ティーレちゃんにてこずらされたよ(´・ω・)
あらすじ
ついに中枢まで辿り着いた三人。立ちはだかるはゲームの開発者だったがHADESにより瞬時に溶かす。帰ってきて壊れゆく世界を見た三人は元の世界へと帰るのだった。
彼女達は帰ってきた。
いや、彼女だけ帰ってきた。そう言うのが正確だろう。
戦艦ティーレ(ビッグ・トレーといちいち呼ぶのがめんどくさくなったのでクロエが名付けた)の艦内の一角に彼は意識を取り戻さぬまま横たわっていた。
「クロ、入るよ?」
「クロ姉ですか?遠慮なく入ってきても良いんですよ?」
クーが何時でも来て良いと言ってるかのように言うがクロエは、
「形式上だけ・・・・うん。」
と、形だけでも軍人であろうとし続けようとしていたその体をクーは押し止めた。
「クロ姉、お兄が未だに意識を取り戻さないのは私たちでも原因が分からなかったんです・・・・。少しくらい体裁を崩しても良いのでは?」
「そうかな・・・・。でも、今のままだらけ続けていたらいつかお兄ちゃんに見放されそうで・・・・・。」
「お兄はクロ姉にとっての初めての恋人だったんでしょう?なら、彼も早く帰ろうと模索しているはずです。今は・・・その時を待ちましょう。」
「・・・・・分かった。」
クロエはしぶしぶ軍人の調子からいつもの甘えん坊モードに体裁を崩すと備え付けのソファーに腰かけた。ソファーの目の前にある机には忌々しいプロトタイプのナーヴギアが置かれてあるがクロエのELSによりその機能はほとんど停止している。
「帰ってくるかと思ったお兄ちゃんは何時まで経っても帰ってこなかった・・・・・。早くお兄ちゃんと一緒に宇宙を飛び回りたかったのに・・・・。」
「けど、後から同じような症例が学園からも何名か確認され今もあの中に囚われている・・・・。」
二人の声から漏れる呟きは悔しさも混じった嗚咽となって時期に静かな鳴き声も出始めた。
「何で・・・・・なんでお兄ちゃんがこんな目に逢わないといけないの!!!もう離れるのはイヤなのに!!!・・・・・うぅ。」
「それは私だって同じです・・・・!!この前はクロ姉とお兄に譲ったのがこの原因の根元となりました。・・・・ならば次は私が助けるべきなのに協力することもできない・・・・!」
「クーちゃん・・・・・。」
二人が落ち込んでいるところに突如どたばたとけたたましい音が鳴り響く。こんなことをするやつは一人しかいないだろうと知っていたクロエはビーム・サーベルを出力しドアの真ん中に翳した。案の定、その音の犯人である束が思いっきり入ろうとした矢先にビームサーベルの熱気に気づき間一髪蒸発は免れた。クロエは不機嫌そうにサーベルをしまいながら、
「何ですか、博士?この状態を見ても今私たちがどうなってるのか空気も読めないの?」
「・・・・・ヴィー君の、居場所が分かった、って言っても?」
「「!!??」」
束の一言に対しかなりの食い付きを見せる二人。その勢いは束が脳震盪を起こすほど揺らされていることから明白だった。
「博士、早く教えて、吐かないなら取り敢えずサーベルで突き刺す。」
「早く教えてください博士、教えないならクロ姉の方に付きます。」
「言われなくても教えるよ!!」
束は持ち前の技量で二人を落ち着かせるとひとつのコアを取り出した。
「博士、これって・・・・。」
「先輩の意識データが入ってる新型コア【ソードアート】。この中で眠っていた先輩から拷問して引きずり出した情報によると、予め数十名ほどルーター経由して別のゲームに拉致されるよう仕組まれていたらしいよ?」
「別のゲーム・・・MMORPG環境で今話題のゲームと言えば・・・・。」
「アルヴヘイム・オンライン、ですね。」
「二人とも先輩と同じこと言うよね・・・・。先輩は恐らくこれがSAOのコピーサーバーならここに拉致されている可能性が高いと言っていたよ。」
「なら・・・・。」
「やるべき事は一つしかない・・・そうでしょ?」
クロエは通信機を取り出すと何時もの三姉妹を呼び出した。ものの数秒でやってきた三人に対してクロエはある準備をするように伝えた。それは、
「ルリ、トリ、ペイ、頭部ブラックボックスのHDMI端子を私のナーヴギアに接続して。」
「クロエちゃん!?何する気なの!?」
「三人もお兄ちゃんを助けたいんでしょ?」
「そうだけど・・・・。けど、クロエちゃんの分しかこれがないじゃない・・・。」
「別にこれがなくてもあの世界に入れないことは無いよ?」
「・・・・プライベート・ピクシーの事だね?クロちゃん。」
「それです博士。あの機能を応用してトーリス・ルーリス・デュラハンの機体データを送り込んで実体化させる。それでペイ達はあの世界に入り込める。」
「・・・・ホントにクロちゃんってヴィー君の事になると必死になるよね。まあいいよ、私もヴィー君がいないと不便だし本気出しちゃうよ。」
「それならいくつか手順が省けますね。取り敢えず私はナーヴギアを持っているであろうあの喫茶店に行ってきます。」
「クロ姉・・・・何を?」
クーはなぜナーヴギアをもう一つ持ってくる必要があったのか謎に思う。だがクロエはその後ろから囁くように、
「クーもお兄ちゃんを助けたいんでしょ?だからクー用のナーヴギアを確保しないとね。別に私のナーヴギアに配線してプライベート・ピクシー形態で手伝ってもらうのも良いけどそれだとクーは満足しないでしょ?だから・・・・ね?」
「・・・・・ありがとう、クロ姉・・・。」
「さ、博士の手伝いでもしてあげたら?一刻も早く助けたいんでしょ?」
「・・・・・・はい!博士、いきますよ!」
「うわちょっとまってまだ部屋はウワァァァァァ!!!」
クーは流れるような動きで束を捕縛すると軽やかな動きで研究室へと連れ去っていった。それを見届けたクロエは三人に顔を見返す。
「さて、トリとルリは接続準備を。ペイ、あの喫茶店に翔ぶよ。エールスの起動及び同化準備を初めて、最短で助けにいくよ!」
「分かった・・・・。」
「了解です。」
「そういうと思って既にメインシステム及びHADESは起動済みだよ!」
「仕事が早くて助かったよ!同化開始!」
クロエは部屋の窓から跳ぶとエールスのコックピットにしがみついた。同時に手の方から同化が始まりものの数十秒でその全体像は呑み込まれる。ペイもそれを確認するとエールスに手を触れてメインシステムに移動した。やがて装甲色が黒っぽい蒼に朱の細いラインが入った配色になるとその頭部のデュアルツインアイは紅く光った。
「もう・・・・誰にも私は止められない・・・・!!クロエ・クローチェ、エールスツヴァイ改、出るよ!!」
その瞬間、ツヴァイはバレルロールを決めて大空へ羽ばたいた。
その頃、ネットワークワールド内には何十人かのソードアート・オンラインをクリアした人々がその世界に囚われていた。ヴィンスもその例に漏れず囚われていた。
「ちっ、個別分算式データロックか。あちらのものと比べて旧式とはいえ少し時間はかかるか・・・。」
「無駄でしょ・・・?」
「大切な妹が待ってるんだ・・・一刻も早くこの、囚われの
ヴィンスもまた、愛する妹のため、立ち上がろうとしていた。
時を同じくしてとある離島の中にある建物の中でも同じようなことが起こっていた。
「ドクター、まだ解析は終わらんのか?」
「スコール、お前はまだ我慢が出来んのか?」
「あいにく次の作戦が迫ってるのでな・・・・。二人の様子はどうなんだ?」
「まだ縛られているとみて良いだろう。どっちみちこのままでは作戦は延期だ。」
「おいおい、このままあの作戦をやめちまうのかよ?」
「わざわざ南米で特注の時限装置を製作したんだ、派手にパーっと殺りたいがな?」
二人の男・・・・ボマーとフィクサーは物陰からそう言うと整備パーツを抱えて来る。
「あら二人とも・・・・やはりか?」
「ああ、ハッカーの情報によればALOにサーバーIP反応が出た。ビンゴだ。」
「なら話は早いわ。私たちもALOに突入してエムとオータムを回収するわよ。」
「了解なこった。」
フィクサーはそう言うと僅かに口角を挙げた。
To be continued.......
お待たせしました!
さてさて、後半クールスタートです!
次回予告
愛する兄のため日本を飛び回るクロエとエールスツヴァイ、そこに立ちはだかったのは他でもない彼らだった・・・・・。
SAO視点での話は誰を主観として欲しい?
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キリト
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クロエ&クー
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ルリ&ペイ&トリ
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ヴィンセント
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束&茅場