ストライク・ザ・ブラッド --------ハゲの監視   作:ワンパンチマン

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アスタルテの性格が崩壊します。注意です。アスタルテのあの性格をこよなく愛する貴方!バックキーをお薦めします!


「聖者の右腕篇Ⅵ」

サイタマにふり下ろされた拳は避けようとしないサイタマに確実に命中してクレーターが地面に出来上がる。

 

「終わりましたか。行きますよ、アスタルテ」

 

「否定。まだ終わっていません」

 

「何?」

 

地面にクレーターが出来た中から何事も無かったようにサイタマが出てくる。サイタマが来ていた制服が所々破れておりかわしたのではないことが分かる。

 

男は焦っていた。アスタルテはホムンクルスと呼ばれる存在であり男が無理矢理眷獣を体に埋め込んだのだ。その威力は絶大であり例え人間の数倍の力を持っている獣人であっても吹き飛ばされるだろう。そんな攻撃を避けるなら分かる。何らかの武具や呪力、魔力の行使で防いだのなら分かる。

 

だが目の前の男からは、避けるでもない。更には武器も持っていない、呪力も魔力も行使した痕跡すらない。つまりは身体的肉体のみでアスタルテの眷獣を防いだ事になる。それも掠り傷すら負わずに。

 

アスタルテが何らかの感情が芽生えて奴に対して力をセーブしたなんてことも地面を深く抉ったクレーターを見れば、それはないと分かる。

 

分かるが、納得は出来ない。アスタルテの眷獣の力ならばD種の貴族、いや真祖クラスでも大きなダメージを与えられる筈だ。勿論魔力の行使無しでダメージを追えば幾ら不死身の真祖と言えど暫くは動けないだろう。

 

「なんかさっきと見た目変わったな」

 

考えていても分からない。なら自分で確認するまで。

 

「アスタルテ、二人でいきます。フォローしなさい!」

 

命令受託(アクセプト)薔薇の指先(ロドダクテュロス)

 

纏っていた法衣を外すとその下に着込んでいた装甲強化服が黄金の光を放った。それにより視力を一時的に奪い一気に走り出す。

 

「まぶしっ!え?え?なにそれ!?」

 

眼前の男は見えないからか適当に腕を振り回している。

 

「ロタリンギアの技術により造られし聖戦装備要塞の衣(アルカサバ) ------この光を持ちて我が障害を排除する!」

 

男の速度は増していき筋力も上がっていく。呪力が溢れだして手に持っている斧を振りかぶる。

 

「アスタルテのフォローすら要りませんでしたが死になさい!!」

 

男の意識は一旦そこで途絶えた。覚えているのは、呑気に焦った声を上げている男の声と激しい体の痛みだけだった。

 

 

 

 

 

 

サイタマは焦っていた。視力を奪われた事で振り回していた拳がたまたま当たってしまったのだ。手加減していたとはいえ着ていた服はボロボロに弾けとび上半身裸になってしまっていた。もう一人いた女の子は、いつの間にか元の姿に戻っており膝をついている。サイタマは知らない。この時サイタマは手加減していたがそんな一撃を人間が受けて無事にすむ筈がないという事に。

サイタマは知らない。法衣が砕け散らなければ男の腹に穴が空いていたことを。

 

「それにしても...なんかあのおっさんが着ていた奴って光ってたけど高いのかな?...い、いや俺のせいじゃねえよな?相手から襲ってきたんだしな...」

 

うんうんと、自分で自分を納得させたサイタマは、上半身裸のおっさんを抱えあげて座っていた女の子に近付く。

 

「こいつの知り合いだろ?俺の家近くだから目が覚めるまで休んでけよ」

 

「...命令認識(リシーブド)ですが良いのですか?」

 

「ん?」

 

「殺そうとしていたのですよ?」

 

「え?あれって殺そうとしてたの?」

 

サイタマは命の危機だった事が今の戦闘では一度も無かった。確かに襲われた、という認識はあっても目が見えない状態で吹き飛ばしてしまって終わってしまった。という認識しかなかった。だからこその言葉だった。

 

「...分かりました。付いていくことが最善だと判断しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

男は目を覚ました。

覚悟をしていた。糸神島に、我が願いを叶えるためにすることへの対価。それは負ければ死、という決意。そして願いが叶っても無事ではいられないと思っていた。

 

そして私は負けた。名前も知らぬ男に。

 

だがその男は、私の事なんて気にせずにテレビを見ながら尻をかいている。情けをかけられたのか?どう見てもここは収容所でも監獄でもない。ただの一般的な家。

 

一つ気になるのはアスタルテが普通に話している事だろうか。悪いとは思っていた。人体実験をして眷獣を植え付けるなんてことをすれば人間より寿命が多いホムンクルスであっても寿命が直ぐに来てしまう。

 

だが債は投げられたのだ。止まることも許されず戻ることも出来ない。

 

「おっ目が覚めたみたいだな」

 

私に気づいたのか声をかけてくる。短絡的というのか殺されそうとしていた相手に何故こうも平常でいられる?そもそも何故手錠もなにも付いていない?

 

「いやー目が覚めてくれて助かったぜ。アスタルテが五月蝿くてな。早く帰ってくれ」

 

「否定。私は五月蝿くありません。むしろずっと貴方の隣にいたいです」

 

「....」

 

私が眠っている間に何があったらホムンクルスであるアスタルテをここまで饒舌に出来るのか教えてもらいたいほど変わっていた。

 

「いや五月蝿いだろ。つーかマジで帰れよな」

 

「否定。帰りません。私の主人(マスター)はサイタマに変更されています」

 

「は?なにそれ聞いてないし、変更した覚えなんてないんですけど?」

 

「今決めました。再変更は不可能です」

 

目の前のホムンクルスは誰だ?私は不覚にもそんなことを思ってしまった。だがここでアスタルテを引き渡すわけにはいかない。アスタルテ無くして私の、いえ私達の聖戦は勝ち抜くことが出来ないのですから。

 

「アスタルテ。帰りますよ」

 

命令認識(リシーブド)。残念ですが一緒には行けません。貴方はもう私の主人(マスター)ではありません。お引き取りを」

 

「いやお前も帰れよ」

 

「...貴方は何者なのですか?」

 

「ん?俺?俺は--------ヒーローを目指しているものだ」

 

「ヒーロー?」

 

「私のヒーローになってください、主人(マスター)

 

アスタルテは笑顔でサイタマに言う。その表情は年相応の顔で可愛らしく見える。

 

「いやだからもうほんと帰れよ!」

 

サイタマの家が騒がしくなっている頃。

暁古城は、羽波 唯里と昨晩の事件について動き出していた。

 

雪菜が帰るまであと少し---------。

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