今回からまた、現代に戻ってやっていくよ!
あらすじ
かつて木星で出会ったエルちゃん。
ペイの妹になる。 以上。
「なんで説明雑!?」
これしか書くことないんだよ察しろォ!!!
「・・・・トーリスサワラセテアゲテモ。」
前回のあらすじ(二回目)
隕石の中身は銀色の少女であった。束達は彼女をすべてを知り受け入れた(勝手に投げた)。トーリスリッターと同化しコードネームエールスとその名を変えさせた彼女は半ば強引にトリスの妹になるのだった(よくわからない。)。
「・・・・・・・本気出しすぎでしょ・・・・・。」
時間軸は現在に戻った頃。起きるべくしてそれは始まった。
「模擬戦、開始!」
ヴィンセントの合図で両機が動き出した。
「先手はもらうよ!」
最初に動いたのはクロエのペイルライダーだった。背中に接続されている180mmキャノン砲を展開すると3点射した。すざましいスピードでとんだ三発の砲弾はラウラが回避することにより壁に着弾、炸裂した。ラウラは回避すると共にレールガンを展開、牽制なのか2発別々の方向に発射した。対しクロエ、
「そんな弾速で落とせると思ったら大間違い!」
クロエ、シールドを捨てると内側に隠していたハンド・ビーム・スポットガンでレールガンを撃ち抜いた。爆煙が立ち込めるなか、戦闘場の外の方で一夏達は二機の分析をしていた。
「ふむ、クロエはその武装で来たか。」
「何か、いつものクロエの使う武装とは違う気がするのだが。」
「あー、確かに。クロエさんはいつも武器を戦闘の予想を鑑みて武器選択をしてるけど、今回は全部のせって雰囲気だな。」
一夏と箒が交互に言う。セシリアは二機の動きにすでについていけなくなっていた。既にラウラとクロエは超高機動での射撃戦を行っていたからである。クロエは両手のハンド・ビーム・スポットガンと左手のハイパー・ビーム・ライフル、右手の90mmマシンガン、背部バックパックの右側に装着されている180mmキャノン砲、左に装備のジャイアントガトリング、脚部連装ミサイルという装備を駆使して絶え間なく攻撃を続けているのに対し、ラウラは背中のキャノン砲を速射モードに切り替えて攻撃を続けていた。ちなみにレールガンは破壊されているが予備のバックパックがあったためラウラは瞬時に切り離し・展開をしていた。
「くっ、射撃兵装の多さが厄介だな!(これ以上被弾するとブースターが持たない、AICも乱れる砲弾の嵐の中では・・・・・。)」
ラウラは正直不利な場面に立たされていた。ラウラは射撃兵装が現状一種類なのに対しクロエは五種類ものの武装で追い詰めてくる。彼女から放たれるレーザーと弾丸の嵐をかわすのは至難の技だがそこはやはりドイツの軍人か。冷静に被弾する弾だけを切り落とすかカノン砲で相殺するかでギリギリ姿勢制御を保っていた。
「ぐぅ・・・・防戦一方か・・・!だが、実体弾は弾切れ、レーザーは最悪冷却に時間がかかる、そこまで耐えきれば隙が見える!」
「(っ!?読まれた!)」
ラウラがあらゆる手を尽くして出した全力の一撃はクロエの軌道を読み見事180mmキャノン砲塔を軽々と吹き飛ばした。スパークが走りそれをクロエは瞬時にパージ、誘爆から逃れた。左右のバランスが崩れたクロエは予備姿勢制御バーニアを緊急起動させ体制を整え直す。
「はぁ、はぁ、流石に現在進行形の軍人は伊達じゃない・・・・・・・。」
「・・・・・・不味いな。」
「ん、どうしたんだフィル。」
ボソッと呟いたフィルの一言が引っ掛かったヴィンスは其について聞いてみた。それに対しフィルは、
「・・・・・あれ以上はクロエの体が持たないぞ!」
「「「「何だって!?」」」」
「フィルさん!どう言うことなんですか!?」
クーが必死にフィルに問いかける。フィルはそれに答えるようにカタログスペックを提示した。
「ヴィンスはもう知っていると思うがよく聞いておけ。今クロエが使っているIS・・・・ペイルライダーは元々対IS用だった兵器を圧縮化して製作された試作機体と言うことは覚えているな?」
「ええ、それくらいのことならば以前にお聞きしましたわ。」
「それなら話が早い。クロエの体は元々ISに乗るのに適していない。だから投薬強化によって無理やりあれを動かしていた。」
「それがどうかしたの?」
鈴が其について聞いてみた。フィルは冷や汗を手に持っていたタオルで拭くと、
「あれは元のペイルライダーの性能をそのまま圧縮したものだ!長くは持たない!」
「・・・・そうか!!投薬によって無理やり動かしているのだとすれば無投薬のまま操縦しているクロエの身体はペイルライダーの動きについていけない!」
ヴィンセントがようやくそのクロエの唯一の弱点に気がつくと一気に不安感にあおられた。普段からクロエを妹のように可愛がっていたヴィンセントなのだ、彼女の身に何かがあったらと思うといてもたってもいられない性なのだ。
「ラウラを止める!」
「無茶は寄せヴィンセント!野暮で入っても返り討ちにあうだけだぞ!!」
「そうですよお兄様!お姉ちゃんにはまだあの子が居るじゃないですか!」
「あ、・・・・・・・あ。」
「あ?」
クーの呟いた一言でヴィンセントは何かを思い出したように椅子に座り直した。その不可解な行動に思わず鈴が、
「ん?何なのよ?その顔。」
「ん、いや、ああ、取り敢えずこの勝負、クロエの圧勝だなって思っただけだ。」
「あ、圧勝?」
「そうだ。フィル、クロエのISには何が 宿 っ て い る ? 」
「!?」
「ぐっ、はぁ・・・・はぁ・・・。」
「・・・動きが止まった・・・・・!?今か!!」
クロエの動きが止まったのをラウラは見逃さず残されたカノン砲の残弾を全て撃ち込んだ。硬直で動くことができないクロエはもろにその砲弾の直撃をくらい爆発した。
「やったか!?」
ラウラがそうつぶやく。事実ラウラが使える武装はレーザーブレードのみでシールドエネルギーも残り少ない。爆風の中からクロエが起き上がらないことをただただ祈っていた。しかしそれは、
「・・・・・・ふふっ♪」
「・・・・・・!?」
彼女が無傷の状態で立ち上がったことによって祈りは音をたてて崩れた。髪の毛は半分銀髪がかった物になり目の色は割れた部分から見えるだけでも何時もの蒼色ではなく、紅色だった。
「馬鹿な・・・・・何故、何故お前は立っていられる!?」
「セカンドポイントシフト・・・・・・部分的二次移行とも呼ばれる其を私は強引に起動させたわ・・・・。」
クロエの口調が変わっていることにも気付かずラウラはレーザーブレードを展開し斬りに掛かった。だが、
「近づけるわけがないじゃない♪」
「なっ!?」
背後から迫ってきたワイヤーによってラウラの動きは制限され身動きがとれなくなった。
「セカンドシフトにより得たモノ。いや・・・エルちゃんと同化することによって成し得た新たな剣。」
「新たな剣・・・・・だと?」
「そう、イギリスのBT兵器よりも遥かに高性能で安価に作れる完全上位武装、名をトライブレード・インコム。」
「・・・・・!?それは、まさかあの伝説の・・・・・ドイツの危機を救ったと言われるあのお方の武装!?」
ラウラはこの時思い返してみた。そして思い出した。トライブレード・インコムを持つIS、嘗てドイツを救ったと言われる漆黒の騎士の武装、其を搭載しているIS、今では封印されしモノかと思われていたそれが目の前にある。ラウラは自分の未熟さを思い知った。
「ま、正しくはそれの劣化品だけどね☆」
クロエのたったその一言さえなければ良かったのだが。
「それはともかく、
「・・・・・・どうやら、そのようだ・・・・・な。」
ラウラの拘束が解けると同時にクロエのISが解除されクロエがプツリと糸が切れたように倒れこもうとしていた。だがしかし、其は拘束から解けたラウラが抱えることによって地面に倒れこまずにすんだ。
「ふっ、どうやら
「よく頑張ったな、ラウラ。」
「フィル、私はまだまだ未熟らしい。明日から訓練に付き合ってもらうぞ。」
「りょーかい。っと、クロエもよく頑張ったもんだ。あの状況から被弾したバックパックだけを融合した奴の性質でセカンドシフトさせるとは、流石は
「ファッ!?フィ、フィルー!?」
フィルの電撃発言でヴィンセントは顔を真っ赤に染めた。確かに薄々ヴィンセントもクロエを妹のように可愛がっていたのは解っていた。だが、其を前世の敵に彼女と言われてしまうと其はそれで恥ずかしい。周辺にいた一夏達も四人をハハハ、と乾いた笑いを飛ばすことしかできなかった。その後、時間になったのでヴィンセント達は寮へ帰ることにした。なお、その帰宅途中で、
「ヴィンス・・・・これからもずっと一緒に居ようね♪」ボソッ
とヴィンセントがクロエを背負っている時にクロエが無意識に発していたがヴィンセントがそれに気づくことはなかった・・・・。
To be continued.......
いやあクロエちゃんの中に宿るエルちゃん、早速活躍しましたね!
まあ、一応話すと、
ヴィンセント(長男(義兄))
クロエ(クロニクル(妹))
クロエ(クローチェ(義妹))
ラウラ(クロエ姉妹の義姉)
にするつもりだったけど、この際ヴィンスとクロエを戸籍偽造でいっそのこと本当の兄妹にしてもいいかなって思ってる。
次回予告
激戦から目が覚めたクロエは前日の出来事を思い出して少し甘えたがりになっていた。そんな妹(確定)に答えるヴィンセントであったがそんなところに女子の大群が押し寄せる。いったい何が・・・・?
今後、どのキャラ視点での話が欲しい?
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クロエ
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ヴィンセント
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HADES三姉妹
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束&千冬
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囚われた鈴達