「ふぅん、何故バレたかは分かったとして、あたしをどうするつもり?」
「いや、別にアクシズで保護するだけですけど......。」
「?あたしロシアの国家代表候補よ?そんな簡単に.....。」
声を籠らせるメルクーリヤを前に焦れったくなったヴィンセントはスマホを手に取るとあるところに電話を掛ける。
「よう、俺だ。お偉いさんに電話を繋げてくれ。・・・ああ、代表候補生のことだ。」
ヴィンセントがかけた相手はロシアの政府。何故そんなところの連絡先を持っているのかは定かではないが二人は困惑していた。
「ああ、アッスー久しぶりだな。・・・・んでだ、代表候補生のメルクーリヤのことなんだが....ああ......おーけー、じゃあそれで成立だ。んじゃ。」
そう言って切ったヴィンセントは再び二人の前に戻ってくる。
「よし、メルクーリヤに臨時指令を預かってきたぞ。」
「ふぇッ!?」
唐突なお偉いさんからの指令に驚きを隠せない二人だがヴィンセントはそれを気にせずもくもくと読んでいく。
「パーミャチ・メルクーリヤちゃんへ、この度国家代表候補生の座を剥奪するものとする。」
「!?!?!?」
さらに突然の失職により固まるメルクーリヤ。
「嘘、どういうことよ!?さっきので切り捨てたの!?」
「まあ待て、まだ続きがある.....。【なお、その剥奪に伴い新たに政府大統領直属の護衛兼外交長官として任ずる。よって配属はアクシズロシア支部になる。】」
「大統領直属護衛!?そ、それって....。」
「ああ、俺の親友でロシア大統領のアスちゃんからのお墨付きさ。」
ヴィンセントがメルクーリヤに伝えた言葉。それはすなわち出世の言葉でありアクシズ所属を認める言葉。メルクーリヤは訳もわからず固まっている。
「はぁ、ホントにあの人は突然の思い付きが得意ですね....。」
「ブラちゃんに似てるのかもね。とにかく、メルクーリヤ。取り敢えずティーレにも会わせたいから本部に行くぞ。」
「えっ、あ、はい!!」
あわてて走り出すメルクーリヤを尻目にヴィンセント達は新たな仲間を紹介すべく本部へと戻っていくのであった。
そして時は満ちて文化祭当日。一夏は料理人として厨房に、ティーレとハーディはメイドとしてウェイトレスに、そしてヴィンセントとクロエは会計係としてそれぞれの任をこなしていた。因みにクーはあまり人通りが多いのは苦手ということでアクシズ本部でペイ達と共に警備体制の確認をしてくれている。
「いやーしかし、俺たちを呼んでくれるとは思ってもなかったな。」
「仕方無いだろ、呼ばないとクロエが暴走するんだから。」
「殺りあったマルコシアスの全員とはまだお話ししてなかったからね。」
「それに、今回は例の奴等も動き出すという情報を抑えている。それならば戦力は多い方がいい。」
ヴィンセントはそう言いながら目の前にいるメンバー....【ダグ・シュナイド】、【アンネローゼ・ローゼンハイン】、【プルツー】、【エルピー・プル】に話す。他にもメンバーはいるが今回は他のところを回っているので不在だ。そう言いつつも優雅に紅茶を啜っている四人の長でありアクシズの総司令とも言える【グレミー・トト】だったが、しかして全員その動きを見尽くしていた。
「・・・・・あの巻紙礼子ってやつ、かなり怪しいよ。」
「やっぱ感じるか?」
「ええ、私と姉さんで見張るわ。なにかあったらこちらから連絡する。」
「ああ、頼むよ。」
そういうとプルツーとプルは一夏に声を掛けたあと出ていった巻紙の後を付けるためにその場をあとにした。残った面子はテーブル席でのんきにランチを食べようと必至にメニューを見ているが.....。
「・・・・そういえばなんでマリーダ連れてこなかったんだ?」
「・・・・アイツなら今ドイツで保護したホムンクルスとやらの世話に明け暮れているよ......。」
「ホムンクルス.....?」
「ああ、束の見解曰く【ISに乗るためだけに作られた人間】って感じらしい。保護するのも一苦労したよ....。」
「アハハ.....。」
苦笑いをすることしかできないヴィンセント。その隣でのんきにサンドイッチを頬張るダグとアンネローゼ。因みに会計中に喋っていたりするのでかなり迷惑だったりするのはここだけの話。
「ほい、お釣りの200円な。またあのカフェ来ますよ。」
「そうしてくれるとありがたい。ついでに今度レウルーラごと持ってきてくれてもいいんだがな。」
「何故?」
「俺のイフリートを改修に回したいんだよ....。」
「ああ.....。」
「分かった。近日中に回収する手筈を整えておこう。」
「そうしてくれ。じゃ、ヴィンセント、また来るぞ。今度は互いに勝負でもしたいがな!ハッハッハ!」
「クロエガボウソウシナイテイドニオネガイシマース.....。」
苦笑いでこれまた送り出すヴィンセント。と、そこに連絡が入る。
「どうした?」
「動いたわ、巻紙が。」
「!!!!!!!」
連絡を聞いたクロエとヴィンセントの目が一気に変わる。
「一夏は!?」
「大丈夫、ISを剥離させられる前にファンネルでスタンさせたから。けどそろそろ解ける....。」
『ほう.....俺様がスタンしてる間に連絡とはいい度胸じゃねぇか....!』
「...悪いなヴィンセント、もう解けたらしい。」
「すぐ行く!」
「ああ、頼む!」
そう言い残すと連絡は途絶えた。その数瞬後、爆発音があちらこちらから鳴り叫ぶ。ヴィンセントは真っ先にクーに連絡を繋いだ。
「クー!状況は!?」
「内部からの爆発が6箇所、さらに正面海域から駆逐艦4、巡洋艦2、戦艦1です!照合結果、駆逐艦はイギリス海軍の【B級駆逐艦】、巡洋艦はアメリカ海軍の【クリーブランド級巡洋艦】、戦艦はドイツ海軍の【ビスマルク級戦艦】と断定!」
「多国籍軍かよおいおい.....。」
「どうするお兄ちゃん?」
クロエが指示を待つかのごとくメガビームランチャーを片手に待っていた。対してヴィンセントは、
「此方はプルツー達の援護に向かう、あっちはティーレとハーディ、そしてメルクーリヤに任せるぞ。.....聞こえたなクー、三隻の緊急展開準備、及び戦艦ティーレの全指揮権を臨時でお前に渡す。この学園に一歩たりとも近づけるな!」
「了解です!」
そう言い通信を切る。ヴィンセントも自分のメガビームランチャーを展開すると、
「さあ、俺たちの戦争を始めよう.....。」
ここに、第一次学園襲撃戦は始まった。
To be continued.....
次回は戦艦同士の戦いかな?
(´・ω・)っスッ
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