イナズマイレブン。私にとってはかなり懐かしい作品なので久しぶりにアニメなどを見直しながら書いているんですが、最近気付いたことが。
フットボールフロンティアって実は女性も参加出来るみたいですね。
というのも、2の白恋中は影山の手によりフットボールフロンティアに出てないだけで女選手が居ますし大海原中も宴会してたらフットボールフロンティアに出るのを忘れただけで女選手はやはりレギュラーにいます。
新作アレスの天秤もそれは変わらないようなので女選手もフットボールフロンティア系列に起用しようと思ってます。FFIも恐らくは。
まあこんな事言ってるなら続きを書いてろなんですがそれはともかくとして、4話目。お楽しみください。
■【八神龍斗】■
「それにしても、伝説のイナズマイレブンか」
御影専農の試合が終わった後に、僕は妖夢の言葉が気になりイナズマイレブンについて調べていた。
その記述は凄いもので、嘗て円堂大介という一人の男が作り上げたチームなのだが、負け無しと言われた最強のイレブンなのだ。
その伝説は輝かしく、円堂大介などが日本代表だった頃はまさに黄金期。後に雷門中の監督となった後も全国レベルの強さを持ったチームを作ったと言う話だ。
だが、四十年前の事件をきっかけに円堂大介は死亡となっている。それ以来ゴットハンドも日の目を見る事はなかったが……
「円堂先輩が、全てを変えた。か……まさにそうだな、確かに伝説の復活なのかもしれない」
話を聞けば帝国の練習試合にて完成させた技だと聞くからこそ驚きを隠せない。正に運命の技なのだろう。
ふと、そこで円堂という苗字が引っかかる。いや、引っかかるというよりは。
「もしかして。この円堂大介って円堂先輩の家族関連かな」
気にはなるのだが、それはそれとして置いておく事にした。他人の家族の不幸話など誰も喜びはしないだろうと自分の中で結論をつけて。
それよりも、サッカーボールを触らなきゃいけないな。と思考のオンオフを変えれば自分の部屋から出ると同時に、傍目から見て可愛らしい義理の妹に声をかけた。
「はやて。ちょっとボール蹴ってくるよ」
「お、龍にぃサッカーやるん? なら行ってきぃや。妖夢お姉ちゃんも喜ぶで」
「あはは。そうだね、そうだと思うよ」
妹のはやては自分がサッカーを久しぶりにやり始めてから、それは毎日楽しそうにしてくれる。
聞けば近場の海鳴市の友人にも話をしたらしいから、恥ずかしい部分もあるが、喜ばれるのは自分にとっても嬉しく思う。
「それじゃ、海鳴までドリブルかな」
玄関にあるバンダナを巻いた人と親しげな男の写真を見てから飛び出た僕は、ボールと共に駆け出す。家から海鳴市は程度よく近く、危ない道もない。こんな風にドリブルをしながら駆けるのは気持ちがいいのだ。
なんとなくだが走っていると、景色もいつもと違う面が見られる。
そんな中で見覚えのあるユニフォームを着た少年達がいるグラウンドを見つけた。
「確か、あれは海鳴kfcの……」
「おや、八神さんの所の弟さんじゃないか」
自分が見ていた事が分かったのか、若そうな男性が声をかけてきた。
自分は会釈をすると同時に、あれ。なんで名前をと聞き返しそうになるが、すぐに理解した。はやての友人の親御さんじゃないか。と気付いてから安堵しつつも一礼する。
「どうも高町さん。いつもはやてがお世話になってます」
「いやいや。家のなのはも面倒見てくれて助かるよ。それより君、サッカーを久しぶりにやってるみたいだね」
自分がサッカーをしていた話をしたっけか? 首を傾げたことで、ああ。と思い出したように高町さんは笑った。
「昔妖夢ちゃんと一緒にここでサッカーしてたよね? 自分は、その時からコーチだったのさ」
「成程。って、そうだったんですか!?」
そういえば昔も高町さんにそっくりな人は居たけれど。と困惑する。この人、見た目が年齢をとってないんじゃないか。そんな驚きを込めた言葉に高町さんは苦笑いした。
「まぁよく言われることだから仕方ないさ。君達が居た頃も、全国に行ってたから覚えてるよ」
「あぁ、それで。ありがとうございます」
どうやら、妖夢と自分の事を覚えているらしく少し照れくさい気もするが、それはともかくと話題を切り替えるようにサッカーボールを爪先で上げて手に取った。
「実は、サッカーに復帰するんです。だからカンを取り戻そうとしてて」
「なら、家の少年達に教えてくれないか? レアルマドリードに誘われる君なら、良いものを見せてくれるだろう」
「……はいっ」
だから、偶にはこんなのもいいかな。そんな風に考えながら僕は子供達に教師として教える事に専念した。
■【高町士郎】■
家にある道場にて、精神統一を終えた後にゆっくりと出来事を思い出す。
今日はあの八神龍斗君が久しぶりに海鳴kfcに顔を出してくれた。それは何とも感慨深いものだと自分は思っている。
そういえば、あの試合からもう一年以上は経っていたかとふと思い出した。
「あの試合は、酷かった」
口に出してその試合の事を思い出す。ハッキリとした事は言えないがあの時は何らかの圧力がかかって妖夢ちゃんにラフプレーを向けていたんだと思う。
あの試合の数日前に彼女は帝国学園というサッカーの名門校からスカウトを受けて居たのだが、龍斗君と共に行ける学校でサッカーをしたいと断った。
「その流れからして、だけど」
恐らく、そんな圧力を掛けたのがその帝国学園なんじゃないかという推測は自分の頭から離れない。
そして今また、龍斗君は帝国学園とフットボールフロンティア。略称FFの地区予選にて相対しようとしている。
先程見たニュースだが秋葉名戸は不正を働いたとして失格扱いとなっている。従って雷門中は決勝に進む事が確定している。もう一度想起するが相手は帝国学園に確定。そして、そのチームの監督名を見てから少し嫌な予感がした。
「影山零治。帝国学園の監督で政界にも通じている。か」
自分も昔の仕事で名前を聞いたことがあるがあまり良い噂はない。
表向きは優秀な指導者だが、確か雷門中の初代イナズマイレブンのメンバーでありながら一人事故に遭わなかった所かそのバスに工作したという噂がある。他にはフットボールフロンティアで帝国学園の敵になりそうな学校を潰しているというものもある。
さらには政界との癒着も囁かれている事から表裏が激しく違う人物なんだろうと推測出来る。
「多分だが、一波乱あるな」
こういう時の勘は大体が当たってしまう事からあまり言いたくはない。だが、もしそうなのだとしたら。
「久しぶりに御神としての仕事をしよう。今回ばかりは桃子も許してくれるはずだ」
将来のある若い子の為に。大人はそれを守るために戦うものだ。自分の持論だが、それを成すべきだと思う事から自分は木刀を握った。
すると、道場の扉が開き桃子が入ってきた。彼女がここに来るのはとても珍しい。
「士郎さん。私に話していない事があるでしょう」
開口一番の言葉がそれだ。恐らく自分のやろうとしている事に気付いたのだろう。やはりというか、長年連れ添った妻には隠し事は出来ないらしい。隠すつもりは無いとしても。
「桃子も知っているだろう。八神龍斗君の事を」
「はやてちゃんのお兄さんの一人の? ……何かあったの?」
その問いかけに頷いた自分に桃子は心配そうな顔をしている。それもそうだ。龍斗君は家のなのはの面倒を見てくれる家の子で仲も良い。
多分、桃子も勘づいたはずだが、念のため。
「龍斗君と龍斗君の幼馴染みで妖夢ちゃんという子。その二人がサッカーを辞める原因を作った奴が、また龍斗君を潰そうとしているかもしれない」
「……そういう事。つまり、また御神としての仕事をしたいのね。龍斗君達のために」
今度の問いかけにも頷いた。桃子は一つはぁ。と溜息を吐いた後に微笑んだ。恐らくは。そういうことだろう。
「それなら助けてあげましょう。龍斗君は私達にとっても馴染み深いし、それにそんな悪い人が龍斗君をまた失意の底に落とそうとするのなら止めないといけないわ」
「……ありがとう」
それだけ返答すれば、影山零治のことを調べている時に知り合った警察の鬼瓦さんに連絡をした。彼を助けるためにももう一度立ち上がる。肩を支えてくれる桃子がとてつもなく心強く感じた。
■【八神龍斗】■
御影専農との戦いから一週間程。秋葉名戸はデータ改竄などで失格扱いになって自分達は帝国学園と戦うことになったんだけれども、今日はその練習の為にバスに乗る事になった。
でも、なんだか今は乗らない方が良いのかもと何故か思い、校庭の周りを散歩していた。すると、だ。
「では、貴方は帝国学園のスパイだったのね?」
「あぁ。けど、俺は此処が好きになっちまった。だから……それに冬海があのバスに細工している。早く止めないと!」
二年生の先輩。土門飛鳥さんがこれまた先輩で理事長の娘の雷門夏未さんに衝撃的告白をしている所だった。
とは言ってみるのだが自分にとってはそこまで衝撃的でもない。何故ならキラースライドを見た時点で大体察しはついていたのだ。冬海監督に関しては言わずもがな。
そんな考察をしていた自分も影から二人の前に出た。
「な、八神。聞いてたのか!?」
「その事についてはすいません。ですが、これでハッキリしました。土門先輩。貴方は味方なんですね?」
自分の言葉に驚きを見せているがそれでも数秒と経たないうちに土門先輩は頷いた。それなら、やる事は一つ。
「今から行きましょう。皆を説得してみせますよ」
「や、八神。お前……」
「ほら、夏未先輩も! 急いで!」
「え、ええ!」
そして僕達は急いで駆け出した。その先に見えるのは雷門中のバス。皆が乗り込もうとしているところで乗り降り口の前に立ってそれを塞ぐ。
「や、八神?」
円堂先輩は少し混乱しているような表情だが僕はそこで止まらない。ゆっくりと深呼吸してから口を開いた。
「このバスは細工されているんです。冬海監督によって!」
「え、ぇえ!?」
「なんだって!?」
驚きを隠せない皆を前にして冬海は焦り始めた。そのまま夏未先輩が追従するように言葉を紡ぐ。
「全てを土門君が教えてくれたわ。彼は帝国学園のスパイではあったけど、私達と共にサッカーをしたいからと言うことで全てを告発してくれたわ」
「ど、土門君……」
木野秋先輩と呼ばれている雷門中サッカー部のマネージャーさんが狼狽える。確か土門先輩とアメリカで共に過ごしていたらしい。
そして、僕はその戸惑う姿を見ながらも皆さんを納得させるためにもう一度前を見た。
「土門先輩は確かに帝国学園のスパイだったのかもしれません。ですがその想いは本物の筈ですよ。僕にはそう見えます」
「八神……」
「豪炎寺さん。貴方なら分かるはずです。このボールで!」
自分はバッグからボールを取り出しては豪炎寺さんに想いを込めて蹴る。受け止めた豪炎寺さんはふっと笑った。
「お前らしいな。円堂。お前もこのボールを受けてみろ」
「え? お、おう!」
そして自分にボールが返されて今度は円堂先輩が僕のボールを受けることに。だから、僕は再び想いを込めて蹴り放った。
光を纏ったボールが円堂先輩の足に丁度当たる。驚いた様子の円堂先輩は、少ししてから笑った。
「……確かに、そうみたいだな!」
「キャプテン!?」
「し、信じるんでやんすか!?」
壁山さんや栗松さんはどうしてと言った表情だが円堂先輩は笑みを崩さない。本当に太陽みたいな人だ。と感じながらも僕も笑った。
「土門先輩が居なければこのバスの事も分からなかった。さて、後は冬海監督を警察に突き出すだけですよ」
「ええ、そうね。冬海先生。今日ばかりで貴方はクビよ。せいぜい監獄で反省しなさい」
夏未先輩からの言葉を受けた冬海監督は崩れ落ちる。それを見届けていると怯えながらも冬海監督は言った。
「あ、あの人には逆らえないっ。君達も知るだろう! あの人の恐ろしさを! 影山零治を!」
最後の最後で気になる言葉を残して。冬海監督は警察に連れていかれた。
その数分後に、新たな問題に直面する事になる。というのも。
「ところで、新しい監督どうしましょう」
「……あっ」