ジョースター家と吸血鬼   作:黝 証呂

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ヴィルナ
「………わたしの能力説明は?」

証呂
「タイミングが合わなくて……その時が来たらね」

ルナ
「ルナ………まだ………」

証呂
「そ、その時が来たらね?」

ドマゾハゲ
「オレェもまだだけどぉ?」

証呂
「お前はもう別にいいだろ」

78話、グダグダっとどうぞー



78.巫女 in 杜王町

「美しい町だ。杜王町………こんなすばらしい町が他にあるかな………」

 

 ひらけた場所の芝生の上で、木陰にもたれかかりながらそう呟く。そして脇に置いてあったビニール袋に手を入れ、ゆっくりと丁寧に中身を取り出す。

 

「………ダメだな。思い出せない」

 

 無駄にカッコつけてみるけど消えかけた記憶は修繕されず、僕は思い出したい事は何も思い出せずにいた。

 

「お嬢。遊んでないで、そろそろ行こうぜ」

 

「別に遊んでないよー」

 

 サンドイッチ咥えたまま、僕はズィーさんの車に乗り込む。

 

「美しい町だ。杜王町…こんなにすばらしい町が…」

 

「それ何回目だ?」

 

 うーん。誰かのセリフ……だと思うんだよね………予言としては何の力もない情報だけど………

 

「実際に現場で言ってみたら、なんか思い出すと思ったんだけどな」

 

 残念そうに肩を落として、僕はコンビニで買ったサンドイッチを咀嚼する。

 昨夜のうちに出発してサービスエリアで車中泊した僕とズィーさんは、朝の9時20分ごろ…ついに杜王町に到着した。

 

「もう時間的に起きてるよね。連絡しまーす」

 

 ケータイを開き、電話帳からレオンさんを選択して通話ボタンを押す。あー、早くスマホ出してくんないかなー。

 

「………あ、もしもし?」

 

 接続中に鳴る「プルルルル」っていう音……それが途絶えて、代わりに誰かの呼吸音が通話越しに聞こえる。

 

『……はい………』

 

 んー、短く…それでいてハッキリとした口調。寝起きのレオンさんじゃないな。この声は………

 

「わかった、ルナちゃんだ。礼神だけどレオンさんいる?」

 

『………うん』

 

 レオンさんのケータイを持ったまま移動してるのか、足音が一定の音量で聞こえる。そしてそれが途絶えて扉を開ける音が………

 そして………

 

『もしもし、待たせたな』

 

「おはよーレオンさん。杜王町ついたんだけど、どこに行けばいい?」

 

『あぁ……それなら、杜王グランドホテルに来てくれ。エントランスで落ち合う』

 

「了解」

 

 通話を切り、僕はズィーさんに行き先を指定した。

 

「もりおうグランドホテル………どこだ? そこ…」

 

「………さぁ?」

 

「……………」

 

「…美しい町だ。杜お……」

 

「いい加減にしてくれ」

 

 

 

 

 

「町内案内図的な看板とか、近くに立ってない?」

 

「見る限りねぇな……ったく。場所くらい聞けよ」

 

「聞いたよ。名前だけ」

 

 レオンさんの指定したホテルの場所が分からず、ズィーさんは適当に車を走らせていた。

 その横で僕は地図を広げて目的地を探している。

 

「はぁ………ん、アレは学生か?」

 

「仕方ない、彼に聞こう。車止めて」

 

「おいおい、アンタモデルだろ? 電話かけ直せば済む話じゃねぇかよ」

 

「実は充電が危なくて………それに男子高校生はJAN!JAN!読まないでしょ」

 

 ズィーさんが仕方なく車を停車させると、僕は地図を手にしたまま車を降りて通りすがりのの学生に話しかける。

 

「すみませーん」

 

 背が高いね。180あるんじゃないかな?

 改造学ランを着こなし、男にしては髪が………

 

(………ん?)ズキッ

 

 軽い頭痛に見舞われていると、男子高校生はゆっくりと振り向き僕を見下ろす。

 

「………………」

 

「えっと、ぼ……私、道に迷っちゃって。杜王グランドホテルってどこか知りません?」

 

「知らねぇな」

 

 即座に短く返してから背を向け、彼は迷う事なく歩き出した。

 

「ま、待って…えっと、じゃあ近くの交番とか……は………」

 

 僕の言葉に耳すら向けず、男子高校生は僕の前から姿を消した。

 

「………ズィーさん。ダメだった」

 

「見りゃわかる。まぁいい、ちょうど今 会長と回線繋いだところだ」

 

『ザッー聞こえるか?』

 

 車に乗り込むと、ズィーさんは車のラジオを弄って通話機に改造していた。そしてラジオのスピーカーから、レオンさんの声が聞こえる。

 

「僕が失敗するって思ってたんだね……行動が早い」

 

「あぁ………ん? 大丈夫か?」

 

「…大丈夫。さっき思い出そうと頭使ったからかな……少し頭痛が……」

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

 仗助から間接的にボトルを受け取ってから、私はずっと視線を感じていた。ボトルから抜け出すチャンスをずっと伺っていたのだろう。だがそれが逆に、ずっと近くにいるという答えを教えてくれたわけだが………

 

 アンジェロのスタンド(のちに判明したが、スタンド名は水の首かざり(アクア・ネックレス))が入ったボトルを勢い良く振れば、本体も大きく振られたように飛び跳ねる。

 

 そうやって本体を発見して拘束………聞く内容だけ聞き出してから、合流した礼神に"声"を使ってもらう。

 

「協力に感謝する。今日 泊まっていくなら部屋を取っておくが……仕事か?」

 

「無いから泊まってく! 実は来たかったんだよね〜 杜王町……流石に首を突っ込めない内容だからどうしようかと思ったよ〜」

 

 嬉しそうに言う礼神だが、サングラスにマスクというベタな変装をしてる為表情がわかりにくい。

 

「ねぇねぇ、仗助に会いに行ってもいいかな?」

 

「ダメだ」

 

「えぇ〜………」

 

 残念そうに言って、礼神はズィーズィーの車のボンネットに腰をかける。

 

「さて、残りの仕事を片付けないとな」

 

 礼神から受け取った藁人形から札を剥がせば札は燃え、その札に閉じ込められていたアンジェロの意識は目を覚ます。せっかく目を覚ましたところ悪いが、私は彼が瞼を持ち上げ切るより早く波紋で昏倒させる。

 

 気絶したアンジェロの本体は地に転がし、残った藁人形を厳重なケースに入れてズィーズィーに手渡す。

 

「ズィーズィー。すまないがまた、ひとっ走り頼めるか?」

 

「えぇ、構いやせんよ」

 

 "象が踏んでも壊れない"というキャッチフレーズのケースとその鍵を渡すと、ズィーズィーはケースを助手席へ…鍵は胸ポケットに入れて運転席へ戻った。

 それを見かねて、礼神はボンネットから降りる。

 

「明日の夜には戻ります」

 

「ゆっくりでいい」

 

 その会話を最後に、彼は自身のスタンド車で走り去った。

 それを見送ってからケータイを取り出し、1・1・0の順番で番号を押す。

 

「男に襲われた。指名手配の脱獄犯に似ている……場所は………」

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

 あの後、レオンさんの自作自演でアンジェロは警察に確保された。

 アンジェロは僕の能力でスタンドを失い、レオンさんの肉の芽で記憶が上書きされた。

 

「…さて。"黄金の矢"と"学ランの男"……だ。何か思い出せるか? 矢は昔 君に聞いた物と同じか?」

 

「黄金の矢は……そうだね。DIOも使ったと思われる、スタンド使いを増やす事ができる代物………」

 

 DIOが死んですぐの時……僕や花京院達が気絶してる頃、レオンさんはジョセフさんと上院議員さんを連れて館をガサ入れした。

 その時にDIOの使ってた黄金の矢が見つかると思ったんだけど、レオンさんがどれだけ探しても見つからなかった。それが有るという確定要素はあったのに……

 

 それは後から思い出した事だけど、僕はおそらく館で()()に貫かれたと思われる。それが確定要素………

 証人……じゃなくて証()はイギー。ヴァニラ・アイスとの戦闘中に、意図的に僕をポルナレフ達が遠ざけた時の事だ。

 僕は確認できなかったし、起きた直前は記憶が飛んで分からなかったけど………

 僕のケルベロスが本当の三頭猟戌(ケルベロス)になったのは、あの時から日本帰国までの短い期間だけだった。今は大きくなりこそしたが、頭は1つだけだ。

 

 ………話が脱線したけど、そんなわけであの館には矢があるはずだった。なのに無かった。それを問題視して財団の力で調べたところ、DIOは死ぬ間際に1つ………ある行動を起こしていた。

 

 DIOが死ぬ少し前…彼は1()()()()()を誰かに送っていた。どこの誰宛てなのかはわからない……それくらいわかると思うだろうが、DIOから小包を受け取った者は老人で、その老人はその日のうちに失踪した。

 そして15日後に、老人の死体が遠く離れた山奥で発見された。しかもその死体は首が無く、残った死体も日光に出すと灰になって無くなった。それが海外でニュースとして取り上げられ、財団はここで初めて、DIOが小包を輸送した経路を知った。

 

 ゾンビにした即席の手下に陸路で運ばせたのだ。

 

 死体の近くに小包は無く、恐らくゾンビをその場で作って小包を届けさせたのだろう。その後に老人はゾンビとして死んだ………

 

 複数人で陸路で運ばれ、小包の行方はわからない。その小包の中が黄金の矢で、受け取った人物が"学ランの男"だとすれば………

 

「礼神………おい、聞こえてるか?」

 

「…ふぇ? あ、ゴメン。考え込んでた」

 

「そうか………で、君は学ランの男が持つ矢が、DIOが死ぬ間際に手放した物だと思うか?」

 

「どうだろう。多分だけど……違うんじゃないかな?」

 

「そう思う理由は?」

 

「……レオンさんの想像と多分一緒」

 

「………………………」

 

 DIOは最後……悪党の道から踏み外した。そして兄弟という家族の輪の中に落ち着いて終わった。

 そんな彼が、野望を新たな人物に託すとは思えない。

 

 いや、「自分にはできなかった」「あとは頼む」って流れがある可能性もあるにはあるんだけどね?

 

「もし私の想像通りなら……何の目的で小包を?」

 

「知らない。それにそれは、今関係無いんじゃない?」

 

「………そうだった。今は学ランの男に集中しよう」

 

 僕は一仕事終えたし、今日はホテルで休もう。その前に子供達に会いたいなー。きっとみんな大きく………

 

 

 

 

 

「大きくなってるーーーッ‼︎ 久しぶり〜‼︎‼︎」

 

 レオンさん達が泊まっている部屋に入ると、久しぶりに見る親友の姿と子供達がいた。

 

 僕は無表情の少女を正面から抱きかかえるように腕を回す。僕の胸に顔面が埋まったルナちゃんは、激しく動きこそしないが 僕の拘束から逃げようと腕を剥がそうとする。

 

 まぁこの歳の子の腕力じゃ、僕の抱擁は剥がせないけどね。

 

 ただそれを見た徐倫ちゃんが、割り込んで僕に抱き付いてくる。ので…僕はターゲットを徐倫ちゃんに変えて、そっちを抱きしめて持ち上げ クルクルと回る。

 

 徐倫ちゃんはルナちゃんと違って僕の首に腕を回してしがみつき、「キャー!」と年相応のはしゃいだ声を上げていた。

 

 満足して徐倫ちゃんを床に下ろすと、目が回ったのかフラフラと歩いてから尻餅をつく。だがその顔は笑顔で無邪気に笑っていた。

 

「………さて、最後は〜?」

 

「……ッ」ピタッ

 

 振り向くと、気配を消して部屋から出ようとするハルノがいた。ドアまでの距離はまだあるが、僕の射程圏内からは出れている。

 冷や汗を浮かべて、僕との間合いを再確認するハルノ……僕はそんな彼との距離をジリジリと詰める。

 

(このままでは……いやまだ慌てる時じゃない。礼神さんより、扉の方が近い……このまま走って廊下へ飛び出せれば、まだ逃げ切れる)

 

 まだ逃げれると判断したのか、ハルノは扉の方へ走り出した。それと同時に僕も走り出す。

 

(よし、これなら逃げ切れ……ッ⁉︎ そんな…誰も閉めていなかったのに、扉に鍵が……すぐに開け)

 

「待たせたな、ハールノ♪」

 

「ウグッ………‼︎」

 

 鍵を開けるハルノより早く、栗色の髪をした頭を捕まえてキツく抱きしめる。

 

「………礼神、少しは手加減したらどうだ?」

 

「2つクッションがあるのを良い事に、容赦なく引き寄せるからな……アイツ」

 

「愛に手加減は無用!」

 

 承太郎とレオンさんの呆れ声を聞き流し、僕はハルノをギューッと抱きしめる。時折「死ぬ」「殺される」と言う声が聞こえる。

 

(し、死ぬ! 花京院さんにバレたら、僕は殺されるッ‼︎)

 

「葎崎、そろそろ止めてやれ。ハルノが死にそうだぜ」

 

「ウィーッス」

 

「プハッ………ハァ…ハァ……」

 

「ハルノ………逃げる……ダメ」

 

 無表情でハルノにそう言うルナちゃん。多分だけど鍵閉めたのはルナちゃんかな?

 

「礼神、君の部屋は隣だろう。寝る時は戻ってくれよ?」

 

「えぇー、1人は寂しいでーす」

 

「じゃあ今日は徐倫が一緒に寝てあげる!」

 

「わー、ありがとう!」

 

 その後はみんなで夕食を食べ、寝る時になると本当に徐倫ちゃんが来てくれた。ハルノとルナちゃんも誘ったけど、そっちはダメだった………でも「ルナ……お父さんが良い」って言うルナちゃん、可愛かったな〜。無表情だったけど、少し困ったように見えた。

 

 それから数日は、本当に休日のように過ごすことができた。

 

 ………せっかく牢屋に入れたアンジェロが自殺するまでは。

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

 ある日の学校の帰り道。

 僕らはいっしょに帰っていました。

 

「ところで さあ。あの、承太郎さん達はどーしたの?」

 

「ああ、あの人達はまだ……杜王グランドホテルに泊まってるぜ…なんでも まだこの町について調べる事があるそーだぜ。俺はよく知らねーんだけどよ」

 

「ふ〜〜〜ん」

 

 そんな会話をしてると、気が付けば仗助くん()の近くまで来ていた。その仗助くん家の近くにはボロボロになった空き家が有るんだけど、その前に不審者が1人立っていた。

 

「……見覚えあるんだけどなぁ」ボソッ

 

 サングラスとマスクを着用してパーカーのフードを深く被っている。そんな人がボロボロの空き家を見上げて何か言っていた。釣られて僕もその空き家に目を向けると………

 

「仗助くん……たしかこの家3、4年ズウーッと空家だよね……?」

 

 板が無造作に張られて塞がれた窓…その板の隙間から蝋燭を持った人が見えた気がした。

 気になり仗助くんに確認してみると彼は振り向く。

 

「あぁ…こう荒れてちゃあ売れるわけねーぜ。ブッこわして建てなおさなきゃあな」

 

「いや…誰か住んでるよ。引っ越して来たんじゃない? 今 窓のところにローソク持った人がいたんだよ…」

 

「そんなはずはないなあ…おれんち あそこだろ? 引っ越したって言うならすぐわかるゼ」

 

 信じてくれないのかそう言って否定する。でも言われてみれば南京錠がおりてるし………

 

「それに浮浪者対策で不動産屋がしょっ中 見回って………」

 

「僕も見たよ」

 

「わッ⁉︎ あ、アンタ誰っすか⁉︎」

 

 この空家を見上げていた不審者が、急に僕らに話しかけてくる。パーカーのサイズが大きくてブカブカだったから身体つきは分からなかったけど、声からしてこの人は女性みたいだ。

 

「ん? 怪しい者じゃないよ。それより君、さっきジョウスケくん…って言った?」

 

「え、あ………」

 

「…行こうぜ康一。ああいう人には関わらない方が良いぜ」

 

 そう僕に耳打ちするけど聞こえたらしく、不審者の女性はマスクを外して「心外だな〜」と軽口を叩いてくる。

 

「それよりも……今の話の話題はこの空家でしょ? 蝋燭を持った人……確かに僕も見た。空家なのに誰かいる…気にならない?」

 

「…た、確かに気になりますけど……」

 

「もしかして僕たちが見たのは……」

 

「ちょ、止めてくださいよ…」

 

 相手は怪しい人だけど、少しだけ話が弾み空家がますます気になって来た。

 もし本当に誰かいたとしてもそれは浮浪者だろうし、その時は警察を呼べば良い。その程度の軽い気持ちで、僕は両開きの門の外から空家の敷地内に首を突っ込んだ。

 

「案外 幽霊かもしれないよ。僕が見たの………」

 

「お…おい、変なこと言うなよな…康一まで………幽霊は怖いぜ」

 

 空家の建つ敷地を囲った塀と門…その門から文字通り首を突っ込んでいる僕は、敷地の内側を軽く見渡す。

 すると、今まで死角になっていた塀の影に誰かの足が見え……

 

 

 ーーー ドグォォォンッ‼︎ ーーー

 

 

 ー

 ーー

 ーーー

 

「グェッ‼︎⁉︎」

 

 敷地内の塀の影に立っていた男は片足で門を蹴り、内側から門を足で閉めようとする。

 両開きの門の隙間から首を突っ込んでいた康一は 無論、それに挟まれて首からミシミシと嫌な音が聞こえる。

 

 門は鉄製で、鈍く大きい衝突音が聞こえる程強く蹴ったのだから、このまま首が折れてもおかしくない。

 

「人の家を覗いてんじゃねーぜ、ガキャア‼︎」

 

 敷地内に現れた男は、仗助にも負けず劣らずの不良のような外見だった。そんな男は未だに首が挟まれて苦しむ康一を見下ろし、荒々しい口調でそう罵声をかけた。

 

「おい! いきなり何し……」

 

「ゴメンゴメン。それに関しては謝るね。だからまず……足、どかしてくれる?」

 

 仗助の言葉を遮って、フードを被ったサングラスを付けた女性がそう言った。マスクは取ったが、未だに不審者感は拭えない。

 

「ここは俺の親父が買った家だ。妙な詮索は…」

 

「わかったか…ラッ‼︎」

 

 ーーー ガンッ‼︎ ーーー

 

「なッ⁉︎」

 

 不良の男は継続的に足に力を込めて、門に足をかけていた。だがそんな力を軽く上回る脚力で、不審者は鉄門の扉を蹴り開けた。

 挟まっていた首が解放された康一は前のめりに倒れ、敷地内で首を抑え 酷く咳き込む。

 

(あの人…一瞬だけ足が変に……見間違いか?)

 

 不審者は仗助に背を向けていたし、一瞬の事だったのでよくわからなかった。

 

「この(アマァ)……何しやがる」

 

「テメーこそ何しやがんだよ、急に………イカレてんのか?」

 

「………………」

 

 ーーー ガァン‼︎ ーーー

 

 威嚇のつもりか無意識か、不良はまた門を荒々しく蹴り閉める。今度は何も挟まっていない。

 しかし康一はまだ敷地内で、門を隔てて分断される形になっている。

 

「てめーはねぇだろ。ひとん家の前で、それも初対面の人間に対して「てめー」とはよう! 口のきき方知ってんのか?」

 

「てめーの口をきけなくする方法なら知ってんスけどねーーー」

 

 その不良は門に足をかけてそう言うが、仗助は負けじと憎まれ口を叩く。位置的にその間にいる不審者は、空気を読んでその直線上からスッと退いた。

 

 その時だった。

 

「ぐえっ⁉︎」

 

 敷地内で蹲っていた康一が、またもや短く鳴いた。彼の首からは金の細い棒が伸びていた。よく見るとそれは一本の矢で間違いなさそうだ。

 

「なにーーィ! 康一⁉︎」

 

「兄貴……⁉︎」

 

 見上げれば空家の窓からこちらを見下ろす人影があった。最初に康一と不審者が見た「蝋燭を持った人」だろう。

 その人は男らしく、大人びた声で不良に話しかける。

 

「なぜ矢で射ぬいたか聞きたいのか? そっちのヤツが東方仗助だからだ。アンジェロを倒したやつだということは、アンジェロからスタンドを奪った何者かと繋がっている。すなわち俺達にとったもかなり邪魔なスタンド使いだ…」

 

「ほへ〜〜〜っ、こいつが東方仗助〜〜っ………⁉︎」

 

 話の流れからして、兄貴と呼ばれた男が弓を射ったのだろう。

 そして不良は、自分が兄貴と呼んだ男と話していたが 興味でも持ったのか仗助の方へ振り向く。

 

「スタンド使いだと……いや、それよりも何故アンジェロの事を知っている!」

 

 仗助は承太郎からアンジェロがどうなったのかを知っている。そして昨日学校から帰る時に偶然レオンと会い、アンジェロが自殺している事も聞かされた。

 

「億泰よ! 東方仗助を消せ‼︎ ついでに目撃者であるそこの女もな ‼︎」

 

 仗助の問いには答えずそう命令し、億泰と呼ばれた不良は命令を聞き入れて仗助達と向き合う。

 

「……ガフッ」

 

 そうこうしてるうちに、矢で射られた康一は白目を向いて吐血する。意識はないように見える。

 

「康一………!」

 

「血を吐いたか。こりゃあだめだな…死ぬな……ひょっとしたらこいつもスタンド使いになって、利用できると思ったが…」

 

「と、どけッ!」

 

「ダメだ!東方仗助、お前はこの虹村(にじむら) 億泰(おくやす)の『ザ・ハンド』が消す!」

 

 ザ・ハンドと呼ばれるスタンドを発現し、億泰は仗助の前に立ちはだかった。

 そんな仗助の後ろには………

 

「虹村………億泰………………虹村…」

 

 そう呟いて頭を悩ませる不審者がいた。

 




礼神
「ウワァァァァア‼︎ 名乗るタイミング無くして終始不審者だよォォォォオ‼︎‼︎」

伊月
「ドンマイw」

ドマゾハゲ
「ちなみに言っておくが、オレェは"シールドがはれる自身強化型"のスタンド使いだぜぇ? それとドマゾハゲじゃなくて、ゾルって名前あんだけど?」

証呂
「はい、多分この先は役立たない情報説明ありがとねー」

ヴィルナ
「ハッ! わたしもそうすればいいのか‼︎ わたしのスタンド能力は」

証呂
「貴女はまた今度ねー」
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