フェアリーテイル 生命の唄   作:ぽおくそてえ

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三千字前後と短いですがよろしくお願いします


第66の唄 決戦前の進行

「敵が多いわね!」

「ろくに進めんな」

「予想通りとはいえよくここまで。纏めて消失させようぞ!古代魔法『天涯海角(ヴァルナー)』!」

 

古代魔法により陸地であるにも関わらず大きな波を起こし、敵を(すべから)く押し流し、包み込む。敵が全て藻屑となり消え失せ、これで神殿の目の前まで道が出来上がった。

 

「ふむ、入り口までは空いたのじゃ」

「あっけなく……凄いわね」

「ワシにかかればこれくらいはの。ほっほっ」

「ちょっと待って、奥から出てくるよ!」

「これじゃあジリ貧だぞ!」

「やむを得まい、突貫する!」

 

ここで止まっていては雑魚兵相手に体力も魔力も消耗しきってしまう。ならば無理にでも突入し、神殿内に一刻も早く突入するしかない。その神殿内に入ったところで響き渡るようにガルフォスの声がする。

 

『ようこそ我が城へ。貴様らにここまで来た褒美に絶望的な苦しみを与えよう。まずは一つ!出でよ、我が眷属よ!』

「ふむ、呼ばれたか」

「何者?」

「我が名はムウ、覚えておく必要は無い」

 

ムウは数百年前になんでも切れる伝説の剣士として名を馳せた。まさかこの世にまだ残っており、大悪魔の下で働いているとは思いもよらなかった。なんでも切れる剣士は自分も体を刃に変えられる。そんな魔道士を相手にせねばならない。

 

「我が魔刃(ブレード)の前に消えよ」

「この者は私が相手する。先に進め」

「エルザ……」

「私も加わるよ」

「どうかお先に」

「ルーシィにウェンディまで……分かった、任せるわよ」

 

剣を自由自在に操る男の相手にエルザとルーシィ、ウェンディの3人が名乗りを上げた。そんな彼女らに後を任せ、ムウを追い抜いて次の目的地に向かう。その際に何故か見逃している。敵ながら解せない行動だ。

 

「仲間を見逃すとは余裕有りと取れるな」

「奴らを倒すのは我である必要はない」

「まだあなたの仲間がいるって事ね」

「そういう事だ。烈空(れっくう)!」

「風の刃!?」

「もう一発、はぁっ!」

「くっ!」

 

魔刃の異名通り、あらゆる属性の刃を繰ることが出来る。まず飛び出したのは風属性の切れる刃、そしてその次に飛び出したのは炎の剣だ。

 

炎刃(えんじん)よ」

「換装、炎帝の鎧!」

「むっ?打ち消したか」

「タウロス、お願い!」

「ふMO!」

「ぬぉっ!?」

 

タウロスのどしんとくる攻撃を真正面から受け、吹き飛ぶが、まるで応えてないかのように立て直し、次の一刀を操る。それは砂の欠片であり砂の飛刀だ。

 

「砂刀、飛べ」

「タウロス、戻って!」

「天竜の咆哮!」

「ぬっ。やりおるか」

「我々には勝たねばならぬ理由がある」

「その意地、どこまで続くか楽しみだ。チェーンソーと炎刃の融合よ……螺旋帯炎刃!」

「くっ!」

「うわわっ!」

「まだまだ本領はこれからよな!」

 

それは二つの属性の融合刀。回転しながら燃やしてくる攻撃には流石の百戦錬磨な3人も驚き、慌てて離れる。そんな中、敵の攻撃を止めるには二つの属性を一つに減らすことから始まると考えついた。

 

「火には水か。換装!」

「水ね、ならばアクエリアスを!」

「援護します」

「楽しめそうだ。かかってこい!」

 

====

 

「まだ着かないのか!」

「先はまだ長い、落ち着かぬか」

「エルザ達が心配だな」

「あの2人ならそう簡単には負けないわよ」

 

神殿内にも敵兵が沸き、それを撃退しながら進む一行。そんな中突如として敵が消え、1人の男が立ち塞がる。不敵な笑みを浮かべ、余裕さえ見える。

 

「ふっふっふっ」

「また現れたか」

「わしはレッシ、様々な魔闘格闘技を繰る。かかってくるがよい」

「シリル、ユリア、先に行け」

「こいつは俺たちで止めておく」

「グレイ、ナツ、頼むわよ」

 

様々な魔法を格闘技に乗せて攻撃してくる相手にこちらは攻めの手段が様々ある造形師のグレイと近接戦闘を得意とするナツの2人が残り、止めておく。

 

「火竜の咆哮!」

「ブレスか。水龍脚!」

「打ち消してるのか!?」

「ぼーっとするな、氷欠泉(アイスゲイザー)!」

「紅炎拳!」

 

火には水を、氷には火を出して相殺しにかかる。射程が短いものの、威力は十分だ。それでもナツ達は負けじと立ち向かう。

 

「火竜の鉄拳!」

氷槍騎兵(フリーズランサー)!」

「黒雷拳!」

「嘘だろ……また打ち消したか」

「くそ、同時に攻めても消してくるか」

「我が格闘技はあらゆる属性を纏う」

「厄介だな」

「だけど突破口は必ずあるさ」

「はっはっはっ、かかってくるが良い」

 

例えどんな状況であろうと、最後まで諦めない。それこそが自分達妖精の尻尾の魔道士のあるべき姿だ、と誓いを胸に秘めながら。

 

====

 

「烈空!」

「くっ!」

「エルザ!」

「私のことはいい!」

「我が刃の餌食となれ!炎刃!」

「そう簡単にはさせないですよ。天竜の鉤爪!」

「タウロス!」

「んMO!」

「助かった。換装!」

 

炎の刃を当てさせまいと連携して攻撃を当てて、エルザが立て直るまでの時間を稼ぎ、一気呵成に攻め立てる好機を作る。

 

「天輪・五芒星の剣!」

「アリエス!」

「モコモコですみませーん!」

「チェーンソーで切り刻むまで!」

「アリエス、タウロス、戻って!」

 

互いが全力でもって攻め、一刻も早く倒そうとやれる事は全て行おうとしている。そんな中ムウのチェーンソー攻撃が切り刻もうと迫る。

 

「切り刻まれろ!」

「天竜の咆哮!」

「あの刃を詰まらせれば使えなくなるかも。スコーピオン!」

「ウィーアー!サンドバスター!」

「ちっ、砂刀!」

「くっ!」

「ケリがつかぬとは、中々にやりおるか」

「それはどうだろうな。これで終わる、天一神(なかがみ)の鎧!」

「これは、伝説に残る鎧か!?」

天一神・星彩(なかがみ・せいさい)!」

「ぬおぉっ!?」

 

最後に決着をつけたのは魔力消費量が激しい大魔闘演武でミネルバを撃破した鎧だ。この天一神の鎧による強烈な一撃はムウを撃破し、道を開いた。

 

「流石エルザ!かっこいいよ」

「ケリはついた、先を急ごう」

「皆さんのことが心配ですもんね」

 

====

 

「喰らえ、雷炎竜の撃鉄!」

「吹き飛ばせ、アイスメイク・(ハンマー)!」

「ぶち壊せ、雷電脚!」

 

一方のナツ達は格闘技に属性を付与するレッシの攻勢に手を焼いていた。同時に攻めてもありとあらゆる方法でこれを打ち砕き、避けていく。だがこれでも少しずつ疲れが出たり傷が出来たりしている。

 

「くそっ、手強いな」

「それはこちらの台詞というものよな」

「一度に一つの属性しか纏えないらしいな。そこが弱点だ」

「よく見ている。流石は、観察眼と想像力を求められる造形師だ。では、続けるとしようか。雷電の剛拳!」

「くぁっ!?」

「旋風脚!」

「がっ!」

「まだまだ行くぞ、破天の拳!」

「このヤロー、いい加減にしやがれ!雷炎竜の撃鉄!」

「ぬぉう!」

 

一気に攻めに出たレッシに対して止めに入るナツ達。雷炎竜の力を引き出してもまだ、互角に渡り合うレッシ。その後もまだ続く攻防は十数撃にも渡る。

 

「手厳しい一撃だ、2属性同時の拳は」

「テメェらはなんで仕掛けてきたんだ!」

「澱み停滞した世界を一変させるため。それ以上でもそれ以下でもない」

「世界を変えるなら他にも方法あるだろ!」

「幾千もの年月を経ても何も変わらなかったのだ!神々が治めるこの世界は!」

「シリルは少しでも世の中を良くしようとしてる、あいつの為にもお前はここで止める!雷炎竜の咆哮!」

「くぁあっ!」

 

神々が世界を良き方向に変える為に頑張っていることを知っているだけに、レッシらの主張は受け入れられなかった。

 

「ワシを倒したところであのお方は倒せぬ」

「俺たちは俺たちで周りを少しずつ変えていく」

「決めるのはお前らじゃない。倒してみせるだけだ」

「言いやがる」

「それが俺たち妖精の尻尾だ」

 

====

 

「やっと着いた」

「とうとうご対面と来たのう」

「あれが……」

「くっくっくっ、神々と我が織りなす闘いの始まりか」

 

3柱の神々が辿り着いた部屋には大悪魔ガルフォスが待ち受けていた。これが最後の決戦の始まりとなるか。

 

「改めて自己紹介といこうか。我が名はガルフォス、ナーガに封印されていた者。流れる七星は我が同志とゼレフを繋ぐ為に作られたギルド也」

「貴方は私が討ち取る。ナーガ様や母様(チキ)の願いでもある。必ずやり遂げる」

「我が望みの一つ、それが神々の根絶だ。我が呪法や魔法の数々でもって、貴様らを滅してくれる」

「我々も勝つ為に進んできた。絶えるのは貴様の方じゃ」

「ふん、言ってくれる。なら始めようか、最後の決戦を!」

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