ようこそ実力至上主義の教室へーIn this deceitful world, even bigger lieー 作:lOOSPH
翌日
綾小路の述べたことはやがて現実になった
「今日はお前たちに報告がある
先日学校でちょっとしたトラブルが起きた
そこに座っている須藤とCクラスの生徒との間でトラブルがあったようだ
端的に言えば喧嘩だ」
やがて茶柱はその後須藤とCクラスがもめたこと
責任の度合いによっては須藤の停学、クラスポイントの削減が行われていく事
すべてが赤裸々に語られていく
「その・・・結論が出ていないのはどうしてなんですか?」
平田が質問を投げかける
「訴えはCクラスからだ
一方的に殴られたらしい
ところが真相を確認したところ
須藤はそれを事実ではないといった
喧嘩を売られたのは自分の方なのだとな」
「そうだよ、俺は何にも悪くねえよ!」
必死の形相で言い放つ須藤だがクラスメイトの視線は冷ややかなものである
「しかし、それを決定づける証拠がない、違うか」
「それは、そうだけどよ・・」
「つまり今のところ真実が分からない
だから結論が保留になっている
どちらが悪かったのかでその処遇も対応も大きく変わるからな」
「んなこと言われても、どうすりゃいいんだよ」
「残念だが今は何とも言えん、須藤が仕掛けたという証拠がない以上
須藤の意見には残念ながら信ぴょう性がないのも事実だ
まあ須藤が言うCクラスとのやり取りを
偶然目撃したという目撃者がいれば話は別だが
このクラスに目撃をしたものはいないのか?」
茶柱先生はそう求めるが答える生徒はいない
「さすがにそう簡単にはいないか・・・・」
「・・・・・・・・・・!」
不気味な雰囲気の綾小路が不意にある生徒が目に留まる
だが話は進んでいく
「残念だな須藤、このクラスには目撃者はいないようだな」
「・・・そんな」
疑いの目をする茶柱先生に須藤は表情を曇らせていく
「学校側としては目撃者を捜すために
今各担任の先生が詳細を話しているはずだ」
「はあ!?
ばらしたってことかよ!」
それを聞いて驚愕し叫ぶ須藤
「あ、ああ・・・そんな・・」
力なく座り頭を抱えていく須藤
「やはりこうなったか・・・・」
不気味な雰囲気の綾小路は須藤の様子になんとも思わぬように見つめる
「とにかく話は以上だ
目撃者のいるいない
証拠があるないを含めて最終的な判断が来週の火曜日には下されるだろう
では、これでホームルームを終了する」
茶柱先生はそう告げて出ていく
「あ、ああ・・
うわあああ!!」
須藤はそんな声を上げて教室を飛び出していってしまった
「須藤の奴、大丈夫かよ」
池がそんな須藤の様子を聞いていくが
「自業自得じゃね?
っていうかこのままだと須藤のせいで
また今月も0ポイント生活送らなきゃいけなくなるぜ?
そっちの方が死活問題だっての」
やがて収拾がつかなくなっていく教室だったがそこに立ち上がったのは
「ねえみんな
少し私の話を聞いてもらってもいいかな?」
櫛田であった、櫛田がこの状況を逆に好機に変えんと行動を開始する
「確かに先生の言う通り須藤君は喧嘩をしたかもしれない
でもね、須藤君は巻き込まれただけなの」
「巻き込まれたって、櫛田ちゃんは須藤の言い分を信じるわけ?」
櫛田は昨日須藤から聞かされた話をクラスメートに話していく
だがほとんどのものがまだ疑わしい表情の生徒たちがほとんどだ
「改めてきくね
もしこのクラスに、友達に、先輩の中に見たって人がいたら教えてほしいの
いつでもでも急いで、お願いします」
櫛田が言うと不思議と雰囲気が変わっていく
だがだからと言って結果が良い方向に変わるのかと言えば難しいもの
「でも櫛田ちゃん
その須藤から聞いたって話、俺信じられないよ
結局それってさ自分をどうにか正当化しようと出まかせ言ったんじゃねえか?
だってあいつ中学時代喧嘩ばっかやってたって言ってたし
相手の殴り方とか痛い箇所とか楽しそうにレクチャーしたしさ」
山内のその言葉を皮切りに次々と須藤への不満の声が上がっていく
「私、前に廊下ででぶつかったほかクラスの子の胸倉とかつかんでたの見たよ」
「俺は食堂で無理やり割り込んで
注意されて逆切れしてるの見たことあるぜ」
櫛田の言葉は残念ながら届き切らなかった、そう思ったその時
「僕は信じたい!」
平田が声を上げる
「ほかのクラスの人が疑うならまだ僕も理解できる
でもおんなじクラスの仲間を最初に疑うのは間違ってると思う
こういう時に協力してあげるのが仲間なんじゃないかって思う」
「あたしもさんせー」
平田がそう訴えると平田の彼女である軽井沢も声を上げた
「だってもしも濡れ衣だったら問題でしょ?
無実で犯人にされるなんて、相手側に馬鹿にされるじゃない
やっぱりDクラスは、見たいに言われるのみんなだって嫌でしょ」
軽井沢の声に女子も多くの者が賛同していく
「うちのクラスのまとめはこの三人でいいといえるが・・・・
これはいかんせん一時的なものだね・・・・」
「まあいいんじゃねえか
これで小うるさい声も沈まんだろ」
こうして中心人物の三人は声を上げていく
「私、友達に当たってみるね」
「じゃあ僕も仲の良いサッカー部の先輩たちに聞いてみるよ」
「あたしもいろいろ聞いてみよっかな」
こうして櫛田、平田と軽井沢のおかげで
須藤の無実を証明するための場が発足したようだ
「うまくいったみたいだね」
「俺たちはどうするんだ?」
「私も私なりに動いてみるよ・・・・
僕も俺もあとは好きにしたまえよ・・・・」
そう言ってフェードアウトしていく不気味な雰囲気の綾小路
「それじゃあ俺も、あとはゆっくり様子見とさせてもらおうか・・・・」
・・一・・
「・・・・・・様子見のつもりだったのに・・・・」
動物的な雰囲気の綾小路はつぶやきながら周りを見渡す
そこに集まっていたのは櫛田、堀北、池、山内に今回の事件の当事者たる須藤だ
「あきらめなさい、櫛田さんに誘われてホイホイついていくのがいけないのよ」
「俺は池と山内に無理やりここに連れてこられた気がするんだが?」
「残念だけどその意見は却下されるわね・・・・」
うえーと机にうつ伏す動物的な雰囲気の綾小路
「まあそんなことより・・・
貴方はどうしてこうにも問題ばっかり持ってくるのかしら」
堀北は綾小路の様子を無視し、須藤にあきれたように言う
「ま、まあ仕方ないし友達として助けてやるよ須藤」
一番に須藤を悪者扱いした池が態度をころっと変えている
「悪い、でも俺は無実なんだ
なんとかしてCクラスの連中が犯人だって証明してやりたいんだ」
須藤は必死に頼み込むが堀北は須藤に言う
「申し訳ないけれど、私は今回の件、協力する気にはなれないわね」
堀北は須藤の救いの手をあっさりと振り払う
「今私達で重要なのは、失ったクラスポイントを
一日でも早く取り戻してプラスに転じさせること
でも、あなたの一件でおそらくポイントはまた支給されることはなくなる
早い話が貴方はそのことに水を差した、それだけよ」
「そりゃそうかもしれねえけど
マジで俺は悪くねえんだって!
あいつらの方が仕掛けてきたから抵抗しただけだ!
それのどこが悪いんだよ!」
「良い悪いの問題じゃないわ
貴方は今回の件、どちらが仕掛けてきたのか
どうかに焦点を絞ってるようだけど
所詮それは些細な問題でしかない、そのことに気が付いてる?」
「なんなんだよそれ・・
全然意味わかんねえよ!」
「だったらなおさら、貴方に協力できないわね」
とトレーを持ち上げて、机を立っていく
「待ってくれよ!
俺たちは仲間じゃねえのかよ!」
「私はあなたのことを奈邪魔だと思ったことはないわ
ましてや、自分の愚かさを何も理解できていないような
あなたのような人間の傍にいるだけでも不愉快なのよ、それしゃ」
と去っていく堀北であった
「んだよあいつ!
くそお!」
と机に拳をたたきつける須藤
「まあ、俺たちでやるしかないよな」
「おお、山内、それでこそ友達だぜ
ついでに綾小路も期待してるぜ」
須藤は綾小路を見て言う
「山内のついでってのが気なるがまあ別にいい・・・・
だが俺はあくまで須藤、お前を助けるんじゃなく
この騒動を収めるのが最優先だからな、結果的に
須藤に何らかの処分が下ったとしても、それでどうにかなるならそうするぞ」
須藤はやや思うところがありそうだが
綾小路の鋭い眼光に何もいえなくなる
「でも逆を言えば、その結果で須藤君が助けられるならそ助けるってことでいいんだよね」
「まあ、それができればの話だがな・・・・」
「ま、まあとにかく綾小路も協力してくれるってことだよな・・ぶっちゃけ
綾小路ってなんだかよくわからないところもあるけれども・・まあいないよりはましか」
池はそう結論付ける
「しっかし堀北も冷たいよな
テストの件で協力してから少しは仲良くなれたと思ったのに・・・」
池はややイラっとしたふうに遠くにいる堀北を見る
「なあ綾小路、あいつ今どういう状態?」
「俺に聞くな、俺はあいつの取扱説明書じゃねえ」
うんざりしたように言う動物的な雰囲気の綾小路
「でも堀北さんだってAに上がりたいんだったら
須藤君を助けた方がプラスになるのに、どうして」
「そりゃ、須藤のことが嫌いだからじゃね?」
様々な憶測が飛び交っていく様子に
動物的な雰囲気の綾小路はあきれたようにため息をつく
「やっぱりそうなのかな・・・」
「もしかしたら須藤を助けたことがプラスになっても
須藤を助けた後にマイナスになる、そう考えてんじゃねえか?」
櫛田の言葉に動物的な雰囲気の綾小路はそう言った
「どういうこと?」
「簡単さ・・・・・・堀北は現状のことはもちろんだが
堀北が見ているのはもっと先のことも見据えているんだろうよ」
「どういうこと?」
「あいつは須藤を助けないつもりなんじゃねえ
ただ今の時点の須藤を見て、須藤をこのまま
助けることがクラスにとってプラスにならないと考えてるんだろうよ」
「だーもう、意味が分かんねえ、どういうことだよ」
須藤はつかみがかるが、動物的な雰囲気の綾小路は特に姿勢は崩さない
「堀北が言ってたじゃねえか
お前はお前自身の愚かさに気が付いていないって
それに気が付かない限り、協力はできない、してもそれが
クラスにとってプラスにならない、むしろマイナスになる
そういうことなんじゃないかって話だ」
「なんだよ、俺は何にも悪くねえ、悪いのはあいつらの方だろ」
「まあ堀北も堀北なりに何か対策があんだろう
多分堀北自身も俺とおんなじような意見だ
須藤を助けるのではなく、あくまでクラスのダメージを減らすという方向でな」
「つまり、俺のことはどうでもいいってのか」
「まあまあせめてやんなよ須藤
しっかし綾小路って堀北のことになると饒舌になるよな
ほんとにお前らって仲がいいよな」
「はあ・・・・
ぶっちゃけもう女はうんざりだ・・・・」
池の茶化すような言動に動物的な雰囲気の綾小路は
あきれたように顔に手を当ててため息交じりに言うのであった
「目撃者が名乗り出てくれれば一気に解決すると思うけど」
「多分そううまくはいかないだろうさ・・・・」
とそこに不気味な雰囲気の綾小路が通りがかっていく
「何しろ課題は堀北が匙をねげるほどに山積みだからね・・・・
仮にその目撃者が見つかったとしても
そいつが協力してくれるとは思えないしね・・・・」
「どうしてだよ・・・?」
池はその不気味な雰囲気に押されていくが恐る恐る聞いていく
「目撃者自身の情報がないのさ・・・・
その目撃者がだれなのか、わかっているのは
現時点では女子であると言う事だけだしね・・・・
例えばほか学年の者だったら協力してもメリットもないし
もっとも最悪のケースはその目撃者が相手と同じCクラスだった場合さね・・・・
その学園はクラスによるヒエラルキーで成り立っている
もしもそうだったら自分のクラスを陥れるなんてしないさ・・・・
まあもっともいずれも仮定の話だがね・・・・
仮にCじゃなくともどこまで目撃したのかで結果は変わる・・・・
いずれにせよ難しいものになっていくだろうねぇ・・・・」
そう言って何かをつまむ不気味な雰囲気の綾小路
「まあどっちにしろ見つからなきゃ始まらねえだろ」
「そうだね、あ、ちょっと待って
仲のいい先輩を見つけたから、ちょっと聞いてくるね」
櫛田はそう言って席を立つのだった
「ああ、櫛田ちゃん
かわいいよな」
池はそんなことを述べる
「俺、マジでこくろうかな櫛田ちゃんに・・・」
「何言ってんだよお前には綾小路ちゃんがいるだろ」
「いやいや、俺の中では櫛田ちゃんの株が上がりまくってんだよ」
そんなやり取りにうんざりするように見つめる動物的な雰囲気の綾小路
「もしも俺が櫛田ちゃんと付き合えたら・・むふふ」
そのセリフからロクな妄想をしていないと予想する
「こらあ!
俺の櫛田ちゃんで勝手に妄想するなよ」
「いやあ・・(デレデレ)」
「何を想像してんだよ!」
山内が池につかみかかる
「どんなのって、そりゃ櫛田ちゃんがいろんなかっこして俺にご奉仕して、むふふ・・・」
「・・・・・・その言葉で大体どんなシチュエーションか予想できるのかが情けない・・・・」
もはやあきれを通り越して情けない
「くそう、だったら俺だって」
何やら張り合う山内
動物的な雰囲気の綾小路はまたも机にうつ伏す
「やっぱ高校生活の華は女子だと思うんだよ
そろそろ真面目に彼女ほしいよな
夏に彼女がいれば、一緒にプールなんかにも行けちゃうってか!
最高だな!」
「櫛田ちゃんが
彼女になってくれたら最高なんだけどな・・・・彼女になってくれたら最高なんだけどな」
「これが大事なことなので二回言いましたってか・・・・
ぶっちゃけあきれしか浮かんでこねえな・・・・」
うつ伏したまま言う動物的な雰囲気の綾小路
「でも櫛田ちゃんかわいいからさそろそろ彼氏ができそうじゃないか・・・・?」
「それを言うなって山内
けど、まだ男の気配はないぜ、大丈夫だ」
それを見て不気味な雰囲気の綾小路が興味ありげにいう
「ふふ、知りたいかお前ら」
「何か知ってんのか池?」
仕方ないなと言った様子で池は携帯を取り出す
「じーつは、友達同士登録してると位置情報がわかんだよね~」
携帯を操作しながら言う
「ふふん、俺こうやってたびたび確認してるから
休日からも
そんで偶然を装って話しかけたりしてさ
彼氏の有無を確認しているわけよ」
「なるほど・・・・
フフフフフフ・・・・」
「やめとけ私
一歩間違えたら警察沙汰だぞ」
何やら面白い遊びを思いついたような不気味な雰囲気の綾小路に
動物的な雰囲気の綾小路が即座にツッコミを入れるのであった
「けど現実的に櫛田ちゃんは厳しいよな・・俺たちが落とせるレベルじゃないし
もう1ランクくらい下げるのもやむなし、か・・・?」
「そだな・・・・とりあえず彼女になってくれるなら、ブスじゃなきゃいいや」
「並んで歩くことを考えたら70点くらいはつけられる子っじゃないとなあ」
そんな様子に動物的な雰囲気の綾小路は付き合ってられないという表情を見せる
「綾小路だって彼女ほしいよな?」
「俺は当分、女はこりごりだ・・・・」
周りの女性があまりにも我の強いものが多いせいで
やや女性不振に陥ってしまった様子の動物的な雰囲気の綾小路
「おい、そっちの綾小路に聞くけれど堀北とは何にもないんだよな!?」
須藤は箸をつけながらそう言うのであった
「フフフフフフ・・・・」
「な、なんだよ・・・なんなんだよその笑いは!」
不気味な雰囲気の綾小路の含み笑いに須藤は激しく取り乱す
「なあに・・・・
最初のころは無理だと言っていたのに
今ではすっかり骨抜きなっているなんてね・・・・
人間の心と言うのは実に不思議なものだと思ってね・・・・」
「・・・そ、そりゃ最初のころは無理だって思ってたけどよ・・
で、でもあいつだって思ってたほど悪い奴じゃないって思ってるしよ」
須藤はどこか照れ臭そうに口を紡ぐ
「まあ堀北だってかわいいと思うけどさ・・なんか詰まんなさそうじゃん?
絶対にどっか出かけに誘っても付き合ってくれなさそうだしさ」
「ふふふ、わかってねえなお前らは」
何やら脱線して堀北を支持する須藤と
櫛田を支持する池と山内の討論が始まる
「普通の奴なら断っても彼氏にならオッケーするにきまってんだろ
そして普段ほかの男には絶対に見せない顔を見せるんだよ」
「なるほど・・・・なんかそう考えるとありな気がしてきたな」
山内がそう言って堀北のそんなことを想像する
「しかし、その須藤の夢中になっている堀北は、須藤を見捨てたみたいだけどな」
「うぐ・・・それはそうだけどよ、ああ、なんか複雑だぜ」
「まあ俺としては、櫛田ちゃんを狙うライバルが一人でも減ってくれれば言う事ないけどさ」
池はあくまで本命は櫛田で、本人曰く70点の女の子を捜すつもりらしい
「じゃあさ、綾小路は誰が好きなんだよ
須藤は堀北で、山内は櫛田ちゃん
ちゃんとライバルのターゲットは調べとかないとさ」
「俺は別にいいや・・・・
当分女とはかかわりたくねえ・・・・」
「私はそうだね・・・・
君たちの言う好きな人とは
少し違うかもしれないけれどさ・・・・
気になる子はいるかもね・・・・」
動物的な雰囲気の綾小路はうんざりするように答えるが
不気味な雰囲気の綾小路は顎を指でなぞりながらそう告げる
「おお、マジかよ綾小路!」
「教えろよ綾小路、早く早く、早くうう!!!」
「嫌だね・・・・
君たちに話せばいろいろと面倒なことになりそうだしさ・・・・」
「思わせぶりな態度をかましやがって!
でも一番の候補は堀北と櫛田じゃねえの?
ぶっちゃけその二人以外に綾小路と話してる女子いねえし」
池と須藤はじっと不気味な雰囲気の綾小路を凝視する
「「ぜってえに負けないからな!!」」
宣戦布告される不気味な雰囲気の綾小路だが
二人、いや三人の反応をまるで面白いものを
見つけたように笑みを浮かべるのであった
「まあとにかくここにいる全員気になる女子がいるってことでいいんだよな?」
「そういう・・ことだよな・・・」
「でもほらさ、夏はバカンスに連れてってくれるって
佐枝ちゃん先生言ってたじゃん、俺、ぜってーにその時に彼女を作って見せるぜ
本命は櫛田ちゃん!
もしくはまだ見ぬかわいい子!」
「俺も俺も!
最低でも彼女はゲットしてやる・・・・そんでラブラブな高校生活を送るっ」
「・・・その時になったら、堀北にいつ告るか・・」
そんなことを言う三人
「そりゃ無理だな
少なくとも茶柱は連れてってくれないと思うぞ」
すると今までうんざりしていた様子の動物的な雰囲気の綾小路が言う
「なんだよ綾小路、だって佐枝ちゃん先生がテストの時に言ってたじゃん」
「あれは一学期の中間と期末で誰も赤点をとったものが居なかったらの話だろ
須藤、赤点とったじゃん」
「「あ・・」」
「うう・・!」
池と山内は須藤を睨む
「「須藤おおおおおお!!!!!!」」
「どわあああ!!」
池と山内の威圧に押されて
さすがの須藤も抵抗するすべはなかったのであった
「やれやれ・・・・」
・・二・・
放課後
聞き込みチームは平田と櫛田のチームの二手に分かれていく
しかし全員がそう、動いてくれるわけではない
「私、帰るわね」
「え、堀北さん本当に帰っちゃうの?」
現に堀北も須藤の件には、非協力的な姿勢である
「ようし、獲物に忍び寄る動物のごとく
静かに抜き足、差し足、忍び足・・・・」
動物的な雰囲気の綾小路は静かに戦線離脱を試みるが
「あーやーのーこーじー君!」
教室を出る前に櫛田に声をかけられる
「あー悪いけど俺は今日は用事あるから・・・・」
どうにか振り切ろうとするが
「協力、してくれるよね?」
「・・・・・・いやだから・・・・」
「お願い」
「・・・・・・・・・・」
櫛田のあまりの押しの強さに首を縦に振ってしまうのだった
「・・・・・・ああ、なんか俺って最近押しが弱い気がするな」
「いいじゃない、なんだかんだ綾小路君も悪い気はしてないでしょ?」
「相手がお前じゃなかったらな!」
「あははは」
まあなんやかんやあって三バカと合流する動物的な雰囲気の綾小路
「ね、ねえ、綾小路君、一つお願いがあるんだけれど
私もう一度、堀北さんに協力してほしいと頼みたいんだ」
「まあ確かにあいつなら戦力にはなると思うが・・・・
少なくとも今のアイツに何言っても意味はないと思うぜ」
「でもそれでも何とか説得すればきっと協力してくれると思うよ」
「そうか・・・・?」
うまくいくという確証はないが
かといって櫛田を止める権利もないので止めることはしなかった
「それじゃあ二人はここで待ってて」
「「オッケー!!」」
櫛田の言葉に池と山内は上機嫌に返事する
「それじゃあ綾小路君、行こ」
「絶対うまくいかねえと思うがな・・・・」
手を引かれながらもそんな事をつぶやいていくのだった
そして学校と寮の丁度間くらいで堀北を見つける
「堀北さんっ」
櫛田は堀北に声をかける
「・・・・何かしら」
堀北自身口調こそいつもと変わらないが
まさか追いかけてくるとは思わなかったのか驚いた様子だった
「須藤君の件、堀北さんにも協力してもらいたいなって・・・ダメかな?」
「その話なら断ったはずだけど?」
肩をすくめて言う堀北
「でも、これはAクラスを目指すために必要な事だって思うし・・・」
「Aクラスを目指すために必要な事、ね」
納得のいかなそうに言う堀北は
櫛田の言葉に耳を貸そうとはしない
「私は別に貴方が須藤君のために奔走することを
悪いとは言わないし、止めるつもりもないわ
でも少なくとも私はそれにはまだ協力するつもりはないわ」
「まだってことは、今は協力できないってことか?」
動物的な雰囲気の綾小路はそう言うと堀北は彼の方を見る
「私には私でやることがある、それだけよ」
そして堀北は二人に背を向けて言う
「もし今仮に須藤君を助けたことで今の彼ではまた同じことを繰り返すだけ
そもそも貴方は今回、須藤君が被害者だと思っているようだけれど私の考えは違う」
「え・・・?
だって須藤君は被害者、だよ・・・?
だって、濡れ衣を着せられて困ってるんだもん」
櫛田は堀北の言葉の意味が分かっておらず、困惑する
「そうかもな・・・・
確かにお前の言うことはもっともだ・・・・
確かに今回の件がCクラスに仕向けられたものだったとしても
須藤はどのみち、加害者である、ということだな堀北」
「綾小路君まで・・・
だって須藤君はどう考えても被害者じゃない!」
堀北は動物的な雰囲気の綾小路の言い方にふうっとため息をついて絵
「そもそもどうして須藤君が今回の事件に巻き込まれたのか
その根本を解決しない限りこれから永遠に付きまとう課題だってわかってる?
少なくとも私はその問題が解決しない限り協力する気にはなれない
まあ詳しい説明は綾小路君に聞いてみれば?
少なくとも彼は私の考えていることはある程度理解してると思うから」
堀北はそう言って去っていくと
櫛田はしばらくして、どういうことかわかる?と訴えるように動物的な雰囲気の綾小路の方を向く
「須藤君も、加害者・・・?
そう・・・なの?」
櫛田はそう訴えると、動物的な雰囲気の綾小路はやれやれと言わんばかりに口を開く
「堀北の考えに賛同してるってわけじゃねえが
確かに今回の件は須藤にも比がある
お前だって普段のアイツを知ってんだろ?
気に入らなければ誰が相手でも暴言を吐いたり、横暴な態度だったり
確かにあいつがレギュラーに選ばれたことは素直にすごいと俺も思う・・・・
それに驕って傲慢にふるまっていたら当然アイツを快く思わない奴だっている
そんなの懸命に練習している奴からしてみたら嫌味にしか聞こえないからな
さらに須藤は中学時代から喧嘩ばかりしてるっていう噂があるのがその証拠だ
調べによれば須藤とおんなじ中学の奴はいない、でもそんな話が知れ渡ってる
そう言うことだ・・・・」
須藤を見た周りのイメージは最悪、と言う事だ
「つまり今回の事件は起こるべくして起こった
俺も堀北も少なくともそう思ってる
堀北が須藤も加害者と言ったのはそれが理由だ」
「普段の行いや積み重ねが・・・こういう事態を招いた・・・ってことなんだね」
「そんな態度をとり続けていたら当然トラブルは起こる
だが今証拠がない以上、ものをいうのは日ごろのイメージ、つまり心証だ
わかりやすい例で説明するならば
殺人事件が起こったとしよう、容疑者は二人
一人は真面目に生きてきた全量な人間
もう一人は今でこそ真面目だが過去に人を殺したことのある人間
お前はどっちを信じる?」
櫛田は重々しく答える
「・・・真面目に生きてきた人、だね
普通に考えれば」
「真実はそうじゃないかもしれねえ
だが、判断材料が少なければ少ないほど
周りの心証で判断を下さなければならなくなることもある
だが堀北が最も許せないのは
結局須藤は自分は悪いという自覚を持っていないことだ」
そう言ってやや疲れた様子で顔を手に当てる
「そういうことか・・・」
櫛田は納得がいったように一人小さく頷いた
「堀北さんは、須藤君にそれを気づかせたいためにあえて協力しないってこと?」
「自分の罰せられる立場にあることを自覚してほしいんだろうさ」
話は理解した櫛田、だがだからと言って納得している様子はない
「でもだからって見捨てるなんて納得いかないよ
もしそんな風に不満を抱いているなら
せめて直接言ってあげなきゃだめだと思う」
「いったところで須藤がそのことを受け入れなければ意味がない・・・・
多分堀北は、きっかけを待っているんだろうさ
須藤がそのことを知りなおかつ自分の比を素直に認めてくれるようにな・・・・
それに堀北自身は須藤に協力はしないとは言っていたが
この件を解決しないとは言っていない、あいつもあいつなりに
どうにかしようとしてるんだろうが、今は手探り状態なんだろう・・・・」
櫛田はやはり納得がいかない様子であるが
その彼女に動物的な雰囲気の綾小路は言う
「お前はお前が正しいと思ったことをやればいい・・・・
堀北の考えは少なくとも俺は正しいと思っているが
だからってお前の考えが間違ってるっていうわけじゃない・・・・
少なくとも俺はそう思ってる」
「・・・うんっ」
櫛田は動物的な雰囲気の綾小路にそう言われて屈託のない笑みを浮かべる
「ところで堀北さんの考え、須藤君に話した方がいいと思う?」
「いいや、さっきも言ったが話したところで須藤はきっと
素直に受け止めることはできないだろう、もう少し熟考させた方がいい
それに自分で気づいて初めて得るものもあるだろうしな、もう少しまとう」
「・・・そっか
わかった、綾小路君の言うとおりにするね」
櫛田はうーんっと背伸びをして動物的な雰囲気の綾小路を見る
「やっぱり綾小路君は、堀北さんの考えが分かっちゃうんだね
なんだかうらやましい」
「あくまで同じ考え方なだけだ・・・・
俺はできることならお前ともあいつとももうかかわりたくない・・・・」
そう言って動物的な雰囲気の綾小路は先に向かっていく
「素直じゃないんだな、綾小路君は・・・」
そう言って一緒に池達の元に戻っていく
「あれ、結局堀北の説得はだめだったん?」
「ごめん、なんとか粘ったんだけれど」
「櫛田ちゃんは悪くないよ、それに俺たちも協力するしさ」
「ありがと池君、山内君」
櫛田の様子に二人はデレデレである
「じゃあまずはどっちから行こうか」
櫛田の言葉に動物的な雰囲気の綾小路は提案する
「俺はまずBクラスから当たった方がいいと考える」
「どうしてBクラスなの?」
「一番目撃者がいてほしいのがBクラス・・・・・・それが俺の願望さ」
「あの、簡潔すぎてよくわからないよ・・・」
「それじゃあ説明するが
BクラスにとってDとC
どっちのクラスが自分たちを脅かす可能性があるんだ?」
「もちろんCクラスだよね
でもそれだったらAクラスだって・・・」
「Aの連中にとって自分たちより下のクラスの奴らが
起こした問題なんて大した問題じゃないだろうしな
ましてや一番底辺のDクラスのことなんて感心すらもないだろう」
それを聞いて三人は不思議と納得するように頷く
「ようしそれじゃあBクラスにレッツゴー!」
「お前はバカか!」
動物的な雰囲気の綾小路は櫛田にデコピンをくらわせる
「うにゃー!」
櫛田はびっくりして猫のような悲鳴を上げる
「何するの~」
櫛田が額を抑えながら動物的な雰囲気の綾小路を見つめる
「あのな、今回は普通に友達を作りに行くのとはわけが違うんだ
うかつに他のクラスに飛び込むんじゃない」
「そ、そうなの?」
動物的な雰囲気の綾小路は櫛田に話しかけていく
「Bクラスに知り合いはいるのか?」
「いるけれど、仲良くなったっていうのはほんの数人だけれど」
「まずはそいつらに絞って話を聞こうか」
極力ほかのクラスに今の問題のことを
知られるわけにはいかないと考えている動物的な雰囲気の綾小路なのだが
「でもそれじゃ手間がかからねえか?
もういっそぱって引いた方が楽だって絶対」
池が反論する
「私も行け君の考えに賛成かな
Bクラスに聞くのはいいと思うけど
やっぱり聞けるときに多くの人に聞いた方がいいと思う
そうじゃないとタイミングが合わなくて目撃した人に話がいかないかも」
「・・・・・・そうか、まあ確かに俺も本音を言えば慎重すぎると思ったし
それじゃあ櫛田、お前の判断に任せてもらっていいか?
この中でほかクラスとも知り合いが多いのは櫛田だから話も話しやすいと思うし」
「ありがと綾小路君」
櫛田は笑顔で答えるのであった
・・・三・・・
「さあて・・・・
うまく何か情報が入ってくればいいんだが・・・・」
Bクラスの中に入って普通に溶け込んで話を聞いている
だがそれを見て何やら悔しそうに見ている池と山内
「あいつらぁ、俺の櫛田ちゃんに気やすく話しやがってぇ」
その言葉を聞いてあきれの様子を見せる動物的な雰囲気の綾小路
「慌てるなよ池、俺たちは櫛田ちゃんと
おんなじクラスなんだ、少なくとも俺たちが有利なんだ!」
二人の様子を見ながら動物的な
雰囲気の綾小路はBクラスの面々を見つめている
「Aの次にいるBクラスっていうから
優等生の集まりって言う感じと思っていたが
思ってたよりも自由なんだな、この雰囲気からして
ここのリーダーさんは随分と優れた手腕を持ってるってことか・・・・
さあて、誰がBクラスのリーダーなのかね・・・・」
そう言ってゆっくりと入り口から離れていく動物的な雰囲気の綾小路であった
ちなみに、残念ながら期待通りの情報は入ってこなかったのだった
「しっかし見事なもんだね
動物で例えるなら別のクラスの奴は
ほかの群れみたいなもので、それが来たら
人間だって何らかの反応を見せるのに
櫛田の奴は見事なもんだな
まあだからこそ今回のは残念だったが」
そう言って歩いていると
「おーい、綾小路くーん」
遠くから櫛田が話しかけてきた
「噂をしたらなんとやらだ・・・・」
「こんなところで何をしてるの?」
櫛田は何気に聞いてきたが
当の綾小路本人はかかわりたくないので
とりあえずしかめっ面を見せる
「もう、どうしてそんなにいやそうな顔をするの?」
「お前にかかわりたくないからだっつの、何度も言わせてくれるなよ」
「えーそれはひどいな」
「お前だって本当はかかわりたくないんじゃないのか?
あの時俺のこと嫌いだって言ってたじゃねえか」
「でもだからって突き放すのは違うんじゃないかなって思うし」
「俺にはよくわからねえな
どうして俺や堀北みたいに内心嫌ってる奴とも
仲よくしようなんて思うんだよ、好きは好きで
嫌いは嫌い、俺はそれでいいんじゃねえかって思うぞ?」
「でももしかしたら嫌いって思ってた人が
実は意外な一面があるんじゃないかなって思うし
それにね、私は綾小路君にあの時言ったよね
私はこれでも綾小路君に期待してるって」
「・・・・・・ああ、そういや
そんなことを言っていたな」
「あの時の言葉も本心だよ
だからこれからもそう言う顔しないで
仲良く接してくれると嬉しいな、堀北さんのように」
そう言うと動物的な雰囲気の綾小路はため息をついて言う
「俺は堀北のことを何とも思ってねえよ
俺はお前の味方になるつもりも
堀北の味方になるつもりも毛頭ない
俺が言うのはそれだけだ」
「あくまで中立ってこと?」
「俺は面倒ごとが嫌いなんだよ
とにかくそういうことだから、じゃあな」
そう言って去っていく動物的な雰囲気の綾小路であった
「・・・なんかむかつく・・・」
櫛田のつぶやきは風の音に消えて誰にも聞こえなかったという