いだから・・・

 

 調子に乗らないでくれる?」

 

「調子になんて乗ってねえよ

 

 俺も・・・・・・お前が大っ嫌いだからな」

 

そう言って互いに距離をやっていく二人

 

櫛田は興が覚めたのかまっすぐ寮に戻っていく

 

「・・・・・・・・・・」

 

動物的な雰囲気の綾小路はそんな櫛田をじっと睨みつけながら

二人の綾小路と堀北、三バカのもとに急ぐのであった

 

・・一・・

 

その後

 

勉強会はまあ活気にあふれているとまでは言わないが

それでも思っていた以上に進んでいるのはわかった

 

三バカもそれぞれの目標のためになれない勉強を続けていく

 

前にやった時に比べれば自分の時間に

割く余裕ができているので心に余裕ができ始めているようであった

 

綾小路たちはあくまで堀北のやり方をゆっくりとみていく事にした

 

「思ってる以上に順調に進んでるみたいだね・・・・」

 

「そうだね・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路のつぶやきに

小さく答えると女子の綾小路は動物的な雰囲気の綾小路を睨むように見る

 

「な、なんだよ・・・・」

 

「俺、貴方櫛田さんに弱み握られたって?

 

 どうするの!

 

 櫛田さんをなるべく堀北さんから引き離す手はずだったのにぃ!」

 

「し、仕方ねえだろ・・・・

 

 まさか俺だってあの女があんなことするなんて・・・・」

 

「まったくもう・・・・

 

 大体俺は考えなしに行動しすぎ!

 

 何でもかんでも無鉄砲すぎだよ!!」

 

「そういうのは得意じゃねえんだよ!」

 

「俺はあたしでしょうが!」

 

「何の話をしているんだい・・・・?」

 

するとそこに不気味な雰囲気の綾小路と堀北が二人に話しかけてきた

 

「あ、ああ・・・・

 

 私に堀北さん、びっくりさせないでよ」

 

「そういやもうすぐお昼だよな

 

 堀北はお昼どうすんだ?」

 

「そうね・・・」

 

「綾小路くーん

 

 よかったらお昼、一緒に食べよー?」

 

とそこに現れたのは櫛田だった

 

「うげ、櫛田・・・・

 

 どうすんだよ二人とも・・・・」

 

「俺が行ってらっしゃい」

 

「堀北は・・・・」

 

「悪いけれど私用があるから・・・」

 

そう言って去っていく堀北であった

 

「まあこうなるわな・・・・

 

 それじゃあ私も失礼するよ

 私もやらなきゃいけないことあるしさ・・・・」

 

「あたしは平田君のところに行くね

 

 平田君の方はどうなのかも聞いておきたいし・・・・」

 

と不気味な雰囲気の綾小路と女子の綾小路はその場から去っていき

残ったのは櫛田と動物的な雰囲気の綾小路の二人だけであった

 

「ぐぬぬぬぬぬぬ・・・・

 

 何気に俺に押し付けていきやがったな・・・・

 

 ようしそれじゃあ俺も・・・・」

 

「あーやーのーこーじくーん、今日はちょっとお話があるんだー

 

 付き合ってくれるよねー」

 

「・・・・・・畜生・・・・」

 

なんとか離脱しようと試みる動物的な雰囲気の綾小路だったが

櫛田につかまって昼食に付き合わされる羽目になってしまったのであった

 

ちなみにその様子をうらやましそうに見つめていたもの多数

 

「おいおい・・・・

 

 ここって絶対に男が来るとこじゃねえよな・・・・」

 

櫛田に連れられて行ったそこは女子のグループの比率が多く

とてもではないが男がいて居心地のいいというと少し抵抗がある

 

「でもなれれば平気だよ、高円寺君はよく利用しているみたいだし」

 

櫛田の指さした先にいたのは

 

「高円寺くーん、はい、あーん」

 

「はっはー!

 

 やはり年上の女性は気づかいがいいねぇ」

 

たくさんの女性に囲まれて食事をとっている高円寺の姿があった

 

「うわー・・・・

 

 なんでかうらやましくねー」

 

「ま、まあ高円寺君の家ってすごく有名だからね」

 

その光景に対して何の言葉も出ない動物的な雰囲気の綾小路

 

「まあ現実を見れば、むしろ純愛で付き合うっていうのが珍しいのかもな」

 

「全部の女の子がそうだとまでは

 言わないけれどそうなのかもしれないね」

 

「あー、もう女は嫌だ」

 

「綾小路君ってひょっとして女の子苦手?」

 

「誰のせいだよ、誰の・・・・」

 

櫛田を睨みつける動物的な雰囲気の綾小路に対して

櫛田はごまかすように笑うのだった

 

「さあてと、綾小路君は堀北さんともう一回勉強会を始めたんでしょ?

 

 よくここ最近休み時間須藤君たちと一緒にいることが多いよね」

 

「まあだいたい予想はされてるか・・・・

 

 まあそうだな、あたし、女の綾小路が手を引いて

 堀北が三人にぶつかっていってそれでなんやかんやあって

 

 勉強会っていうか授業の見直しをしているというか・・・・」

 

「そうなんだ、でもなんだかうらやましいな

 

 やっぱり綾小路君って堀北さんのこと・・・好きなんだ」

 

それを聞いて椅子から倒れそうになる

 

「は、はああああああ!?

 

 なんでそうなんだよ!」

 

「だっていつもよく一緒にいるじゃない」

 

「俺はできればお前とも堀北ともかかわりたくないっての!

 

 むしろ堀北と一緒にいるのは私、じゃないあっちの綾小路の方で!」

 

必死に弁明する動物的な雰囲気の綾小路の様子を見て不思議と笑みを浮かべる櫛田

 

「なんだか綾小路君の意外な一面を見た気がするな

 

 綾小路君ってどこか人を寄せ付けない感じがあるけど

 こうして話をしてみると案外かわいいところがあるんだね」

 

「かわいいってお前・・・・

 

 男がそんなこと言われてもうれしかねえよ」

 

櫛田の物言いに獣のように食って掛かる綾小路

 

「でも綾小路君も意外に女の子たちから注目されてるよ?」

 

「意外には余計だっつの、っていうかぶっちゃけ興味ねえし」

 

「でも女子が作ったイケメンランキングでは5位にランクインしてるんだよ?

 

 ちなみに一位はAクラスの里中君で、二位は平田君で、三位と四位は・・・」

 

ぶっちゃけ聞かされてもだから何だという感じで頬杖をして

うんざりした感じで聞き流す動物的な雰囲気の綾小路

 

「ちなみに、根暗そうなランキングでも上位に入ってるよ」

 

「余計な情報ありがとうな・・・・」

 

「でも私はそうには見えないけれどな~」

 

櫛田は携帯を操作しほかのランキングも見せてくれたが

ぶっちゃけどうでもいいので少し強引に話を切りあげさせた

 

「私は綾小路君は悪くないと思うよ」

 

「さっき嫌いつってたやつが何言ってやがる・・・・」

 

と蛇のように鋭く櫛田を睨みつける

それを見て思わず驚きの様子を見せるが慌てて言葉を続けていく

 

「しっかしこんなランキングなんざ作って何が楽しいのかね」

 

「でもこういう人がいるんだよっていう意味では

 注目の的にはなるんじゃないかな、何事にもきっかけは必要だし」

 

櫛田はそんな眼光に臆しながらも言葉を続けていく

 

「そもそも綾小路君はすっごく損してるんだよ

 

 だって綾小路君、私から見てもイケメンだと思うよ

 やっぱり平田君に比べると個性がないというか、積極性がないというか・・・」

 

「別に俺は三バカのように平田と張り合うつもりはねえよ

 

 大体俺は堀北のように友達が必要ないとまでは言わねえが

 多く作りたいとも思わねえ、彼女作んのだって興味もねえしな」

 

めんどくさそうに突き放す言い方で答える綾小路

 

「じ、じゃあ綾小路君は、どんな中学時代を過ごしてたの?」

 

「そんなのいちいち話す必要あんのか?」

 

「・・・まあ別にないけれど・・・」

 

「だったら話はここまでだ、以上」

 

「・・・ちっ・・・」

 

一瞬舌打ちが聞こえたが別に今更気にすることではないと考え受け流す

 

「そもそもな、てめえのことを嫌いだっていうやつに

 なんで人の過去のこととか話さねえといけねえんだよ」

 

「ま、まあでももしかしたらお互いに知らない何かを知れると思うし」

 

「知りたいとは思わねえし、教えようとも思わねえな」

 

「あははは、でもそうだね・・・綾小路君の言う通りかも」

 

互いににらみ合っていくように見つめる双方

 

「それじゃあ本題に入らせてもらうね・・・

 

 綾小路君はもしも私と堀北さん、どっちかの味方に

 つくとしたら、綾小路君はどっちを選ぶのかな?」

 

「俺はどっちの味方にもなるつもりはねえよ」

 

「中立ってことかな?

 

 でも世の中都合よく中立を通せるほど単純じゃないことだってあると思うよ

 

 戦争反対を掲げる人だっていつ渦中巻き込まれるか分かったものじゃないでしょ?」

 

「なるほどな・・・・

 

 だが結局力は力でしか示せない

 あくまで力のあり方はそれぞれってだけだ」

 

「そうかもね・・・

 

 でもいつか中立を貫き続けていく事はできないよ

 

 私ね、もしも堀北さんと私が対立してしまったら

 綾小路君にはね、私の味方になってくれたらいいなって思ってるんだ」

 

「・・・・・・まるでで近いうちに堀北に戦争でも仕掛けるって言いたげだな」

 

「例えばだよ、私ね綾小路君のこと、期待もしてるんだよ」

 

「期待だと、俺から見ればお前も堀北も俺のいる土俵にいない

 

 俺のことを理解しきれていないのに期待なんざ向けられてもな」

 

櫛田は笑顔を浮かべたまま、首を横に振る

 

「じゃあ、堀北さんよりも早く

 綾小路君のことを知らないとね・・・」

 

「できるもんならな・・・・」

 

そう言って立ち上がる動物的な雰囲気の綾小路

 

「あれ?

 

 綾小路君、お昼ごはん食べないの?

 

 もうすぐお昼休み終わっちゃうよ」

 

「俺は別にいいよ、俺はな・・・・」

 

そう言って櫛田に後ろ手に手を振りつつ

去っていく動物的な雰囲気の綾小路に対し櫛田は首をかしげるのであった

 

・・二・・

 

図書館

 

「・・・・・・・・・・」

 

「へえ・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

二人の綾小路と堀北はじっと見つめている

 

その原因は

 

「なんでお前もここに・・・・」

 

「私だってクラスのみんなの力になりたいもん」

 

動物的な雰囲気の綾小路の隣にいた櫛田であった

 

「なんで櫛田さんを連れてきたのよ・・・・」

 

「んなこと言われたってどうすんだよ・・・・」

 

女子の綾小路と動物的な雰囲気の綾小路が小声で言い合っていく

 

「ちょうどいい・・・・?

 

 彼女にも手伝ってもらおうじゃないか・・・・」

 

「え!」

 

「あ、綾小路君!?」

 

不気味な雰囲気の綾小路の言葉に

櫛田は喜びの反応、堀北は驚愕の反応を見せる

 

「櫛田だって堀北ほどでないにしろ

 成績においては非常に優秀だしさ・・・・

 

 ぶっちゃけ私達だけではこの勉強法は手に余る・・・・

 

 引き入れても問題はないと思うよ・・・・」

 

「ありがとう、綾小路君!」

 

「ち、ちょっと待って勝手に決めないd・・・」

 

「じゃあさ・・・・

 

 この効率の悪さを

 どうやって回していくのか・・・・

 

 ほかに方法はあるのかい・・・・?」

 

「・・・・それは・・・」

 

実は現状、授業内容をいくつか絞って

どうにかしているのだが、ぶっちゃけ堀北は

問題の絞り込みもそのまとめもすべてになっている

 

綾小路たちとともにほかの三人に教えている

 

だがそれゆえこの勉強会においての要である堀北への負担が一番大きい

 

綾小路たちもある程度手伝っているが

それでも三人分まとめるのにはなかなかいかない

 

ゆえにここで人員が増えるのは堀北にとっても願ってもないことだ

 

「・・・・わかったわ、特別に参加を認めてあげるわ」

 

「うん、ありがとう堀北さん」

 

そのことに喜ぶ櫛田

三バカの方も歓喜に満ち溢れる

 

女子の綾小路はやれやれといった感じで席に座り

動物的な雰囲気の綾小路は嫌そうにしながらも同席するのであった

 

「ところでさ、お前櫛田ちゃんと一緒に来たよな」

 

「・・・・・・それがどうかしたのかよ」

 

「まさかお前、ここに来るまでに櫛田ちゃんと二人っきりだったってのか~」

 

山内が動物的な雰囲気の綾小路を睨みつける

綾小路の方はだんまりを決め込むのだが

 

「うん、二人でお昼ごはんを食べてたんだ」

 

櫛田が代わりに答えてしまうのだった

 

それを聞いて池と山内は動物的な雰囲気の綾小路をまるで親の仇のように睨みつける

 

「はいはい二人とも

 

 勉強会を始めましょ」

 

女子の綾小路がそういうと二人は

デレデレと返事して勉強会を開始するのであった

 

「勉強会始めてさ改めて思ったけど

 地理って結構簡単なんだな」

 

「化学もい思ったほど難しくない」

 

池と山内がそんなことをつぶやく

 

「それはたぶん暗記問題が多いからじゃない?

 

 英語や数学は基礎ができていないと解けない問題が多いし」

 

「油断は禁物よ

 

 時事問題が出ることも十分考えられるわ」

 

「じじい・・問題?」

 

「時事問題

 

 近年に起こった政治や経済における事象ことよ

 

 何が言いたいのかというと教科書に載っている問題だけが

 出題されるとは限らないということ」

 

「うげ、そんなの反則だろ!」

 

「それを兼ねの勉強よ」

 

「急に地理が嫌いになってきた・・・」

 

「確かにその可能性もあるがそれは別に気にすることもあるまい・・・・

 

 それを気にしすぎて拾えるとことを拾い損ねればそれこそ大損だろうしね・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路の言葉に三バカは

やや不安を見せながらもとりあえずはそれに同調する

 

「ところでもうそろそろ引き上げた方がいいんじゃねえか?」

 

動物的な雰囲気の綾小路のいう通り時間は刻一刻と過ぎていく

 

「まったく、どこかの誰かさんが遅れてきたせいで時間が大いに削られたから」

 

「・・・・・・こっちは櫛田に絡まれてたんだ」

 

「ご、ごめん、でもその代わり私もできることはやるよ

 

 それじゃあ、私から問題、帰納法を考えた人は誰でしょーか?」

 

「あ、確かさっきの授業で言ってたぜ、確か・・・」

 

シャーペンを回しながら考え込む池

 

「確かあれだよな、なんかものすっごく腹の減りそうな名前の・・・」

 

「フランシスコ・ザビエル・・・みたいな感じの名前だったよな」

 

須藤はそんなことを言う、すると

 

「わかった!

 

 フランシス・ベーコンだ!」

 

「正解っ」

 

「よっしゃ!

 

 これで満点確実だな」

 

「それはないと思うぞ」

 

動物的な雰囲気の綾小路がそんなツッコミを入れる

 

「だけどあんまり詰め込みすぎないようにしてね

 

 体調を崩して学校を休めば、勉強する時間も取れないし」

 

女子の綾小路が一同に気づかいの言葉をかける

 

「大丈夫よ、この三人なら」

 

「さっすが堀北ちゃん

 

 俺らのこと信頼してくれてるんだな!」

 

「君たち・・・・

 

 馬鹿は風邪をひかないという言葉を知っているかい・・・・?」

 

「「「・・・んな!?」」」

 

不気味な雰囲気の綾小路の言葉を聞いて

堀北の言い方の意味を察し、声をそろえてショックを受ける三バカであった

 

すると

 

「うるせーな静かにしろよ!

 

 集中できねえじゃねえか」

 

隣の机に座っていた男子生徒が言う

 

「あ、ああ悪い悪い

 

 えーっとしたかフランシス・ベーコンだったよな

 

 帰納法を設定した奴の名前、憶えてて損ないよな」

 

「貴方は確かCクラスの・・・・」

 

女子の綾小路はその男子生徒を見てつぶやく

 

「お?

 

 綾小路ちゃんじゃねえか

 

 ってことはこいつらはDクラスか、お前も不運だよな

 こんな欠陥品共のことも見てやらないといけないなんてさ」

 

その男子生徒はどうやら女子の綾小路と面識があったようあった

だがその言い方が癪に障ったのか、須藤は立ち上がってその生徒に突っかかる

 

「てめえ、何がおかしいんだよ!」

 

「あー悪い悪い、あんまりにもおかしな光景だったからこらえきれなくってさ

 

 まあ一応自己紹介しておくか、俺は山脇、Cクラスだ」

 

すると女子の綾小路になれなれしく肩に手を置き

ほかの面々を小バカにしたように見渡していく

 

「しっかし綾小路ちゃんも大変だな

 

 こんな底辺の奴らにいろいろと教えてやらなきゃなれねえんだからな

 

 いっそお前がおんなじCクラスだったら俺が手とり足取り教えてやんのにな」

 

「悪いけれど、仮に私がDクラスじゃなかったとしても

 貴方のような人とおんなじクラスなんて絶対にお断りよ」

 

「おいおい、随分ときつい言い方だね~

 

 でもさ、こんな奴らのために時間をむげにする義理だってねえんじゃねえか?」

 

「んだと!」

 

須藤は机をたたきつけて立ち上がる

 

「おいおい、本当のことだろうが

 

 ってゆうーかこんなところで俺を殴っていいのか?

 

 暴力行為が発覚したらポイントをいくつ減らされるか・・・・

 

 ああそうか、お前らはもう減らされるポイントもないんだったっけ?」

 

「てめえ!」

 

思わず手を出しそうになる須藤

 

「やめなさい須藤君、彼の言う通りよ

 

 ここで騒ぎを起こせば、どうなるのかわからない

 

 最悪退学させられることだって、あると思った方がいいわ

 

 そしてあなたの方も、私たちのことをどう言おうと構わないけれど

 私からしてみればCクラスも自慢できるようなクラスではないと思うわね」

 

「C~Aクラスなんて誤差みたいなもんだろ?

 

 お前らだけはある意味別次元ってとこだろうさ?」

 

「ずいぶんと自分たちに都合のいいもの指値

 

 私から見ればAクラス以外は団子状態よ」

 

堀北のその言葉に山脇はへらへら笑っていた顔をこわばらせて

女子の綾小路に置いていた手を離して、堀北を睨みつける

 

「てめえ、不良品の分際で

 顔がかわいいからって何でも許されると思うなよ?」

 

「脈絡もない話をありがとう

 

 私は今まで自分の容姿を気にかけたことはなかったけれど

 貴方に褒められたことで不愉快に感じたわ」

 

「っ!」

 

山脇は姿勢を上げる

 

「お、おい

 

 よせって

 

 俺たちから仕掛けたなんて噂が

 広まったら龍園さんに何言われるか・・・」

 

Cクラスの生徒が慌てて彼を抑える

 

「今度のテスト、赤点をとったら退学って話は知ってるだろ?

 

 お前らから何人退学者が出るのかな?」

 

「心にもない心配をありがとう

 

 でも、私達より自分たちのクラスの心配でもしたらどう?」

 

「くくくくっ、冗談はよせよ」

 

「俺たちは赤点をとらないために勉強してるんじゃねえ

 

 もっといい勉強をとるために勉強してんだよ

 

 お前ら不良品と一緒にするな

 

 大体、お前ら、フランシス・ベーコンだの帰納法だのって、正気か?

 

 テスト範囲外のところを勉強してなんになんだよ」

 

「「「「「・・・・え?」」」」」

 

「もしかしてテスト範囲もろくにわかってないのかよ?

 

 やっぱり不良品だな」

 

「いい加減にしろよこら!」

 

須藤はそう言って山脇の胸倉をつかみ上げる

 

「お、おいおい、暴力ふるう気か?

 

 お前らマイナスくらうぞ?」

 

「そんなもん関係ねえんだよ!」

 

と須藤の手が勢いよくふるわれて行こうとしたその時

 

「いい加減にしろ!」

 

その怒号に図書館にいたほかの面々や、堀北達の目線もその視線の方に行く

 

「ったくもうすぐ授業が始まっから

 迎えに来てやろうと思ってここに来たのに

 

 一体何やってるんだお前ら」

 

「おいら・・・・」

 

そこにいたのは好戦的な表情を浮かべた綾小路だった

 

堀北自身も彼と面識はあるもののあまり話したことはない

だが少なくとも彼の放っているさっきにも似たオーラがあたりを静粛させていくのがわかった

 

「須藤、お前の気持ちもわからくもねえが

 あんな安い挑発に乗ってるんじゃねえよ

 

 堀北もだ、須藤に便乗して状況悪化させてんじゃねえぞ」

 

「わ、悪い・・」

 

「ごめんなさい・・・」

 

あまりの迫力に須藤も堀北も思わず謝まってしまう

 

「お前らもお前らだ

 

 喧嘩だったら代わりにおいらが買ってやる

 授業始まるまでには終わらせてやるぞ、ああ!?」

 

「ひ、ひいいいい・・・・」

 

山脇たちはそのオーラに畏れて

自分たちの持ち物をほったらかしにして走り去っていくのであった

 

「ったく・・・・

 

 私も俺、それからあたし

 そろそろ時間だ、戻るぞ」

 

「おいら、あんまり騒いだら目立つだろうが・・・・」

 

「知らねえよ

 

 喧嘩を売ってきたやつが悪いんだろうが」

 

好戦的な雰囲気の綾小路はうっとおしそうに山脇たちの持ち物を見る

 

「ちょっとそこの君?」

 

そんな彼に話しかけていくひとりの影が

 

「おや・・・・?

 

 君は確か職員室で見た・・・・」

 

「一之瀬さん」

 

「友達を助けたるためとはいえ

 もう少しほかの人のことも考えてもらえないかな

 

 ここで勉強しているのは君たちや山脇君たち以外にもいるんだし」

 

一之瀬と呼ばれた少女は好戦的な雰囲気の綾小路に向かって言う

 

その綾小路は困惑してほかの綾小路に目線を移すが

不気味な雰囲気の綾小路と女子の綾小路は一之瀬が正しいと言わんばかりに頷き

 

動物的な雰囲気の綾小路はとにかく終わらせると言わんばかりに睨みつける

 

「えっと、その・・・・・・ごめん・・・・」

 

「おお、意外に素直だね・・・

 

 ま、まあわかってくれたならいいよ

 次から注意してくれればいいからね」

 

意外なまでに素直に謝罪したことに驚きながらも

笑いながら少々注意を促す程度で済ませるのであった

 

「それからそこの君も勉強したかったらおとなしくやろうね、それじゃ」

 

と颯爽と去っていく一之瀬であった

 

「彼って案外ものわかりがいい方なのね・・・」

 

「まああいつ根っからの悪い方じゃないし・・・・

 

 まあどっちにしろさっきの一之瀬の言う事の方が正しいことに変わらないし・・・・」

 

好戦的な雰囲気の綾小路はややしょんぼりとしてしまうのだった

 

「・・・・・・ところで山脇君・・・・妙なこと言ってたよね」

 

「うん、テスト範囲外って・・・言ってたよ、ね?」

 

「・・・・どういうこと?」

 

互いに見合っていく面々

 

「ひょっとして・・・

 

 クラスによってテストが違うってことなのかな?」

 

「それは考えにくいわね・・・・学年で統一されているはずよ」

 

やがて顔が真っ青になっていく一同

 

「もしも範囲が違っているのがこの社会科だけだったらいいのにね・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路がさらに不安をあおる

 

堀北達は急いで職員室に向かっていくのだった

 

・・・三・・・

 

お昼休み終了まであと10分

 

堀北達は職員室で茶柱先生を訪ねる

 

「先生、急ぎ確認したいことがあります!」

 

「なんだ騒々しい、ほかの先生が驚いているぞ

 

 私に用事があるのなら手短に頼むぞ」

 

茶柱先生は堀北達の方に向かずに何かをうつしていた

 

「先週茶柱先生から伺った中間テストの範囲ですが、それに間違いはありませんか?

 

 先ほど、Cクラスの生徒からテスト範囲が違うと指摘を受けましたので」

 

堀北がそこまで言うと茶柱先生のペンを動かす腕が止まった

 

そして、返答する

 

「・・・・ああそうだった、中間テストの範囲は先週の金曜日に変わったんだったな

 

 すまない、お前たちに伝えるのを失念してしまっていたようだ」

 

「「「「「な・・・・・!?」」」」」

 

そう言って茶柱先生はノートに五科目分のテスト範囲と思われる部分を書き出し

ページを切り取ると堀北へと渡す、その内容を見て堀北を含めた一同の表情をゆがめる

 

そこはすでに授業に習っていた場所だが勉強会を開く以前の部分が大半で

面々はもちろん、平田達ですらもほとんど手を付けていない

 

「礼を言うぞ堀北、お前のおかげでミスに気づくことができた」

 

「ちょっちょっと待ってくれよ佐枝ちゃん!

 

 そうはいっても遅すぎるって」

 

「何を言っている、まだ一週間もある

 その一週間を使って勉強すればいいだろう?」

 

茶柱先生はそこまで言って立ち上がって去っていこうとするが

それでも納得のいかない一同は引き下がらない、しかし

 

「これ以上いたところで事態は変わらない

 

 それくらいは分かるだろう?」

 

茶柱がそういうと堀北は重々しく口を開く

 

「・・・・行きましょう」

 

「で、でも堀北ちゃん!

 

 こんなの納得できないって!」

 

「先生の言うことはもっともよ

 

 こんなところでくすぶっているより

 この新しいテスト範囲の勉強を少しでも早く始めた方がいい」

 

「けど!」

 

堀北自身ももちろん納得している様子はない

だが茶柱先生の言うことももっともでここにいても何にもならない

 

須藤たちも渋々そこから出ていく

 

ただ数人を除いて

 

三人の綾小路は職員室を見ていた

茶柱先生、ほかの教職員、その中には偶然Bクラスの担任の星ノ宮先生とも目が合った

 

彼の方を見て微笑みながら手を振る、その反応を見てさらに疑問が残る

 

茶柱先生事態もテスト範囲の伝え忘れたというのに焦っている様子もない

ほかの教職員たちも先ほどのやり取りは聞こえていたはずなのに何の反応もない

 

綾小路は目を閉じる

 

ほかの教職員たちはその様子を不思議そうに見つめる

 

・・・・・・・

 

ー茶柱はテスト範囲の変更を伝え忘れたのに・・・・

 

 特に慌てている様子はない・・・・・・つまりはどういうことか・・・・ー

 

ーつまりこれは茶柱先生はそれを仮に伝えなくとも

 打開できる方法があると言う事なのかもしれないね・・・・ー

 

ーでもどういうことなんだろうー

 

ーひょっとして裏技があるとか?ー

 

ーあったとしてそれはなんだー

 

ー残念ながらもっと記憶をさかのぼっていく行く必要があるー

 

ーそういやこのポイントってのはさ

 

 買えないものはないんだよなー

 

ー茶柱先生も言ってたはずだー

 

ーつまりこれってあれも可能ってことか・・・・ー

 

ーでもちょっと待って、だったら茶柱先生は・・・・ー

 

ーだが現状を打開する方法はこれしかないー

 

ー受け入れるほかないだろう、そう・・・・ー

 

ーーーーーーーーーーーーーーこれが答えだーーーーーーーーーーーーーー

 

・・・・・・・

 

「なるほどね・・・・

 

 私としたことが盲点だったよ・・・・」

 

そう言って職員室を出ていく綾小路であった

 

すると外で待っていた一同に出迎えられる

 

「ずいぶんと遅かったわね

 

 あんなことを聞かされた後なのに」

 

「聞かされたからさ・・・・

 

 それで君たちはこれからどうするのかな・・・・?」

 

「これから私達と平田君たちで協力して

 この残った一週間で急いでこのテストの範囲を復習しようって話をしていたの」

 

「今日の俺はむかついてんだ

 

 Cクラスの奴らにも茶柱の奴にも・・

 

 こうなったらこの勢いで勉強会なんて軽くこなしてやるよ!」

 

「「おう!!」」

 

三バカも先ほどまでの勉強会に対して代わり映えするほどの熱意を見せている

 

「と言う事で綾小路君にも協力してもらいたいと思って・・・」

 

「・・・・・・悪いけれど・・・・

 

 私はその勉強会だがしばらく抜けさせてもらうよ・・・・」

 

「・・・え?

 

 何を言って・・・」

 

「・・・・・・なあにすぐに戻ってくるさ・・・・

 

 すぐに・・・・・・ね・・・・」

 

「何を言っているの、まだあなたには協力をしてもらわないいけないわ

 

 そういう取引のはずよ」

 

堀北は突っかかるが

 

「忘れてはいないよ・・・・

 

 でも私は人にものを教えるというのは得意じゃないからね・・・・

 

 その点は君たちに任せることにするよ・・・・」

 

そう言って教室に先に戻っていく不気味な雰囲気の綾小路であった

 

「そういや綾小路ってテストどのくらいだったっけ?

 

 確かよくも悪くもなかったような・・・」

 

「だからと言ってこのまま無断で抜けさせるわけにはいかないわ

 

 昼休みに彼を捕まえてでも参加させる、もう私達には時間がないのだから」

 

「でも本当にそれだけなのかな?

 

 綾小路君はひょっとして別の考えがあるんじゃないかな」

 

「別の考え?」

 

櫛田の言葉に堀北は去っていく綾小路の方を見るのであった

 

・・・・四・・・・

 

昼休み

 

綾小路は堀北につかまる前に急いで教室を出ていく

 

「どこに行くんだろ?」

 

いつの間にか堀北のもとに来た櫛田が堀北に問いかける

 

「さあね、私としては抜けた彼を見張っていく余裕はないわ

 

 お昼も取らないといけないし範囲の見直しの方も仕上げないといけないしね」

 

「でも綾小路君だってこのままだってまずいっていうのは分かってると思うよ?

 

 でもそれを踏まえて綾小路君はお昼の勉強会の参加を見送った・・・ってことはないかな?」

 

「どういうこと?」

 

「つまり綾小路君はこのお昼休みでこの状況を

 打開する方法があるってことじゃないかな?

 

 この昼休みにおいてその方法を模索しようとしてるとか?」

 

櫛田の言葉に堀北は顎に手を当てて考え込むような仕草をとる

 

「そうね、昼休みはまだ時間もある

 

 少しぐらい様子を見てもいいかもね」

 

「うん!」

 

と言う事で教室を出ていった綾小路の後を追っていく堀北と櫛田

 

しばらく廊下を歩いていると綾小路の姿を見つけると

不意に身を隠す櫛田と櫛田にひかれて艫に身を隠されてしまう堀北

 

「ちょっと・・・

 

 私達が隠れる意味があるの?」

 

「あははは、なんとなくなんとなく」

 

こうしてしばらく様子を見ていく二人、すると

 

「お待たせ!」

 

女子の綾小路が不気味な雰囲気の綾小路の綾小路と合流する

 

「ようし・・・・・・それじゃ行こうかい・・・・」

 

「先に僕が食堂で待ってるはずだから」

 

そう聞いてお互いに頷き急いで食堂に向かう

櫛田も堀北の手を引きつつ二人を追いかけていく

 

食堂につくと二人の綾小路は券売機を

買っていく生徒たちをじっと見つめている

 

すると二人の綾小路は異様なまでの量の無料の総菜を食べている人物と接触する

 

「おほはははへ、ふはひほほ」

 

「ものを口に入れたまましゃべらないの!

 

 それで、取引に応じそうな人はいた?」

 

「んん!

 

 あの人がビンゴだよ・・・・」

 

その正体はどこか幼い雰囲気の残る綾小路だった

その彼は口に入っていたものを呑み込んでとある男子生徒に目をつける

 

どこか暗い雰囲気の男子生徒、見かけない顔なのでおそらく上級生だろう

 

櫛田と堀北も食堂に到着してしばらく様子を見る

 

「何をするつもりなの・・・?」

 

「あ、動き出したよ」

 

すると三人のうち二人の綾小路がその先輩に接触する

 

「あのーすいません、先輩・・・・・・ですよね?」

 

「・・・え? そうだけれども」

 

急に声をかけられて困惑した様子で返す先輩

 

「そのネクタイの色、三年ですね」

 

「う、うん、そうだけれど」

 

「僕は一年Dクラスの綾小路っていうんだけど

 

 先輩もDクラスだよね」

 

「え!?

 

 どうしてそんなことが・・・」

 

自身のクラスを当てられ驚愕する先輩は思わず聞いてしまう

 

「だってこの学校だとポイントなしで食べられるのは限られるし

 

 それって無料の山菜定食だよね、おいしくないほどじゃないけれど味っけないんだよね・・・・」

 

トレーの上に載っているメニューを見て言う幼い雰囲気の綾小路

 

「そ、そうなんだ

 

 それで俺に何かよう?」

 

先輩は恐る恐る聞いていく

 

「ちょっと先輩に聞きたいことがあるんだ

 

 それなりのお礼もするから聞いてもらえないかな?」

 

「・・・お礼?」

 

要件を言う幼い感じの綾小路は

先輩の耳元に顔を近づけてつぶやく

 

「おととしの一学期の中間テストの過去問を持っているなら

 

 見せてもらいたいんだ

 もしくはその過去問を持ってる人がいたら

 僕たちに譲ってもらえないかなと思って」

 

「そ、そんなのできるわけ・・・」

 

「別に問題ないでしょ?

 

 過去の問題を有益に利用することは

 この学校のルールに反することじゃないでしょ?」

 

「そうだとしても、なんで俺なんかに・・・」

 

「だって先輩はポイントがなくて困ってるんでしょ?

 

 じゃなきゃこの山菜定食を食べてるわけないもんね

 

 そういう人こそ逆に話を聞いてくれると思ってね・・・・」

 

「・・・わかったけどただでは無理だぞ」

 

「わかってる、それなりのポイントを支払うよ」

 

「俺はもってないけど・・・持ってる奴に心当たりはある

 

 そいつなら快く協力してくれるだろう

 

 だから3万ポイント、それで手を打とう」

 

「無理だね、そんなに持ってないもん」

 

「今いくら持ってるんだ?」

 

「・・・・・・端数を切って、2万だね」

 

「じゃあ・・・1万5千ポイントで手を打とう」

 

「ふうん・・・・?」

 

「知らない俺に過去問を積み込むくらいだ、よっぽど焦ってんだろ

 

 この学校は赤点をとった生徒には容赦なく退学を突き付ける

 

 俺のクラスメートも、それで何人もいなくなった」

 

「そうだろうね

 

 ・・・・・・オーケーオーケー、それでいいよ」

 

「交渉成立だな、それじゃあまずはポイントを先に振り込んでもらう」

 

「それでいいよ、でももう一つ・・・・

 

 もしも約束を無碍にするようなことをしたら、その時はしかるべき処置をさせてもらうね」

 

その幼い雰囲気の残る綾小路の笑顔が不気味に歪んでいるように見え

先輩は思わず身を引いてしまうものの、どうにかして言葉を続けていく

 

「・・・わ、わわわわかってる、ポイントの譲渡に関しては嫌でも記録に残るし

 

 ましてや後輩から巻き上げたなんて噂が広まりでもしたら、それこそ俺はただじゃすまないし」

 

「これだけのポイントを上げるからにはもう一つお願いしたいものがあるんだ

 

 入学直後にやったっていう小テストの解答も、よかったら見せてもらえないかな」

 

「わ、わかった、ただしそれに関してはあったらの話だ

 

 まあ、お前の心配も無用だと思うけどな」

 

こうして取引を成立させる幼い雰囲気の綾小路であった

 

「ありがと」

 

そう言ってその場を去っていく綾小路

先輩の方もやや居づらくなったのか席を立って去っていくのであった

 

「どうやらうまくいったみたいだね」

 

「あとは先輩からの報告を待つだけだね・・・・」

 

「フフフフフフ・・・・」

 

三人はそう言って食堂をあとにし始める

 

櫛田と堀北はその様子を不思議そうに見ていた

 

「綾小路君、あの先輩と何の話をしてたんだろう?」

 

「端末を操作しているところを見ると、ポイントを譲渡させていたように見えたけど」

 

すると二人の肩に手が置かれる

二人は驚愕して後ろを向くとそこにいたのは

 

「さっきから何をこそこそしているのかな・・・・?」

 

不気味な雰囲気の綾小路であった

 

「あ、ああ綾小路君・・・

 

 こ、これはその・・・」

 

「ちょうどいい・・・・

 

 ちょうど二人と話をしようと思っていたんだが・・・・」

 

「話・・・?」

 

二人は外に連れ出されると中庭のベンチに

幼い雰囲気の綾小路と女子の綾小路が隣り合って座っていた

 

「ええっと、綾小路・・・君・・・?」

 

「あ、櫛田ちゃんに堀北ちゃんだ!

 

 まったくもう二人が全然来てくれないからすっごくもどかしかったよ」

 

「まったくね、二人とも尾行するならもっとうまくやらなきゃ」

 

どうやら二人にも気づかれていたようである

 

「じゃあ単刀直入に聞くわ、貴方達、食堂でさっき先輩と何か話をしていたわよね

 

 それもポイントで何かを取引していたように見えていたけれど、何を企んでいるの?」

 

「企んでるってひどいな、僕だって次のテストの対策を僕なりに練ってるんだよ」

 

「テストの対策?

 

 さっき先輩と何か話してたのと関係あるの?

 

 ポイントを払ってように見えてたけど、何を頼んでたの」

 

「過去問よ、先輩に過去問を見せてもらうように頼んでたの」

 

「過去問ですって?」

 

「いいのそれって・・・いくら何でもまずいんじゃ・・・」

 

「僕はそうは思わないね

 

 だってもし学校がそれを認めてなかったら

 当然最初にそれを説明してるはずだもん、それに

 あの先輩はそのことに対して特に何の反応もなかった

 

 生徒同士で取引をすることは珍しいことじゃない、ってね」

 

「え・・・?」

 

「どうしてそう言い切れるの?」

 

「特別驚いてた様子もないし、僕がその話をしたときすぐに聞き入れた

 つまりあの先輩がこの取引に応じたのは今回が初めてじゃない

 

 それに普通は一年の時の中間テスト答案用紙なんて持ってないでしょ

 

 でもそれを今でも持ってるってことはいつこんな

 取引に応じられるようにしてるってことじゃない?」

 

幼い雰囲気の綾小路の言葉に堀北も櫛田も目を丸くしてしまう

 

「綾小路君って思い切ったことをするんだね」

 

「まあ保険ってやつだ・・・・

 

 どのみち時間もないしね・・・・」

 

「だけども、この方法が最善だとはとても言えないわ

 

 いくら過去問を手に入れたとしても

 今年のテストと内容が違う可能性だってあると思うし」

 

「確かにそうかもしれないけれど

 

 同時にその逆の可能性になるとも思えない

 

 その根拠は前の小テストがヒントになったしね」

 

「ヒント?」

 

「二人だって妙だと思ったでしょ?

 

 あの小テスト、いくつか高一でまだ習うとは思えないほどに難しい問題が混ざってたの」

 

「確かにいずれも高校一年生で習うレベルだとは思えなかったとは思ったけど・・・」

 

「あー、私は最後の問題は問題文すらもわからなかったな~・・・」

 

「あれは中間にあったのは高校二年レベル、最後の部分は高校三年生レベル

 

 あれは少なくとも予習していないと一年じゃ解けない

 じゃあなんでわざわざそんな一年の大半にはとけるはずのない問題ってこと

 

 じゃあなんでそんな問題を放り込んだのか?

 

 堀北ちゃんはわかるでしょう、学校は何を狙っているのか」

 

「・・・・まさか学校が求めているのは学力以外で別の狙いがあるってことなの?」

 

「そういうことだよ・・・・

 

 じゃあもしも過去の小テストで、今回とおんなじ問題が出題されていたらどうかな・・・・?」

 

「・・・なるほど、過去問を覚えていれば全問正解になる」

 

するとそこに端末にメールが届き、綾小路は端末を開く

 

「まあ答えは確認してからでも遅くないじゃないか・・・・」

 

そう言われて堀北はしぶしぶ、櫛田はわくわくしながら覗く

 

「どう?」

 

「・・・・・・同じだね・・・・

 

 一語一句たがわないねぇ・・・・

 

 一昨年のテストと私達の受けたテストは同じ内容ってことだ・・・・」

 

「まさかこんなことが・・・」

 

過去問の問題と小テストの問題を見比べて

堀北は同様の反応を見せていくのだった

 

「すごい!

 

 じゃあこの過去問を見せれば次のテスト対策になる

 

 須藤君やクラスのみんなにも教えてあげよう」

 

「ううん、それは資料としてまとめてからでも遅くはないと思うよ

 

 今これを渡してしまうと逆に彼らの意欲をそいでしまう

 

 もしもこれが有効的だったらなおさらね

 

 それに堀北の推測のように中間テストも小テストも

 同じ問題とは限らない信用しきるのも問題だからさ

 

 まあこれはあくまで保険ってことだよ」

 

二人は綾小路の言葉に不思議と納得する

 

「今から私と堀北で過去問をまとめていき・・・・

 

 終わり次第すぐにねたばらしをするのさ・・・・

 

 そしてそんなときに一昨年とほぼ同じ答えだって

 ことを教えたら・・・・・・みんなどう思うだろうね・・・・?」

 

「どうって・・・・あ!」

 

「みんな必死に机に齧り付いて過去問を暗記する!」

 

「まあそういうことさ・・・・」

 

納得する櫛田と堀北

 

「それに前日に指定すれば気のゆるみなどで意欲がそがれることもない」

 

「そうだよ、それに把握すること自体は難しいことじゃない

 

 僕の狙いはあくまでいい点を取らせることよりも

 赤点をとらせないようにすること自体が目的だからね、あんまり欲張ると墓穴を掘るし・・・・」

 

幼い雰囲気の綾小路は覚えがあるのかそう言ったのちほかの綾小路にジト目で睨まれる

堀北自身はそれを聞いて、納得したのかそれ以上が何も言わなかった

 

「ね、ねえ・・・綾小路君達はいつから過去問を手に入れようと思ってたの?」

 

「茶柱先生が中間テストの範囲が間違ってるって聞かされた時からだよ

 

 でもそれが有効的であると考えていたのは可能性の段階では

 中間テストの話をされた時から、少し想定してたし」

 

「そんな前から・・・!?」

 

「あの時の茶柱先生の言い方は実に独特でね・・・・

 

 だって担任なんだし須藤たちの成績や学習態度は把握しているはずだしさ・・・・

 

 にもかかわらず・・・・・・退学者を出さずに

 乗り切れる方法があると確信をもって話をしていたんだ・・・・

 

 つまり・・・・・・赤点を回避する確実な方法があることを示している・・・・」

 

「それが・・・この過去問の存在?」

 

堀北も櫛田も目の前にいる三つの人影をじっと見つめていた

 

「綾小路君・・・・貴方はいったい何者なの!?」

 

「君に話す理由はない・・・・

 

 ただ言えることはもうテストまでに時間はないし・・・・

 

 それまでに最小限の方法で乗り切る方法を探した・・・・・・それだけさ・・・・」

 

「ふうん」

 

すると女子の綾小路は櫛田に声をかける

 

「ねえ、この過去問だけれど

 よかったらこれ櫛田さんが見つけてきてくれたことにしてくれる?」

 

「え、いいけれど・・・綾小路君たちはそれでいいの?」

 

「むしろこれは君に適任だと思うね・・・・

 

 君やあた、綾小路や君はクラスのみんなから信頼されてる・・・・

 

 私や堀北よりはずっといいとおもうし」

 

「何気に私を含めないでくれるかしら・・・」

 

「じゃあ君がやってみる・・・・?」

 

「お断りよ」

 

「じゃあ今日の放課後から過去問をまとめていくの手伝ってくれる・・・・?

 

 勉強会と同時進行しないといけないけどまあ君なら大丈夫だろう・・・・」

 

「そのくらいならいいわ、あなたのその方法が本当に

 このテストを乗り切っていく可能性があるというのならね

 

 ただし、これでもしうまくいかなかったらわかってるわね・・・?」

 

「はいはい・・・・」

 

そう言って不気味な雰囲気の綾小路は

堀北の鋭いにらみなどどこ吹く風の様子で後ろ手を振る

 

「・・・わかった、綾小路君達が言うなら」

 

「まあこれで貸し借りなしね」

 

「ええっとそれって・・・何のこと?」

 

「何でもないわよ」

 

「フフフ・・・私と綾小路君たちの秘密だね」

 

「堀北ちゃんもいるけどね」

 

「あ、そうだったそうだった・・・ウフフフ・・・」

 

櫛田は幼い雰囲気の綾小路と女子の綾小路に微笑みかけるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが、私の・・・・」

 

「これが、僕の・・・・」

 

「これが、俺の・・・・」

 

「これが、おいらの・・・・」

 

「これが、あたしの・・・・」

 

「「「「「FINAL ANSWER!!!!!」」」」」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        




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