フェアリーテイル 生命の唄   作:ぽおくそてえ

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最後の数話をこの一年半ほどため込んでおりましたので、一気に公開です


第78の唄 全ての終わり

「とりあえず説明は向かいながら!」

 

「そうね」

 

「貴女は一体?」

 

「なぜか懐かしい感じもするし、親近感も湧くけど」

 

 

目の前の女性からは普段から感じている雰囲気を感じるが、どこで感じたものなのか謎が付きまとう。ウェンディにこの船は滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)が乗っても平気であるという事を伝えているあたり、ウェンディや滅竜魔法について詳しく知っているという事だ。彼女の名前はアンナ、ルーシィの先祖であり、ウェンディ達滅竜魔導士の先生を務めていた過去から来た人物である。エクリプスの門をくぐってきており、ナーガやチキとも知り合いである。すべてはアクノロギアを倒すための秘策である。

 

 

「過去の世界ではアクノロギアに対抗する手段が無かった」

 

「そこで未来に来て魔力の満ちた世界に来たのね?それについては竜達から聞いたわ」

 

「でも、エクリプスを通り抜ける際の衝撃で皆がバラバラになってしまったの。全員の場所を探すのに5年かかった」

 

「でも、接触しなかった」

 

「この時代での暮らしを見ていたら、その必要性はまだないと感じたの。そして、皆を探す中で、とある物を見つけたの」

 

「……時の狭間」

 

「っ!知っているの!?」

 

 

カノンは先代、生命神チキより知らされていた。アンナ達が時空を超えていった際に産み出された、無の空間だと。歴史が歪みを修正しようとする時に、産まれたのが時の狭間だ。それに触れると、あらゆる物が消滅するというものであり、そこへアクノロギアを誘導しようということである。

 

 

「上手くいくだろうか」

 

「やるしかないわ」

 

「まもなくよ!」

 

「300、200、100……そこだ!」

 

「よし!」

 

「……失敗か」

 

「何故!?通り抜けているわ!」

 

 

なぜか時の狭間を通り抜けて無事である。位置や高さに誤差はないはずだ。よく目を凝らしてみると、閉じているのが分かった。誰かが意図的に閉じたのか、何かの事故なのか分からないが、クリスティーナの後方に食らいついてきた。

 

 

「くそ、後部翼端板が大破!」

 

「速度が維持できない!」

 

「予備の魔道ブースターを点火するわ!」

 

「時間を稼いで!時の狭間をこじ開けるわ!」

 

「ここは私が。魔力と神通力を回復する薬を使ったもの」

 

「しかし……」

 

「今の奴を止められるのは魔力だけではなく、神通力を使える私のみ」

 

「……任せられるか?」

 

「やるしかないわよ」

 

 

魔法が効かない相手にダメージを与えて時の狭間に押し込めるのは神通力を使えるカノンのみである。彼女が船より飛んで気をそらすしかない、だから一人で戦いを挑むこととなった。

 

 

「来なさい、アクノロギア!気功式・シャイニングレーザー!」

 

「吸収出来ぬとは……ゴァッ!」

 

「(特大のブレスね?)神樹の壁からの、神の愛(ディオ・アモーレ)!」

 

「ガァ!」

 

「っ!海と神樹の壁が割れるとは……」

 

 

特大のブレスは守りのために作っていた木の壁をいとも容易く壊してみせ、背後にあった海をも割ってみせたのだ。この恐ろしいブレスに対応するのは容易ではない。一刻も早く時の狭間を開き、押し込むしかないので、アンナに開くように迫る。だが、依然として開かないので、少しでも時間を稼いで開くまで耐え忍んでみせる。そしてしばらく戦闘を続けること数分、ようやく開いたのだ。

 

 

「開いた!」

 

「でも、奴に気づかれたよ!」

 

「神としての出来る事、それは守るべき者達の為に命を張る事。押し込んでやるわ」

 

「待て、何をする気だ!」

 

「全ての神通力よ、魔竜を滅する牙となれ!神の愛(ディオ・アモーレ)極限砲撃(エステレーモ)!」

 

「がぁっ!吸収できぬ!」

 

「消え去れ!古の竜よ!」

 

「だが、甘いな!竜王を侮ってもらっては困る!」

 

 

砲撃をすり抜け、時の狭間に押し込む直前で抜け出したのだ。カノンを殺そうとするほどの怒りでもって攻め寄せてくる。エルザが援護しようとするが、魔法に効果がない上に余計にパワーアップしかねないので、カノンが引き寄せる事にこだわりを見せる。

 

 

「木術・大木人!」

 

「ごぁあっ!」

 

「木人の拳を避けたか。これでどうだ、双気功掌!」

 

「効かぬわ!」

 

「くそ、魔力だけじゃ無い。神通力すらものともしないとは。魔を喰らう竜、その名は伊達ではないわね」

 

 

耐久性がある竜の体に、神の力も大きなダメージにはならない。魔竜の力を身に纏い、突撃してくるアクノロギアを躱しつつ、少しでも押し込もうと足掻いてみせる。そこに突っ込んできたのは墜落したはずのクリスティーナである。カノンをここで失うわけにはいかないと、一夜とアンナが代わりにアクノロギアを時の狭間に押し込もうとする。そして目論見通り不意打ちに近い形で押し、クリスティーナ諸共消えていった。

 

 

「くそ、守りたい相手を守れなかったよ」

 

「一夜さんも、アンナさんも、アクノロギアも消えた……」

 

「ねぇ、私達……勝ったのよね?」

 

「おそらくは」

 

「ごめんなさい、私が力不足なせいで……」

 

「責めちゃダメよ。アンナさんと一夜さんの望みの為にも」

 

 

一夜もアンナも守れず、自身を責めてしまうが、これは彼ら自身の決めた道である。彼らの意志を重んじるべきではないかと、涙ながらに語っていた。そんな時、突如として空にひびが出来、腕が出てきた。アクノロギアである。時の狭間を受けても生きており、魔力を吸収して復活したのだ。魔力に満ちた状態から繰り出された一撃は凄まじく、爆撃はあらゆるところに被害を出している。

 

 

「皆、無事か!」

 

「ウェンディとカノンが!」

 

「うぁ、うぁあ!」

 

「くそ、吸収される!」

 

「完全なる滅竜の為、消えてもらおう」

 

 

ウェンディやカノンが謎の力に吸い込まれ、その場から消え去った。そして気づけばカノンはとある空間にいた。そこにはナツとアテナもおり、薄暗い空間に取り残されていた。辺りを見回してみると、他の滅竜魔道士達がとらわれていた。そこに現れたのは人間体のアクノロギアだ。完全なる滅竜が目的であるらしい。仲間達を返してもらうために戦を仕掛けるが、突如としてナツの体を水晶が覆いはじめる。

 

 

「何だこれは!」

 

「ナツ!」

 

「人柱となり、世界の安定のために消え失せよ」

 

「痛むけど、耐えてよ。気功掌!」

 

「ほう、破壊したか?」

 

「何、力が上昇した?」

 

「私の力です、シリルさん」

 

「ウェンディ!」

 

 

どんな力が働いたのかわからないが、ウェンディ達は無事であり、滅竜魔道士と神々が一堂に会する。だが、アクノロギアには魔法は効かないので、ナツ達は援護に回り、カノンとアテナがメインで攻めることにした。

 

 

「火竜の咆哮!」

 

「鉄竜剣!」

 

「効かぬ効かぬ!」

 

「チェストー!」

 

「ぬぉっ!」

 

「隙あり、鳳翼扇!」

 

「くっ!」

 

「アテナ、続いて!」

 

「任せて。烈火の拳(フレイム・バースト)!」

 

「くぁっ!」

 

 

魔法が効かない上に一見効いているような神通力も効きづらいと来たものだ。ナツ達からしてみれば理不尽にも程がある。魔力などが効かず、圧倒的なパワーで押し切る強さこそが竜王と呼ばれる所以だ。だが、魔力を帯びない物理攻撃は一定の効果があるのではないかと推察できる。そこを攻めたいが果たしてどうなるか、やってみなければ分からない。その頃外では復活したマカロフ達が対処法を探っていた。

 

 

「結論から言おう。滅竜魔道士達の居ない今、竜を倒す手段は無い」

 

「奴には魔法が効かぬ。物理的な方法で倒さねばならない」

 

「聖なる剣とか有れば楽なんだがな」

 

「しかもただの剣ではダメだ。滅竜の力を付与した剣でなければ」

 

「くそ、手詰まりか!」

 

 

ウェンディやカノンが居ない今、付加術を心得ている者が居ない。こうなってしまっては、もはや手詰まりではないか。絶望的な状況の中、ルーシィは手はないか頭をフルに使う。そんな中、前に使ったとある魔法が効くのではないかと思い至る。それを使って弱点である乗り物の上に乗せてしまえば勝てるのではないか。その魔法とは妖精の球(フェアリースフィア)、天狼島でアクノロギアが破れなかった唯一の魔法である。閉じ込めている間にナツ達がアクノロギアを倒せば万事解決である。そんな状況下で、ナツ達は懸命にアクノロギアの相手をしていた。

 

 

「今外では我が肉体が全てを破壊し尽くそうとしている」

 

「何故そんな事を」

 

「破壊、それ自体が我が目的」

 

「お前に壊される程、世界は弱くねぇぞ!」

 

「させないわよ。神の愛(ディオ・アモーレ)!」

 

「魔竜の咆哮!」

 

 

神と魔竜の力は拮抗しており、お互いの一撃は相殺される。そこに続くようにアテナやコブラ、ラクサスが倒しにかかる。だが、これも大したダメージにはならず、反撃を受けることとなってしまった。しかも一回のパンチが重く鋭く、内臓に響く一撃だ。

 

 

「がはっ!(くそ、内臓が!)」

 

「コブラ!」

 

「今治すわ」

 

「まだくたばる訳にはいかねぇんだよ。俺にだって仲間はいる。あいつらを守る為ならなんだってやってやるぜ!」

 

「その意気よ。私達がついてる!」

 

「冥府神の爆砲!」

 

「流石に神通力は防げぬか」

 

 

魔法を放ち、付け入る隙を与えない。たとえ効かずとも、外で仲間達が頑張ってくれているはずだと信じ、奮闘するほかない。魔法が吸収され、神通力を受け止め、跳ね返してくるあたりは強者らしさを持ち合わせている。だが、希望はまだある、最後の戦いを仕掛ける。一方の外では、アクノロギアを港に誘導しており、弱点である乗り物の船に乗せようとしていた。そこでアクノロギアを船酔いさせ、弱体化させる準備を行っていた。

 

 

「来たぞ、アクノロギアだ!」

 

「ルーシィ達はまだ妖精の球(フェアリースフィア)の発動方法を探っているはずだ!」

 

「時間を稼ぐわ!」

 

「お前らで準備してくれ!」

 

「でもどうやって?」

 

「手を繋ぐのよ。これは絆の魔法だからね」

 

 

多くの魔力を合わせて封じようとしたが、弱点を本能で潰そうとしたのか、船をブレスなどですべて破壊しつくしてきた。このままでは作戦は壊滅したかに見えたが、グレイとリオンの造形魔法で船を造り出して、それに乗せようという作戦に出た。

 

 

「皆、大丈夫?」

 

「ルーシィ!」

 

「俺達は大型の術式を作る」

 

「後は任せたよ、ルーちゃん」

 

「……ねぇハッピー、このハルジオン港は私とナツ達の出会いの場所だよね」

 

「あい。壊されてたまるもんか」

 

 

この港はかつてナツ達とルーシィの出会いの場である。ここからルーシィ達の冒険が始まったといっても過言ではない。だから、このハルジオン港を守り切ってみせる。そしてその熱気はナツ達にも通じたのか、最後の攻防が始まろうとしていた。

 

 

「ここで滅竜する。神々も消し去る。それが我が目的」

 

「くくく、滅竜するだと?」

 

「それじゃあ貴方自身も消し去らなきゃね。ナツ!皆の魔力と神通力を貴方に!」

 

「任せたよ、ナツ!」

 

「おう!後は任せておけ!」

 

 

七人の滅竜魔導士と二柱の神の力をナツに集約して付加してみせる。これが九炎神竜の力であり、最後の希望だ。例えどんな力が産まれようともアクノロギアには勝てぬと吠えるが、全員の意志の乗った攻撃は力強い。更に力を全てぶつけるために、カノンとアテナの攻撃で隙を作る。

 

 

「我が神通力、更に解放せし!気功の奥義、滅・波動拳!」

 

「何だと!まだ力を!」

 

地獄の業火(ソウルフレア)!」

 

「がはっ!」

 

 

外では船の造形が終了し、後は乗せるだけの状況となっていた。エルザとミラがアクノロギアを導き、船に乗せる為の地点に到達した段階でエルザの全ての剣を使って押し込む。船の位置をジュビアの水で調整し、無事に乗せてみせた。全魔力を解放し、妖精の球(フェアリースフィア)を発動してみた。だが、魔力が足りず、破られそうになる。

 

 

「魔力が……足りない」

 

「こうなったら大陸中から集めましょ」

 

「メルディ!」

 

「大陸中の魔道士を繋いでいたの。ここに魔力を集めるわ」

 

「すごい、力が溢れてくる」

 

「何だこれは、動けぬ!」

 

「今度こそ!」

 

「大陸中の魔道士の力、受けてみよ!」

 

妖精の球(フェアリースフィア)、発動!」

 

 

魔竜でさえ打ち破れなかった妖精の球(フェアリースフィア)を、大陸中の魔力を集めて発動した。これで完全に閉じ込め、体の自由を奪っていく。この効果は時の狭間で戦っていたアクノロギアにも影響を及ぼし、体が動かなくなる。この隙を見逃すはずもなく、ナツの燃え盛る炎が華麗に当たった。

 

 

「か、体が動かぬ!」

 

「よし、ナツ!最後は任せたわよ!滅・波動拳!」

 

「これで終わりだぁ!」

 

「(我は、全てを破壊し、全てを手に!)」

 

「全ては手に入らないわよ」

 

「欲張るなよ。俺は、仲間がいればそれで良い」

 

「そうか。うぬ等こそ王に相応しい」

 

「王にはなりたくねぇな」

 

 

アクノロギアは消え去り、古の竜王と黒魔道士はこの世からいなくなり、これで安寧が訪れる事になる。7人の滅竜魔道士と二柱の神の力が纏まった事で、厳しい戦いが終焉を迎えた。

 

 

「これで終わりね。流石はナツ」

 

「お前達のお陰だ。特にシリルの付加術があったからだ」

 

「平和が訪れる為には力を惜しまないわ。それに、皆の魔力あってこそ倒せたのよ」

 

「そうだな……な、なんだ!」

 

「引き込まれます!」

 

「カノン、これは!」

 

 

空間を維持していた主を失ったからか、外に引き出されるように押し出されてしまった。全員無事に仲間の元へと帰ってこれたのだ。これで世界に平穏が訪れた、その事をまずは喜ぶべきではないかと感じた。

 

 

「戻ってこれたか」

 

「良かった、無事だったのね!」

 

「皆、心配かけたわね」

 

「ただいま」

 

「おかえり!」

 

「さ、ギルドに戻ろう」

 

 

====

 

 

「ルーシィ、おめでとう。出版した本で受賞するなんてね」

 

「友の晴れ舞台、嬉しい限りだよ。またこうして皆と会えるなんて思ってもみなかったもん」

 

「ありがとう、シリルにユリア。皆との冒険の日々が今回の本に繋がったんだ」

 

 

あの戦いから一年、平和を取り戻した中でルーシィの書籍が新人作家の賞を手にしたのだ。そこで、盛大にパーティが催され、ナツ達も友人として参加しているのだ。二柱も久々に仲間達の様子を見る事も兼ねて参加している。仲間達も様々な変化があり、その中でもレビィとガジルが子供を授かるかも知れないことが大きな変化だ。

 

 

「いやぁ、びっくりだよ」

 

「おう、シリル」

 

「あら、ラクサスじゃない」

 

「一緒に飲もうぜ」

 

「良いわよ」

 

「二人共仲が良いのね」

 

「付き合ってる訳じゃないみたいだけどね」

 

 

ラクサスはあれから体調も安定しており、無事に仲間達と過ごしている。そんな時に様々な女性達と付き合っているのではないかと噂される事も多い。カノンにミラ、カナ、リサーナなどなど噂は多く上がっているが、実際には付き合っていないのだ。

 

 

「あれから体の方は大丈夫なの?」

 

「魔障粒子の影響は無くなったんだ。今は大丈夫だ」

 

「なら良いけど。無茶はしないでよ?」

 

「分かったよ、これからは気をつける」

 

「二人共飲んでるかい?」

 

「カナ、貴女も一緒にどう?」

 

「良いねぇ。それじゃ、お邪魔させて貰うとするかねぇ」

 

「カナ、今は何を?」

 

「ギルドで親父と仕事してる感じかねぇ」

 

「ギルダーツと?」

 

「そうさ。一人にしたくないからって言って一緒に来ることがあってさ」

 

「親父と仲が良いのか。俺なんて最悪の仲だからな」

 

「私なんて父親の顔すら覚えてないのよね」

 

「そ、そうか」

 

「そう言われると、恵まれてるのかねぇ」

 

 

皆、元気に各々が過ごしている。仕事に勤しむ者、酒を仲間と楽しむもの、旅に出る者など自由に過ごしている。カノンとアテナは神々の仕事をこなしながら、忙しく過ごしていた。アクノロギアもゼレフも居なくなって平和になったとはいえ、まだやるべき事は沢山ある。話が盛り上がるなか、カナがある人物を見つけた。

 

 

「あれ?あれは、初代?」

 

「何だと?」

 

「でも確かに……ほら」

 

「本当だ」

 

「隣にいるのは……ゼレフ!?」

 

 

見た限り本人にしか見えない。だが、話を聞いてみると勘違いだと気付く。ハンカチを落とした所から会話が広がり、ミオという女性とアリオスという男性が仲良く話しているだけだった。ゼレフとメイビスの魂を上手く転生させ、めぐり合わせることに成功したのだ。これもアテナが上手く働きかけた事で成立した。彼女の専売特許である魂の死後の行先の選別を行った。

 

 

「アテナ、しっかり仕事は果たしたみたいね。上手く転生したみたいだわ」

 

「でしょ?こういう事は私の専売特許みたいなもんだしね」

 

「今生では幸せになって欲しいものね、初代とゼレフの転生者よ。さてと、私とアテナは帰るわ」

 

「そうなんだね」

 

「これ、私とアテナの住まう場所よ。いつでも来て頂戴」

 

「私達は同じギルドで育った仲間だもんね」

 

「ありがとう、時が来れば訪ねるわね」

 

 

会場を後にした二柱はそれぞれの仕事をこなすために日常に戻ろうとしていた。人類は自分達の力がなくても成長していくのだ。

 

 

「アテナ、人は成長しているわね」

 

「私達とは時の流れ方が違う。だから短期間で成長しているように感じるのかも」

 

「そうね。願わくば、争いのない平和な世界で生きて欲しいわね」

 

 

====

 

 

「あれから数年か」

 

 

ルーシィの受賞式の日から数年、互いの所を行ったり来たりして交流を深めている。仕事の都合で中々会えない時期もあったが、仲良く過ごせている。平和は続いていて、ナツ達も100年クエストに挑戦したりして楽しく過ごせている。

 

 

「アテナ様がお見えです、カノン様」

 

「心得た」

 

 

アテナも神の仕事に慣れてきており、頼もしく成長した。これからは二柱でお互いを支え合いながら仕事に励んでいく。その為に互いの場所を訪ねて進捗を確認しながら業務にあたっている。神と人と魔の共生を目指して今日も仕事に邁進する。

 

 

「さ、始めましょうか。栄光ある未来の為にも!」

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