ざぁこ♪
朝早くのことである。通信室に集まった三人は久しぶりに本部と連絡を取っていた。
「指揮官、お久しぶりです。」
そう言うのは皆のまとめ役のティーレ。その画面の前にいる男性はそれを聞いて微笑ましく笑い。
「ああ、久しぶり、近況を聞きたいところだが先ずは少し話しておきたいことがある。」
そう呟いた。近況報告よりも話しておきたいこととは何なのか、ティーレは少し気になった。
「それで閣下、その耳に入れておいてほしい情報というのは?」
「ああ、先日から北方連合の子達が行方不明になってしまってな。もしもがあるわけ無いかもしれんがもし見つけたらそっちで面倒を見てやってほしい。」
「北方連合の子、ですか.....。」
「それでその子達の名前は何にゃ?」
「ああ、今のところ分かっているのは【ガングート】と【パーミャチ・メルクーリヤ】だ。また行方不明の子が出たらこちらから連絡する。」
「了解しました指揮官。しかし、なぜこんな唐突に?」
ティーレがそう返す。ハーディと明石も納得がいかない様子で頷いていた。それもその筈。普段は警備はしっかりとしていてよほどの事がない限りは行方不明何て事は起きないはずなのだ。三人は意を決して指揮官に聞くことにした。
「・・・・・指揮官、まさかとは思いませんが変なことにはなってないですよね?」
「・・・・・捜索部隊が二つ未だに戻ってきてない。」
その一言でティーレの顔が歪んだ。
「・・・・・・。」
「該当海域は当時嵐になっていたらしく通信も見込める状況じゃなかった故にもしかしたら行方不明になった連合の子達と一緒にいるかもしれん。その時は北方連合の子達と同じくよろしく頼むよ。」
「・・・で、その艦隊の子達は一体。」
「・・・第一艦隊は鉄血と連合で編成された小型の偵察艦隊だ。内、【ハンター】【レーベレヒト・マース】【ニーミ】【ジャベリン】が行方不明になっている。」
「・・・・仕組まれたかのごとく私とハーディの姉妹艦ですねそれ。」
「彼女達が自ら進んで買って出たんだ。もしかしたら嵐が吹いて姉達のところに行けるかもしれないって。」
「・・・・ティーレちゃん、私思ったことがあるんですよ。」
「ハーディさん、私も何となく同じこと考えてる気がします。」
「「バカなんじゃないんですかね....。」」
ハーディとティーレは共にがっくりと項垂れた。明石はそれを見て密かに笑いをこらえている。
「それで、だ。問題はここからだ。第二艦隊は主力を集めた艦隊なんだが.....。」
「が・・・・?」
「内、【ビスマルク】、【長門】、【江風】と通信が途絶している。」
「「ブフゥ!?」」
「鉄血と重桜の指導者、とその護衛まで!?!?」
「ああ、一応エリザベスとエンタープライズこそ戻ってきたんだが途中の嵐で見失ったらしい。」
「・・・・分かりました。いくら私とて鉄血のビスマルクを失うわけにもいかないですしこちらでも捜査網を使って調べてみます。」
「ああ、早めに頼む。」
「では、早速捜査網を使って捜索にはいるのでこれで通信を終わりますね。」
「おう、今後も気を付けてな。」
そう指揮官が言うと通信はそれっきり切れた。切れたモニターを見て三人はため息をついた。
「・・・レーベ君ニーミちゃん、そしてビスマルクさん....もし来てたら....。」
「・・・はぁ、ヴィンセントに何とかしてもらいましょう。現状はそれしか頼みの綱が無いですし。」
「明石も何らかのレーダーを作って特定を急ぐニャ。」
そう言って三人はそれぞれの行動に入った。
一方、そのころ、ブリッジにいたヴィンセントは珍しく顰めっ面だった。
「・・・・お兄ちゃん、どうしたの?」
「ああ、クロエか。これを見てくれ。」
「ん?これって....。」
「ああ、間違いない。亡国企業の襲撃計画の詳細だ。ルリがネットデータベースを漁ってたら入手に成功したらしいが。」
「グレミーに警護を要請する?」
「それもありだが....俺たちが実際にそばにいた方がよっぽど安全だろ。監視カメラはペイたちに任せればいいし、最悪降下してきてもらえばいい。」
「じゃあ今のところ方針としては。」
「様子見だな。」
ルリが極秘で入手した企業の計画。着々と進められている計画を知ったヴィンセントたちもまた対策を練り始める。と、そこに。
「あ、ヴィンセントさん!」
「ん、ハーディか。どうしたんだ?」
ブリッジにやって来たのはハーディだった。だが少し焦っているようにも見える。
「実は.....。」
ハーディは事の経緯をこと細やかに話した。それを聞いたヴィンセントはなにか思い当たる節があるのか席をたつ。
「んー...そういう手なら一番手っ取り早い方法ならあるぞ。」
「本当ですか!?」
「ああ。生徒会室に行くぞ。」
「あっ、はい!」
クロエも無言で承諾すると三人はブリッジを後にした。
「はぁ.....。悩みの種が増えた....。」
そう愚痴るのは楯無である。目の前には書類。それ以上に楯無はある悩みごとを抱えていた。
「新しくやって来たロシアの代表候補生、うちが面倒見ろって....何なのあの子、ものすごく相手を見下してるじゃない。何であんなのを採用したのよ政府は....。」
楯無が愚痴っていると生徒会室のドアが振動する。楯無はそれを聞くや否や態度を変える。
「誰かしら?」
「ヴィンセントだ。諜報網を貸してほしくてな。」
「・・・・・中に入ってちょうだい。」
合図をもらったヴィンセント達が中に入ってくる。それには普段はいない一人の姿もいた。
「あら、あなたは昨日の。」
「ああ、ハーディだ。いまは緊急を要する事態だから後にしておいて。」
ヴィンセントがジェスチャーでどかすようなしぐさをする。そしてそれにクロエが続く。
「単刀直入にいうね?今諜報網の中に不穏な動きとかを掴んだ形跡はある?」
「・・・・・答えはと言われるとYESだけど、その内容までは教えられないわね。・・・・悩みを解決してくれれば吝かではないけど。」
「悩み?」
「ええ。つい最近決まった新しいロシアの代表候補生がついこの前ここにやって来たんだけど相当な曲者で手に追えなくてね。」
楯無が呆れた口調でいうとヴィンセント達も困惑した表情でいる。楯無はそれを放って話を続けていく。
「まあ具体的にどんなのか、といわれるとあれだけど端的にいうなら【煽り】をする子って事ぐらいなのよね。」
「ちなみに名前は?」
恐る恐るヴィンセントが聞くと楯無は溜め息をつきながら、
「【宮地 理巧】よ。日本で生まれたけども育ちはロシアっていうちょっと特別な系列を持った子よ。経歴も洗いざらい調べたけどロシア海軍の艦長をしていたってことぐらいしか情報はなかったわ。」
「「「(((ん?ロシア海軍の代表候補生?宮地理巧?)))」」」
三人はどこか考えたことのある経歴を思い出すが、まさかそんなことはないだろうと切り捨てた。そしてハーディが、
「今はどこに?」
「たぶん今はアリーナで一年相手に煽ってるんじゃないかしら?」
「もしかしたらもしかするかもしれんな....とりあえずありがとう楯無。何となく手がかりがつかめた気がする。」
「・・・・?まあ手がかりになったなら良いわよ。」
「多分その煽りとやらも止められると思うしな。」
「え?」
「・・・その、かなり心当たりしかないんですよめちゃくちゃ。」
「ふぁ?」
三人の言ってることが全くわからず唖然としている楯無だった。
「な、なんなのよこの子....つ、強すぎないですか!?ゲフッ。」
一人愚痴る少女の前には自分のISを踏みつけている白いISを纏った少女が一人。
「ざぁこ♪私より弱いって何事ぉ?それとも私、実は強いって事ぉ?」
「・・・・うう、・・・うわぁぁぁん!!!」
しまいには泣き出してしまう始末。にも拘らずドスッ、ドスッと踏みつけていく少女。そしてそれを見ている.....。
「あ、はいビンゴですこれ。ほぼほぼ確定じゃないですか。ハーディ、ちょっくら冷やかしてきます。」
「あ、言ってらっしゃい。」
ハーディが手を降ると同時にティーレが少女の前にたった。
「何よ、あなた。邪魔よ。」
「心外ですね、【イヴァン】。」
「なによ、私には【コミンテルン】という名前が......はっ!?」
あせる少女にティーレは自信満々に、
「引っ掛かりましたね?北方連合の【パーミャチ・メルクーリヤ】。」
To be continued.....
パーミャチメルクーリヤちゃん、参戦。
(´・ω・)っスッ
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