フェアリーテイル 生命の唄   作:ぽおくそてえ

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どうもぽおくそてえです。今回はフェアリーテイル二次創作2作目になります。ファイアーエムブレムの二次はまだ先になる予定です。
それではプロローグで短いですが、どうぞです。


プロローグ

x769年、魔法にあふれたフィオーレ王国のとある村に人や家畜を死に追いやる摩訶不思議な疫病が蔓延した。当時、ろくに医療が普及していなかったこの村では治療法も分からず、一人の幼子を生命を司る神の贄に生かしたまま捧げることで鎮めようとした。しかし、贄を好まぬその神に生かされ、神の子として、そして巫女として第2の生を歩むことになった。神の名をチキ、その子であり巫女をシリル・L・ゼウスティアと言い、神殿の中で二人静かに暮らしていく。

 

====

 

それから14年、その当時の巫女も成長し、美しい少女になっていた。そして彼女は今、フィオーレ王国随一の魔法都市、マグノリアまで人の生き方を学びに来ていた。

 

「ここが…マグノリア。すごい」

 

今までほとんど神殿から出たことのない彼女にとって外の世界の殆どが新鮮なものに思えている。彼女の手にはつい先日まで共に過ごして来た義親(チキ)が綴った手紙と地図が握られている。そこには彼女の道しるべとなる言葉が記されていた。

 

『シリル、カルディア大聖堂にいるであろうマカロフという小さな老人に会いなさい。貴女のいるべき人間界での私の数少ない知り合いです。彼なら貴女の助けとなりましょう』

 

日の沈みかけたマグノリアの中央を元気よく駆け抜け、待ち人のいる町のシンボル、カルディア大聖堂までひた走る。するとそこには、一人の老人が静かに待っていた。

 

「お主がシリルでよろしいかの?チキ殿から聞いてるかも知れんが、マカロフじゃ」

「は、はい」

「初めて会うから無理もないが、そう警戒しなさんな。チキ殿からお主のことを任されておってのう」

「お母様が、ですか?」

 

ほとんどの時間を共に過ごした親といつの間にそのような話をしていたのかと不思議に思っていると、マカロフは懐からお守りと手紙を出して渡して来た。

 

「ひと月前くらいから夢枕に立つようになってのう。このお守りと字を見れば信じてくれようと渡しておいてくださったのじゃ」

「お母様…じゃあ私は…」

「我がギルド、フェアリーテイルに来なさい。人の生き方を学ぶには最適であろう」

 

そう告げられ、新たなる冒険の始まりへ向かいたいと笑顔で答え、100年近くの伝統があるギルド『フェアリーテイル』へと足を運んでいく。

 

「ところでシリルや、チキ殿と暮らす前はどうしておったのじゃ?親御さんは許してくれたのかの?」

「えっと、私のほんとのお母さんやお父さんはどうしてるかわからないんです。もっと小さい時にはもうお母様と暮らしてたので…」

「…すまんのう、変なことを聞いたようじゃ」

 

記憶にある限りは既にチキと暮らしていた時より後のものばかりで、実親のことはほとんど覚えていない。その事を知り、申し訳なさそうに謝ってきた。

 

「いいんです。元気だと思いますよ?だから謝らないで欲しいです」

「優しいのだな、お主は。さてと、ここがワシらのギルド、そしてお主の新しい家じゃ」

 

そうこう話しているうちに、たどり着いたのはマグノリア一のギルド、そして新しい家族が待つフェアリーテイルである。

 

「うわぁ、大きい!」

「そうじゃろう?ここには数多くの魔導師おるでな、自然と大きくなったのじゃ」

「これが…フェアリーテイル…」

「『妖精に尻尾はあるのかないのか?それは永遠の謎、故に永遠の冒険』。それがギルドの由来で、魔導師たちの心のあり方じゃ」

 

そう誇らしげに話し、二人は中へと入っていく。そこは数多くの魔導師たちが仕事を終えて喧嘩をしたりお酒を飲んだりで大騒ぎになっていた。

 

「皆の者、帰ったぞい!」

「マスター、お疲れ様です。あら、新人さんってこの子ですか?」

「うむ。シリル、こやつはミラじゃ。ここの看板娘をしとるでな、色々世話になろう」

 

二人の来訪に気づいた看板娘で事務を担っているミラが声をかけ、そしてシリルと挨拶を交わしていく。

 

「紹介に預かったミラよ。私のことは好きに呼んでね」

「生命の祠から来ましたシリルです…えと、よろしくです、ミラお姉ちゃん」

「はい、よろしくね♪」

 

この日は一人の少女にとってかけがえのない冒険の始まりの日になった。




すんません、ファイアーエムブレムのほうがまだ投稿出来るほど書けてないので書き溜めたら始めようと思います。

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