ようこそ実力至上主義の教室へーIn this deceitful world, even bigger lieー 作:lOOSPH
「桔梗ちゃん
帰りにカフェに寄っていかない?」
「うん、行く行く!
あ、でもちょっと待ってね
もう一人誘ってみるね」
櫛田が友達に誘われると櫛田は理を入れて
ある女子生徒のもとに歩み寄っていく
その女子生徒は
「堀北さん
よかったら一緒にどうかな?
これから友達と一緒にカフェに行くんだ」
「興味ないから」
堀北だった
そして堀北は櫛田の誘いに
間髪入れずに断わりの話を入れる
「そっか・・・じゃあ、また誘うね」
「櫛田さん・・・」
櫛田の言葉に対して堀北はこう告げた
「もう私を誘わないでくれる?
迷惑なの」
だがそれに対しても櫛田は笑顔で言う
「また誘うね」
そう言って誘ってくれた友達のもとに行くと
「櫛田さん、もう堀北さんを誘うのやめたら?
なんか感じ悪いし」
女子のそんな会話が聞こえた
「おやおや・・・・
評判が悪いね堀北・・・・」
「別に興味ないわ
別に回りと仲よくしようとも
思ってないもの、それじゃあ」
綾小路の言葉をそう受け流して
帰りについていく堀北であった
「あらら・・・・
堀北さん、大丈夫かな?」
「知らん・・・・
それはあくまで本人の問題だ・・・・」
少年のもとに四人の少年と
少女の綾小路が駆け寄ってきた
「私はどうやら堀北ちゃんに興味があるんだね」
「俺はあんな女、好きにはなれないがな」
「そうか?
おいらはあああいう気の強い女は嫌いじゃないぜ
まあ別に仲良くなりたいとも思わないけどな」
「ま、まあ悪い子じゃないとは思うんだけれど」
「・・・・・・・・・・」
六人の意見はそれぞれであった
するとそこに話しかけてくる人影が
「少しいいかな?」
我らがクラスのリーダー、平田 洋介であった
「なあに?
平田君」
「実は堀北さんのことで相談があるんだけれど・・・・」
「ああ、大方女子からの評判がよろしくないとかそんなのだろう・・・・?
それでどうにかしてほしい、そういうことかい・・・・?」
少年の綾小路の方がそういうと平田はうん、と素直に返事をした
「相談を受けてあげて悪いが
残念ながら私にできることはない・・・・
むしろできることならとっくに何とかしてるさ・・・・
行ったって聞かないからね、ああいう人間は・・・・」
「それは、そうだけど
でもやっぱり僕としては
みんなで仲良くやっていきたいって思うんだ
僕は絶対にこのクラスでいじめを起こさせたりしたくないし」
「いじめ、て・・・・
急に飛躍しすぎだな
だがまあ、確かにありうるかもしれないな」
すると平田の横から少年が話しかける
「まあ堀北自身がその気がないのなら
今言ったところで意味はないだろう・・・・
何かきっかけが必要かもね・・・・」
「きっかけ?
どんな風な?」
「残念だがそれに関しては答えかねる・・・・
何か堀北自身の心身に大きな影響を及ぼせる何かが起こらないとね・・・・」
そういうと少年の綾小路は立ち上がって平田の横を通り過ぎていく
「まあやってみるだけやってみるよ・・・・
君だって部活やクラスのことで大変かろう・・・・?
あんまり煮詰めない方がいい・・・・
でないと君自身が倒れてしまうかもしれないからね・・・・」
「う、うん
ありがとう」
と教室を出ていく少年の綾小路
それについていくように先ほど
平田の横から話しかけてきた少年も
ついていくように出ていくのであった
「きっかけ、か・・・・」
洋介は考え込むようにつぶやくが
その彼の肩にポンっとやさしくたたいた者がいた
それは
「よかったらちょっと付き合わない?」
女子の綾小路であった
・一・
そのころ
「おい綾小路
正直に言え、言ってくれ」
「・・・・・・・・・・
なんだいきなり・・・・?」
少年は学校から出ていくとそこに
池、山内、須藤の三バカが待ち伏せしており
今絶賛、尋問中であった
「俺たち友達だよな
三年間苦楽を共にする仲間だよな?
だったら俺より先に彼女できたなんて抜け駆けはしないよな?」
「・・・・・・話が見えないが・・・・」
すると池は綾小路の首を
ホールドしひそひそと話しかけていく
「プールの時に言ったじゃねえかよ
綾小路ちゃんは俺が狙ってるんだって
それなのにお前その綾小路ちゃんだけじゃなく
堀北とも仲良くおしゃべりしやがって
どういうことか説明しろ」
「・・・・・・はあ・・・・」
めんどくさそうにため息をつく綾小路
「それでお前はどっち狙ってんだよ
堀北か?、堀北だよな?」
「なぜ堀北を強調するんだ・・・・?」
なぜか堀北であってほしいという表情を見せる池に
綾小路はまたもめんどくさそうな表情を浮かべていく
「俺は嫌だねああいう女は」
「そうだよなー
付き合うんだったら
自然と話せる相手がいいよな
櫛田ちゃんとか綾小路ちゃんみたいに」
「頼むから櫛田の方に移ってくれ・・・・」
綾小路はつぶやくように言う
「俺は断然櫛田ちゃん狙いだな
綾小路ちゃんもかわいいと
思うけれどやっぱ胸が小さいし」
「そりゃ俺もおんなじ意見だけどさ
でも綾小路ちゃんはさ、なんか人間的な
魅力な感じがしてなんか好感が持てるっていうかさ」
そんな議論をしていく池と山内
「須藤はどうよ
バスケ部にもかわいい子とかいるだろ?」
「あ?
俺は別に・・
つーか新入部員にんな余裕ねーよ」
須藤はそっけなく答える
「まじかよ・・・」
「とーにーかーく!
彼女ができたら隠さず報告すること!
いいな!
絶対だぞ!」
「・・・・・・騒がしいねまったく・・・・」
耳をふさぐようなしぐさを見せる綾小路
「そういや綾小路ちゃんって
平田とも仲いいんだよな
くーいいなーイケメンは!
でもまあ、平田にはもう彼女いるし
俺にももちろんチャンスあんだろ!」
「ああ・・・・
そういえばそんなこと言ってたっけ・・・・?
確か、軽井沢って子とだったね・・・・」
綾小路はそんな会話をしていく
「やっぱエッチとかしてんのかなー」
「そりゃしてんだろ!
あーうらやましい!」
それを聞いてややあきれたような表情を見せていく
「まあいいさ・・・・
別に私自身は堀北とそんなに親しいわけでもないし・・・・
残念ながら君たちの満足のいく話は残念ながらできないね・・・・
それじゃあ私自身は失礼させてもらうよ・・・・」
そう言って手を振って去っていく綾小路
「なんかあいつ、変わってるよな?」
「だな」
三バカはそんなことを言っていた
・1・
そのころ別の場所では
「・・・・・・・・・・」
綾小路が歩いているとそこには櫛田がいた
「待ってたんだよ綾小路君
ちょっと話がしたくって・・・」
「お前確か友達とカフェに行ったんじゃねえのかよ・・・・」
うんざりした様子で櫛田と話をする綾小路
「この前の話なんだけれど・・・」
「はあ、確か堀北と仲良くなりたいんだって?
前に相手にその意思がないと
何やったって意味ないって言ったろうが」
やや突き放し気味に言う
「でもこのままだと堀北さん
独りぼっちになっちゃうよ
それを黙ってみているなんて私にはできないよ」
「だからってなんで俺なんだよ・・・・」
引き下がらない櫛田に綾小路はやや困惑気味である
「だって綾小路君・・・・堀北さんと仲良く話してるし」
「席が隣なだってだけだ
別に仲がいいわけでもない」
「そうかな?
でも堀北さんだって
綾小路君以外の人と話したところ見てないし・・・」
「口開いたら辛辣な言葉のオンパレードだけどな」
綾小路は話を切り替えるために一旦単話を区切った
「教室で堀北に釘を刺されていたろう
次は何言われるのかわかったもんじゃねえぞ」
しかし櫛田は綾小路の手を握って上目遣いで見つめる
「だめ・・・かな?」
「俺じゃ力にはなれねぇ
平田あたりにでも頼んでみたらどうだ?」
よく見ると櫛田の目元には涙が浮かんでいる
「わかった・・・
ごめん・・・なさい・・・
綾小路君のこと・・・考えずに・・・
無理にお願いしちゃって・・・」
声がぐずり始める
綾小路は不意に周りから何やら妙な目で見られているのを感じ始めた
「お、おい泣くなよ泣かないでくれ
むしろ泣きたいのはこっちだよ・・・・
わかったわかった!
俺もできる限り協力するから、これでいいだろ?」
「ほんとに?
ありがと綾小路君」
綾小路が慌てて承諾すると
先ほどまでの泣き顔が嘘のように
かわいらしい笑顔を浮かべていた
それを見て自分は騙されているのでは
と思い込んでしまうもとりあえずそれは置いておいた
「それで?
具体的にはどうすりゃいいんだ?」
櫛田の考えを聞いてみることにする綾小路
「やっぱりまずは堀北さんの笑っている顔を見てみたいな」
「笑っている?
堀北がか・・・・?」
綾小路は櫛田の作戦自体は悪くないと踏んだが
問題はあの堀北がどうやったら笑顔になるかである
「考えとかあるのか?」
「それは・・・綾小路君に会ったら一緒に考えてみようかなって思ってて・・・」
櫛田はそう言うとてへっとグーで自分の頭をこつんと小突く
その表情にあきれを覚えた綾小路はしばらく黙り込んでしまう
「そんで堀北をどうやって誘い出してみるんだ?」
「とりあえず放課後綾小路君が堀北さんに声をかけて
場所はそうだな・・・バレットとかどうかな?
あそこだったら人が多いから誘いやすいかもだから」
「うーん、どうだろうな
あいつ見た感じ騒がしいところが
苦手っぽいし、逆に静かなところがいいんじゃないか?
しかし放課後だとどこも人が多いと思うしな・・・・」
「そうだね」
考え込む二人
「そうだ!
櫛田の友達に協力を頼んでみたらどうだ?
櫛田が直接頼んでみたら断りを入れられそうだし
まずどこかの席に座っていてもらってそれから自然な感じで
入れ替わってそれから見たいな感じでさ・・・・」
「そっか・・・
綾小路君って頭いいんだね」
櫛田が屈託のない笑顔で綾小路を称賛する
「まあそう簡単に言ったらいいんだがな・・・・」
「でもきっと大丈夫だよ綾小路君の考えた作戦だったら」
その言葉にうれしさよりも困惑を覚える綾小路
「しっかしまあそう簡単にはいかないだろうな
あいつは誰に対しても遠慮しねえし・・・・」
「でも堀北さんって綾小路君とよく話してるよね?」
「席が隣ってだけだろ」
「そうかな?
堀北さんはたぶん綾小路君のこと信頼していると思うけれどな」
なぜか根拠のない信頼が構築されて行っている
感じがしてならないように思う綾小路だった
「ただの偶然だろうが」
「でも人の出会いっていうのはいっつも偶然だと思うけど
そしてその偶然の出会いがやがて
友情、愛情・・・恋人そして家族になっていくんだって私は思うんだけれどな」
「へえ・・・・」
櫛田の言葉に不思議と納得を覚えてしまう綾小路であった
・・2・・
「ねえ、平田君・・
なんで綾小路さんが一緒なの?」
「う、うん・・・
一緒にクラスの今後のこととか
相談に乗ってもらおうと思ってね・・・」
平田ともう一人女子生徒が来ており
二人と向かい合うように少女の綾小路が座っていた
「フフフフフフ・・・・
平田君と軽井沢さんが
付き合ってるって噂、本当だったんだね
男の子たちがうらやましいってつぶやいてたよ?」
綾小路が二人に言う
「え・・・それ本当に」
「ほらやっぱりばれてたみたい
あたしらが付き合ってること」
そう言って平田の腕を組む軽井沢
「平田君も軽井沢さんも
学校生活を満喫してるみたいだね」
「そうでもないかな
あたしとしては
もっとポイントが欲しいって感じかな
10万じゃ全然足りないよ・・」
「僕はちょっと怖いかな
このままの生活を続けていたら
卒業した時困るんじゃないかなって」
軽井沢と平田はそれぞれの意見を述べる
「やっぱり人によって感覚っていうのは違うんだ・・・・」
その様子を見てなるほどと考える綾小路
「綾小路さんはどう思う?
10万ポイントって多い?、少ない?」
「うーん
どっちでもないかな
だってまだ実感がないし・・・・」
綾小路の意見に平田は同意の言葉を投げかける
「そんなことないって
あたしとしてはここに入学できてよかったって思ってるし」
「だけどどうにも腑に落ちないんだよね
だっていくら何でも自由すぎるっていうか
いくら校風が自由だって言ってもいくら何でも学校の対応がなさすぎるって思うし
もしかしたらあたしたちも知らない何かのルールがあるんじゃないかな・・・・」
綾小路は疑問の言葉を言う
「どういうこと?」
「もしかしたら学校は試しているのかもしれない
私たちがこの10万ポイントをもって
そのうえでどんな学校生活を送っていくのか
そのうえであたしたちのことを測っているのかもしれない・・・・
二人も知ってるでしょ?
この学校の施設内にはいたるところに監視カメラがある
あのカメラはいじめとかカツアゲとかそういうのから
目を離さないためだってみんなは思ってるみたいだけれど
あたしはもっと別の理由があるのかもしれないって・・・・」
綾小路の言葉に思わず聞き入る平田と軽井沢
「別の理由・・・・?
それっていったい・・・・」
平田は恐る恐る聞くのだが
「・・・・・・さあ?」
「「え!?」」
綾小路のあまりにも素っ頓狂な返答に
二人は思わず変な声を上げてしまうのであった
「あたしだってそれについて確信があるわけじゃないしね
でもきっと私の推測があっているか間違っているかはすぐにわかると思う
来月くらいにね」
そう言って立ち上がって去っていく綾小路であった
「いったい何が言いたいのよあいつは・・」
「・・・・・・・」
軽井沢はわけわかんないと言わんばかりに
去っていく綾小路を睨みつけていたが
平田の方は驚きと関心が入り混じった表情を見せていたのであった
・・二・・
翌日の放課後
一人の少年のもとに
別の少年が現れる
「俺じゃないか・・・・?
どうしたんだいこんなところまで・・・・」
「私にじゃねえ
堀北に用事があんだよ」
そんなやり取りをかわすと
やってきた少年は机に座っている少年にバトンタッチをする
「堀北・・・・
話がある・・・・」
「私自身はないわ
話しかけないでくれる?」
堀北は歯に衣を着せずに言う
「ああ、少し付き合ってほしいんだけどさ・・・・」
「・・・・何が狙い?」
「・・・・・・私が誘ったら狙いがあるとでも思っているのか・・・・?」
「突然誘われたら疑問を抱くのは当然の流れじゃないかしら?
それに、あなたは今の今までそんなそぶりを見せもしなかったくせに」
堀北は追及を始めていくが
綾小路は少々間を開けて言う
「・・・・・・まあ残念ながらお前に用事があるのは私ではない」
すると堀北の後ろから誰かが歩み寄ってきた
「ちょっと付き合ってもらいたいところがあるんだが
少しの時間でもいい、ついてきてもらえないか?」
「っ!」
不意に話しかけられ後ろを振り向くと
そこにいたのは紛れもない綾小路だった
だが先ほどまで話し込んでいた綾小路とは
雰囲気が何か違うように感じ、警戒心をあらわにする
「あなた何者・・・?
さっきまで隣に座ってたと思うんだけれど・・・」
「それは私のことか・・・・?」
すると隣の席に座っていたのは
紛れもない綾小路だった、容姿が全く一緒だった
だがまとっている雰囲気が違う
だが堀北はあえてその疑問を置いておこうとし
二人はただうり二つなのだと答えをとりあえず出す
堀北は落ち着きを取り戻すように一息つく
「それで、私に何の用かしら・・・」
動揺を悟らせないように後ろの綾小路に話しかける
「別に
学校のことをいろいろ回っていくついでに
今人気のカフェがあったんだが
いかんせん女子の割合が高いから
男一人だとなんだか行きずらくってさ
少しついて言ってもらいたいって思ってな・・・・」
「ああ、あそこね
でも確かにあそこは
女子の割合が多いとは思うけれど
だからって男子だって利用していると思うけど」
「まあ確かにそうなんだけどさ・・・・
でも要るっつってもカップルや
仲のいい男女ばっかりでさ
男一人で行ってるってことはないって思うんだが」
そういわれると堀北は考えるそぶりを見せる
「あなたの意見にも一理はあるわ・・・」
「興味はあるんだよ、一緒に行ってくれるだけでいいから」
「だったら二人で行って来たら?」
「男だけっていうのはいずらいだろう・・・・」
「断るって言ったら?」
「それはそれで別にいいさ・・・・・・
俺自身はお前のプライベートに干渉するつもりはない」
「・・・・わかったわ、確かに男だけじゃ利用しにくいっていうのは本当のようだしね
でもあんまり長い時間は取れないわよ」
「それでいいさ・・・・」
こうして綾小路はもう一人の綾小路の方に
一礼するとそのまま教室を出ていってしまうのであった
なんやかんやあってカフェについた二人
「すごい人数ね」
「やっぱりにぎやかだな・・・・」
放課後に初めて利用する二人はその騒がしさに圧巻される
「でもどこも空いていないように思えるけど・・・・」
「そうだな・・・・・・お!
あの席が空きそうだぞ」
と二人の女子生徒が席を立って話をしながら出ていく
堀北と綾小路はその席に座り込む
「それにしてもまあ
随分と騒がしいもんだな・・・・」
「・・・・・・・」
堀北は無表情というかどこか冷たい印象を持つ
やはり騒がしいところが嫌いなのだろうか
すると後ろの席の女子二人がドリンクをもって立っていく
それと同時にそこに来客してきたのは
「あ、綾小路君!
それから堀北さんも、偶然だね」
櫛田だった
「・・・・・・そうだな」
どこかうっとおしそうにつぶやく綾小路
「二人もここを利用するの?」
「偶然だよ、お前こそ今日は一人なのか?」
「うん、今日はちょっと・・・」
「私帰るわ」
「・・・・・・っておい!
まだ席に着いたばっかりだろ」
「櫛田さんがいるなら私は必要ないでしょ?」
「ちょっと待てって
俺と櫛田はクラスメイトってだけだっての」
「それは私とあなたの関係も同じよ
それに・・・
貴方達のやり方が気に食わない」
堀北は意味深に聞いていく
まるで二人の狙いにきづいたかのように
「え、い、いやだな
何のことかさっぱり・・・」
ここで櫛田がそう発言すると
堀北はふうとため息をついて言う
「さっき私たちが座る前に、ここにいた二人は同じクラスの女子だった
そして隣にいた二人もそう
これがただの偶然?
それに放課後になって、私たち二人は寄り道もせずにここに来たのよ?
彼女たちがどれだけ急いだとしてもついてせいぜい1、2分
まだ帰るには早すぎる
違う?」
「・・・・・・・・・・」
素直に感服の表情を見せる綾小路
「お前ほかのクラスメイトと交流してないのに
よくもまあそんなこと覚えてるもんだな」
「別に大したことじゃないわ」
「え、ええっと・・・」
櫛田は困惑の表情を浮かべて
綾小路に救いの手を求めるのだが
綾小路はそれをうっとおしく感じつつ言う
「ったく、だから無理だって言ったのに・・・・」
「その発言は自白と受け取らせてもらうわ」
「ご、ごめんなさい・・・
でも私は本気で堀北さんと友達になりたいの」
櫛田は間髪入れずに堀北に言う
「あの時も言ったでしょ
私のことは放っておいてほしいのよ
私は別にクラスに迷惑をかけるつもりはない、それじゃダメ?」
「・・・でもだからって独りぼっちで過ごすなんて寂しいよ
私はみんなと仲良くなりたいって思ってるのに」
「あなたのその発言を否定するつもりはないわ
でも私は一人は寂しいと思ったことはないわ
何より私はそれで周りを巻き込むのは間違ってる」
「で、でも・・・」
「それに仮に仲良くなることを強いたとして私が喜ぶとでも?
そんな強制されてできた関係に本当の意味で友情や信頼関係が生まれると思う?」
堀北の言うことは間違っていない
それゆえに櫛田もそれ以上言い返せない
「今まではっきりと伝えなかった私にも落ち度はある
だから今回の件は責めないけれど
もしまた次におんなじことをしたら容赦はしないわ」
そう言って一口も飲んでいないカフェラテのコップをもって立ち上がった
「私ね、堀北さんのことがどうしても放っておけないの
なんだか、初めて会った気がしないっていうか・・・
だ、だから堀北さんの力に少しでもなれたらいいな、なんて思ってる」
「これ以上は時間の無駄よ、悪いけれど私は帰らせてもらうから・・・」
やや語気を荒げて堀北は容赦なく言葉を遮った
それに対して思わず言葉を飲み込む櫛田
「堀北の言うことはもっともだな・・・
俺も今回櫛田に協力させてもらったが
このやり方がうまくいかないのは分かってた」
「だったらなんで協力することを了承したの?」
「別に大した理由はない
俺だって作戦自体には乗り気じゃなかったが
櫛田の心情そのものには理解できる部分はあった
だから櫛田の期待に少しでも応えてやろうと思っただけだ・・・・」
櫛田は不意に綾小路の方を見る
「別に無理に彼女の気持ちを
受けいれろとは言わない
だが櫛田は本気でお前と向き合おうとしている・・・・
その気持ちだけでも受け入れてやったらどうだ」
「あなたの言いたいことは分かる
でも過剰な機会なんて逆に相手の反感を買うだけ
仮に私があなたのことばを受け入れた
としても所詮は押し付けられただけのもの
その関係は長続きなんてしないわ」
「だからと言って!
櫛田の気持ちを踏みにじってもいい理由にはならないだろ!
お前のその生き方はいずれお前自身を破滅させるぞ!」
「平気よ
私はこの九年間この生き方を貫いているもの
いいえ、幼稚園のころからだからもっと長いわね」
堀北はそんなことを何のためらいもなく言い放つ
「櫛田さん、あなたが私に無理にかかわらなければ
私は何も言わないわ、約束する
貴方はバカじゃないのだから、この発言の意味が分かるかしら」
堀北はそこまで言うとそれじゃ、と一言かけて去っていくのであった
「やっぱり失敗したな
あいつは孤独になれすぎている
そんな奴と心を通わせるのは簡単じゃない」
櫛田はすとんとその場に腰を下ろす
「ううん、確かに友達になることはできなかったけど・・・でも
大切なことを知ることができたから、それだけでも私は十分だよ
だけどごめんね、私のせいで堀北さんに嫌われるような真似、手伝わせて」
「別に俺は気にしてねえよ
俺自身はあいつのこと嫌いだし・・・・」
とりあえず櫛田とおんなじ席に座る綾小路
「ね、ねえ綾小路君・・・
綾小路君自身はどう思う?
堀北さんの言うことが正しい?
私は間違ってるのかな・・・」
「堀北の言うことは確かに正しい
だがだからと言ってお前のやり方が間違っているっていう事じゃない
でも櫛田が堀北と向かい合おうとしているのは分かるが
お前も俺もあいつのことを理解しているっていうわけじゃない
まずは堀北のことを理解することから始めていったらどうだ?」
「・・・そっか、そうだよね・・・
私どこか堀北さんのことをわかって
あげようとすることを忘れていたのかもしれない・・・」
「相手を理解しきるのは簡単なことじゃねえ
むしろどの生き物にも簡単にできるわけじゃない・・・・」
綾小路の言葉に櫛田はやや悲しそうな表情を見せていく
「堀北さんと友達になること・・・できないのかな」
「あいつにはあいつなりの考えがあるんだろう
こうなっちまったら割りきるしかない」
「そんなこと・・・簡単にはできないよ・・・」
「俺には理解できない
堀北にこだわらなくても
お前にはたくさん友達がいるだろう」
すると櫛田は綾小路の方を見る
「私、自己紹介の時にも言ったよね
私はいろんな人と友達になりたいの
自分のクラスもよそのクラスも含めて
でもこんな調子じゃ、そんな目標達成できないよね」
「今は森の中に息をひそめる小さな動物のようにまってるしかない
そうすればいずれチャンスは向こうから来るさ・・・・」
そう言って櫛田に背を向けてカフェをあとにする綾小路
すると
「綾小路君!」
櫛田が後ろから呼びかけてきた
「今日はありがとうね!」
「・・・・・・・・・・」
櫛田の言葉に綾小路は一瞬歩を
止めたがすぐに歩き出していくのであった
「はあ・・・・
柄にもないことをしてしまったな・・・・」
Unverständlich