第81話 インフレって時代を感じるよね
「キャノンボール・ファスト?」
教室に響くクロエの声。
「ああ、純粋な機動力を競いあう競技だが今年は専用機もちが多いためグループをいくつか設定して行われることとなった。」
「あれ、でもそれって私達のトーリスが全部優勝かっさらって行っちゃうよ?」
「・・・・・・その問題でいま悩んでいるんだろう。」
そう、千冬がここまでごもっていたのはアクシズ所属のISであるトーリスシスターズの存在だった。クロエ達の持つISの機動力は他の機体とは一線を帰すもので一瞬にして他の機体をおいていってしまうほどに早いのである。
「機動制限もあれで最大なんでどうすることもできないってのが実情なもんで.....。」
「でも私たちのぺリオンやハナヨ達のアストレアとかは自由に出力を変えられるけど....。」
「いやね、別にやろうと思えばやれるんだけどそうなると根本的なシステム関係とかスラスター効率の調整やら、HADESも弄くらないとならないからどうあがいても御手上げなんだよね....。」
「仕方ない...一般の部と専用機持ちで分けるしかないか....。」
「せめて三週間くらいあれば初期の頃に使っていたギラドーガとジムスナイパーⅢを再生産・組み上げることができるんだけどなぁ.....。」
ふと述べたその言葉を千冬は見逃さなかった。
「ふむ......権限でそれくらいならずらせるが、出来るか?」
「設備は宇宙のアクシズと地上の本部で分割作業でやればギリギリ試合前に再生産は終えられるかと。」
「分かった諦めるから取り敢えず対策はしてくれ....。」
「りょーかいです。」
そう言うと千冬は元の口調に戻す。
「では一時間目は実技だ。遅れるなよ。」
そう言い千冬は教室を後にした。
その放課後のことである。
「・・・-とまあそういうわけなんだが、博士と協力して急ピッチで再生産、出来るか?」
『うーん....やれないことはないと思うけどほぼほぼ間に合わないわね.....。』
「仕方ない....こっちで対策は考えておくか....済まなかったな。」
「いえ。あ、そういえば、近いうちにZⅡ、ロールアウトするんで受領準備しておいてください。」
「速いな?」
「現物はあったんで本人の要求通りに調整するだけだったので。」
「因みにどんな感じなんだ?」
「取り敢えず主武装に連装メガビームランチャーを肩に一対四門....。」
「おいまてやこら。」
「ん?何でしょう?」
「個人としては連装されてかつ四門搭載したメガビームランチャーの真意を聞きたいんだが?」
「本人がミサイル打てないなら打ちきり武装連装化させて装備させろと仰ったので。」
「おーけーティーレが取り敢えずロマン派なのは分かった。」
なんとティーレ、ロマンに憧れていた模様。ヴィンセントは再びため息をついた。
「取り敢えず搬入を急いでくれ。流石にISに艦は火力がな、今は既存の武装を改良してなんとか通用するようにはしてるが所詮間に合わせだからな。」
「ハイハイ了解~っと。それじゃ、また今度に。」
「ああ、頼む。」
通信はそこで途切れた。やれやれと言った表情をしているヴィンセントだったが、今は目前の問題を解決すべくヴィンセント達の機体を格納しているハンガーへと足を運ぶのだった。
その頃、一夏達は各々キャノンボール・ファストに向け準備を進めていた。
「ここの出力配分を変えて瞬間加速度を従来より5割増しにして.....。」
在る者は機体出力配分の調整に明け暮れ.....。
「その部品は此方にお願い致しますわ。スラスター配置を間違えずにセッティングする為にも.....。」
在る者は機体改造に明け暮れる。そしてまた、この7人も......。
「おーい、そのプロペラントタンクをしたに調整してくれー。」
「何だかんだでやる気なのね?」
「やるからにはな。HADESを使えない以上は最高速をどれくらい長く出せるかの勝負になる。ならば一番の最善手は燃料を増やす。これに限る。もともとトーリスは格闘機だ。素でプロペラントタンクを積んでいるが増やすに越したことはない。」
慣れた手つきでパイプと接続するその様はメカニックそのものである。それを見ていたハーミヤ達は火が付いたのか負けじとドライヴの出力をあげていく。これは以前救援に来たフォン達から教わったものらしいが詳しくはフォン達も知らないらしい。
斯くして、来る日まで各々は牙を研ぎ続けるのであった....。
そして、彼女達は知ることとなる。
クロエとヴィンセントが無惨に散るのを。
To be continued........
かなり謎な伏線を残しますた。
ここから次回策である黄泉の騎士達への伏線が張られていきますよ?
(´・ω・)っスッ
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