あらすじ
モンスターの正体はなんとシステムサーバーを乗っ取ったペイだった。すべての真相を聞いた二人は改めてクリアしようと決意する。一方別の場所でとある男が危機感を抱いていた。
第55層 グランザム
鋼鉄の都市とも言われるこの層に位置するギルド【血盟騎士団】の本部にて一人の男が頭を抱えていた。
「何故だ・・・・・何故あれほどまでのスピードで突破されるのだ・・・!!」
その血盟騎士団団長の男【ヒースクリフ】・・・・またの名をソードアート・オンラインゲームマスター【茅場明彦】はイレギュラーの存在に危機感を覚えていた。
「これは、直に私が手を下すしか無いようだな・・・・。」
そう言って彼はイレギュラーの元へ飛んだ。
そして第75層。
ペイ達三人衆は追い付かれたキリト達に囲まれていた。
「・・・・何のつもりだ?」
「それはこっちのセリフだ・・・・お前ら、何が目的だ?」
キリトが強く返すも三人は動揺の色を見せない。それどころか既に武器を両手に構えていた。キリトも身の危険を感じ取り愛剣【ダークリパルサー】を構えていた。
「どうしても吐かないので有れば・・・・・意地でも武力をもって吐いて貰うぞ!!!」
キリトが跳躍してヴィンセント達の真上をとった。ヴィンセントはインベントリから瓶を出すと真上に投げた。
「真正面から殺るバカがいるものか!!」
「何っ!?」
キリトがその瓶に気づいたときには既に遅く。一定の距離で爆発すると強い閃光をキリトに浴びせた。もともとキリトは一人では来ていなかったが後ろに下がらせていたのが駄目だった。すぐに反応できなかったキリトは諸に其を食らって体制を崩した。
「これは・・・・スタンか!!!」
「しばらくそこで痺れてろ・・・・・・・・・そして、居るなら出てこい。茅場明彦。」
「「「「!?!?!?」」」」
「やれやれ・・・・・・・・・何故分かったんだい?イレギュラー。」
「こいつが貴方のIDを特定したまでです。わざとらしく痕跡まで残して其れに引っ掛かるとは思いませんでしたが。」
「だが、お前達は来ると予想していた。違うか?」
茅場明彦・・・・・ヒースクリフは物影から出てくると剣をヴィンセント達に向けた。三人はそれぞれサーベルをヒースクリフに突き出すとそれぞれスキルの構えをとる。しかし何より驚いていたのはスタンしていたキリトだった。
「・・・・ヒースクリフが、茅場・・・・だと?」
「ああ、そうだ。私がこのソードアート・オンラインの開発者であり、ゲームマスターであり、そして第100層のラスボスでもある茅場明彦だ。」
「なら、お前を殺せば全てが終わるわけだな?」
「だが、私は不死属性が付与されている。一生クリアすることは出来ないのd「煩い。出力最大。」・・・・・!?」
「「「!?」」」
ヒースクリフの一言はクロエがツイン・ビーム・サーベルを首に突き刺したことで遮られた。
「・・・・・な、何故・・・!」
「あそこにいるペイが全システムを掌握したのよ・・・・・今やお前は茅場明彦という名の開発者に過ぎない。実質ペイが現ゲームマスターということだ。」
「お前・・・・・・一体何者だ・・・!」
「そうね、さしずめラビットの刺客とでも言いましょうかね・・・。」
「ラビット・・・・・兎!?」
「そうか・・・・・そう言うことか・・・!!」
キリトが歯軋りをする。近くにいた彼のメンバーである少女【アスナ】は何がなんだか判らずキリトにどういうことか説明を求めた。キリトは其れに応じてスタンが薄れるまで絶え絶えに話す。
「アスナはISが世界に出回ってることは知ってるな?」
「え、ええ。でもそれがどうしたって言うの?」
「このソードアート・オンラインのメインサーバーもISの類いに漏れずコアネットワークが組み込まれている。」
「つまりISの原理を応用したサーバーだとでも言うわけ?」
「そうだ。そして、恐らく彼女らはそのISの操縦者だろう。目的は・・・・・ほぼほぼ見当がつく。」
「お前もようやく分かったみたいだな・・・・。」
ヴィンセントがキリトの説明を一瞬聞いていたのか前に出てそう返す。続けてペイが前に出て来てその続きをいい始める。
「本来ならば二人はしばらく遊んでログアウトするつもりだった。だが戻れない。そして二人の同級生も囚われていることを悟ったヴィンセントはわざわざ速攻で殺そうとここまで登ってきたんだよ!」
「・・・・・ふっ、もう少し長く君達を観察していたかったが、どうやらそれは無理な相談みたいだな。」
茅場のアバターがひび割れを起こし始める。まもなくHPが0になる合図だ。クロエはもう一本のサーベルをヒースクリフの腹に突き刺しながら淡々と告げた。
「お前にはまだまだ聞かないといけないことがたくさんあるからね・・・・意識データを移そうとしても無駄だよ。ペイが持ってきた未使用のISコアにお前の意識が移されるよう既にセッティングされている・・・・観念してね。」
「・・・・・・・やれやれ、つくづくあの兎には先を行かれる。」
そう言ってヒースクリフのアバターは砕けた。
Swordart・Online GameCrear
「・・・・・んぅ?」
「起きたか?クロエ。」
「お兄ちゃん!」
二人は何もない空間で目を覚ました。いや、地面がない空間で起きたというべきか。二人は取り敢えず下を見た。そこには崩れ行く浮遊城の姿が移った。そして他にいるはずのペイの姿は見当たらなかった。
「お兄ちゃん、ペイちゃんは?」
「ペイなら先に戻ったよ。」
「そう・・・・。それで茅場は何処に?」
「ここだよ。二人とも。」
ヴィンセントとクロエはその声のする方向に目を向けた。そこには騎士としてでの姿ではなく、開発者としての茅場がいた。
「・・・・やはり、先輩は後輩に追い抜かれるもの・・・・か。」
「茅場さんはやはり博士の・・・・・。」
「ああ、私が束の先輩にあたる茅場だ。」
茅場の肯定にヴィンセントとクロエは真剣たる意志を見いだしていた。
「まず聞きたいのだが、なんでこんなことをしようと思ったんだ?」
ヴィンセントの問いに対して茅場は二人とは目線が合わさらないようにしながらこう話した。
「誰もが一度は造ってみたいシャングリラ・・・・・つまり理想郷。私は子供の頃からそんな理想を掲げていた。」
「理想郷・・・・・一度はやってみたいことか・・・・。」
「だが束は自分一人で成し遂げて私を超えていってしまった。なら、私の鳥籠で閉じ込めてやろうと画策したが・・・・失敗したようだ。よくよく考えてみればあいつは元から天災だからこの程度の罠には気づいていたんだろう。」
「・・・・・それで、ログアウトは。」
話を戻すようにヴィンセントが本題に戻すと、茅場も同じようにはっきりとした目付きに変わる。
「既に9945人のログアウトが完了した。」
「そうか・・・・・お前さえもし良ければ博士のところに住み着く算段は付けれたんだがな?」
「あいにく私は縛られるという概念が嫌いでね・・・暫くこの理想郷で自由に過ごすとするよ。」
「そうか・・・・。」
ヴィンセントがそう言った時には既に茅場の姿は風のように消えていた。
すると突然クロエがヴィンセントの背中に飛び付いた。
「お兄ちゃん、帰ろ!皆のもとに!」
「ああ、一刻も早く無事であることを証明しないとな!」
二人は手を繋ぎ光の向こうへと歩み始める。その先にある未来と言う名の閃光の果てまで・・・・・・。
To be continued.........
前半戦終了。
後半戦はもうどうなるか。わかるよね?
次回予告
帰ってきた者達、いまだに帰還しない者達。
茅場が引き起こした事件は世界中に大きな波紋を呼び寄せた。そしてその波はIS学園にも降りかかろうとしていた。