やるならやる!サクッと決めちまおう。
それでは最終話です!!!
「ほんとに良かったのか?」
どこかで声が響き渡る。そこには銀色の髪を靡かせたクロエと金色の髪を漂わせるクロエがいた。
「うん、どうせなら、私から分離してみたらいいじゃん!」
「だからといって私をわざわざ表に出すなんて無茶なことを....。」
「けど、あなたが肉体を得られるならいいんじゃないの?」
「えー?私はあなたの中に居たほうが居心地がいいんだけどな...。」
「もう、嬉しいこと言ってくれるじゃんこのこの〜!」
「うう、ひっつくな!はなせ!」
すりすりと頬擦りをしている金髪の方のクロエ。銀髪のクロエはELSが擬態化した姿だ。先の霊結晶融合によりELSが先んじて侵食、主であるクロエを取り込まんとしていた為自らの特性を持って封じ込めた。その際、その狂気をELSが取り込んでしまい、さらにSAOで手にしていた二重人格化するデータを持っていたがためにHADESのデータまでも吸収したELSは完全なもう一つの人格として顕現した。それがこのELSこと【エル】である。つまるところいま外の世界で則っているELSはただのドッキリである。時間が経てば完全にクロエから分離し独立することになるが、元がELSなので好き勝手に融合できる。なんと都合のいいやつなんだろうか。
「さて、そろそろ覚める時間かな?」
「もーこれ....どうするの?」
「適当なタイミングで目を覚まして私の金属触手ヴィンスとクーちゃんとなんか浮いてるやつにとりつかせればいいでしょ?」
「おっけー!」
このとき二人の顔は恐ろしく黒かった。
一方、そうとも知らずクーとヴィンスはまだ修理もそこそこなトーリスを駆って暴走を始めたクロエのトーリスリッターを抑え込んでいた。その上をファントムが漂い見つめている。
「クソッ!あの世界で手に入れた人格が霊結晶によって表に出てきてしまったか!」
「アッハハ!!!もっと私を楽しませてよ!!!!【死剣】!!」
更に飛んできた斬撃にヴィンセントは必死に対応する。
【ほう...もう精霊としての権能を....。】
「もう暴走が本格化しているのか!!」
「完全に精霊になったら私達では止められませんよ!?」
「こういうときに人手がいたら良かったんだがあいにくさっき全員倒しちゃったからなぁ!!!」
「キャハハハ!!!!!!捉えたっ!!!」
「「うおわっ!?!?」」
トーリスの腕から伸びてきた触手のような物に二人は捕まりぐるぐる巻きにされる。更に腕の部分に触手の一部が刺さりグサグサと侵食していく。
「そういえばクロエの中身ELSが共生してたな!!!!」
「この速度だとそう何分も持たない!!」
動けない二人はずさずさと深く突き刺さるELSを開放することができない。だが、異変はそれだけではなかった。
【チェック・メイト、か.....わぷっ!?!?!?】
なんとファントムも捕まった。侵食こそされていないがその捕まり具合は二人と同じである。そしてそこから雰囲気が変わった。
「あとは任せたぞ?」
トーリスの内部でコードのようなものにぐるぐる巻きにされていたクロエが縦2つに割れ中から光ったクロエが飛び出てきた。
「「クロエ(さん)!?!?」」
光って何も見えないが、そこにはたしかになにか着ているように見えた。
「ふっふ〜ん、コアとの適合完了!完全掌握!!」
光が収まり二人がクロエを見やるとトーリスのような淡い蒼色で染められたドレスを身に纏ったクロエの姿があった。
「私が二重人格に乗っ取られるとでも?残念でした!私のエルちゃん舐めないでね!!」
「クロエ!!」
「ふふん、どうお兄ちゃん!この姿は!」
「まさかとは思うが.....!!」
「そう!あの霊結晶を取り込んでちゃんとした精霊になっちゃったよ!これで私も世界中の敵だね!まあキスされたら力も封印されちゃうんだけど....。」
【まさか....あの霊結晶を通して情報がすべて....!!】
ファントムは触手の拘束から抜け出したものの、慄いていた。
「まさか自分の思い通りにならないとは予想してなかったでしょ?この姿は私がトーリスなしでも戦えるように自分から適応したの!」
「トーリスなしでも....?」
「そう!ELSの強大な適応力と侵食能力、そしてHADESの強靭な反射能力、そしてお兄ちゃんが残したALICEから吸い出したデータをもとにしたこの衣装!この衣装実はあの中にいる女王の衣装を意識したんだ!」
言われてみればクロエのドレスは長いドレスというよりかはミニスカドレスではある。半ロリータ服とでも言うべきなのか。
「まあ、言うならば識別名【クイーン】なのかな!」
【....全く、予想外にもほどがある。】
ファントムはもはや諦めたかのように両手を上げていた。
【過去に来てまであの子のために狂三に殺してもらう浄化者を探していたのにこれでは計画を修正しなきゃならない....。ここはお暇させてもらおうか。】
「あ!待て!」
言うが早いかファントムは一瞬で消え失せていた。残されたのは海上で援護していた戦艦たちと上空に浮かぶ精霊化したクロエとトーリスで駆ったヴィンセントとクー、そしてELSに侵食されたまま動かないトーリスだった。
「お兄ちゃん!」
「ク、クロエ....?」
「このままだと私、消えちゃうから!キスして!」
「は!?」
「いいからいいから!」
「ちょっ!?おまっ!?」
「私はこの力を望まない!だから自らの手でこの力を封印するの!それともお兄ちゃんはこのまま消えてほしいの....?」
「....ああもう!ほしがり屋なんだからお前は!!」
「あの時みたいなヘタレじゃなくてよかった!」
クーがいる眼の前で二人はキスをした。ヴィンセントのところに流れ込むような感覚。これがクロエの精霊としての力なのだろう。それにしてはかなりドス黒いのは多分HADESとELSが入り混じった結果なのだろうが。キスを終えてクロエの恰好はさほど変わっては居なかったが精霊としての力を失ったのでそのまま空中に浮いているわけもなく落ちていく。すかさずヴィンスがキャッチし抱きしめる。
「ふふ、私を最終的にこんなにしちゃった責任、取ってよね!」
「ひっでぇいい草....けどまあ、了解だ、クロエ。」
そうして最後のISとしてのトーリスはその命を終えた........。
まあそんなわけもなく。
人しれないどこかの街で。
「へぇ...ここが天宮市か。」
「あの精霊による被害をもとに作られた対精霊防御の機構が強く組まれた町...。」
「けど、こんなところに軍事基地なんて本当に作れるの?」
「港は占領したし既にここにティーレたちや、博士、そしてトリス達も先行して来ている。恐らく大丈夫なはずだが。」
「まあ、それは行ってみてのお楽しみ、でしょ?」
彼女は笑い、いつものドレスを展開する。あの戦闘の後、すでに数年が経過したが、ことあるたびに彼女はこのドレスを着たがる。まあ自分にとってもそのほうがきれいなのでいいのだが、一つ欠点があった。
「精霊を確認!総員オールウエポンズフリー!精霊を撃破せよ!」
『了解!!!』
「なんかまた来たよ....この街に入ってから何回目だろ?」
「お前が精霊だから少なからずそれは仕方ないだろ?」
「はあ....蹴散らしちゃう?」
「面倒くさいしな。エジ、サポート頼んだ。」
『はい、お任せあれ!』
「イーちゃん、制御は任せたよ!」
『ふん、陛下がお前の世話をしろと仰ったときは目を疑ったが....遠回しに我のデータの元になったと言われたら仕方あるまい、蹴散らすぞ!』
彼女と彼のISによる一連の物語はひとまず終わりを告げた。だが、ここからは果てしない新たな敵、【精霊】と呼ばれる者たちとの数奇な物語が始まるのである。
Fin....?
ハイ、というわけで完結です!!!
いつか終わらせたかったのでようやくか、という感じ!!!
統計100話、約5年か6年かな?にわたってお送りした本作は一旦今話で終わりを迎えます。ですが、クロエとヴィンスの物語は終わりません!
舞台はISから精霊へと移り変わり....!!!
果たしてどうなってしまうのか!?
お楽しみに!!!!それではまた次の小説でお会いしましょう!!!
精霊編を本格的にブッ込むか否か
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入れる
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入れない
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Fate要素増やして