今回で一学期編は終わり!次回からは夏休み編なんですが・・・・・・。
あらすじ
大量失血をおこしたヴィンセントは失血死寸前までに衰弱していた。が、クロエの自分の命を呈してその力によりヴィンセントは一命をとりとめたのであった。
結果から言うと、数時間後、ヴィンセントは目を覚ました。自分の身体の状態に気付いたときにはすでに遅くヴィンセントはその張本人であるクロエのタックルを食らった。
「すまない、俺が無茶をしたばっかりに・・・!」
「バカバカバカバカバカバカバカ!!私がエルちゃんを使ってなかったら死んでたんだよ!?」
「それでも、助けてくれたことにはかわりないんだろ?」
「・・・・うん。」
「なら、今はその気持ちだけでも十分さ。」
ヴィンセントは自分の胸の中で未だ泣きながらポカポカ叩いているクロエを見ると若干安心したように顔を崩した。その様子を全て見ていた千冬達は彼らの邪魔をすることは無粋だと察したのか邪魔しに行くようなことはなかった。と、そんなところに介入してきたのは、
「はー・・・・・二人とも、そろそろ離れなさい・・・・。」
「何よ、ローゼ。お兄ちゃんの邪魔するの?」
輸血パックを持ってきた張本人であるローゼだった。クロエは邪魔されたことに腹をたてて睨んでいる。
「邪魔とかどうこうより、福音のことよ。」
「・・・・・・・あれはどうするんだ?」
「ほぼアメリカへ強制送還の後ISは凍結封印。操縦者は国家反逆罪でほぼほぼ処刑だそうよ?」
「・・・・・・・そうか。」
ローゼから告げられた事実にヴィンセントは重く受け止めていた。そしてその発言を聞いて一番に声を挙げたのは、
「・・・・ふぅ~ん。ローゼ、明日アメリカに飛ぶよ?」
「ちょっと!?いきなりどうしたの!?」
一番に声を挙げたのは他でもなくクロエだった。その本気度は右手に自己生成したビーム・サーベルを出力最大で維持していることから何れほどまでに本気なのかが見てとれた。
「一個の暴走事故だけで全責任をあのISが背負わなくたっていい。前段階の情報では無人機だったけど本当は有人機なんでしょ?理不尽な死を迎えるより私たちが救ってあげた方がよっぽどいいってね。」
「クロエらしいな・・・・・。そう言えばクーはどこに?クーも返事さえよければ一緒につれていこうと思うんだが。」
ヴィンセントが呟きながら辺りを見渡す。しかしその姿は確認できず時間だけが過ぎつつあった。と、そこへ口を開いたのは。
「・・・・・博士とその妹さんなら既にレウルーラの中よ?」
「・・・・・ローゼ、グレミーってアメリカ軍内で大佐の地位をつけていたよな?」
何を思ったかヴィンセントは唐突にローゼにそう聞いた。ローゼは肯定のうなずきをするとヴィンセントは直ぐ様部屋を片付け始めた。
「お兄ちゃん?何する気なの?」
「此れから軍内部に蔓延る根っこを潰してくる。クロエも準備しておけ。HADESは自由にしていい。一応俺も行くがどうするかはお前の判断に任せる。無論全員皆殺しにしてもいいし峰打ちでもいいさ。俺は何も見ていない。」
「・・・・・私のやりたいこと全部見透かしてるじゃん・・・・・。むー。」
「キレたお前がやることとしたら其くらいしか無いだろうよ。」
「やっぱお兄ちゃんにはばれちゃうか。」
「じゃ、二人はあとからアメリカまで合流ってことでいいのね?」
ローゼが納得ぎみに話しかけると二人は首を揃って縦に降った。それを見たローゼはグレミーのもとへ戻るべくレウルーラへと帰還していった。
翌日、臨海学校から帰るとき、一夏達はふいに外を見るとヴィンセントとクロエがISを纏って待機しているのを見た。
「・・・・ヴィンセント達、何がしたいんだろ?」
「なんでもアメリカまで軍部に行くらしいよ?どうも正しい情報かは定かではないがあの一連の事件をISの操縦者に押し付けて凍結、処刑するらしいよ?」
「まさか二人は其を止めるために・・・・。」
「既に水面下で計画は進んでたらしいよ?」
「其ならば良いけど・・・・。」
シャルロットが外を見ながら話しているとき、ヴィンセントとクロエは織斑先生と話をしていた。
「本当に大丈夫なのか?身体は。」
「はい、クロエには助けられました。」
「お兄ちゃ・・・・・ゴホン、ヴィンセントが居なかったら私だって今ここにはいませんから。」
「そ、そうか・・・・・。」
千冬はここまでの兄妹コンビに若干冷や汗をかいていた。外見こそ普通だが内心は殺気がガンガン出ているためだ。
「では、明日までには戻ってくるので。」
「ああ、私の後輩を・・・・・いや、大切な友をお願いしたい。」
「分かりました。一人の生徒として、また、一人の軍人としてその任、了解しました。」
「よろしく頼む・・・・これ以上私の回りから身の内が消えるのは・・・たくさんだ。」
「そんなことにならないためにも・・・・・
ヴィンセント・グライスナー、ルーリスリッター・キャバルリー!!」
「クロエ・クローチェ、エールスリッター・ツヴァイ!!」
「「発進する!!」」
二人の宣言とともにルーリスとツヴァイは瞬時に空へはためいた。その様子を千冬達は見ていることしかできなかった。
クロエたちが発進したのと同時刻、米軍軍事基地の一画で会議が開かれようとしていた。その中にアクシズの総帥ことグレミーも大佐としてこの場にいた。
「では、臨時軍事会議を始める。今回の議題は暴走事件の中心的人物である搭乗者のナターシャ・ファイルスの処遇と福音に関してだ。」
議長がそういうと先ずは技術部の方から手が上がった。
「はい、技術部からの検査結果ですが、暴走事故に起因するような部品は発見されませんでした。意図的な操縦者からの逸脱した行動が原因かと。」
そう言うと技術部の一員が書類を議長のもとに滑らせた。そのデータを見た議長はわずかに顔をしかめた。
「ふむ、そうか。では次に総務部、この件に関して政府からの通達は?」
指名された総務部の一員は起立し淡々と報告を済ませていく。
「今回の件に関しては日本側からは身柄の引き渡しが要求されていますが政府からは機体は凍結、搭乗者は処刑が妥当との判断が下されております。」
「分かった。他のものも異論はないな?」
「ちょっと待った。」
会議の場を沈めたのはグレミーだった。部屋の中にいる全員がグレミーの方へと視線が向く。
「ほう、なんだね。言ってみろ。」
議長は余裕の表情でグレミーの出方を伺っていた。だが、次の瞬間。全員がその口をしかめた。
「さっきから聞いていたら、よくよく考えてみればお前らの然るべきチェックがないから招いた結果じゃないのか?」
「なっ、貴様・・・・!」
「それにだ、私は全てを見ているんでな。」
「ああっ!?それは!!」
グレミーが書類の中から一枚の書面をつき出した。その書面を見た瞬間、一部の軍人が顔を真っ青にした。
「内部に外部からのデータハッキング及び意図的な暴走を起こさせるためのプログラムファイル・・・・・。福音を回収した際に技術班に解析を頼んで正解だったよ。」
「福音は我々で回収したはずだぞ!?」
「生憎だが此方は部隊内での情報共有をしていたのでな。戦闘データからプログラムファイルを抽出して解析させてもらった。これでもなおしらばっくれるか議長!!!」
ダァン!という音と共に強く机を叩いたグレミー。議長は後ずさりをするもその抵抗はやめようとはしない。
「どうやらお前は知りすぎてしまったようだな。」
「知りすぎた・・・・?何をいっている!」
「貴様のような階級ごときがそもそもこの会議で大きく発言できるとでも思っていたのか!!」
「なら、このままあの搭乗者を処刑しろと!?」
「既にこれは決定事項だ!!」
グレミーはわずかに歯軋りをするもすぐににやけた。その様子に他の軍人もたじろいでいる。
「仕方無い・・・・・。本当ならするつもりはなかったが。」
と言いつつ銃を構えるグレミー。しかも握っているそれは謎技術で作られたバウのビームライフルを小型化したかのような見た目である。議長は向けられた銃をみても狼狽えず冷静に軍内部制式拳銃をグレミーに向かって構えた。・・・・・・が。
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
「なぁっ!?」
「その機体は返してもらう!!」
「がぁっ!?グレミーを国家反逆罪で捕らえろ!!射殺しても構わん!!!」
議長のポケットから彼女の専用機である福音を奪い取ると(何で解析中なのにオメーが持ってるんだって話)グレミーは目的を達成したかのごとく会議室から出ていく。他の奴等も其を追っていくがその時突如壁が崩れ始め上から何かが降ってきた。
「グレミー、お待たせ!」
「遅いぞ!二人とも!!」
「んなこと愚痴る暇があるならさっさと牢獄に!鍵は既に破壊してある!」
「助かる!!渡したら私もバウで脱出する!合図で撤退だ!!良いな!?」
「「了解!!」」
降ってきたヴィンセントとクロエの後ろ姿を見たグレミーは驚異的な瞬発力で瓦礫をものともせず走り去っていった。其を確認したヴィンセントは右手のサーベルで瓦礫を熔接するとここから出られなくした。
「さてと、クロエ・・・・俺は何も見ないから。手段は問わん。殺るぞ。」
「フフフ・・・・・あはは♪HADES、起動♪」
軽い笑い声と共に起動したHADESは其れ丈で残った議長たちには十分な恐怖を植え付けていた。
「な、なぜだ!何故迎撃部隊が来ない!!」
「ああ、外で延びてるあの雑魚共のことか・・・・?それなら軽くキャノン砲を撃っただけで延びたよ・・・全く、どんな訓練をすればそんな風になるのだか・・。」
「貴様ァ・・・・・・!!」
ドゴォーン
「グアァァッフォォ!?」
「この音は・・・。」
ヴィンセントがそう呟くと同時にグレミーからの通信が入ってくる。ヴィンセントはためらいもなく其を開いた。
「グレミーか?」
「ナターシャの解放、及びIS返還が完了した!ここから6km東にレウルーラが待機している。急いでここから撤退だ!!」
「了解した。・・・・クロエ、撤退d・・・・。」
「あはは♪もうちょっと相手してよ~。」
「ひぃっ!?や、やめ「え~い♪」・・・・。」
「・・・・・撤退するぞ~クロエ~。」
「・・・・・・えーもう帰るの?もう少し殺らせてよ♪」
「可愛く言ってもダメだ。」
「ちぇ~、分かった。」
暴走していたクロエはHADESを自発的に切るとサーベルを収納し上空へ上った。ヴィンセントもクロエに粉々にされた議長だったものを見ながら空へ上がった。既に全体は炎上しており今にも爆発しそうであった。ヴィンセントが早くこの場から待避しようとクロエの手を引っ張るがクロエが動いてくれない。
「どうしたクロエ?行くぞ、みんなが待ってる。」
「何あれ・・・キレイ。」
そうクロエが指差したのは遠くに見える鮮やかな鳥だった。と、次の瞬間
―私、魂って絶対にあると思うな。―
「!?なんだ、この言葉・・・・。」
「この声、どこかで聞いたこと・・・・・。」
二人の反応は様々だったがクロエに関しては面識があるようだ。
―命が始めたことは命でしか終わらせられない。だから、手伝って。―
その言葉を最後に二人は現実へ引き戻された。
「何だったんだ・・・・今のは。」
「あの声・・・・リタちゃんの・・・・。」
「リタ・・・・?」
「いや、なんでもない。気のせいだよね・・・・・。」
「そ、そうか。それならいいが。」
ヴィンセントとクロエはそう言いながらレウルーラへと帰途の道に着くのであったが、クロエだけは声の主に引っ掛かりを感じるようになった。
To be continued......
待たせてしまってすまなかった。
次回予告
臨海学校が終わって夏期休業が始まった。クロエの誕生日にとヴィンセントはなにかをさがしていたがあるひとあるゲームを見つけ・・・?
今後、どのキャラ視点での話が欲しい?
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クロエ
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ヴィンセント
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HADES三姉妹
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束&千冬
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囚われた鈴達