ジョースター家と吸血鬼   作:黝 証呂

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28.悩みの夢と一握りの嘘

「乗っていた貨物船があんな小さく…どうやってるんだ?」

 

 僕らが操舵室を調べていた頃に、丁度レオンさんが敵を倒したようで貨物船は原型を留めずに崩壊していった。そしてやがて小さな船だけが残った。

 

「あれ……レオンさん何やってるの?」

 

 レオンさんは肉の芽の触針をクルー達の頭に挿していた。ちなみにレオンさんは既に着替え終えている。

 

「記憶を上書きした。私はずっと男だった…といった感じでな。完全ではないから混乱するだろうが、重要な事ではないので大丈夫だろう」

 

 触針を彼らから抜くとクルー達は一度気絶する。そしてレオンさんはその触針を、今度はこちらに向けてくる。僕らの記憶も上書きするつもりなんだろう。しかし触針は力が抜けたかのように、レオンさんの頭の中に引っ込んでいった。

 

「…ジョセフ〜〜…」

 

 レオンさんがジョセフさんを睨む…そっか、波紋を流されて吸血鬼の力が使えないのか…

 

「イッヒッヒ、まぁ良いじゃないか。なかなか似合っていたよ。レ・ン・ちゃん♪」

 

 その言葉でプッツンしちゃったんだろうな……ジョセフさんはレオンさんに投げられて、頭から海ポチャした。

 

「ブハァーーー…何すんじゃレオン‼︎」

 

「レオンさん。ご老体には優しくしないと……」

 

「大丈夫だアヴドゥル。ジョセフは私より若い」

 

 そりゃあんたは吸血鬼ですからね。

 そんな3人のやり取りを聞いていた一同が笑う。

 これがただの旅行だったらなぁ〜

 

「はぁ…エア・サプレーナ島での悲劇を思い出すわい」

 

 エア・サプレーナ島か〜。波紋使い達の修行の場……修行するつもりはないけど行ってみたいなぁ……あ、そうだ。

 

「ねぇねぇ…コンパスあるしクルー達寝てるし、波紋で水上立ってボート引っ張ったら?」

 

「ふむ。名案だな…ジョセフ」

 

「何⁉︎無理じゃよ‼︎波紋の呼吸なんぞもうしばらくやっとらんし、どれだけ立ってられるかどうか…」

 

「頑張ってくれよ、お爺ちゃん」

 

「承太郎‼︎都合のいい時だけお爺ちゃん呼ぶな‼︎」

 

 やっぱり楽しいな………これが終わったらみんなと旅行したい………

 

  (………アレ…そういえばレオンさん、ジョースターの家系に生まれてどういう経緯で吸血鬼に?)

 

 この時僕は、レオンさんに対する疑問を1つだけ、胸の隅に引っ掛けた。

 そしてその後…僕らは無関係のシンガポール行きの船に救助された。こんなことなら漂流を想定して、別時刻の船を手配すればよかったな。

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

 気がつくと私は暗闇にいた。肌に触れる夜風が心地良く、座り込んで触れた地面は冷たい…………ここは……何処だ?

 

『何処も何も………ここは何処でもない、強いて言うなら夢の中。現実の話をしているならシンガポール行きの船の上だ』

 

 背後から声が聞こえたので振り返る。

 そこには、月光に背を向けて私を見つめる、黒い着物を身に纏った女性の様な生物がいた。顔には影がかかっているのか……それともそんなもの存在しないのか、何故か表情を確認することもできない。

 

「貴様か………何の用だ?」

 

『用など無い。主がここに来ただけだ……用があるのは主の方だろう』

 

 感情が無いような棒読み口調……「?」を使わない発音でそう言ってくる。

 

「……何故許可も無く姿を現そうとした?」

 

 答えなどわかりきった質問だが、聞くこともないので私はそう聞いた。すると彼女は着物の裾を翻し、背をこちらに向けて月を見上げる。

 

『主の身に危険を確認した。主を守るのが我の役目だ』

 

 同じ声、似た答え、同じニュアンス、似たやり取り……

 私が質問するといつも後半は同じ答えを返してくる。

 主を守るのが我の役目……口癖のように奴は私に言ってくる。

 

「そういえば……W-Refがあるにも関わらず貴様がいるのは、私に私以外の遺伝子があるかららしい。ジョジョなのか柱の男の誰かなのかはわからないが…」

 

『……フム…そうなのか』

 

 興味無さそうに相槌を打ってくる。

 もうわかっていると思うが、彼女は私のスタンド…2つ目のスタンドなのだ。明確な能力は不明……理由は私が彼女を使おうとしないからだ。身体を一時的に乗っ取られた事があり戦闘能力の片鱗なら見たがな…強力だが私を困らせる程の自我を持つスタンド。名前はまだない。

 

『主よ……月が綺麗だぞ』

 

「……あぁ……少なくとも、汚くは見えないな」

 

 奴は私にそんな事を言ってくる。

 結局ここは何処だ?夢の中だというのはわかるが…今回は何処の風景だ?

 

『ここは主が捕食者との決着をつけた場所だ……忘れてしまったか……』

 

 そう言われて私は気付く。

 ここはピッツベルリナ山神殿遺跡の石柱の上だ……あの日と同じで、夜空には満月が浮かんでいる。

 

『夢というのは主の記憶だ……恐怖や喜び…好奇心で着色こそされるが、あの日と同じ風景なのは当たり前の事だ』

 

 私の考えや疑問を見透かして答える。私の考えを読み取るのは能力か?

 

『違う…主が我を拒絶しようと、我と主は=(イコール)で繋がっている。主の考えは私の考えだ』

 

「なら貴様が初めて現れたあの日……何故私の意に反して危害を及ぼした」

 

『あの者は主を無理に抑えつけようとしていた。主を守るのが我の役目だ』

 

 此奴が姿を現す条件は幾つかある……私の身に危険が及んだ時……私の精神状態が不安定な時…それ以外の場合でも稀に現れる事もある。それだけならまだ良いのだが、彼女の行動は度が過ぎている。

 

『度など過ぎていない。主を第一に考えているだけだ』

 

 私の安全を第一に考える。それも危ない方向で…………危害を加えられた………だから殺す………危険な芽は摘み取る……主の意思に反しても……

 此奴はそう考えているらしい。極端な話…

 敵だと認識すれば殺意の赴くままに行動する。周囲の被害も考えず………そして殺す為なら手段を選ばない。共に戦っている仲間の生死すらも気にせずに殺すのだ。

 

『ところで主……そろそろ我を受け入れてほしい。このままでは主の身体がいつまで持つかわからない』

 

「それは無理だ……仲間を傷つける諸刃の剣など望んでいない。貴様が私の意思通り動かない限り答えは変わらない」

 

 すると背を向けていた奴は、石の上を滑るように移動する。あまりの早さに私が見失うと、背後に現れて背中合わせに立って寄り掛かってきた。

 

『主の為に受け入れさせる』

 

「仲間の為にも拒絶する」

 

 なかなか混ざり合わない2つの意見は、()()()()から変わらぬままだ………私がスタンドに飲まれて倒れるが先か……彼女が私の意思に従うが先か………前者ならせめて、旅が終わるまで待って欲しいな………

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

「みんな、シンガポールにもう直ぐ着くぞ」

 

 花京院のそんな声を耳にして、一同は眠そうな目を擦る。かくいう僕も、どうやらデッキで日光浴してる間に眠ってしまったようだ。眠い………

 

 現在時刻は午後の2時過ぎ。どれだけの時間を短縮できたかはわからないけど、原作よりスムーズに進めているのは確かだ。それでも思い通りにはいかず、余裕があるわけではない。短縮できたと言っても、偽船長による沈没を防いだだけだしね。

 

「それじゃあワシはレオンを起こしてこよう」

 

 甲板でリラックスしてる皆にそう告げ、ジョセフさんは船室に向かった。暗青の月(ダークブルームーン)(ストレングス)の連戦で疲れたという訳で、現在レオンさんだけ船室で熟睡中………でもそれは表向きの理由で、もしかしたら今は高熱で苦しんでるかもね。

 できることなら今後の戦闘は、出来る限りレオンさんには避けてもらいたいな…

 

「………って、花京院さんどうしたの?」

 

 僕の隣でジョセフさんが船内に向かうところを目撃した花京院………目付きは鋭く、その表情からは不安がはみ出ている。

 

「レオンさんは……僕を頼ってくれている。単に能力が適していただけかもしれないが、ずっと一人だった僕を信頼してくれている……………あの苦しみを…代われるものなら代わりたい」

 

「……花京院さんの言いたい事はわかるよ……奇遇だね…僕も同感」

 

 生まれつきスタンドを身に付けて自ら孤独を選んでいた花京院………前世の記憶を抱えて親に捨てられて一人ぼっちだった僕………そして今僕らはレオンさんを心配している。

 案外似てるね……僕達……

 

「待たせたな、すまない」

 

 そこへ丁度レオンさんがやって来る。心配している僕らを見かねてか、いつもの柔らかい笑みを浮かべて横を通り過ぎる。

 

「心配するな」ボソッ

 

 すれ違い様にそう言うと、遅れて冷気が僕達の肌に触れた。おそらくレオンさんの冷え切った体温で、周りの空気が冷めたのだろう。それは船内から出てくる前に気化冷凍法を使ったという事を裏付けている。

 

「シンガポールは暖かくて快適だが……今回ばかりは恨めしく思うよ」

 

「またまた奇遇だね……」

 

 僕らはこの後シンガポールに上陸して、港からホテルまでを二台の車で移動した。

 メンバー分けや席順は適当に決めたが、偶然にもレオンさんと一緒の車になったのは、僕と花京院とジョセフさんだった。

 

「さぁて、戦闘続きでレオンはまだ疲れが抜けとらんのじゃないか?今夜はホテルに泊まるから皆、ゆっくり休むと良い」

 

「そうですか……正直僕も、気を張り詰めていたせいか疲れていまして」

 

「後ろに同じく〜」

 

 運転手はジョセフさん、助手席には花京院、その後ろ…後部座席に僕とレオンさんは座っている。

 レオンさんは僕らのやり取りを聞きながら、外に目を向けて流れる景色を楽しんでいた。

 

「………おい花京院…ちょっと冷房が強いんじゃないか?」

 

 何も言わずに花京院が、クーラーをフルパワーにする。それを見た僕は、車の窓に付けられたアレを上げる。

 名前がわからないな……あの日差しを遮る布………なんだっけ?

 

「……別にいいよ二人とも…正直本当にヤバくなったら、クーラーを付けたところで何にもならない。後で体感温度が上がるだけだぞ……」

 

 僕らの行動の意図を理解したのか、レオンさんは手を伸ばして冷房を切った。

 

「あー……レオン、ばれたのか?」

 

「船が爆破される前に………食事中だからと思ったが油断した」

 

 レオンさんが白状すると、ジョセフさんが険しい表情を浮かべる。

 

「皆には言うなよ?」

 

 いつもより低い声……少しだけ怖い。

 でもジョセフさん…何故大切な家族が苦しんでいるのに、同行を許可しているんだろう。

 

「二人とも……返事」

 

「あ……はい」

 

 また低い声でジョセフさんが釘を刺してくる。

 そして僕と同じ疑問を持ったのだろう…花京院が僕の代わりに質問してくれた。

 

「ジョースターさん…貴方はいつからレオンさんの容態を知っていたんですか?」

 

「………()()()からじゃ」

 

 ……僕らは絶句した。

 ずっと前からレオンさんは苦しんでいたのだ。僕と初めて会ったあの日も………それでも当たり前のように旅に同行し、それを知っているジョセフさんも何も言わずに連れて来ていた。

 

「…ってチョット待って。半年って…スタンドに蝕まれた時の死に至るまでの期間は50日じゃ………」

 

「そこらへんはよくわからない………気にしないでくれ」

 

「稀なケースなのか、レオンが特別なのかはわからん。だがスタンドが害悪になってるのは確かじゃ」

 

 それを聞いて花京院が声を荒げた。

 

「何故⁉︎それを知っていて何故連れてきたんです‼︎彼はホリィさんと同じ……いや、戦闘して体力を使っている分、ホリィさん以上の苦しみを……」

 

 

「やかましいィ‼︎‼︎」

 

 

 「「………………」」

 

 初めて聞いたジョセフさんの怒声…学校で何度も聞く承太郎の罵声よりインパクトがあった………静まり返った車内…エンジン音と土の上を回転するタイヤの音が、やけに大きく聞こえた。

 

「………ジョセフを責めないでくれ花京院……無理言って同行を志願したのは私だ」

 

「…何故………貴方がいなくともDIOはきっと倒せる…葎崎さんの予言もあるんだ…そこまでして付いてきた理由がわかりません」

 

 花京院が振り向いてレオンさんを真っ直ぐと見つめると、レオンさんは座席に深く座りなおして目を閉じた。

 

「…いずれ話す……ただ混乱を招きたくないからな……しばらくは………信じて目を瞑ってくれないか?」

 

 花京院は何も言わずに数秒固まり……諦めたかのように座席に座りなおした。

 

「………見えてきたぞ、アレが今日泊まるホテルじゃ。そこで今後の進路を……というより、予言に沿って動くかどうかを決める。明日には出発する」

 

 いつもの優しく力強い口調にジョセフさんは戻ったが、車内の気まずい空気は濁ったままだった。

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

「ほぉー、結構いいホテルじゃん!」

 

 ロビーに入るなりポルナレフが騒いでいる。そんな彼を無視してジョセフは部屋を取りに受付へ…私はその間ソファーに腰を下ろして寛ぐ。すると礼神と花京院の盗み見る視線を感じる…これではオチオチ溜息も付けないな。

 

「ん〜〜」

 

 指を組んで腕を上に伸ばす。そうやっていつも通りの笑みを浮かべるが、人間はそれで安心してくれるほど都合の良い生き物ではない。

 

  (…やれやれ……旅に同行した理由か………できることなら、これは全てが終わってから打ち明けたいのだが…)

 

 理由………それはいたってシンプルだ。ホリィの為でもあるが、それとは別の私情……敵がDIOだからだ……

 時を止めるザ・ワールド…私では恐らく倒せないな……だとしても私は見届けなければならない。私は昔、ディオを救うことができなかった……だから昔ジョジョは他界し、ホリィが今苦しみ、皆が旅に巻き込まれている。

 

『それは主の責任ではないと我は思うぞ』

 

  (………少し気を緩めるとすぐ出てくるな)

 

『今の主は安全な状態だ、身体を拝借するつもりはない。我には理解できない主の願いにも沿っているはずだ』

 

  (理解できぬ願いか…貴様が理解できていないのは「仲間」だ)

 

『主よ……悔やんだところでいい事など無いぞ。主の記憶を遡ったが、後悔したことで事態が好転する事は一度も無かった』

 

 知った口を…と思ったが、間違いは述べていない。私は反論する言葉は見つけられなかった。

 

  (知っているさ……だが後悔はしたいしたくないで行う行為じゃないんだ)

 

『主よ…気持ちを切り替え強く持たねば、我のエネルギーに蝕まれるぞ。我を受け入れればそれも解決するが……』

 

  (……貴様は何だ?…貴様は何がしたいんだ?それが私にはわからない)

 

『知ってる。だから拒絶され今に至る。主が我から目を背けるから苦しんでいるのだぞ………更に精神力を弱められてしまっては死期が早まる』

 

  (だが受け入れたら貴様は私の仲間を傷つけかねない。この話は何度やっても進展しないな…………)

 

 そう心で呟き伝えると、私はおもむろに立ち上がった。

 そこで私は嫌な汗をかく……私は立ち上がろうとなどしていない………私の意志に反して足が動き始め、皆の元へ移動した。そして右手に握り拳を作る。

 

『ここは室内…吸血鬼の腕力なら、頭ぐらい叩き割れる』

 

  (まさか………止めろ‼︎)

 

 左手で自身の右手を抑える。すると全身の操作権が解放されたのか、操られていたような感覚が失せる。

 

『そう…その調子だ。そうやって心を強く持ってくれ。我を受け入れず、飲み込まれたくないのなら……』

 

 ………それを伝えるために仲間殺そうとするなよ…そんなんだから私は貴様を受け入れないというのに……

 

「何やっとるんじゃレオン。ほれ、部屋鍵を取ってきたぞ」

 

「あ、あぁ」

 

 ジョセフが4つの鍵を掲げて私達の方へ歩いてくる。すると礼神と花京院が入り口の方から小走りでやってくる。先程まで外にいたようだ。

 

「部屋はツインが3つ、シングルが1つじゃ」

 

「という事は男性陣がツインで…礼神がシングルか?」

 

 ポルナレフがそう言うと、花京院が「当たり前だ」と返答してくる。彼はシングルに泊まりたかったようだ。

 

「ワシは進路の相談があるからアヴドゥルと泊まる。偶に女神さんの意見を聞くために呼ぶかもしれんが……」

 

 そう言って礼神にシングルの鍵を渡し、ダブルの鍵を一つアヴドゥルに手渡した。すると横から手を伸ばし、花京院が鍵を一つ受け取った。

 

「では僕は、何かと気があうレオンさんと泊まります。良いですね?」

 

「私は構わないが……」

 

 私の状態の悪さを知っているからか、花京院がペアに私を選んでくる。

 となると必然的に残るは、承太郎とポルナレフか…

 

「俺はシングルが良かったんだけど…仕方ねぇか」

 

 そんなポルナレフの本音を最後に、各々が自分の部屋に向かおうとしたその時……

 

「やっぱこうなるか……」

 

 礼神の呟きを耳にして一同が立ち止まる。

 

「ゴメンね。今回は予言にブレが出ないようにギリギリまで言わないことにしてた……それじゃ予言に入ります」

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

 僕がそう言って両手を叩くと、顔だけをこちらに向けてた皆が戻ってくる。

 

「まず原作通りなら承太郎とポルナレフ……敵に攻撃されます」

 

「どんな奴だ?」

 

 うん。もう承太郎は驚かないね。

 誰かが「何だと⁉︎」的な台詞を言う前に質問してくる。たぶん口が半開きになってるジョセフさんあたりが、「何じゃと⁉︎」って言おうとしたんだろな。

 

「デーボ……って言えばアヴドゥルさんがわかるよね?」

 

「デーボ……呪いのデーボの事か⁉︎」

 

「知っとるのかアヴドゥル?」

 

 ジョセフさんがそう聞くので、強制的に説明役が僕からアヴドゥルさんに移る。

 

「悪魔のカードの暗示…呪いに振り回され精神状態の悪化、不吉なる墜落の道を意味する。アメリカインディアンの呪術師というふれ込みで商売する殺し屋です。だが…恐ろしく強い……マフィア、政治家、軍人……彼を雇うものは世界中にいる」

 

「能力を言えアヴドゥル」

 

 自分が襲われると言われたからか、ポルナレフの目付きも鋭く変化させて問い掛ける。

 

「恨みだ……奴はあえて攻撃を最初くらい、その恨みでパワーアップする。長期戦は避けた方がいい……」

 

「要するに…」

 

 「「一撃で沈めればいいんだろ(だな)?」」

 

 おぉぅ、仲が良いことで……

 承太郎とポルナレフが口を合わせてそう言った。

 

「確か不気味な人形に憑依させるタイプの一体化型スタンドだから、部屋の中を油断せず入念に探してね」

 

「それだけわかれば十分だ。行くぞポルナレフ」

 

「おう。さっさと片付けてシャワー浴びようぜ」

 

 2人は僕らに背を向けてエレベーターに向かった。

 さて……僕も自分の部屋に行こう。

 

 …………ゴメンねみんな……僕の嘘を許してね。花京院…頼んだよ。

 

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