イナズマイレブン 光のファンタジスタ   作:suryu-

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 まずは皆様。多大に遅れてしまい、申し訳ございません。

 どうも、suryu-です。

 スランプからなかなか抜け出せずに、ちょこちょこ書いて、投稿した今話ですが、いやはや、世宇子中の話を分割して書くのは決めてたけど、イナズマイレブン1が何時になれば終わるのか。と自分で書いていて、先が読めなくなって青ざめたのは大変な思い出。
 ですが、少なくとも1は完結出来そうなので、このまま頑張って、執筆を続けたいと思っています。
 因みに閑話となりますが、ロシアワールドカップ。フランスが優勝しましたねぇ。元からフランスは強い国ですが、まさか二回目の優勝を果たすとは思いませんでした。今年のフランスは、とても強かった。
 そんな熱を、この小説に活かせるように、頑張りたいと思います。皆様。感想などなど、お待ちしておりますので良ければという形でお願いします。

 では、長々と語ってしまって失礼しましたが、今話をどうぞ。ごゆるりとなさってくださいな。


世宇子中の秘密? 探ります!

■【音無春奈】■

 

 

 

「皆さん、攻めきれませんね……」

 

「それどころか、怪我人が増えてきてる」

 

「いい状況でないのは確かね」

 

「守君も、大丈夫かな……」

 

「龍斗さんは違和感を感じているみたいですが……」

 

 私たちは今、八神さんや豪炎寺さん。キャプテン達の苦悩する姿を見ていました。

 試合は世宇子中がリードしたまま。お兄ちゃんと八神さんが統率をとって、守備陣の意識を変えて、なんとか守りきっている。

 でも、なんだろう。なんだか違和感が拭えない。さっきから、世宇子中は度々呑気に水分補給をする。わざとボールを外に出してまで。

 

「……もしかして、あの水になにか秘密があるのかな?」

 

「水?」

 

「そういえば、こまめに水分補給してるけど……少しおかしいわね」

 

「ボールをピッチの外に出してまで。……何かあるのかな?」

 

「確かに、少し気になりますね」

 

 私。木野先輩。夏未さん。冬花さん。妖夢さんの五人娘は、やっぱりあの水が気になる。という意見で一致した。

 と、なれば。やることはひとつしかない。皆で目線を合わせては頷いた。

 

「ハーフタイムの時、私たちで探りましょう!」

 

「私も、試合に出る事になるでしょう。皆さんのためなら、少し調べないと気がすみません」

 

 私と妖夢さんの言葉を聞いて、夏未さんも木野先輩も冬花さんも頷いてくれた。そうと決まれば!

 

「あとすこしでハーフタイムです。頑張って見つけましょう!」

 

「はいっ」

 

「うんっ」

 

「仕方ないわね」

 

「うん、やろう!」

 

 私達の意識がひとつになれば、五人で頷き合う。どうにかして、秘密を探らないと!

 

 

■【影山零治】■

 

 

「……やはり、か」

 

 あれから、八神龍斗の試合途中の様子を見ているが、あの頃から変わらない、希望を孕ませる。そんなプレーのままだった。

 どうしてだろう。なぜ私は父のことを、八神龍斗を見て思い出すのだろうか。

 私は、嘗てサッカーに絶望し、サッカーを憎み、円堂大介をも手に掛けた。……そのはずなのに、八神龍斗の試合は。ピッチでの様子は。私の目を釘付けにさせる。

 

「……あれ程の選手。私の手で育てたい。そんな意識があるのかもしれないな」

 

 そして、それだけじゃないことを把握もしている。ファンタジスタとして、圧倒的な閃きを見せるだけでなく、フィジカルも強く、視野も広い。

 まさに、父のプレーと同じなのだ。……まるで、私をサッカーに対する絶望から、救い出そうとしてくれている。そんな気さえもする。

 そして、私はそれを拒もうとしていない。……何時だったか。子供の頃。思い返せば、私は父のサッカーに一喜一憂していた。そして、父が代表から落ちて落ちぶれた時。私は、悲しかったのかもしれない。父のサッカーが二度と見られないのか。と。

 だが、父と同じサッカーは、今もこうして私の目の前で行われている。奇跡のように、煌めいている。

 彼はまだ本調子じゃないにしても、ここまでのポテンシャルを見せ付ける。……私が今軍事研究のプロジェクトZとして、世宇子中の選手に飲ませている、神のアクアさえも跳ね返す。そんな気迫を感じた。

 

「……私は、彼に救われるのかもな」

 

 私は、神のアクアが無かろうと、世宇子中の面々が負けるとは思っていない。だが、心の隅で、八神龍斗が、私の想像を飛び越えてくれたら。そう思うと、胸の中が熱くなる。

 八神龍斗は、私の希望で救いなのだとしたら。……そう考えると、私は世宇子の面々達よりも、八神龍斗を眺め続けていた。

 あぁ、そうだ。私はこれを求めていたのかもしれない。見せてくれ、八神龍斗。私に、希望を。

 

「……今度ばかりは、真正面からの真剣勝負だ。潰す指示もない。……越えて見せろ、八神龍斗」

 

 

■【魂魄妖夢】■

 

 

 前半。龍斗さん達は、あれから零対二のスコアで、なんとか踏み止まって終わった。やはりというか、世宇子中の人達は事あるごとに、水分補給をしていた。

 なにか裏のありそうなその行動を探るため、今。マネージャーの皆様と私で、世宇子中のロッカールーム付近を、隠密行動していました。

 

「それにしても、妖夢さん。なぜ竹刀を?」

 

「これは私のもう一つの武器ですから」

 

「武器、かぁ」

 

「頼りになるわ」

 

「うん、とっても」

 

 音無さんの問いかけに答えると、秋さんや夏未さん。冬花さんも私を信じて、頼りになると言ってくれたこと。結構嬉しいです。

 さて、そんなことを話しながらも、ロッカールーム付近に居ますが……と、そこで二人の男性が話しているところを見て、私達は黙して聞き耳をたてました。

 

「神のアクアの効果は、余程すごいみたいですね」

 

「あぁ、雷門中を抑えるほどの力を見せているな」

 

「体力増強やその他もろもろ。色々な効果を、見せているみたいですからね」

 

 そこで出てきた単語。神のアクアというものに、私達は首をかしげたあと、数秒後に理解しました。

 神のアクア。つまり、それはドーピングする飲み物なんだと分かると、急いで雷門中のロッカールームに戻ろうとした時です。

 

「おっと、いけないなお嬢ちゃん達。雷門中の選手とマネージャーがこんな所で立ち聞きなんて」

 

「っ、見ていましたか」

 

 一人、ガタイのいい男の人が。私達の前に立ち塞がる。けど、私には幸いにも竹刀がある。

 一人相手なら、十分だ。間合いをとり、竹刀を構えると、男の人は笑った。

 

「おいおい、お嬢ちゃん。そんな玩具じゃ突破できると思うなよ? 剣道もろくに出来ないだろうしな」

 

「……そう思うのは勝手ですが、私は生憎負ける気はありません」

 

「妖夢さん……」

 

 じりじりと、お互い間合いを変える。そして、数秒したあと、男の人が仕掛けてきた。

 

「悪いが、沈みな!」

 

 だが、それは私の間合いだ。龍斗さんと磨いてきた刃は、サッカーだけじゃない。私の家に伝わる、剣術の流派。それこそ。

 

「魂魄流奥義! 人符 現世斬!」

 

 一瞬の一撃。私が切り抜ければ、男の人はドサッと倒れる。私はこのような、低俗な男に負けることは無い。龍斗さんしか、私の刃は止められないのだ。

 

「斬れば分かる。……貴方はその斬る事にすら値しない人でした。斬り捨て御免」

 

「す、すごい……」

 

「これが、妖夢さん……」

 

「想像以上、ね」

 

「ちょっと。かっこいいね」

 

 と、そこで、影からもう一人男性が現れました。が、それは知っている人でした。刑事の鬼瓦さんです。

 

「どうやら、俺が助けるまでも無かったか。やるな、お嬢ちゃん」

 

「龍斗さんと、鍛えた刃。錆び付いてなんかいませんよ」

 

「ふっ、そうか。高町さんとかが聞いたら、手合わせしたいと言いそうだな」

 

 そう言いつつも、男の人に手錠をかける鬼瓦さん。なんだかんだ、鬼瓦さんとも付き合いが長くなりました。

 私が怪我をした時に、裏事情に気づいた鬼瓦さんが、訪ねてきたことが始まりでしたから。

 

「鬼瓦さん。いつもありがとうございます」

 

「いいって事よ。さ、お前さんらは早く戻るといい。試合があるだろう」

 

「はいっ」

 

「響木監督にも伝えなきゃですねっ」

 

「ええ、そうね。行きましょう」

 

 こうして、私達は自分たちのロッカールームに向かって走り出す。役目を果たすために。そして、私は龍斗さんと同じ舞台に立つ為に。

 私は、龍斗さんと一瞬のピッチに立って、一緒にサッカーをして、世宇子中に勝つために!

 

 

 

■【八神龍斗】■

 

 

 

「そうか、そんな事が……お前達、よくやった」

 

 響木監督は、妖夢とマネージャーの音無さん。木野先輩。夏未先輩。冬花さんの五人で、世宇子中の強さの秘訣となる情報を手に入れてきた。

 神のアクア。所謂、ドーピングする薬品で、それを使って体力などの、底上げをしているらしい。

 もっとも、世宇子中の技術は本物であることから、元からとても訓練をしているのだろう。というのは想像出来るために、鬼に金棒とはこの事か。と、軽く考えることにした。

 むしろ、僕は久しぶりに燃え上がっていた。そんな相手を超えてこそ、サッカープレイヤーってもんでしょ。と考えれば、自然と笑みは出てくる。

 

「豪炎寺さん」

 

「どうした、龍斗」

 

 豪炎寺さんはきっと分かっている。分かっていて、僕に聞き返したんだと思えば、僕はきっとにこやかに笑っているはず。

 

「僕。楽しくなってきましたよ。……ワクワクが止まらない。だから、勝ちましょうよ。円堂先輩も、ね?」

 

「龍斗。流石だな」

 

「八神……そうだな。後先考えるより、今は前に進むべき!」

 

 僕達三人は拳を合わせると、三人同時に頷いた。僕達が言う言葉は、ひとつしかない。円堂先輩の口癖で、僕達が惹かれあった理由。

 

”さぁ。サッカーやろうぜ!”

 

 その言葉に、鬼道さんも、一之瀬さんも。他にも、壁山さん。土門先輩。染岡さんや影野さん。少林さん。栗松さんに、宍戸さん。半田さん。マックスさんや、眼鏡さん。妖夢。そして、音無さんも頷いてくれた。

 

「……よし、勝つぞ!」

 

”おう!”

 

 こうして、雷門イレブンは一致団結する。怪我で退場した人も。ピッチに残って戦う僕らも。全員一緒で、戦うんだ!

 だから、僕達は絶対に負けない。絶対に打ち勝って、優勝するんだ!

 

「妖夢。僕らならあの世宇子中を崩せるよね?」

 

「もちろんですよ、龍斗さん。皆様の為に風穴を開けましょう」

 

 僕と妖夢も、拳同士を合わせては、なんとでもなるさ。という精神で笑いつつも、ピッチに立つ。世宇子中の選手を見ても、負ける気が起こらない。僕達は勝つんだ。

 

「やけにスッキリした笑顔だね。神には適わない。というのに」

 

「やってみなければ分からない。それに、僕は……本気を出すだけだ」

 

 世宇子中のアフロディさんの圧迫感なんて、今はもう感じない。後半戦。ここからは、僕達の独壇場だ。零対対二なんて、すぐにひっくり返してやる。

 僕と妖夢は、視線を合わせて頷いた。それを見たアフロディさんは、何やら余裕そうな態度から、少しばかり変わった気もしたが、そんなのは関係ない。

 

「アフロディさん。ひとつ良いですか?」

 

「どうしたんだい? 八神龍斗」

 

「神なんて自称するものじゃあないし、それに、相手が神であろうとなんであろうと……僕の星は、勝てると信じてるから」

 

 その言葉に、アフロディさんはふふふと笑った。きっと、僕もアフロディさんも、同じことを思っている。

 

「だが、それでも勝つさ」

 

「お生憎。年季の違いを教えますよ!」

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