ようこそ実力至上主義の教室へーIn this deceitful world, even bigger lieー   作:lOOSPH

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Examen


Bon sang, il y avait un témoin surprenant Deuxième partie

状況は果たしてどのように転がっていくのか

 

・一・

 

「・・・・・・・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路は

コーヒーを飲みながらあるものを操作していた

 

それはパソコンだっ

 

何を見ているのかはよくは分からないが

 

そこに電話がかかる

画面を見て意外そうに見つめて

 

電話に出る

 

「ごめんね夜遅くに、まだ起きてた?」

 

「・・・・・・何のようだい・・・・?」

 

「実は前に佐倉さんのデジカメを壊しちゃったじゃない?

 

 急に話しかけて吃驚させちゃったせいでもあるし

 カメラを修理に出すのについていってあげようと思って」

 

「その口ぶりからすると君はあの後も佐倉と話をしたのかい・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路は珈琲を飲んで一息つく

 

「まあ大体予想が付いたがまさかそこまで人と話をするのが苦手とはね・・・・

 

 それで君は彼女に同行することになったわけか・・・・?」

 

コーヒーの器を置いて改めて聞く不気味な雰囲気の綾小路

 

「少し迷ったみたいだけれど、明後日でいいならって」

 

「そうか・・・・

 

 よほど彼女にとってカメラは大切なものなんだね・・・・」

 

椅子の背もたれにもたれて言う

 

「だがそれならばどうして私にそのことを?

 

 二人の方が話しやすいと思うがね・・・・」

 

「うん、その事なんだけど・・・

 

 実は綾小路君にはもう一つ大切な用事の方をお願いしたくて」

 

「ふーん・・・・

 

 ひょっとして須藤の件かい・・・・?」

 

「うん、お願いできないかな?

 

 多分佐倉さんは何か知ってるって

 感じがするから放っておけなくって」

 

しばらく考え込んで返事を言う

 

「構わないよ・・・・

 

 ちょうど私用で家電量販店に行こうと思っててね・・・・

 

 どこまでいけるかはわからんがね・・・・」

 

もう一度コーヒーをすする不気味な雰囲気の綾小路

 

「ねえ綾小路君、さっきから何飲んでるの?」

 

「別に、眠気覚ましのコーヒーさ、ちょっと調べものをしていてね」

 

不気味に笑みを浮かべながら答える綾小路

 

「調べものか、でも夜はしっかり寝ておかないと体に毒だよ?

 

 綾小路君って見てるだけでもなんだか不健康そうだし」

 

「一言多いね・・・・」

 

櫛田の指摘に不気味な雰囲気の綾小路は短く返す

 

「それにしても櫛田は行動力がいいんだね・・・・

 

 もうそこまで来ているなんてさ・・・・

 

 ただでさえまとまりのなっていないDクラスが

 形を成しているのは君や平田の活躍があってのものだと感心するね・・・・」

 

素直に櫛田の行動力を称賛する不気味な雰囲気の綾小路

 

「別に特別なことはしてないよ

 

 私は私がやらなきゃって思ったことをしてるだけだよ」

 

「それだってすごいことだと思うよ・・・・

 

 特に私のような存在からしてみればね・・・・」

 

そう言ってまたもコーヒーを口に入れる

 

「それを言うなら私なんかより堀北さんの方がすごいよ

 

 勉強もできるし運動もできるから、どうしてDクラスにいるのかなって」

 

「ああいうのは特別じゃなくって特殊っていうんだよ・・・・」

 

「そんなこと言うと堀北さん怒るよ?」

 

「ずっと不機嫌そうだから今更怒ってもなんとも思わないよ・・・・

 

 むしろ彼女の機嫌のいい時の方がまれだよ・・・・」

 

そんなことを平気で言う不気味な雰囲気の綾小路は大物である

 

「そもそもああいう性格面の問題がDクラス行きの原因じゃないかね・・・・?」

 

「でも綾小路君とは普通に話してるよね?」

 

「あれで普通・・・・・・ねえ・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路はコーヒーのカップを置く

 

「まあ堀北とはまだまだ壁を感じるのが正直な感想だが・・・・

 

 今のところ私と堀北の関係はそれでいいと思うけどね・・・・」

 

「ふうーん」

 

少し疑いながらも、面白がるような声が聞こえる

 

「もう話すことがなくなってきたね・・・・

 

 いいや・・・・・・ないね・・・・」

 

「そ、そう・・・だね・・・」

 

「だね・・・・」

 

不気味な声による言葉に、さすがの櫛田も会話が途絶えてしまう

 

「そろそろ切るよ・・・・

 

 まだ調べものがあるんだ・・・・」

 

そう言って携帯を耳元から離そうとするが

 

「あ、あのね・・・」

 

「ん・・・・?」

 

櫛田の方から何やら声が聞こえるが

どうやら躊躇しているようだが、櫛田らしくない

 

「もし、もしね?

 

 私がね・・・その・・・」

 

沈黙と長くない言葉、そして

 

「・・・ううん、なんでもない」

 

「・・・・・・そうかい・・・・」

 

結局櫛田は話を切り上げてしまうのであった

 

「それじゃあ明後日、よろしくね」

 

それだけ言って通話を切る櫛田

 

不気味な雰囲気の綾小路は携帯を再び充電し

残ったコーヒーを飲み干していくのだった

 

「・・・・・・やれやれ・・・・

 

 どうしてこうにも面倒な事ばっかり起こるのやら・・・・

 

 それもこれも我が後先考えずに手を指し伸ばしたりするから・・・・

 

「・・・・・・我がどうしたと・・・・?」

 

するとその後ろに仮面を外した綾小路が声をかける

仮面の素顔は残念ながら、影に隠れて見えないが

 

不気味な雰囲気の綾小路は特に気にすることなく声を聴く

 

「そこにいたのかい我・・・・

 

 まさか私と夜のおしゃべりでも

 しようなんてわけじゃないだろ・・・・?」

 

「・・・・・・先ほど櫛田嬢の話していた

 佐倉嬢の件なのですが、我に任せてもらえませんか・・・・?」

 

「ほほう・・・・

 

 君がそこまで入れ込むなんてね・・・・

 

 何か気になることでも・・・・?」

 

「・・・・・・はい・・・・

 

 ただそれが須藤殿の件と関係あるのかはわかりませんが・・・・」

 

しばらく黙り込んでいた不気味な雰囲気の綾小路はしばらく黙り込み

 

「・・・・・・いいだろう・・・・」

 

了承するのであった

 

・・二・・

 

日曜日 ショッピングモール

 

「現地で待ち合わせか・・・・」

 

「・・・・・・櫛田嬢にはそれなりに考えがあるのかもしれませんね・・・・」

 

二人の綾小路がベンチで待っていた

 

「それじゃあ私はここで失礼させてもらうよ・・・・

 

 さっきも言ったが家電量販店で興味のあるものがあるんだ・・・・

 

 本来はついでのつもりだったが

 こういうことなら我に任せておくのもよかろう・・・・

 

 それじゃあ後は任せるよ・・・・」

 

そう言って不気味な雰囲気の綾小路は先に

家電量販店の方へと向かっていくのであった

 

「・・・・・・さて・・・・」

 

残った仮面をかぶった綾小路は一息つくと

そこに待ち合わせ相手の姿見えたので立ってその場所を伝える

 

「あ、綾小路君」

 

櫛田が満面の笑みを浮かべて近づいてきた

 

「・・・・・・おはようございます、櫛田嬢・・・・」

 

櫛田が目の前に来たと同時に丁寧にお辞儀する

 

「えーっと、待たせちゃった?」

 

「・・・・・・いえ、我も先ほどついたばかりですので・・・・」

 

そんな軽い言葉をかわしていく

 

「そういえば、休日に会うのって初めてだね」

 

「・・・・・・そう言えばそうですね・・・・」

 

不意にそんなことを思い返す

 

「・・・・・・櫛田嬢、貴方はこの大空を

 初めて見たときのことを覚えていますか・・・・?」

 

「え?

 

 どうしたの急に?」

 

そんなことを聞いてくる仮面をかぶった綾小路

 

「・・・・・・我はこの大空を初めて見たとき

 

 不思議と涙が出ました、青く染まり

 そこに色づくような白く様々な形の雲が浮かんでいて

 

 まるで別の世界に飛び込んだような感覚に見舞われました・・・・

 

 あの時の感覚は今は感じなくなりましたが、不思議と忘れられません・・・・」

 

「フフフ・・・

 

 綾小路君って案外、ロマンチスト?

 

 でもなんだかそう言うのってわかる気がするな

 確かに天気がいい日に空を見上げて空を見上げると

 

 なんだか不思議と感動するよね」

 

櫛田は仮面をかぶった綾小路の言うことに

笑みを浮かべながら受けごたえをしていく

 

「それにしても綾小路君って

 

 案外独特なセンスだよね」

 

櫛田は綾小路の服装を見てそうつぶやく

 

「・・・・・・ああ、申し訳ありませんが

 我は流行と言うものに疎いものでして

 

 其れで動きやすい服装にしたのですが・・・・」

 

「うん、似合ってるよ」

 

「・・・・・・ありがとうございます・・・・」

 

櫛田が言いたいのは地味な格好でしか似合わないというもの

しかし格好に関して特に執着のない綾小路は特に無反応で返す

 

「綾小路君って案外図太いよね

 

 案外誰かに何を言われても動じないというか・・・」

 

櫛田はまじまじと仮面をかぶった綾小路を見る

 

「それで、佐倉さんは?」

 

「・・・・・・まだ見かけておりませんね・・・・」

 

不意にこれから会う佐倉の話になる

 

「・・・・・・しかし、どうして我を誘ったので・・・・?」

 

「実は綾小路君も誘ってくれないかって佐倉さんにお願いされたんだ」

 

「・・・・・・佐倉嬢が・・・・?」

 

仮面をかぶった綾小路は顎に手を当てて

考えるような仕草を見せるのであった

 

無理もない、佐倉との接点は殆どないのだ

どうして誘われるのか理解できるわけがない

 

「ひょっとして佐倉さんって

 

 綾小路君のことが気になってるんじゃないかな」

 

櫛田のセリフに対して特に反応を見せることはない

 

「とにかく待っていよっか」

 

「・・・・・・いえ、どうやら待つ必要はないようですよ・・・・」

 

仮面をかぶった綾小路は不意に

ベンチに座った一人の女子の姿を見つめる

 

「・・・・・・佐倉嬢、でよろしいですね・・・・?

 

 どうやらお待たせしてしまったようで申し訳ありません・・・・」

 

「ふ、ふえ!

 

 そ、そんな、こちらこそ・・・影が薄くて・・・」

 

「・・・・・・いいえ、お気になさらず・・・・」

 

「うわー、私わからなかったな・・・」

 

櫛田が言うのも無理はなかった

 

なぜなら今の佐倉の服装は

サングラスとマスクで顔を隠して

帽子を深くかぶって、顔を隠している

 

「少し不審者っぽいですかね・・・」

 

「・・・・・・いずれにせよ、逆に目立つと思いますが・・・・」

 

「そう、ですよね・・・」

 

そう言ってマスクだけを外してこちらを見る

 

「それじゃあ、デジカメの修理に行くことになるけど

 ショッピングモールの電気屋さんでいいんだよね?」

 

「・・・・・・それでよろしいかと・・・・

 

 あそこではデジカメ等の修理もなされていたと・・・・」

 

「すみません・・・こんなことに付き合わせてしまって・・・」

 

佐倉は申し訳なさそうに頭を下げるのだった

 

・・・三・・・

 

「ええっと確か

 

 デジカメとかの修理は

 カウンターでやってたよね・・・」

 

三人でショッピングモールの家電量販店にまでやってきた

 

「すぐ直るかな・・・」

 

佐倉はデジカメを不安げに握りしめる

 

「・・・・・・写真を撮るのが趣味とおっしゃっていましたね・・・・

 

 そのカメラはとても大事なものであると感じます、お好きなのですね・・・・」

 

「う、うん

 

 ・・・変かな?」

 

「・・・・・・いいえ、そんなことはないと思います

 

 何かに夢中になることはとても大切なことだと我は思いますよ・・・・」

 

「うん」

 

「あ、あったよ

 

 あそこで修理を受け付けてくれるとこ」

 

櫛田が指さしたところに修理のための受付のカウンターがある

 

「あ・・・」

 

「・・・・・・っ・・・・!」

 

佐倉の雰囲気が変わったのを

仮面をかぶった綾小路は感じた

 

佐倉の様子が変わったのを感じて

彼女の視線の先にいるカウンターの店員を見る

 

「・・・・・・あの男、佐倉嬢を見る目がいささか不快ですね・・・・」

 

仮面越しに店員の男性を見る目が異様に鋭い

 

「あ、綾小路君?」

 

櫛田は綾小路の雰囲気が変わったのを感じて声をかける

 

「・・・・・・櫛田嬢、よろしければですが

 

 佐倉嬢についていてあげられませんか

 傍にいてさしあげるだけでもいいので・・・・」

 

「え、あ、うん・・・いいけれど・・・」

 

「ふえ、あ、あの・・・」

 

急にそんなことを提案されて

佐倉は仮面をかぶった綾小路の方を見る

 

こうして佐倉に同行して

デジカメの修理を頼みこんでいく

 

だがその店員の反応ははっきり言うと

とても褒められたものではないであろう

 

さっきから佐倉を見つめる目がいやらしい

 

はっきり言うと女子が相手にしたくない相手だろう

 

普通の女子でもきっと不快に思うこの店員だ

人見知りな佐倉ではきついだろう、そして不意に

 

必要な書類を書くように頼み込んでいく

 

佐倉のペンを持つ手が震えていく

 

「・・・・・・佐倉嬢、ペンをお譲りください・・・・」

 

「え?」

 

佐倉に優しく声をかけて彼女からペンを譲ってもらった

 

「・・・・・・修理が終わればこちらまでご連絡ください・・・・」

 

「ちょ、ちょっと君!?

 

 このカメラの所有者は彼女だよね?

 

 いくらなんでも・・・」

 

「・・・・・・メーカー保証は販売店も購入日も問題なく証明されております・・・・

 

 法的な問題はどこにもないと思われます、購入者と所有者が

 異なっていても、特に問題視するところはないように思われますが・・・・」

 

そう言って書類に早めに必要事項、名前と寮の部屋と番号を記載する

 

「で、ですが・・・」

 

「・・・・・・それとも・・・・

 

 彼女でなくてはならない理由が他にあるのですか・・・・?」

 

綾小路のかぶっている仮面越しから見える鋭い眼光に店員はやや圧され気味になる

 

「・・・わかりました・・・大丈夫です」

 

店員はやがておしまけて、仮面をかぶった綾小路の申し出を受けるのだっつぁ

 

「なんだか、すごい店員さんだったね・・・」

 

「う、うん・・・」

 

櫛田と佐倉は二人で先ほどの店員の話をしていた

 

「・・・・・・あの店員は、佐倉嬢のことを

 まるで狙っていたかのように見つめていましたね・・・・」

 

「じ、実は前に話しかけられたことがあって・・・

 

 それで一人で修理に行くのが怖くて・・・」

 

櫛田は何かに気が付いたように仮面をかぶった綾小路の方を見る

 

「ひょっとして綾小路君、それで?」

 

「・・・・・・あの店員が佐倉嬢の携帯番号を

 聞くときに異様な変化を感じたので、それに・・・・

 

 女子と言うのはやはり、その手のことを明かすのに抵抗があったのではと・・・・」

 

綾小路の仮面越しに見える目は不思議と優しそうに見えた

 

「あ、綾小路君・・・ありがとう

 

 すごく、助かった・・・」

 

「・・・・・・では、連絡が来ましたら

 我がじかにお伝えいたしますので・・・・」

 

佐倉は嬉しそうに頷く

 

「よく見てるんだね

 

 佐倉さんのこと」

 

「・・・・・・正確にはあの店員ですがね・・・・

 

 あの女子を嘗め回すような雰囲気は見た瞬間より感じましたので・・・・」

 

「へえ・・・すごいね」

 

櫛田は素直に仮面をかぶった綾小路を称賛する

 

「櫛田さんも、一緒についてきてくれて、ありがとう」

 

忘れずに櫛田にもお礼を言う

 

「ううん、こんなことでいいんなら力になるから

 

 それにしても佐倉さんって、本当にカメラが好きなんだね」

 

「あ、いえ・・・小さい頃はそうでもなかったんですけど

 

 中学生になる前くらいかな

 お父さんにカメラを買ってもらってから、ドンドン好きになっちゃって

 

 ・・・って言っても、とるのが好きなだけで、全然詳しくないんだけど・・・」

 

「・・・・・・我はそうは思いません・・・・

 

 今の世の中、好きなことに夢中になっていくのは

 難しいものですから、それでも貫けることはすごいことだと思いますよ・・・・」

 

「そう言えば佐倉さんってよく景色をとってるんだよね

 

 誰かと一緒に撮ったりとかしないの?」

 

「ふえっ!?」

 

櫛田の問いに佐倉はびっくりしたように後ずさる

 

「・・・ひ、秘密」

 

不意に仮面をかぶった綾小路の方を見る

 

「その、は、恥ずかしいから・・・」

 

佐倉がおどおどとそう答えた

 

「・・・・・・答えられぬなら無理にお答えしなくても結構です・・・・

 

 別に今日はそのような事のために貴方を訪ねてきたわけではないので・・・・」

 

「う、うん・・・

 

 ごめんn・・・っ!?」

 

佐倉は不意にある場所によって

また先ほどのように勢いよく目を見開く

 

「どうしたの佐倉さん?」

 

「ま、前の方に、その・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

仮面をかぶった綾小路は佐倉の目線の先を見るとそこにいたのは

 

「ふふーん・・・・

 

 思ってたよりも高額だね・・・・

 

 どうしたものかね・・・・」

 

不気味な雰囲気を醸し出している一人の少年がいた

 

佐倉はどうやらその不気味な雰囲気に

あてられてしまい、おびえてしまったようだ

 

「あれって、綾小路君だよね・・・」

 

「え?

 

 でも綾小路君は・・・」

 

佐倉は隣にいた仮面をかぶった綾小路の方を見るが

そこに彼の姿はなく、佐倉はあれ?、っと目をぱちぱちとさせていく

 

「・・・・・・私、ここで何をしているのですか・・・・?」

 

「おや・・・・?

 

 誰かと思えば我じゃないか・・・・

 

 ここに来たということは佐倉への話はもう済んだのかい・・・・?」

 

不意に話しかけてきた仮面をかぶった綾小路に気づき

彼の方を見つめる不気味な雰囲気の綾小路であった

 

「・・・・・・佐倉嬢との話は

 今のところ第一段階はクリアと言ったところです・・・・」

 

「そっか・・・・

 

 思ってたよりも速かったね・・・・」

 

不気味な雰囲気の綾小路は

仮面をかぶった綾小路の方を見ずに何かを見ている

 

「・・・・・・何か欲しいものでもあるので・・・・?」

 

「まあそうだね・・・・

 

 しっかしポイントがないというのはいたいもんだね・・・・

 

 クラスポイントもそうだけど

 やっぱりプライベートポイントがないとかなり不利だね・・・・」

 

「・・・・・・これは・・・・?」

 

仮面をかぶった綾小路は不気味な雰囲気の綾小路の見ているものを見る

 

「・・・・・・これを使って・・・・?」

 

「まあそう言うことさ・・・・

 

 まあまだ手が出ないけどね・・・・」

 

「・・・・・・なるほど・・・・」

 

不思議と納得する仮面をかぶった綾小路

 

「・・・・・・これを使えば、私の作戦がうまくいくと・・・・?」

 

「まさか・・・・

 

 あくまで作戦を立てるのは堀北さ・・・・」

 

「・・・・・・そうでしたね・・・・」

 

「まあ必要になる時にはどうにかするさ・・・・

 

 いずれこの手を使うときは来る・・・・」

 

「・・・・・・それでは我はここで・・・・

 

 櫛田嬢と佐倉嬢を待たせているので、それを聞けただけでも・・・・

 

 それでは・・・・」

 

そう言って仮面をかぶった綾小路は戻っていく

不気味な雰囲気の綾小路は不敵な笑みを彼に向け店の奥に消えていくのだった

 

「・・・・・・お待たせいたしました・・・・」

 

「あ、綾小路君

 

 今までどこにいたの?

 

 あとあっちに別の綾小路君が見えたみたいなんだけど・・・・」

 

「・・・・・・気のせいでしょう・・・・」

 

櫛田は仮面をかぶった綾小路の言い方に妙に引っ掛かりを覚える

だがその際に錯乱の横顔を見て、何か考えるような仕草も見せた

 

「ええっと?

 

 ・・・佐倉さん、私とどこかで見たことある?」

 

「え?

 

 い、いえ

 

 ないと思います、けど」

 

「ご、ごめん

 

 なんとなく佐倉さん見てたら

 どこかで会ったことがあるような気がして

 

 あ、もしよかったらでいいんだけれど

 眼鏡をはずしてもらってもいいかな?」

 

「ええ!?

 

 そ、それはちょっと・・・!

 

 眼鏡をはずすと見えなくなっちゃうから・・・」

 

佐倉は手を胸のあたりで組んで首を横に何度も振る

 

「・・・・・・櫛田嬢、あまり踏みこみすぎると

 本来の目的が果たせなくなってしまいます、ここは佐倉嬢に合わせて・・・・」

 

「・・・そうだね」

 

仮面をかぶった綾小路の提案に櫛田も同意して頷いた

 

「あ、あの・・・今日はありがとうございました

 

 すごく助かりました」

 

「いいよいいよ、別にお礼を言われるほどのことじゃないし

 

 それに佐倉さん、よかったら普通に話してくれないかな?

 

 だって私達は同級生なんだから、敬語なんて変でしょ?」

 

櫛田の言葉は理解しているようだが

佐倉には勇気のいることのようなのでどうしても動揺する

 

「意識、してるつもりはないんですけど・・・変、ですか?」

 

「悪いとは言わないけれど、私は敬語じゃない方がうれしいな」

 

「あ・・・う、うん・・・わかり・・・わかった

 

 頑張ってみるね」

 

佐倉は少しずつ進みだしていこうとするその様子を

綾小路は仮面越しにその様子を優し気な視線で見つめている

 

「あ、でも無理はしないでいいからね」

 

「だ、大丈夫

 

 ・・・私も・・・から・・・・・・」

 

櫛田も前に少し強引に行き過ぎたと思っていたのか

櫛田は適度な距離感で佐倉と少しずつ親しくなっていく

 

「それじゃあ、また学校でね」

 

そう言って櫛田が去っていこうとすると

 

「あのっ・・・!」

 

佐倉が今までのイメージが嘘なほど

張った声で櫛田を呼び止めていくのだった

 

「そ、その・・・須藤君の、ことなんだけど・・・よかったら・・・」

 

またも間が空いてしまったが佐倉は意を決したように口を開く

 

「・・・須藤君のこと、わ、私でも協力できるかもしれない・・・」

 

佐倉はそう告げる

 

「それって、佐倉さんは須藤君達の喧嘩を見ていたってこと?」

 

「うん・・・

 

 私、偶然見てた

 

 本当に偶然なんだけれど・・・信じられない、かな」

 

「ううん、だって佐倉さんが勇気を出していってくれたもん

 

 でも無理をしてまで名乗り出てもらわないでいいよ

 別に恩を着せるために遊んだわけじゃないからね」

 

櫛田の言葉に佐倉はうまく答えられないようだ

 

「本当にいいの?

 

 無理、してない?」

 

櫛田の問いかけに佐倉は申し訳なさそうに頷いた

 

「大丈夫・・・多分、黙ってたら後悔、すると思うから

 

 私もね・・・クラスメイトを困らせたいわけじゃないの

 

 だけど、目撃者として声を上げたら

 どうしても目立ってしまうから・・・それが嫌で・・・ごめんなさい」

 

佐倉はそう言って謝る

 

「ありがとう佐倉さん

 

 これで須藤君も喜ぶよ」

 

佐倉の手を取る櫛田に、笑顔の櫛田を見つめる佐倉

 

「・・・・・・これで第一段階完了、と言う事ですね・・・・」

 

その二人の様子を見てそうつぶやく仮面をかぶった綾小路であった

 

・・・・四・・・・

 

「・・・・・・佐倉嬢は証言をしてくださると約束してくれましたね・・・・」

 

「うーんでも私としてはもう少し仲良くなりたかったっていうのが残念かな?」

 

佐倉と別れた後、仮面をかぶった綾小路は櫛田とともに帰路についている

 

「・・・・・・そう言えばあの時・・・・

 

 櫛田嬢は佐倉嬢の眼鏡をはずそうとなされていましたね・・・・

 

 あれはどのようなお考えがあってのことで?」

 

「うーん、なんとなく似合わない感じがしたんだよね

 

 佐倉さんと眼鏡が結び付かないって言う感じと言うか・・・」

 

「・・・・・・おそらくですが

 櫛田嬢の予感は当たっているものと思われます

 

 服装はと言うものは大体、そのものの性格を表しています

 

 佐倉嬢は人見知りの上に協力目立たないようになさっていました・・・・

 

 服装そのものは佐倉嬢の見たとおりの性格通りであると我も思います・・・・」

 

「たしかに、意識しておしゃれをしているとも思えないし

 

 だけどどうしてそんなことを聞くの?」

 

櫛田が綾小路の言葉に不意に聞き返す

 

「・・・・・・あのメガネのみ、どうにも服装にあっていません・・・・

 

 おそらくあれは目が悪いからしているというわけではありません

 おそらくはそれとは別の意味でしているのかもしれませんね・・・・」

 

「目が悪いからしているのとは別の理由?

 

 それっていったい・・・」

 

「・・・・・・おそらくですが、佐倉嬢は

 何らかの理由で自分を隠しているのかもしれません・・・・

 

 そうでなくては佐倉嬢が度が入っていない

 メガネをしている理由がありませんゆえに・・・・」

 

「伊達メガネってことか・・・

 

 でも確かにおしゃれだったら

 眼鏡だけなんて普通はしないもんね・・・」

 

櫛田は仮面をかぶった綾小路の言葉に考え事をしていく

 

「・・・・・・ここからはあくまで推測ですが・・・・

 

 もしや佐倉嬢は己自信を隠すために眼鏡をしているのかもしれません・・・・」

 

「つまり、佐倉さん自身は何かを隠したくって伊達メガネを?」

 

「・・・・・・普段の佐倉嬢を見ていても

 極力前かがみになっていたり、他人と目を合わさんとしています・・・・

 

 ただの人嫌いと言うわけでもない、とすれば

 もしや素の自分を見せたくないという思いから来ているのやもしれません・・・・」

 

ーあるいはもしかしたら、自分と同じなのかもしれないー

 

「やっぱり綾小路君を連れてきて正解だったね

 

 相手のことをよく観察してる気がする」

 

「・・・・・・いえいえ、櫛田嬢がうまく自然に会話を

 つなげていってくれたからこその成果ですゆえ・・・・

 

 我がすごいと言われるものではありませんよ・・・・」

 

櫛田の称賛を称賛で返す仮面をかぶった綾小路

 

「それからね・・・」

 

すると不意にキャッチが入る

 

「・・・・・・佐倉嬢・・・・?」

 

櫛田は綾小路の反応が気になって

彼の手に持っているものをのぞき込もうとするが

 

その前に声をかけられる

 

「・・・・・・櫛田嬢・・・・

 

 今日はここまでにしてもらえますか・・・・

 

 佐倉嬢が証言してくれると堀北嬢に伝えねばなりませんので・・・・」

 

「あ、うん、それじゃあまた明日ね・・・」

 

こうして櫛田と分かれると、仮面をかぶった綾小路は通話に出る

 

「・・・・・・もしもし・・・・?」

 

「・・・・・・」

 

応答して数秒、返答は聞こえなかったが

 

「・・・あ、あの・・・佐倉、です・・・」

 

「・・・・・・ええ、どうかしたので・・・・?」

 

ようやく佐倉の返答が来るが

特に気にすることでもないので何も言わない

 

「き、今日は、付き合ってくれてありがとう」

 

「・・・・・・いえ・・・・

 

 大したことではありません・・・・

 

 むしろこれで佐倉嬢のお力に

 少しでもなれたなら、我としても幸いです・・・・」

 

「うん・・・」

 

佐倉はどうやらどのように会話を続けていくか迷っている様子

 

「・・・・・・いかがなされました・・・・?」

 

「えっと・・・」

 

またも無言が続く

 

「・・・き、今日のことで・・・

 

 何か、思ったこと・・・なかった?」

 

佐倉はそんなことを聞いてくるが

アバウトで不明瞭な言葉のため何を求めているのかわからない

 

「・・・・・・今日のこと、ですか・・・・?

 

 何かあったでしょうか・・・・?」

 

あらためて聞き返すが、それもかなわず

 

「ううん、ごめんね、なんでもないの・・・おやすみなさい」

 

そう言って通話は切れてしまうのであった

 

「・・・・・・・・・・」

 

仮面をかぶった綾小路は考えるしぐさを見せる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・やれやれ、面倒なことにならなければいいのですがね・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               




「・・・はあ・・・」

佐倉は綾小路との通話を切ると
前かがみになって考え事をするような仕草を見せる

「・・・・・・」

佐倉は今日、カメラを私に行った時に
あったあの店員のことを思い出していた

体を抱えるように腕を回し
小刻みにふるわせていく

おびえているようだ

「・・・う、うう・・・」

しかし

佐倉は助けを求めたくとも
求められない、彼女の性格もあるが

何より下手に誰かに話したら
目立ってしまうかもしれない

彼女の抱えている秘密

それは何なのかわからない

「・・・・・・」

だが少なくとも自分の身が危ないことは
彼女自身も気が付いている、だがどうすればいいのか

それが分からない

誰かに相談すればいいのだろうが
人見知りの激しい彼女には難しいものだ

その彼女の不安に押しつぶされそうになった
その心は、彼女が朝起きたときに不意に聞こえた

あの笛の音のみだった




















       
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