「なんや、魔道士かいな。邪魔すな」
「テメェらの好きにはさせねぇ」
「邪魔したところで俺の爆破呪法の前では無駄やのになぁ」
「爆破の呪法ってことは、もしかしてこいつが評議会を襲ったの?」
評議会を襲い、現評議員全員を亡き者にした男。それこそが今目の前にいる
「なんで関係のない町を!」
「テメェ、何しやがる!」
「突っ込んでくるか。爆!」
「爆風が直撃!?」
「大丈夫、ナツに熱系の力は効かないよ」
爆風をものともせずにそれを喰らい尽くし、火の弾丸と化したナツは隙を与えず猛攻を加える。何か喋りかけたジャッカルを全く意に介さず、ひたすらに鉄拳をぶつけていく。遂には目的を聞く前に気絶させてしまった。
「やりすぎよナツ」
「気絶されちゃ、情報が取れないよ。それに何か言いかけてたじゃない」
「やっちまった、本拠地とか目的とか吐かせなきゃな」
「(此奴らの狙いはフェイス、評議会の白き遺産ではないか?そうだとしたら大変なことになるぞ……)」
白き遺産フェイス。その存在を知っている者は評議員でもごく少数であり、
「こうしてはおれん。わ、ワシは他の評議員が無事かどうか確認してくる!ミケリア、着いてきなさい!」
「なぁ、本当に何も知らねえのか?」
「知らんわ!」
「怪しいわね」
「ほんまに何も知らんのかいな?何か『良いこと』教えてくれたら、殺さんかもしれんのやが」
「何も知らん!本当に何も!」
「あ、そ。じゃあ始末せないかんな」
「何をしておる、起きたではないか!倒さんかバカもの!」
「ったく、仕方ねえな」
ミケロの怒りに呆れながら再び立ち上がったジャッカルを倒しにかかる。そんなナツにジャッカルが質問してきた。
「なぁ、そこのお前に聞きたいことがあんねん。さっき俺に何回触れた?」
「あ?何のことだ?」
「俺の呪法は触れたものを爆弾に変えられるんや。もういっぺん聞くで、何回俺に触れたんや?」
「っ!何だこれ……離れろ!」
「ちょっ、ナツ!?」
「良いから離れろ!」
離れた瞬間、ナツを中心に爆発が起こり、ナツは意識を失って倒れた。ミケロはこの惨状を目の当たりにして恐怖に怯えてしまった。ついには恐怖のあまり皆を放って逃げ出してしまう始末だ。
「逃がすかいな!」
「行かせないわ、スコーピオン!」
「ウィーアー、サンドバスター!」
「へっ!」
「今のうちに、天竜の咆哮!」
「甘い!」
「爆風で魔法をかき消すなんて……」
「近づけないってのに」
「魔道士ごときが呪法に勝とうなんざ無理な話や。爆螺旋!」
「きゃあ!」
「ルーシィ、ウェンディ!くっ、ここは私が!」
爆裂呪法の前に為す術なくやられた味方に代わってここで留め置かなければならない。ユリアの孤独な戦いが始まる。例えなんと言われようとここで退く訳にはいかないのだ。
「さっきの2人みたく倒れとけや」
「そうはいかないわよ。毒炎弾!」
「何度やっても無駄や、爆!」
「くっ……単発がダメなら連続攻撃で!双炎剣、くらってけ!」
「ぬぉっ!」
「まだまだぁ!」
「けっ、鬱陶しい!爆!」
「炎の壁で、防ぐ!」
爆破には似た属性である炎でもって相殺し、ダメージを少しずつ与えていく。攻めては毒や火など様々な属性の力でもって攻めるが、応えた様子もない。
「爆!」
「はぁっ!」
「やるやないか。せやけど無駄や!爆螺旋!」
「うわぁ!」
「やっと倒れたわ。ほな、さいなら」
「ユリア、立てる?」
「なんとか……あいつ、追っかけなきゃ!」
「ナツの回復はウェンディがやってくれてるわ」
ユリアも善戦したものの、一歩及ばずここでノックダウンとなった。それを見届けたジャッカルは逃げたミケロを追っていく。街の方で逃げたミケロを見つけたのだ。
「ひぃい!」
「見つけたで、じいさん。目的の為にもお前を逃がすわけにはいかんのや」
「や、やめろ!ワシはただ、孫と静かに暮らしたいだけなんじゃ!」
「その孫を置いて逃げといて、そらないで」
「開け……」
「おっと、もう来たんかい。せやけど、そこには地雷呪法を仕掛けてあんねん」
「じ、地雷!?」
「せや、動けばドカンや」
「私を忘れちゃ困る、
「んなっ!?」
戦うのは1人じゃない、2人で協力している。奥義とも言える一撃を放ったが、少し応えた程度で傷を少々つけた程度で済まされてしまう。
「痛ぇ……やるやないか」
「耐えたか」
「次動いたらあの地雷がドカンや。仲間を犠牲にしてでも俺を倒すか?それとも仲間を守って俺を見逃すか?さぁどうする、
「誰が逃すかぁ!」
「ごはっ!?」
「ナツ!」
「やった、地雷が解除できた!」
回復されたナツが突撃して吹き飛ばす。また触れた事で爆発すると忠告されたが、対処法は掴んだとものともしない。炎や爆風に耐性のあるナツだからこそ出来る対処法でもって耐え切る。
「爆風に耐えたやと!?」
「なっ、言っただろ?」
「んなアホな……なんちゅう奴や。何者やお前」
「妖精の尻尾のナツだ!」
怯え始めたジャッカルにとって爆発へのコツを掴んだナツは恐怖でしかない。爆風をものともせずに、殴りつける。遂にはナツへの余りの恐怖と痛みから来る狂気に当てられ、ジャッカルは本性をあらわした。狼とも取れる姿に変貌したのだ。
「人間が悪魔に勝てると思うとるんやったら大間違いや、コラァ!」
「悪魔、もしや全員が悪魔なの!?まずい、援護に入るよナツ!」
「滅べ人間ども!邪魔だてするなや!」
「俺たちは仲間のために戦う!ラクサスの力を使う、手ェ貸してくれユリア!」
「うん、任せて!燃える闘志を体現せし、業火滅却!」
「雷炎竜の撃鉄!」
地獄の業火と雷炎竜の奥義でもって吹き飛ばし、勝利の鬨をあげる。ナツは爆風に耐えられるとはいえ、ダメージは大きく、ここでダウンしてしまう。
「なんとか勝てたわね」
「ここで情報を引き出そう」
「くは、くはは……ほんま参ったわ。ここまでボロボロにされるのは初めてやで」
「な、何を!」
「まさか自爆!?」
「もう手遅れやで。街ごと巻き込んでやる(済まねぇ、キョウカ。俺もここまでや)」
「……そうはさせない。木術・大樹の法!」
「なっ!?ち、ちくしょう!」
大樹の力で遥か上空に押し上げられ、街の爆破は阻止された。カノンの援護は街を救い、ナツたちも守った。嫌な予感がして、急いで来たところだった。
「ありがとうシリル」
「礼は良いわ。他の評議員の安否を含めて連絡しなくちゃいけない」
「そうね」
『ルーシィ、そっちの様子はどうじゃ!他の評議員は全員やられておったわ!』
「マスター、ミケロ老師は無事よ」
敵の目的は評議員全員の命だ。その理由としてミケロ老師が話したのは評議会の白き遺産、フェイスの発動にあるという。その正体は魔道パルス爆弾であり、発動すれば大陸中の魔力を消滅させる兵器だという。3人の元評議員と生体リンクを繋ぎ封印しており、元議長のみがその3人を知っているという。だから評議員の命を狙ってきたのだ。
「元議長の命が危ないな」
『誰か向かっておるのか!』
「エルザとミラジェーンが向かっている。私もすぐに向かうわ」
連絡を終えて急ぎ残りの元議長の家に向かうと、そこには空の家と荒らされた部屋だけが残っていた。先発隊として向かったエルザとミラジェーン、そして元議長の姿が見当たらない。
「あれ、いないわ」
「どこかに行っちゃったのかな?」
「微かに匂いが残ってるがな。睡眠薬の匂いもある」
「睡眠薬を使う状況、もしや元議長は敵なのか?」
「それならフェイスの情報が
「私はこのことをギルドに知らせる。ナツたちはどうする?」
「後を追う、それだけだ」
「分かった。気をつけてね」
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「……というわけなのよ」
「元議長が裏切っていたとは」
「本拠地も割れてない以上攻め込む手段がないわ」
「み、見つけたよ。敵の本拠地」
「ハッピー!ナツはどうしたの?」
「そ、それが敵に……」
帰還して状況を説明しているとナツと共に殴り込みをかけていたハッピーが戻ってきた。曰く空中都市が敵の本拠地である事。ナツやエルザ、ミラジェーンが囚われている事が伝えられた。
「動く空中都市に囚われてるねぇ……通りで評議会にも本拠地が見つからない訳ね」
「エルザもミラも捕まったのか」
「ナツまで……」
「方向は分かる?」
「あっちから来てそっちに動いてたよ!」
「よし、計算して場所を特定するよ!」
「お願い!仲間の命がかかってるわ!」
いざ本拠地に殴り込みをかけようと意気揚々としているところに、エルフマンが憔悴しきっている状態で帰ってきた。
「エルフマン!リサーナは、評議員はどうなったの?」
「リサーナは捕まっちまった、評議員も命を落としちまった」
「なんでだい。
「おいカナ!」
「……少し休ませてくれ」
「(様子が少し変ね。仲間にするのも嫌だけど警戒するしかないか)」
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「あんた、シリルが様子が変だって」
「何よその
「来るな、来るなぁ!邪魔をするな!」
「この鼓動、まさか爆弾!?」
「まずい、時間が……」
爆弾の発破しそうな状況下で、カナはとある魔導士から教わったというカード魔法でもって皆を封印し、ハッピー達に運んで貰う事でギルドが爆発されたものの、直撃からは逃れられた。
「まさか全員をカードに封印するなんて」
「ハッピー達に運んで貰えば敵ギルドまで一気さね」
「よし、着いたよ!」
「全員カードから解凍!妖精の尻尾、出陣の時間だ!」
「エルフマン、正気に戻った?操られてたみたいね」
「俺は、ギルドを……なんて事を」
「ミラ達を助けるんだ、まずは立ちな」
「さ、行くよ!