前回ヴィンセントに降り下ろされたカマ。果たしてヴィンセントの運命は!?
あらすじ
第68層のボス部屋を蹴り飛ばした二人。だが、そのボスは強大で二人を追い込む。運が悪いことに漁夫の利狙いの輩も現れたがモンスターによって殺された。その間に回復した二人だったがそこに待っていたのは無慈悲なカマの降り下ろしだった。
「お兄ちゃん危ない!!」
「くっ、ラグがあって対応できない!!!」
降り下ろされるカマ。今度こそヴィンセントは自らの死を覚悟した。が、そのカマが降り下ろされることはなかった。
「・・・・!?なぜ殺さない。」
「・・・・・殺す価値がないからよ・・・。予想より強いかと思っていたが検討外れだったようね・・・。」
「何を!!」
流暢に話すモンスターに対し血が昇るヴィンス。一触即発なこの状況でただ一人クロエだけが現状についていけてなかったが、ひとつの確信を持っていた。
「・・・・・・・お芝居もそこまでにしといたら?さすがにこれ以上したら現実世界に帰ってきたらぼっこぼこにするよ?」
「へ?」
「・・・・・・・・・。」
クロエが突如そんな言葉を切り出したのをみてヴィンスはアッケラカンに取られるがモンスターは逆に汗を垂らしていた。
「幾らなんでも直接殴るのはいいよ?だけどね?お兄ちゃんを殺しかけた罪は許さないよ?」
「・・・・・うう。バレてないと思ったのに・・・・。」
「ペイから流れ出てくる私のお気に入りの波動がものすごく肌に伝わってたよ?」
「そこまで見抜かれてたら仕方ないか・・・・。」
そう言って刃を引いたモンスターはバラバラと音をたてながら割れるともうひとつの体を再構築した。
「うぇっ!?えっ!?」
「お兄ちゃん・・・・気づいてなかったの?」
「全くだが?」
「オーケーとりあえず一発殴らせて♪」
「うえっちょっ、おま「ペイの波動を忘れないでよォォォォォ!!!!」いたぁぁぁぁぁい!!!」
思いっきりヴィンスの頬をぶん殴ったクロエ。吹っ飛んだヴィンスは壁に叩きつけられるかと思われたがペイがいち早く反応して受け止めた。
「・・・・相変わらずクロちゃんは手荒だねぇ・・・・。」
「お兄ちゃんのことだし一回殴らないと分からなさそうだったし。」
「だがなんでペイがこんなところに?」
「ああ、そう言えばここに侵入した目的を言ってなかったね。まあ、少し時間は遡るわけだけど・・・あれはヴィンス達が囚われてから数時間たったころかな?」
「・・・HADESを使ってアーガス本社のメインプログラムサーバーに侵入して二人を手助けする。」
ペイが真面目な顔してマトモなことを言う姿を束も千冬も初めて見た。ペイは自分達が引き起こした事の発端を鎮めるために自ら役を買って出たのだ。
「だけどペイちゃん、やるとしてどうやって侵入を?幾ら天才な私でもアーガスの本社にはハッキングは難しいよ?」
「そこが私達の仕事です!」
「仕事?」
千冬が捻った声を出すなか今度はルリが前に出てきた。
「HADESは元々相手の動きを予測させそれに対する全ての予測を一瞬にして判断し全ての予測をパイロットに強制的にフィードバックさせて動きを補助する能力が備わっている・・・・・。」
「自分の体に強制的に反射をかけるシステムか・・・・・。」
千冬がそう呟くと一夏がなにか考え込む。
「ということは二人は常にあれに蝕まれていたのなら身体状態もそうそう良くないと思うんだが。」
「その点に関しては問題ないよ!さっきも言ったようにヴィー君とクロちゃんの身体にはエルちゃんが同化してるからしばらくの間は持つよ!」
「だがペイルよ、HADESを使うとしてどうやって助け出すんだ?」
千冬がこの作戦の要となる予定を聞き出そうと模索する。ペイはそれに応えて一本のケーブルを取り出した。そのケーブルをみて千冬は一瞬疑問の様相を呈した。
「このHDMIケーブルを使ってアーガス社本部中枢区にあるソードアート・オンラインメインサーバーとペイのトーリスの頭部コア集積中枢ブラックボックス回路を接続してハッキングを試みます。」
束はルリの発言に若干疑惑を覚えたが軈て意図がわかるとポン、と手をついた。
「・・・・・そうか!ソードアート・オンラインのメインサーバーであれスパコンであれ一般的な総合回線はコアネットワークによる総合集積回路!」
「そうです。今回はそのコアネットワークを悪用してプログラムへの侵入、あわよくば内部データの物理的な破壊も行います。」
「だがペイ「次その呼び名で読んだらブッ飛ばしますよ?」・・・・・ペイルライダー、其をすれば内部にいる人は大丈夫なのか?うちの学園からも数百人ほど閉じ込められているのが確認できた。その状態でデータを破壊するとなれば正直意識が戻るとは限らんぞ?」
「データを破壊するといってもちゃんと学園の生徒のIPアドレスだけきっちり切断させたあとに強制フィードバックでぶっ壊しますよ。」
「それならいいが・・・・。」
「なら私達は準備しますね。もしものために一応フル装備で行うので装備に時間がかかるんです。」
「そうか・・・・・・学園の生徒たちを頼む。」
「日々ヴィンスとクロエちゃんがお世話になってるので今回はその恩返しですよ。」
そう言って三人は準備をすべく格納庫へ向かっていった。残された一夏達は学園の生徒にこの一連の事件を話すべく学園に戻っていった。
「とまぁ、こんなこともあってペイがここに来たんです!」
「メインサーバーなら警備も結構あっただろうに?」
ヴィンセントがペイに対して聞くがそこはペイのなせる技なのか、Vピースをして、
「HADESを使って全サーバーシステムを掌握したからできたことです!!」
「「えっ??」」
ペイの爆弾発言に二人の口が空いた。そして数分の静寂。数分の後再起動したヴィンセントは改めて聞いていく。
「なあペイ、ここのボスはどうしたんだ?お前しかいなかったようだが。」
その問いに対してペイは自慢の二刀流サーベルとスパイク・シールドを実体化させて、
「そこはほら、知らない方がいい世の中もあるよってことで。」
「HADESでぶちのめしたんですね分かります。」
「良いなぁ、ペイばっかりHADES使えて・・・・。」
そうクロエが呟くとペイは思い出したかのようにインベントリからなにかを取り出した。ヴィンセントはそれを見てなぜかは知らないが其がクロエにとって一番大好きなものだろうと察した。
「そうそう、どうせクロエちゃん飽きてるんじゃないかって思ってペイルライダーのHADESデータをコピーしてこの【スキルディスク】の中に記録してあるよ。」
「HADESのコピーねぇ・・・・絶対デメリットあるだろ?」
ヴィンスがそう口調を強くして言うとペイは図星なのか一瞬硬直したあとヴィンスの顔を見ながら、
「バレてるなら仕方ないか・・・・・。このコピーディスクを使うとこの世界でもHADESを恩恵を受けられるけどデメリットもあるよ。ひとつ目に些細なことで怒りっぽくなること。二つ目、クロエちゃんの中に新たな人格が形成されること。三つm「ちょっと待てエェェェェェェェェ!!!!!!」・・・・なんですかもう?」
ペイが説明を止めて謎の行動に説明を求めるが、ヴィンセントはさらにペイに詰め寄る。
「そのクロエに出てくる人格って、暴れたりしないよな?」
「ううん!!クロエちゃんはELSによって人格分離もできるから思いっきり暴れられるよ!」
自信満々に言ったペイに対しヴィンセントは何度めかの殺意を抱いたと言う。
To be continied......
どんどんペイルちゃんとクロエちゃんが暴走する説。
次回予告、ペイ達と合流し辿り着いた75層。だがそこには本来いるべきでない人物が立ちはだかるのだった。