イナズマイレブン 光のファンタジスタ   作:suryu-

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さてさて、なんとか書き上げました。十五話目かな?

どうも、suryu-です。

さてさて、木戸川清修ですが、今回も投稿キャラを参戦させております。
というか、ぶっちゃけた話そうしないと木戸川清修が余りにもかませすぎて辛かったです。いや本当に。
と言うことから頂いたキャラを使うとあら不思議。白熱した試合になって書く量二倍。二話分に試合を分けて書こうということに。
因みに前々回で出させて頂いたキャラ。花月紫蓮はバイスロイ様。舞鶴くるりは通りすがりの猫好き様から。今回のキャラは奇稲田姫様。愛称姫様からとなっております。
それでは今回もごゆるりとなさってください!


準決勝。木戸川清修!

■【三人称】■

 

 

 

「……フィールドの魔術師。一之瀬一哉に、光のファンタジスタ。八神龍斗。八神龍斗の最高の相棒。魂魄妖夢。天才ゲームメイカー。鬼道有人。炎のストライカー。豪炎寺修也。……エミルはどう見る?」

 

「はっ、骨董品……と言えりゃあ良かったんだけどな、なかなかに手強くなってやがるな。兄貴」

 

木戸川清修。その学校に在籍する兄妹の、霧雨裕也と霧雨エミルは、転入生ながらもサッカー部のエースと言っても差し支えなかった。

イタリアでは黒い流星と呼ばれた兄裕也と、フィールド上の白い悪魔と呼ばれた妹エミルは、FF準決勝までにその実力を発揮してきた。

だが、その二人は雷門の五人を警戒している。その事に、キャプテンの武方勝は苛立ちを覚えていた。

 

「おいおい、逃げ出した豪炎寺クンに、必殺技も打てない過去の人。八神龍斗。その付き人の魂魄妖夢。同じく過去の人の一之瀬一哉。既に負けた帝国の鬼道有人なんかは、もう目じゃありませんから。みたいな?」

 

「おいおい、嘗めてかかるんじゃねえよ。アイツらの。特に、八神龍斗の強さは普通じゃねぇ。……この間の試合までの雰囲気と、全く違うんだよ」

 

「……同意。彼奴は、強い」

 

「はぁ? 裕也もエミルも、何を言ってるんだ? みたいな」

 

武方勝は、全国でもトップレベルの木戸川清修のキャプテン。勿論実力もハッキリしている。

そして霧雨裕也と霧雨エミル。この二人は勝も実力においては信頼するプレイヤーなのだが、その二人が嘗てこのチームに居た豪炎寺修也。更には、雷門の八神龍斗等も褒めている事に、言いようの無い憤りを感じていた。

 

「……木戸川清修のエースは俺達だっての。みたいな」

 

勝が呟く中で、エミルと裕也は龍斗を眺めていた。その瞳に映る龍斗は、何処か穏やかな姿勢の中に、強い感情と力を秘めているようにしか見えなかった。

だが、二人にとってはそれは燃え上がる要因にしかならない。

敵が強ければ強い程、自分達が強さを示す事が出来る。そう思えば、丹念にストレッチをして、軽く走り体を温めながらも闘士を滾らせていた。

 

 

 

■【八神龍斗】■

 

 

 

「落ち着いたか? 龍斗」

 

「大丈夫です。豪炎寺さん。もう行けますよ」

 

僕はあれから妖夢と音無さんに対して何か恐れていたような気がしつつも、フィールドに立った。

風は少し吹いている程度だから、シュートに影響はあまり無いだろう。

試合が始まるまでに相手フィールドを確認すると、予想もしない人物が居た。

 

「……あれは、イタリアのジュニアリーグの?」

 

あの黒髪でスカーレットの目を持った男と銀髪のマリンブルーの瞳を持った少女の二人はどうにも見覚えがある。

一之瀬さん同様嘗ての機会で出会った二人なのだが、世界で活躍するプレイヤーということから警戒する。

三つ子のFWも気にはなるが、警戒すべきはあの二人。特に妹のエミルだ。

 

「噂通りなら、確かな策略家。となると、鬼道さんと僕の、二人で対抗策を建てる必要がある」

 

「……お前もそう思っていたか」

 

「鬼道さんも、ですか」

 

僕と鬼道さんはお互いの意見が合致していると分かれば、頷き合う。

さらに。その後に考えている言葉も同じだろう。僕はファンタジスタとして直感的に。鬼道さんがゲームメイカーとして理論的に出した答えが合致する事は有り得なくないのだ。

 

「前半は様子見。ですね。恐らく向こうは勝利の為に飛ばしてくる」

 

「その通りだ。……恐らく俺とお前の二人ならば何とかなるはずだ」

 

「そこに妖夢や豪炎寺さんを足し算すれば……」

 

「後半が勝負。だな」

 

そして、僕達ボールでキックオフ。相手陣地に向かおうとすると、いきなり相手の警戒すべき兄妹の妹のエミルが突っ込んできた。

ここはかわすべきだろう。そう思って個人技を使おうとした時だった。

 

「おっと、こっから先は通行止めだ! マジシャンズボックス!」

 

「っ、いきなり必殺技か!」

 

僕とボールがボックスにつつまれたと思ったら、相手の警戒すべき兄妹の妹。エミルと位置が入れ替わる。

最初から必殺技を使うあたり、全力で倒しに来ているのだろう。全国トップレベルの木戸川清修が初出場と言っても過言ではない雷門に、全力というのも普通ならおかしい気がするが、今の雷門のタレントは揃っている。

つまり、様子見を感じた霧雨兄妹の妹エミルは、それを利用して前半のうちに得点差を広げに来た。という事だ!

 

「栗末さん! 壁山さん! 挟んで!」

 

「は、はいでやんす!」

 

「はいっす!」

 

「ジャッジスルーX! 邪魔だ邪魔邪魔ァ!」

 

守備の指示をすると、栗末さんの懐に潜り込んで帝国のジャッジスルーのように、まずは一回ボール越しに栗末さんを蹴って浮かせた後に、横から見るとXになるように蹴り落とす。強化技かと理解しながらもフォローに回ろうとする。けど!

 

「っ、まずい。霧雨裕也がフリーにっ……」

 

「兄貴! 受け取りな!」

 

「……おう!」

 

エミルから裕也に素早いパスが行われると、裕也は左足を上げる。まさか。いや、そのまさかだ! あの必殺技を使う気だ!

 

「決める……。貫きしは……勝利への……志!いくぞ! オーディンソード!」

 

「っ、ゴットハン……なに!?」

 

左足を振り降ろしたと同時に放たれたそのシュートは、剣となって物凄い速さで円堂先輩の横を通り過ぎる。

恐らく威力は無視で速さのみを追求して必殺技を出させないようにしたのだろう。それだけのプレーが出来るこの兄妹は、やはり驚異的だった。

 

「へへ、八神龍斗。鬼道有人。ウチの策略も悪くないだろ? ……様子見で来るって思ってたぜ」

 

「全くだ。……霧雨エミル。流石と評するしかないな」

 

「僕もここまでは予想出来なかった。けど……まだまだ始まったばかりだ。勝負は分からないよ」

 

「そうこなくっちゃな! 八神龍斗! 戦えて嬉しいぜ!」

 

「……エミルがここまではしゃぐのも珍しい。だがそれでいい」

 

「裕也さん。この一点の借りは返しますよ」

 

そしてすぐさまボールをセットしてプレーを再開する。ここまでやられたら様子見はなしだ。僕も全力でプレーをしなきゃ、無礼だから!

 

「八神! 切り崩せ! そして、お前の星の感覚が掴めたら!」

 

「分かってますよ!」

 

勿論僕はこのままでやられるつもりは無いし、それにこの先で何をしたらいいかは見えてきている。

やるしかない。じゃなくて、やるんだ。僕のプレーは楽しさから。想像から生まれるんだ!

 

「八神!」

 

「だからっ、分かってます!」

 

そして後ろから聞こえてきた、頼れるあの先輩の声。妖夢の時のように僕が惹き付けられたこの声は、ボールを求めている。

瞬時に反転すれば土門さん。一之瀬さん。円堂先輩の三人の真ん中に落とす。

この体制は見たことがある。一之瀬さんから聞いた事がある。この必殺技は!

 

「トライペガサス!」

 

三人がクロスすると共に空を駆ける天馬が生まれる。やっぱりこの必殺技だと理解したと同時に天馬は相手ゴールへと迫る。そして。

 

「タフネスブロック……うぁあ!?」

 

ゴールキーパーの鍵をこじ開けるとゴールに突き刺さる。フィールドの魔術師は未だ衰えず。あとは、僕と豪炎寺さんが決めなければ。そう思ってプレーするも、結局その後点差が動くことなく、前半を終えるのだった。

 

 

 

■【三人称】■

 

 

 

「ちっ……結局俺たちじゃなくてエミルと裕也かよ。みたいな」

 

「兄さん。仲間を恨んでも何もありませんよ」

 

「そうそう。結果一点は取ることが出来てるんだしさ」

 

「……そりゃそうだけれども」

 

木戸川清修ベンチ近くでは、他のチームメイトから離れて三兄弟が会話していた。エミルと裕也が周りから褒められている中で、武方三兄弟の勝は他の皆に何も言われることもないこの時を、とても嫌っていた。

無論。勝達三兄弟もシュートを決めているが、褒める対象になるのが霧雨裕也と霧雨エミルの二人。勝自身にはあまり無かったのだ。

実力は信じている。勿論それ相応のプレーを二人はしている。だが、勝自身が日の目を見る事がないのはどうにも不快だった。

 

「……納得いかねぇ。何であとから現れたあの二人が」

 

「兄さん……」

 

木戸川清修のチーム内は、今割れつつあることがこの時点で察せるだろう。それ程に確執が広がり始めていた。

一方のエミルと裕也は、仲間達に褒められながらも次の戦術を考えていた。前半リードで折り返す事を前提で動いていたのだが、頭の得点の取り合い以降はお互いに守備も固くなり、点を取れなかったのだ。

 

「皆。雷門は予想以上に強い。ウチらで崩せるかと思ったが、向こうには良い守備も居る」

 

「だよな……おまけに、鬼道と八神の二人に豪炎寺が出てるから、その辺りがシュートを打ってくると思ったんだけど」

 

「まさか、キーパーが自らシュートに来るとは思わなかったな」

 

「だよな。あれは、ウチも今までの試合を見ていたけど、此処でもリスクを取りに来るとは思わなかった」

 

エミルと木戸川清修のチームメイトたちはホワイトボード片手に後半をどうするか考えている。その中には武方三兄弟が居ない。その事を気にする人物もいた。

 

「……このまま崩壊しなければいいが」

 

それは、木戸川清修の二階堂監督だった。彼は元日本代表のプロサッカー選手で、紆余曲折ありながらも木戸川清修の監督となっていたのだが、武方三兄弟の事については迷いが生まれていた。

 

「豪炎寺が去った時。事情を知らない彼らは怒り、それから彼を越せるよう特訓をした。勿論実力も高くなった。だが……」

 

そこまで呟くと、エミルと裕也を見た。二人は和気あいあいと仲間達と共にどう攻め勝つかの相談をしている。

それは別に悪いことではない。悪いことではないのだが。

 

「チームメイト達は、勝達を見ていない。後から来たトッププレイヤー達しか見えていないんだ」

 

実際二人の経歴はとても優秀で、サッカー部に入ってからもその実力を見せつけていた。

個人プレーもチームプレーも。司令塔までもこなすこの兄妹はとても優秀で、チームを導き始める。

だが、それはチームの中心だった武方三兄弟の場所を奪ってしまった。そこから恐らく勝は反発心を覚えたのだろう。

 

「……この試合。間違いなく荒れるだろうな」

 

空は蒼く晴れやかなのに、二階堂監督の心は晴れない。まさに、曇天の模様を感じ取っていた。

 

 

 

■【魂魄妖夢】■

 

 

 

「それでは後半は私の出番という事ですか」

 

「そうだ。八神をサポートしてくれ。俺の見立て通りなら、もう完成しているのだろう?」

 

「……あー、流石鬼道さん。バレバレですね」

 

後半はどうやら龍斗さんを起点にゲームを作る。その一言で、チームの意識は決まりました。

このバレバレという事は、恐らく必殺技の事。龍斗さんにはあの必殺技がありますから、それを披露するタイミングという事なのでしょう。

 

「見せてもらおうか。お前の力を」

 

「勿論。やらせてもらいますよ。僕と妖夢のコンビで、一点もぎ取らさせてもらいますよ」

 

「ふっ、頼もしい限りだ」

 

「……龍斗さんに、期待されている。なら、応えないとですね」

 

私はスパイクを履き直すと共に、フィールドを見る。龍斗さんの本当の意味での復活試合。花のように彩ってみせねば。

私が思考を回していると、龍斗さんは私の肩をぽんぽんと叩いた。

 

「あんまり気負わないで。いつも通り行こうよ」

 

やっぱり龍斗さんには敵いませんね。でも、これでいいんです。私も楽しみになってきました。

 

「……ふふ、全力でいきますよ!」

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