ようこそ実力至上主義の教室へーIn this deceitful world, even bigger lieー   作:lOOSPH

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Zweifel


Der menschliche Alltag ist vorbei

「・・・・・・・・・・」

 

とある日の授業風景

 

一人の少年が自分のクラスの授業風景を見つめている

 

「ぎゃはは!

 

 ばっかお前それ面白すぎだって」

 

一方では池と山内が大声で談笑し

 

「ねえねえ、カラオケ行かない?」「行く行く!」

 

一方では女子のあるグループの会話が聞こえてくる

 

「最初のころは悩みどころだったのに、打ち解けたら一瞬だな・・・・」

 

綾小路が不意にそんな言葉をつぶやくと

 

「綾小路君こそそれなりに充実しているんじゃない?」

 

隣で黒板と机を交互に見て、書き写しながら話しかけていく堀北

 

「まあ否定はしないが・・・・

 

 打ち解けているかはわからんよ・・・・」

 

黒板を見つめながら綾小路は答える

 

授業が後半に差し掛かってきたとき

 

「うーっす」

 

須藤が堂々と入ってきた

 

「おせーよ須藤

 

 あ、昼飯喰いに行くだろ?」

 

自分席に着くと池と山内とともに話に入っていく

 

「やれやれ、自由なのも考えものだな・・・・

 

 普通だったらチョークの一つでも飛んでくるものだろうに・・・・」

 

「注意しても無駄だってあきらめられてるんじゃないの?」

 

「なるほど・・・・」

 

その会話を最後に授業に意識を集中する二人

授業が終わるとやがて周りは色物話に移っていく

 

「うへえ・・マジでもう彼女ができたのかよ

 

 すっげえ・・・」

 

池からそんな話が飛び交っていく

 

綾小路からしてみれば別に気にするほどのものでもない

 

だがその中には女子の綾小路に関する評判も

入ってきているのがわかり、ややげんなりしているのがわかる

 

この場に本人がいないゆえに堂々と話の中に入っていけるのだろう

 

「その顔、嫌いね」

 

堀北はそれをよからぬことを考えていると受け取ったのか

辛辣な言葉を言い放ちつつ、どこかに去っていくのであった

 

「やれやれ・・・・

 

 どうしたものだろうか・・・・」

 

それを見て厄介な問題を抱え込んでいってしまったと考え込むのだった

 

・一・

 

三時間目 社会

 

「静かにしろ!

 

 今日こそ真面目に授業を受けてもらうぞ」

 

「どういうことっすか!

 

 佐枝ちゃんセンセー」

 

入ってきて早々厳しい態度をとる担任の茶柱

 

「これより小テストを行う

 

 答案を配るので後ろに配っていってくれ」

 

と答案用紙を配っていく

 

「ええ~聞いてないよ~」

 

「安心しろ

 

 今回のテストはあくまでも今後の参考用だ

 

 成績表には反映されることはない

 

 ノーリスクだから安心しろ

 

 ただしカンニングは当然厳禁だ」

 

そう言ってすべての生徒に答案がいきわたったのを

確認してはじめという合図とともにテストが行われていく

 

「(なるほど・・・・

 

  私の予想は大体が当たっていたということか・・・・

 

  厄介なことをしてくれるなこの学校も・・・・)」

 

綾小路はそう言ってテストの問題に

目を通していきペンを動かしていくのであった

 

・・二・・

 

「やれやれ・・・・

 

 やはりこの学校は一筋縄ではいかないようだね」

 

「でもどうしよう、このことをみんなに伝える?」

 

「伝えたって無理だろ

 

 質の悪い冗談だって笑い飛ばされるのがおちだ・・・・」

 

「まあ逆にこの話をして理解のありそうなやつは

 このクラスじゃ、堀北、櫛田、平田ぐらいな気もするな」

 

「堀北さんは聞く前に断られそうだけどね・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

またも六人が集まって話をしている

 

「私は最後まで伝えないことにしておくよ

 

 彼らのような性格は一度、絶望というものを

 知ってからの方が理解するのが早いだろうさ」

 

「うーん・・・・

 

 私の言うことに反対するわけじゃないけど

 現状そうせざるを得ないかもしれないよね

 

 残念だけどここは私の意見を主張するかな・・・・」

 

「へえ、珍しいね

 

 あたしが私の意見に渋々とはいえ

 主張するなんて、何か心変わりでも起こった?」

 

「ああ、それなんだけどさ実は・・・・」

 

そこまで言うと六人のもとに誰かが走っていく

 

「綾小路いい!!!」

 

「来た・・・・!」

 

それは池だった、さらにその場にはすでに女子の綾小路のみしかいなかった

 

「ってあれ!?

 

 綾小路ちゃん!?」

 

「あ、池君

 

 ええっと、あたしに何か用事?」

 

「あ、いやその

 

 用事があったのは綾小路は綾小路でも、その・・・・」

 

「ええっと・・・・」

 

とりあえず動揺しているふりをする綾小路

 

「あ、あの綾小路さん!

 

 よ、よよよかったら俺とどこかに行きませんか!!」

 

「・・・・・・え?」

 

突然そんな話をされてさらに動揺する綾小路

 

「ええっと、どうしてあたしなんかと・・・・?」

 

「い、いやその

 俺自身その綾小路ちゃんと

 よかったら友達になりたいっていうか、そんな感じで・・・・」

 

「そのくらいなら別にいいけれど・・・・」

 

「あ、ああありがとうございます!」

 

と勢いよく頭を下げる池

 

「ふふふ

 

 池君って面白いんだね」

 

「い、いやーよく言われます」

 

照れ隠しで言う池だが

これはほめているのではないということには皮肉にも気が付いていない

 

「池ってマジで綾小路に夢中だよな」

 

そこに山内と須藤がやってきた

 

「まあ堀北よりはましだな

 

 あいつは性格がきつすぎる」

 

須藤はコーヒーを飲みながら言う

 

「俺はやっぱり付き合うんだったら

 明るくって会話が自然と続くような子がいいな

 

 綾小路ちゃんはそれに加えて優しくって魅力もあるし」

 

池が綾小路の方をちらちらと見ながら言う

これには正直さすがの綾小路も困惑気味である

 

「俺は断然櫛田ちゃんだな」

 

山内は堂々と言う

 

「櫛田ちゃんか~、確かに櫛田ちゃんも捨てがたいよな」

 

「お前綾小路ちゃんを狙ってたんじゃねえのかよ

 

 だったら綾小路ちゃんとだけ仲良くしてろって」

 

「なんだと!

 

 そういうお前こそこの前綾小路ちゃんもいいなっつってたじゃねえかよ!」

 

なんと無意味な争いが繰り広げられていく

 

「そういや聞きたかったんだけどよ

 

 綾小路とあの男の方の綾小路って

 苗字だけじゃなくって名前も一緒だよな

 

 よく話したりしているところも見るけどどういう関係だ?」

 

「う、うん・・・・

 

 ここに入学する前のバスで

 あってそこで仲良くなったの

 

 同姓同名だってわかってなんだか親近感があって」

 

「そうなのか

 

 かーうらやましいぜ

 俺もその時一緒にいたらなー」

 

池が少年の綾小路の方に対抗心を燃やしていく

 

「そういえば三人とも

 今日やった小テストの問題、どうだった?」

 

「もち全問正解だぜ」

 

「嘘つけよ、面どくせえって

 匙投げてたの俺見てたぞ」

 

「でもさ、あんなのできるわけねえよ

 特にあの数学のあの問題、できるわけねえっての」

 

「まあそれは俺もそうだけどさ」

 

テストをまじめにやってないと

告白しているようなものである

 

「綾小路ちゃんは?」

 

山内が不意に訪ねていく

 

「できたと思うよ

 

 でもさすがに池君と山内君の言う問題は分からなかった」

 

やや含みのある言い方で答える綾小路

 

「だよなー、でもまあ別にいいよな

 先生もあの結果は成績に入らないって言ってたし」

 

「成績表には、だけどね・・・・」

 

そのつぶやきは三人の耳には聞こえなかった

 

「それじゃああたしはもう行くね

 

 友達との約束があるんだ、それじゃあまた明日学校でね」

 

と三人に手を振って笑顔で走り去っていく綾小路だった

 

「うーん、やっぱ綾小路ちゃんは

 かわいいよな俺やっぱこの学校にはいってよかったー」

 

池は去っていく綾小路を見てそうつぶやくのであった

 

・・・三・・・

 

「「「「「はあ・・・・」」」」

 

五人の少年少女は

ケータイを見てため息をつく

 

『今日、櫛田ちゃんたちと一緒に遊びに行くんだ、お前も絶対に来てくれよ』

 

そこには池からそんなメールが届いていた

 

『俺、綾小路ちゃん攻略するから、割って入るなよ by池様』

 

『俺は断然櫛田ちゃんだぜ、邪魔だけはすんなよ by山内』

 

『というわけでお前に俺たちのキューピットをお願いしたい』

 

『よろしく』

 

授業中に届いたこのメールを授業が終わったのち

頭を抱えるように見つめ返していたのであった

 

「ど、どうしようこれ・・・・」

 

「とりあえずあたしが行くことは確定だね

 

 櫛田ちゃんからも一緒に行こうって誘われてるわけだし」

 

「まああたしの性格から相手の想いを踏みにじるのは難しいだろうね・・・・」

 

とりあえず六人は今後の対策を練っている

 

「それじゃあ、私、僕、俺、おいら、我

 誰か一人でもいいからついてきてもらえないかな?」

 

「僕パース

 

 めんどくさーい」

 

「俺も断るぜ

 

 あの櫛田って女は

 どうにもどこかきな臭い」

 

「おいらはこいつらの

 テンションについてけないや・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「やれやれしかたないねえ・・・・

 

 私が行ってあげるよ・・・・

 

 どうせただの暇つぶしさ、終わったらとっとと帰るよ・・・・」

 

そう言って机に静かに座っていた少年が

どっこいしょっと言わんばかりに立ち上がっていく

 

その後、池と山内と待ち合わせの場所において

二人の綾小路が合流することになるのであった

 

「おお、来た来たーってうおい!

 

 なんでそっちの綾小路までいんだよ!!」

 

「別に暇だったからいいだろう・・・・

 

 それよりも櫛田って女の子はまだ来ていないのか・・・・?」

 

「ああ、なんでも別のクラスの友達に、少し用があるってあるとか言ってたな

 

 櫛田ちゃんってよそのクラスでも人気者だから」

 

「ま、まさか・・・・お、男友達じゃないよな?」

 

「安心しろ山内、女の子だ」

 

「よしよし」

 

「いや、男友達ぐらいは別にいてもいいんじゃ・・・・」

 

「何言ってんだよ、本命の女の子がほかの男の子と仲よくしてたら悲しすぎるぜ」

 

そんな会話を続けていく二人に

女子の綾小路はただ力なく笑い、少年の綾小路はめんどくさそうに頭を抱える

 

「そういやお前って堀北とよく話してるよな?

 

 ひょっとしてさお前ってああいうのが好みなの?」

 

「好みという意味はよくわからないが・・・・

 

 まあそうだね、興味があるという感じかねぇ・・・・」

 

「うおっ! まじか!?

 

 お前ってああいう性格きついのが好みなのかよ!」

 

なぜかハイテンションになる池に

どうしてそうなっているのか理解できずジト目で池を見つめる

 

女子の綾小路は男子の綾小路を引きお寄せ手小さな声で言う

 

「池君が聞いているのは

 私が堀北さんを狙ってるんじゃないかってこと

 

 そういう意味じゃなくって好みの異性としてね」

 

「好みの異性・・・・?

 

 よくわからないが別に間違ってないからいいじゃないか・・・・」

 

「そういうことじゃなくって・・・・・・はあ・・・・」

 

どうせ湯明するのかわからなくなった女子の綾小路に

男子の綾小路はさらに首をかしげているとそこに近づく一人の人物

 

「遅くなってごめんね

 

 お待たせっ!」

 

「うおお、待ってたぜ櫛田ちゃ・・・・ん・・・」

 

山内は急に語尾を低くする

なぜならその後ろから平田と軽井沢の姿が見える

 

「あ、平田君に軽井沢さん

 それと松下、森さんだったよね

 

 どうして一緒に?」

 

「うん、途中で一緒になったから

 せっかくだから誘ってみたんだ

 

 ええっと、ダメだったかな?」

 

女子の綾小路の方はううん、別にいいよ的な返事をする

そのセリフの途中ぐらいで男子の綾小路の方は池に腕で首を回される

 

「うおーい、どうすんだよ

 

 せめて平田だけでも追い返す方法はないのかよ」

 

池が綾小路にそんな協力を求めてくる

 

「素直に平田に帰ってもらえばいいじゃないか・・・・」

 

「ばっか、んなことしたら

 軽井沢やほかの女子はもちろん

 櫛田ちゃんだって自然に帰っちまうだろう!

 

 だったらせめて櫛田ちゃんが平田に惚れるという

 アンラッキーイベントを発生させないように協力してくれ」

 

「平田は軽井沢と付き合ってるんだろう・・・・?」

 

「そんなのあてになるかよ

 

 彼女がいるから大丈夫なんて、保証ねえだろ

 軽井沢みたいな中古汚ギャルと

 プリティー天使の櫛田ちゃんと比べたら

 

 誰だって櫛田ちゃん選ぶだろっっ!」

 

「ふーん・・・・」

 

男子の綾小路は池の拘束から離れて

軽井沢と櫛田の間、すなわち平田の前に立つ

 

「え、ええっと・・・・?」

 

「な、なによ・・・?」

 

「綾小路・・・君・・・?」

 

そのまま体制をゆっくりとおろしていき

櫛田と軽井沢の顔にゆっくりと近づけていく

 

あまりのすごみに思わず身を引いていってしまう

軽井沢と櫛田だったが、それに気づいたのかそうでないのか

 

二人に比べると反応は目立たないが

ややそのすごみにひいていた平田が口を開く

 

「あ、あの綾小路君・・・・

 

 どうかした・・・・?」

 

「・・・・・・うん・・・・?

 

 ああごめんごめん、脅かしてしまったかな?」

 

そういうとゆっくりと視線を元に戻していく綾小路

 

櫛田と軽井沢の二人は自分たちがかわいいと言われたものの

その表情に照れや嫌悪感というものは全く感じていない様子だ

 

「実は私は君の彼女とこうして話すのは初めてだからね・・・・

 

 少しだけ興味があったっていうのが正しいかな・・・・?」

 

「・・・・・・・」

 

そう言って軽井沢の方をしばらく見つめていたが

すぐに女子の綾小路に声をかけられて彼女の方に視線を移す

 

女子の綾小路は軽井沢さんを怖がらせちゃダメと言わんばかりに首を横に振ると

少年の綾小路はそれに渋々従うように頭を額に当てて一息つくのであった

 

「そ、それじゃあさっそく行こっか

 

 あんまりここで集まってたら迷惑だと思うし」

 

「そ、そうだな、それじゃあ行きますか」

 

「よっしゃ、考えてみりゃ

 より取り見取りってことだぜ

 

 ま、俺は断然櫛田ちゃんだけどな」

 

「おれはもっち綾小路ちゃんだぜ

 

 あっちの綾小路には負けねえぜ」

 

「おう!」

 

謎の掛け声とともに手を取り合う池と山内に

二人の綾小路はやれやれといった感じで見つめている

 

ちなみにその後まずはカフェに行こうと言い出した

 

二人の綾小路は男子と女子のグループに分かれた

面々の後ろの方でややその様子を見つめているのだった

 

現在平田は池と山内に軽井沢とどうして

付き合っているのかと問いただされている

 

そこに間髪入れず軽井沢が平田の腕に抱きついた

 

「あ、そうだ

 

 綾小路君・・・」

 

すると先ほどまで池と山内と話をしていた櫛田が

男子の綾小路の方に話しかけてきた・・・・・・

 

「この前はありがとう!」

 

「うん・・・・?」

 

「おい、綾小路!

 

 どー言うことだ説明しろ!」

 

櫛田にお礼を言われ空気を抜いただけのような声を出すと

池と山内が男子の綾小路の方に詰め寄っていくのだった

 

「ああ、あれね・・・・

 

 前にさ、櫛田の頼みごとを聞いてあげたんだよ・・・・

 

 その前に平田にもおんなじ奴に

 対しての頼み事をされてたこともあったんだけど・・・・

 

 ぶっちゃけめんどくさいから櫛田に丸投げにしちゃったんだけど

 肝心なところで下手売っちゃってね、余計にこじれてしまったんだったね・・・・」

 

すると綾小路は手で顔を追って笑みを浮かべる

 

「でも今思い返したらさぁ・・・・

 

 もしもあの時、俺と一緒に行って

 ちょっとあいつを突っついてやれば

 もしかしたら何かが見えたかもしれなかったかもな・・・・

 

 もしそうなら、惜しいことをしたもんだ・・・・」

 

不気味な笑みを浮かべる男子の綾小路に

引き気味の男女両方のグループ全員

 

それを両方見て、片手で頭を抱えてる女子の綾小路であった

 

「あ、ああところで

 行く場所とかは決まってるの?

 

 こうしてぶらぶら歩いてるけど」

 

だがすぐに切り替えて目的地の話題に入っていく

 

「ええっとそのほら、俺たちはまだ入学してそんなに立ってないし

 この学校の敷地内にある施設を回っていってみようかなって思ってるんすけど」

 

池がしどろもどろに答えていくと

 

「ねえねえ松下さん、森さん

 

 二人はどこかに見に行ったりしたの?」

 

櫛田が池と山内と話しつつ

女子二人にも話しかけていく

 

「え?

 

 あ、えーっと、どうかな

 

 映画館には一回行ったかな

 

 ね?」

 

「うん

 

 学校が終わってから二人で」

 

「そうなんだ!

 

 私も行きたいなって

 思ってたんだけれどまだなんだよね

 

 軽井沢さんたちはデートで何か特別な場所には行ったの?」

 

その櫛田の手腕には綾小路たちは素直に感服した

 

そのおかげでどこか分裂しかけていた

わだかまりが少しずつだがまとまり始めていくように感じた

 

そのかいもあってかそれなりに楽しめたようで

現在はカフェで楽しそうに談義としゃれこんでいる

 

すると女子の綾小路がこの話題を出していく

 

「そういえばこの間のテストの結果はどうだった?」

 

「一応頑張ってみたけど自信なしー」

 

「私はできた方かなって思うけど

 難問か解くのが難しい問題があって・・・」

 

「でも別にできてなくてもいいんじゃない?

 

 だってせんせー言ってたじゃん

 成績には含まれないって、だから気にしてなーい」

 

「そうだよね、だったらちょっと気楽じゃない?」

 

「でもそれだったらどうして先生はあの時急に

 テストをやろうなんて言い出してたんだろう

 

 いくら月一でも何の連絡もなしにテストをするなんて

 まるで何か意図があるようにしか思えないよ・・・・」

 

「成績とは別の何かの意図、確かにそれもあるかもね」

 

そんな話をしていく一同

すると平田は静かに本を読んでいる男子の綾小路の方に話しかける

 

「綾小路君はどう思う?

 

 この前のテストはどういう意図があるのかって・・・・」

 

平田がそう聞いてくると

男子の綾小路は本から目を離し一同の方を見ていく

 

「ああ、あれね・・・・

 

 あのテストでは成績じゃない別の何かが評価されているのは

 わかってるんだけれどさ、その何かの評価は分からないんだよね・・・・」

 

「成績じゃない別の評価?」

 

「なるほど、その評価のためにあのテストを僕たちにやらせた

 

 綾小路君はそう考えているんだね、でもどうして綾小路君はそう思うんだい?」

 

平田は恐る恐る聞いていく

 

「私がその予想にたどり着いたのは

 テストの時に茶柱が成績表には反映しないという言い回しをしていた時さ・・・・

 

 それは言い換えれば、この学校には成績以外に

 反映される何かがこの学校にあると考えるのが自然さ・・・・

 

 そしてその何かが本当に生徒の今後に影響しないなら

 そんな言い回しをわざわざ告げたりなんてしないだろう・・・・

 

 それが何の評価で、私たちの今後の何に影響するのかはさすがに私もわからんがね・・・・」

 

その発言に妙な関心と嫌な不安が湧き出していく面々

 

「や、やめろよつまんない

 冗談言って俺たちのことからかうのはさぁ

 

 綾小路、性格悪いぜ・・・・」

 

「失礼だね・・・・

 

 私は性格が悪いなんて言われたことなんてないよ・・・・

 

 人が悪いとは言われたことはあるけどね・・・・」

 

「もっとひどいわ!」

 

「あと私は・・・・

 

 嘘はつくけど冗談は嫌いだよ」

 

「嘘はつくのかよ!

 

 ってかどう違うんだよ!

 

 もう突っ込み切れねえよ!」

 

あの池が突っ込みに回り

異様に疲れたのか息切れを起こしている

 

「ああ、評価っていえばさ・・・・

 

 そこの彼女、確か軽井沢って言ったかな・・・・?

 

 君は平田のどこを評価して付き合い始めたのかな・・・・?」

 

「ふえ?

 

 そ、それは・・」

 

急にそんなことを聞かれてしまい返答に困ってしまう軽井沢

 

「も、もちろんよ

 

 あたしは平田君はイケメンでかっこいいし

 優しいし運動もできるしみんなをまとめられるし

 

 何よりみんなのこともしっかり考えてくれてる

 いえばきりがないけれど、これがあたしの評価よ

 

 これでいい?」

 

軽井沢はどうにかして引きずり出したという感じで言葉を続けていく

平田は照れ臭そうにし、女子は少し興奮気味に男子はぐぬぬと顔をしかめている

 

だが綾小路はそのどちらの反応とも違った

なぜなら綾小路は軽井沢に対してこういった

 

「ふふーん・・・・

 

 君の言ったその評価は果たして

 本当に君が彼を選んだ理由になるのかな・・・・?」

 

「え・・?」

 

綾小路は立ち上がりながら軽井沢をじっと見つめ

軽井沢も普段見せている強気の態度を見せることなく彼を呆然と見つめる

 

しかしすぐに綾小路は軽井沢から意識を離した

 

「まあだからと言って

 君たち二人の仲をどうこうするつもりもないよ・・・・

 

 むしろ私は君に少しだけ興味がわいてきたね・・・・」

 

「ち、ちょっと・・・・」

 

女子の綾小路が男子の綾小路をいさめようとする

 

「まあそういう話は別に機会にさせてもらおう・・・・

 

 私も平田に少し頼まれごとを受けているからな・・・・

 

 まったく、どうしてこうにも面倒ごとばっかり

 引き受けていってしまうもんなんだろうかな・・・・」

 

だがそれを気に留めることなく

そのまま一同と別れていく男子の綾小路だった

 

「な、なんだよあいつ・・・」

 

「さ、さあ・・・」

 

「なんか怖いよね・・・

 

 あっちの綾小路・・・」

 

「そ、そうだよね・・

 

 なんだかまるで私たちの心を

 見透かされてるって感じがしたよね・・

 

 軽井沢さん、大丈夫だった・・?」

 

「あ、う、うん・・」

 

「だけどあの綾小路君

 気になること言ってたよね・・・

 

 あの時の小テストは成績以外の場所で

 評価されていくって、あれってどういう意味だろう・・・」

 

「綾小路君自身もわからないって言ってた・・・・

 

 だけどもしも彼の予想が当たっていたら

 今後の僕たちにとって大きな課題になっていくかもしれないね・・・・」

 

一同はそんなことを述べる中

 

「はあ、やれやれ・・・・

 

 私ったら容赦ないんだから・・・・」

 

女子の綾小路は頭を抱えながらつぶやくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のちに彼らはこの時の綾小路の言葉の意味を

身をもって理解することになることをこの時は知らなかったという ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       




Ich werde es nicht bereuen.
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