フェアリーテイル 生命の唄   作:ぽおくそてえ

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どうも、お久しぶりでござんす。ぽおくそてえなるものです。
さて、今回は短めです。(主人公活躍してねぇ…汗)
多分エリゴール=サンはナツと更新の犠牲になるかもです。


第5の唄 脱出口

「なるほど…死神が風の結界を作って私たちを閉じ込めた上にその結界を止められるカゲヤマさんも意識不明、ですか」

「ああ。その上目的がこの駅じゃなくて大渓谷を越えた先にある街にいるマスターたちらしい」

「どうすんの?これ一方通行なんだっけ?」

「通り抜けようとするとミンチになるぜ」

 

カゲヤマの治療もひと段落つき、全員で事情を飲み込もうとお互いに知ることを話していく。

 

「しかし、解せませんね。何故マスターたちを狙うんでしょうか?」

「おそらく手始めに、ってとこだろ?」

「評議会を狙う方が効果的な気がしますが…とりあえずここを出る手段を考えましょうか?」

「この建物全体を空気の渦が巻いているし、上も飛んでどうにかなるレベルじゃねえな」

「そうなるとカゲを無理やり起こしてこの風を解除させるか、下から行くしかないか」

「それだとかなり時間食うぞ?」

 

このままでは抜け出している間に最悪の結果が訪れかねない。どうしたものかと頭を抱えていると、突然ハッピーが大声をあげて荷物をあさりはじめた。

 

「どうした?」

「ルーシィに渡そうと思ってて持ってきてたものがあったんだ!」

「なんでこんな時に……ってその鍵は!?」

「バルゴの鍵か!?」

 

ハッピーの取り出した鍵を見てナツとルーシィは素っ頓狂な声を上げてしまう。それを見ていた他の3人はなんのことだかさっぱり分からない。

 

「これ、前の仕事の後にバルゴがうちに来てね、ルーシィに渡して欲しいって預けていったんだ」

「でもなんで今それを?ここから抜け出す方法考えてるのに…」

 

それを渡されてどうすると言わんばかりに頭を抱えるルーシィ。不満そうなハッピーは小さく呟いた。

 

「だって、バルゴなら簡単に地面掘れるんじゃないかなって…」

「っ!?本当ですか!ルーシィさん、お願いします!」

「それなら早く言ってよ。ええと…」

 

早速その鍵を手にし、召喚するための口上を述べていく。

 

「我、星霊界との道を繋ぐ者。汝、その呼びかけに応え(ゲート)をくぐれ!開け、処女宮の扉、バルゴ!」

「お呼びでしょうか、ご主人様?」

「「「おおっ!!」」」

 

現れたのはメイド姿の美女だった。ルーシィとナツ曰く前に戦った時はゴリラみたいな見た目だったという。なんだかんだあったものの時間を潰している暇はないとエルザが先に話を進める。

 

「早速で悪いが私たちはここから出たい。地面を掘って外側まで行ける穴を作ってくれないか?」

「かしこまりました。では、行きます!」

「おお、早えぞ!これならすぐ追いつけそうだぜ!」

「よくやった、ルーシィ!」

「痛い!」

 

思わぬ突破口を見出したことで先に行っているエリゴールに追いつくチャンスが生まれる。

 

「よし、全員出たな!魔道四輪を回収したらすぐに出るぞ!」

「すごい風ね!」

「す、スカートが…」

「姫、私が押さえておきます!」

「あんたの心配したら…?」

 

バルゴの力のおかげで思わぬ突破口を見出した一行は先に行っているはずのエリゴールを追うべく、傷ついたカゲヤマと共に魔道四輪に乗り込んだ。

 

「そういえばナツはどうした?あいつ居ねえぞ」

「そういえばハッピーも!」

「ここら辺には居ないみたいです。おそらく先に…」

「何!?無事で居てくれ…」

 

====

 

その頃、マスターたちのいるクローバーの町へ向かう唯一の線路の上ではエリゴールが小休止を終えて再び飛ぼうとしていた。

 

「あんなデケエ魔風壁は久しぶりだったが、そろそろ魔力も戻ってくるな。そんじゃ…飛ぶか…」

「待てエエェエェエ!」

「なっ…なんでハエがこんなところに!?カゲたちはどうしてんだ!?」

「これが…ハッピーのマックススピードだぁ!」

「ぐおぉ!!」

 

ハッピーの最高速度からのナツの蹴りをもろに食らったエリゴールは浮かび上がったところを叩き落とされてしまう。

 

「追いついたぜ!そよ風ヤロー!」

「このハエが…!」

 

死神対火竜の激突である。


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