《今の僕がやるべき事は何?》
その問いを突き付けられた時……僕は容易く混乱するだろう。
しかし今はどうだ?
『早く行って2人とも』
正解かどうかわからないが最善の決断を下し、僕は1人で敵と対峙していた。
(まったく……レオンさんに守ってって懇願して、花京院を守るって勝手に決意して、傷付いたアヴドゥルさんを前に涙して……で、今はまた仲間の為と息巻いて戦闘態勢。自分で自分を可笑しく思う。感情が定まらないというか……)
『相変わらず君は意味不明だね。寝たら感情がリセットされるのかい?』
………うん、デジャヴを感じる。
前世で似た事を言われたな…たぶん。でも誰だろう…仲良かった誰か……なんだっけなぁ……名前何だっけ?
「イエローテンパランス‼︎」
「いや違う。そんなカタカナ系の名前じゃなか……って、何考えてんだ僕は………」
黄金色のヘドロが僕を飲み込もうとするが、スタンドのケルベロスを盾に後ろ走りで下がる。ケルベロスの骨の隙間から、ヘドロがボールサイズに千切れて溢れ出てくるので下がらなければ危ない。
一度触れればもれなく捕食される。
「クッ……」
へばりついたヘドロがケルベロスを消化しようとする。
イエローテンパランスの消化力よりケルベロスの強度の方が強いようで耐えられるが、全身が焼ける様に熱い……火傷をせずに神経だけ熱されているようだ。
「噛み砕け‼︎」
「ん〜、中々パワフルじゃねぇか」
苦しいがスタンドなら消化攻撃に耐えられる。ヘドロを纏いながらもラバーソウルの下まで進み頭部目掛けて牙を剥く。
しかしギリギリと口を閉じようとするが、ヘドロが閉じるのを阻止して来る。
「戻れ」
一度ケルベロスの姿を消す。ある程度近付かないと消せないので、ヘドロに触れないよう注意が必要だ。
やっぱ物理は効かないか………さて、
「…この後どうしよう」
ー
ーー
ーーー
その頃、礼神と別れた2人はポルナレフと花京院の2人と遭遇していた。それを見たジョセフは動揺を声で表す。
「おまっ‼︎ ど、どうしたというのだ花京院⁉︎ その姿は……」
「ッ⁉︎」ビクッ
「大声出すなよジョースターさん!花京院が驚くだろ。つーか事前に、相手がどんな能力持ちか礼神から聞いたよな」
太めの腕に抱かれている小柄な幼児がジョセフの声で肩を揺らし、ポルナレフがジョセフの声量を注意する。
承太郎は面倒臭さそうに「やれやれだぜ」と呟き帽子を被り直した。
「ほ…本当に幼児化してしまったのか?」
「あぁ、花京院はこの通り……スタンドは使えるが戦力とはほぼ遠い。花京院、さっき言った俺達の……お兄さんの友達だ。怖がる事はねぇぜ」
「………はい」
控え目に答える花京院を見て、ポルナレフはゆっくりと顔を上げる。
「カァーッ!見たか今の‼︎あの花京院も子供となれば可愛いもんだぜ‼︎」
「ポルナレフ……戻ったら花京院にぶっ飛ばされるぜ」
日頃のポルナレフに対する花京院の対応を思い出し、承太郎はふとそう思った。だがポルナレフは気にする様子もなく、花京院も心なしかポルナレフに懐いている。
記憶が有耶無耶になり、わけのわからない状況で最初に話した相手だ。刷り込みと吊り橋効果が働いているのかもしれない。
「で、礼神はどうしたんだ2人共…礼神に伝えたい事があるんだが」
承太郎は現状を掻い摘んで話した。
「〜〜〜。そんな訳で今、葎崎はラバーソウルと戦っている」
「何ッ⁉︎ 礼神を置いてきたのか⁉︎」
「お前達とも合流できた。直ぐに戻るぜ」
そう言い終わる前に承太郎とジョセフは来た道を戻るべく踵返した。それを追い掛ける形でポルナレフは、花京院を抱えたまま走り出す。
「何でよりによって囮役が礼神なんだよ‼︎彼女の防御力なら消化攻撃は防げるかもしれないが、礼神だぜ⁉︎」
「………俺もあいつの事は頼りないと思う事も多い」
「だったら何故…「だが稀にだ」
ポルナレフの言葉を承太郎が遮る。
「……いつもは頼れねぇ葎崎だが、
「ほぉ〜。承太郎がそんな事を言うとはのぅ……付き合いが長いと、見えるものも違うのか?」
「そんな所だ………それに…葎崎を喧嘩に巻き込んじまった事が中学、高校と何度かあったが………」
「あったが?」
「………奴が怪我をした所を見た事がねぇ…それでか、俺はあの
「…ケッ、随分と信頼してるじゃねぇ………か………………?」
「何……じゃ………………」ガクッ
突如として倦怠感が全身を覆う。
目の前に何色が広がっているかもわからなくなり、走っていた足は空回りして地面に倒れ込む。
ポルナレフが花京院を押し潰さなかったのは、流石に運が良かったとしか言いようがないだろう。
そして4人は遠退く意識の中、耳に残っている小さな残響を最後に聞いていた。
ー
ーー
ーーー
「…うっ……一体何が起こって……テメェ、何やってんだコラァ‼︎」ブンッ
「ーーー⁉︎……〜〜〜!」
「オイ逃げんのか‼︎ 待ちやが………ったく…逃げ足の速い奴ゥ…」
意識を手放してどれくらい経ったかわからねぇが、目を覚ますと妙な男が何かをしていた。何をしてたかはわからねぇが、危険性を直感で感じ取り俺はそいつを追い払う。
「イテテテ……ったく。何が何だってんだ…ん?」
周囲を見渡すとどっかで見たような……見てないような……何で俺はこんな所にいんだ?
「グッ…頭痛えな。記憶がごちゃ混ぜにされた気分だぜ…ん?誰だこいつら」
俺の近くで伸びてる男が2人。大人と子供……よく見ると大人の方はガキを抱えてやがる。
「そんな事より早く急がねぇと……ん?何処に?」
確か大事な……用事?約束? 兎に角急ぐ理由があって……誰かの所に行かないと…いけない?
な、何だ?俺の身に一体何が起こってる⁉︎ 気絶する前に何をしてたかも思い出せねぇーーー‼︎
「OH NO〜〜〜〜ッ‼︎ ここは何処ォ? 私は誰ェ⁉︎ 異様に暑いし、ここは外国か⁉︎ ひょっとして僕ちん誘拐されちゃったノォーーーッ⁉︎」
お、落ち着け。ひとまず落ち着け…まず何をするのが最善だぁ?
目が覚めた時に見たあの男……あいつが原因か?
「確か…あっちに行ったよな。ん?」
男が走り去った方を見てみると、遠くから何かが飛んでくる。
鳥か?飛行機か?…鳥にしてはデカイし、飛行機にしては低い位置を飛んで………にゃ、ニャニィーーーッ⁉︎ 飛んでるのは女じゃねぇか‼︎
「Oh My God‼︎ ここの国の女は空飛ぶのか⁉︎」
「ーーーッ⁉︎ 〜〜〜‼︎ ーーーッ‼︎‼︎」
お、俺を見て何か叫んでねぇか? 言葉は通じねぇみてぇだし………
「状況わからねぇし言葉通じねぇしでダブルショック‼︎幽霊なんかに出会うよりももっと奇怪な遭遇…」
「ーーーッ!」
「ワヒーーッ!逃ーげるんだよーーー‼︎」
一目散に逃げ出すがあの
ウゲェッ‼︎ ち、ちかまっちったぁ〜〜‼︎⁉︎
何か巨大な生物に押さえつけられてるみてぇでピクリとも動けねぇ。やがて女は俺の前に着陸して俺の前でしゃがみこむ。
この女何する気だ⁉︎
「レオン‼︎シーザーーーー‼︎助けてくれェ〜〜〜‼︎‼︎」
ー
ーー
ーーー
時は少し巻き戻り、礼神とラバーソウルが
「………またコレか…貴様は何者なのだ?」
苦笑いを浮かべながら礼神はしゃがみ込み、地面に落ちていた藁人形を拾い上げる。それは昨日承太郎に渡された藁人形と同型の物だった。黒い藁で作られた札付きの藁人形……そんな同型の代物だが1つ違う点があった。
「形は同じ…でも色が違う……何故?」
昨日渡された藁人形は血に染まったような真っ赤な札だったのに対し、この藁人形に貼られた札は青一色だった。
「見た目の違いは札の色、そして………後はみんなと考えようかな」
そう言ってブレザーのポケットに藁人形をしまうが、入れた筈の藁人形は地面に落ちた。
「おろ?」
ポケットの中身を確認してみると、そこから地面に落ちた藁人形が見える。どうやら穴が空いていたようだ。よくよく見てみればポケットだけでなく、礼神は全体的にボロボロの服を纏っている。
外れたボタン、千切れた袖、曲がったネクタイ…全てラバーソウルのスタンド攻撃で消化された結果だ。
まるで敗北したような出で立ちだが、礼神はきちんと勝利していた。
「イエローテンパランスが一般人に見える奴で良かったよ。時間はかかったけど、お陰で人っ子一人いない」
見回してみると、確かに人の影すら視界には映らない。この場にいるのは礼神と、気絶したラバーソウルだけだった。
死んではいない。呼吸、脈共に正常だったので確信できる。
「…そう…気絶なんだよね………これはいよいよ、一撃必殺の線が薄くなってきたな………」
ラバーソウルのイエローテンパランスはある意味無敵で、レオンやアヴドゥルの様に相性が良くなければ弱点などほぼ皆無。だが全てを吸収できる訳ではなく、空気の振動までは吸収できない……できたとしても、ラバーソウルはそれをしなかった。
礼神が気付いたのはソレだった。空気の振動…すなわち「音」
それが分かりさえすれば持久戦に持ち込み、周囲に人が居なくなるのを待って声を発するだけ。
幸いにも戦闘開始時から、一般人はイエローテンパランスを見て逃げ回って居た。人混みが失せるまでそう長くはかからなかったのだ。
誤算があるとすれば発し方……持久戦に持ち込んだ礼神は最後の最後で集中力が欠け、イエローテンパランスに捕縛されてしまった。故に自身の口でなく、
「最小音量にしたつもりだけど、ケルベロスは元々声量大きいからなぁ…一般人はみんな僕らから逃げてたし大丈夫だと思うけど……
この時の礼神は、再合流するべく走って来ていた承太郎達がコレで気絶した事をまだ知らない………
ちなみに彼らは曲がった角の先にいる。
「さて、合流しますかね」
慣れない手つきでラバーソウルを引き摺り、ケルベロスの肋骨内に収納する。そして礼神もケルベロスに跨るとスタンドは軽快に走り出した。
「あぁーもう!シャツ、下着までボロボロじゃんか…見えるとこ見えたらどうすんだ‼︎ エロ同人仕様のイエロースライムめッ‼︎」
戦闘中にズレたサラシを戻す際に、サラシが切れている事に気付き苛立った声を上げる。
しかし角を曲がった先で礼神は苛立ちは消え、同時に仄かに赤かった血色まで消える。曲がった先で倒れていた人達を見て顔色が青くなったのだ。
(ヤバイヤバイヤバイ、ラバーソウル以外に被害出ちゃってるどうしよドウシヨどうしよドウシヨ‼︎何でいるの?騒ぎを聞きつけた警察?)
自然とケルベロスが加速し、気絶した者達に近付く。
そして近付く事で礼神は1人起き上がっている者の存在に気付き、その起きていた人は背を向けて逃げ出した。
「……え?…あの服装……若い……え⁉︎」
ケルベロスを更に加速させ、礼神はまだ遠いが声をかける。
「何で逃げんの⁉︎ 止まって‼︎ お願いだから止まってッ‼︎‼︎」
人の足で逃げ切れるはずもなく、礼神は容易く逃走者を捉える。
倒れた男の背をケルベロスが前足で抑え、その前に礼神は飛び降りる。すると………
「Leon‼︎Caesar‼︎Help Me〜〜〜〜‼︎‼︎
「レオン…シーザー……やっぱりジョセフさんなの⁉︎ アレッシーのスタンドで若返ったんだね…」
『あ?…今、ジョセフ…って言ったのか?』←英文
「あぁ…えっと……
『話せるわけねぇだろ、ひとまずこのわけわからん拘束を解きやがれ‼︎』
「な…何て言ってんの?ひとまず話せなそうだな……えっと……ユー…ジョセフ? 」
『何だよ可笑しな話し方だな‼︎ テメェ英語話せねぇのか?』
「だから何言ってんだよ……そうだ!他のみんなは⁉︎」
若返ったジョセフ以外の面々を探すと、未だに倒れていた人々に目が止まる。
「ポルナレフ‼︎」
「ぅ…俺は…一体………」
(その手に抱かれているのはまさか…………‼︎)
頭を抱えて起き上がるポルナレフ…そして……
「すっごーい!可愛い‼︎ 君はショタ属性のフレンズなんだね!」
幼児化した花京院を見つけた礼神はポルナレフそっちのけで抱き抱える。目が覚めたばかりの花京院は、気が付けば満面の笑みを零す女性に抱かれてる訳であって混乱した。
「あ、あっちにいるのは承太郎⁉︎ 懐かしい‼︎」
「…やかましいぜ………ん?何処だココ…お前ら誰だ?」
幼児化して記憶があやふやになっている承太郎だが、それも気にせず礼神は承太郎も抱き抱える。現在の承太郎の年齢は6,7歳…小学生1年生になったかなってないかくらいだ。礼神でも抱き抱えるくらいはできる小ささだ。
「お、おい礼神……」
「あ、ゴメンゴメン。それどころじゃなかったね」
唯一若返っていないのは礼神とポルナレフの2人…流石にこのまま巫山戯られないと自覚した礼神は2人を下ろす。ちなみにジョセフはケルベロスに踏まれたままだ。
「一体何があったの?」
「それが…俺にもよくわかんねぇ。お前と合流する為に走っていたら意識を失っていた」
「それに関してはゴメン。それで?」
「おいおい、今目が覚めたところだぜ?何もわかんねぇよ……ただ見た所、寝てる間に幼児化させられた様だな……………ん?それに関してはって何だ?」
「アハハ!…それよりコレからどうしようか………」
「無視かよ…」
「……アレ?ポルナレフ、オデコに僕が付けた螺子は外れたの?」
「螺子?…………あ!磁力が消えている‼︎ マライアの術が解けたのか‼︎」
「って事はレオンさんが…」
そこでジョセフの身体からバイブ音が聞こえてくる。
『お、チョッ、テメェ‼︎ どこ触ってやがる‼︎』
ジョセフを無視して携帯機器を彼の懐から取り出し、着信のアイコンを押す。かけてきたのは向こうだが、礼神は彼の言葉を待たずに話出した。
「レオンさん大変‼︎」
『礼神か…どうした?』
「みんなが」
通話をしながら、ふと礼神は花京院に目を向ける。誰かはわからない様だが、花京院は何となく微笑んで手を振ってくる。
「可愛い‼︎……じゃなくてピンチ‼︎」
そう言うと少し間を開けてレオンは短く答えた。
『……すぐ行く』
すると勝手に通話は切れ、携帯機器をポルナレフに渡す。
「………その服どうしたんだ礼神」
「そいつに溶かされた」
「そいつ………ってラバーソウル⁉︎ 倒したのか‼︎」
「まぁね…ドヤッ!」
「承太郎の選択は正しかったんだな」
「承太郎?」
ポルナレフは気絶前の事を掻い摘んで話しながら、花京院と承太郎を守りやすいように自分の元に呼び寄せる。
話を聞き終えた礼神はしゃがんで承太郎と目を合わせる。
「そっかー♪ 信頼する時は信頼してくれるのか」
「なぁ…結局誰なんだよアンタ」
完全に幼少期の記憶に戻りきっていないからか口調に棘がある。それでも礼神は笑顔で対応して自己紹介をして記憶を確認させる。
「僕は葎崎 礼神。君も友達だよ…覚えてない?」
「礼神?………俺の知ってる礼神はもっと小さくて男っぽいぜ」
(あぁ…まぁ、小学生の頃の僕はボーイッシュだけど……)
「アンタみたいに可愛くはねぇ」
「ズキュン⁉︎」
そう口に出した礼神は、腹を抱えて笑い転げてしばらく動けなかったうえ、照れなのか笑い過ぎなのかわからないがとにかく赤面していた。
ー
ーー
ーーー
GPSは……よし、アヴドゥルの時と違いちゃんと機能しているな。
画面に表示された地図を目視し、大体感で位置を暗記する。
「イギー、行くぞ」
(えぇ〜…また走るのかよ……)
マライアを入院させた病院の入り口で、イギーは寝転がりながらジト目で私を見つめていた。スタンドの多様が原因で疲れたのか、パンティング(あえぎ呼吸で呼吸器粘膜から気化熱を放散させる事)をして体温を冷ましている。
「礼神が応援要請してきて急がないといけないんだが………」
(………ハァ……仕方ねぇな…ついてくが、もう何もしねぇからな)
しゃがんでいる私の膝に飛び乗ったかと思うと、そのまま跳躍して私の肩に飛び乗る。そして爪を器用に引っ掛けて体制を落ち着かせる。犬なのに猫のようだな。
「……まぁいい。急ぐぞ」
(後でコーヒーガムな?)
肩にイギーを乗せたまま私は走り出した。
乗せてるだけあって少し注目を浴びたが、目的地に向けて走るうちにそれもなくなる。それ以前に人口密度が低くなってきたのだ。
「ゴホッ…ゴホッ……フゥ……この辺りの筈だが………」
『……主よ。我は影で休息を取ることを推奨する』
「もちろん却下する」
『…………』
「ウグッ⁉︎」ズシッ!
先を急ぐ為アンラベルの提案を流すと、少し間を空けて右足が途端に重くなる。更にビキビキとヒビが入るような痛みと共に動かなくなる。
そして足を止め前を見ると、浮遊していたアンラベルが私の前の地面に
「アンラベル!
反比例を能力とするアンラベルは自身の右足だけ覚醒させる事で、私の右足から操作権を奪う。無理に私も奪え返そうと足を動かすが、鈍い痛みと共に錆びた機材のように動かすのが精一杯だった。
『………マライア戦時で止めるべきだった』
「残念だったな。さぁ、足を解放しろ………暇を見つけたらちゃんと休むから…………それで良いか?」
『……わかった。それで妥協しよう』
床を蹴って跳躍するとアンラベルはそのまま浮遊し、私の右足は途端に軽くなりそのまま軽快に走り出せた。
「…ゴホッ……クソッ……肺を痛めたか?」
原因は明白……マライアのスタンド磁力を無効化する為に、逆の磁力を波紋で再現したからだろう。
ジョジョやジョセフの様な波紋使いとの私の違いは、波紋の力での自己治癒力が皆無だというところだろう。
所詮は人間をベースにし吸血鬼を途中経過とした"なんちゃって究極生物"……そもそもあれは無茶な呼吸の仕方だったからな……この旅が終わったら老師達の元で肺を鍛え直してみるか。彼らはまだ元気かな?
「ストレイツォとダイアー……まぁあの2人はまだまだ死なないだろ」
そんな事を思いながらも周囲を警戒し、GPSで確認した礼神達の居場所に辿り着く。するとそこには…
『……あぁーもうヤメた。バカバカしぃし〜、言葉通じねぇしわけわかんネェー』
「花京院。逸れないで側にいてね」
「…はーい」
「承太郎…オメェは今いくつなんだ?」
「たぶん6だぜ」
ケルベロスに踏まれ自暴自棄になっている若きジョセフ。
その少し離れた場所で地面に膝をつき両手を広げる礼神。
そんな礼神の元へ駆け寄るブカブカな服を着た幼い赤髪の少年。
同じ様にブカブカの学ランを着た黒髪の少年と、それを抱き上げている銀の電柱。
更によく見れば、知った顔がケルベロスの内部で気絶している。
ひとまず一言言わせて欲しい……この場を安心して仕切ってくれそうな奴が居なくて、私は胃に穴が空きそうだ。
至極面倒臭い。
……私は考えるのを止めた……と、言いたいところだがそういうわけにもいかない。そんな弱音を吐いてはいけない。
「……待たせた。礼神………何がどうなってこうなってるのか聞きたいんだが…………」
「あ、待ってましたよレオンさん」
〜少女説明中〜
……やはり先程思った事を訂正させて欲しい。
「考えるの……止めて良いか?」
「待って!逝かないでレオンさん‼︎僕を置いて逝かないで⁉︎」
「…ポルナレフ。周囲の警戒を頼む」
「元からしてるぜ〜」
『おいコラ、レオン‼︎ 一体全体何が起こってやがる‼︎説明しやがれ‼︎』
『色々と情報を整理してからな。もう少し黙っていろ』