月香の狩人、アカデミアに立つ   作:C.O.

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10.対敵学その後、緑谷出久の個性

 終礼の鐘が響いてもなかなか動こうとしない生徒達を見かねて、私は一つの狩道具(アイテム)を取り出した。

 『聖歌の鐘』と呼んでいる私でも片手で持てる程度の大きさの白銀製の鐘だ。

 これは、かつての任務の際のターゲットであった(ヴィラン)の所有物だったものを、私が上へ嘆願しやや強引に譲り受けた品である。

 その(ヴィラン)は古美術品やアンティークな調度品の収集を道楽としており、その保管庫には夥しい量の芸術品が立ち並んでいた。その中の回収した品の一つにこの鐘があったのだ。

 強奪品の大半は持ち主の元へ返され、他の回収品も一般に掲示されたものの、この鐘の持ち主は終ぞ現れず証拠品の申し送りとして警察の保管庫へ眠る予定だった。

 それを任務に有用なものという名目の元、上に警察を説得してもらい非合法ながら現在は私の手元に収まっているのである。

 私自身が非合法の塊であるが故なのか、知っている者からすれば今更といったことのようで思いのほかすんなりと話は通ったらしい。

 ただし誰一人としてこの件は知らぬ存ぜぬで通すということが大前提になっている。

 つまるところ、もし露見した場合にはすべての罪は私が背負えとのことに他ならない。

 しかし私自身社会的立場にも今の生活にも特段の執着はないので、無意味と言えば無意味な取り決めだが、形式的に彼らが満足するのなら、これでいいのだろう。

 その私が、聖歌の鐘に固執したのは理由がある。

 これは表面の装飾が美しく打ち鳴らすと澄んだ音色が響き渡るものだが、美術品としての価値に惚れこんでいるわけではない。これを今取り出したのも、当然ながら彼らに精神的な安らぎ(リラクゼーション)を提供しようというわけでもない。

 この鐘は『狩人の遺骨』と同じく、私の『神秘』に反応するものなのだ。

 私は手袋を外すと、右の親指の表面を噛みきりそこから流れ出る血を聖歌の鐘へ這わせた。

 這わせた血は鐘へと染み込んでいく。

 そして、私は頭上へと掲げ、鐘を打ち鳴らした。澄んだ音色が体育館γに響き渡る。

 

「あ、あれ? 身体が軽くなった?」

「動ける……?」

 

 生徒達は突然の復調に戸惑っている様子だ。

 この鐘は、この音色を聴いた生命体すべてに一定の治癒の効果をもたらすものなのである。

 ただし治癒と言っても、命に関わる大出血を起こした後や四肢欠損を治せるわけではなく、疲労の回復や中度の外傷など特定の事象に限られる。またおおよその人体に及ぼす毒ならば解毒することも可能だが病気の類は大半が治せないといった形で多くの制限があるため、決して使いやすい道具ではない。

 それに交戦中に回復する手段としては発動するまでが遅く、特に私の場合個性における特性上あまり使用する機会もなかったのだが、赴任することが決まり雄英という集団に属することになったときから念のため持ち歩いていたものがようやく本日、日の目をみたのである。

 

「なにをしたんだ、狩人」

 

 イレイザーヘッドがやや不審気味に私へ尋ねる。

 

「この鐘を少し特殊な鳴らし方をすると聴いた者に簡易的な治癒の効果を与えることができるのです」

「ほお、どういう原理だそれ」

「さあ、私にもわかりません」

「……おい」

「できてしまうのですから仕方ありません。私は使えるモノを使っているだけですので」

 

 私の神秘に反応させるということはイコール血を使うということである。

 以前オールマイトに包み隠さず言った際に、それは人前で言わない方がいいねと言われたのでそのために言い訳を用意しているのだが、なかなかに苦しいと我ながら思う。

 とは言え、この鐘も唯一無二のものであるし誰かに触らせるつもりもないので確認する術は誰も持ちえないのだから、苦しかろうが問題はない。

 実際、イレイザーヘッドも納得はしていなさそうだがそれ以上の言及はしてこなかった。

 芦戸三奈が寄ってくる。

 この生徒は私であろうと、警戒心なく躊躇なく距離を詰めてこられるのも才能の一つなのだろう。

 

「これ、狩人先生の個性?」

「いえ、これは道具の力です。リカバリーガールほどではないですけど治癒の効果がある鐘です」

「はえー……私が治癒の個性にでも目覚めたのかと思いましたよー。擦り傷とか打撲とかも治ってるし、すっごいですねそれ!」

「少々使いづらいものですけどね」

 

 自分の快調がよほど不思議だったようで疑問符を頭に浮かべながら身体を見回していた。

 

「さあ、動けるようになったら早く着替えに戻ってください」

 

 柏手を打って生徒たちに撤収を促す。

 

「俺達は先に戻るぞ。俺もセメントスも次の授業があるからな」

「ええ。私は生徒が全員出ていったか確認して戻ります」

 

 そういうとイレイザーヘッドとセメントスは早々に戻っていった。

 続々と生徒も戻っていく中で、私はどうしても気になり生徒の一人を呼び止めた。

  

「緑谷出久……くん。少しいいですか」

「はい、僕ですか?」

 

 呼ばれると思っていなかったようで、驚きが表情に混じりつつも素直に足を止める。

 今回の授業の目的は彼の力を間近で見るためでもあった。

 彼の個性はオールマイトから引き継いだもの。生来のものでない故に扱い方に不慣れなのは仕方がない。

 しかし、しかしだ。それにしてもなんなのだ。

 持て余しているどころか個性に振り回されているではないか。

 オールマイトの弟子であり後継者なのだから、全てはオールマイトに任せ、口出しはすまいと思っていたがあまりにも目につく。

 授業で本気でやれと促し、ワン・フォー・オールを撃たせてみたが個性ばかりが先行してしまっている。私のいなしで自爆の怪我こそさせなかったものの、あれでは訓練すらままならない。怪我をして訓練が止まってでは、彼の成長はいつまで経っても始まらないのである。

 彼は、平和の象徴を担うまで足踏みなどしていてもらっては困るのだ。

 ならば、オールマイトにとって不本意かもしれないが私がほんの少し背中を押させてもらう。

 

「あなたの個性ですが」

「ぼ、僕の個性がどうかしましたか?」

 

 なぜ個性について聞かれただけで動揺するのだ。眼も泳いでいかにも触れてほしくないというオーラを出しすぎている。それでは個性に後ろめたいことがあると言っているようなものではないか。

 様子から察するにオールマイトが彼に私のことを言っていないのなら私から彼に個性の秘密について知っていることを言うのは控えておく。

 だがオールマイトに彼の精神面の修業をさせることを進言しておこう。これではいつ漏洩してもおかしくない。

 

「……なにを動揺しているのかわかりませんが、話を進めます。あなたは明らかに個性を持て余しています。個性というのは身体機能の一部というのはご存知ですよね?」

「は、はい」

「身体機能というのは、本来自身の成長と共にあるべきであり、それは個性であっても例外ではありません。あなた達くらいの年ごろまでは年齢と共に個性も一気に成長していきますがそれでも肉体が追いつかないほどの個性成長というのはあまりききません。私生活に不便がない程度には制御や調整もその過程で自然と身についていくものなのです。つまり個性を持て余すというのは一般的にはなかなかないこと。しかし緑谷くんの場合、個性ばかりが先行して肉体が追いついていない。まるでごく最近個性がいきなり、そして強大な力が発現したような印象を受けます」

「は、はは……じじ実際そうなんですよ。最近奇跡的に発現しまして……」

 

 先ほどよりも激しく動揺しているが、触れずに話を進めていく。

 

「ならば、緑谷くんがやることは一つです。個性を常に発動しなさい。寝ても起きても常にです。あなたに必要なのは個性に慣れること。まずは個性を自在に操れなければ訓練以前の問題です」

「いや、あのー……個性を使うと怪我をしちゃうので……できないというか……その……」

 

 視線を逸らし言い淀む緑谷出久。

 自ら気づいてもらうために遠回しな言い方をしているが、今の彼にとっては個性の秘密を守ることに必死で私の話が耳に入っていないのだろう。もう少し直接的な言い方に変える必要がありそうだ。

 

「誰が使えと言ったのですか。私は発動し、慣れろといっているのです」

「え、えーと?」

 

 困惑はしているものの、それをきっかけにぶつぶつと独り言を呟きながら緑谷出久は考えに没頭し始める。今までを見ている限りでは考えることは苦手ではないようだし、きっかけさえ与えてやれば自身で解答へ辿り着く能力があるのもなんとなくだがわかってきていた。

 

(……平和の象徴を担うのなら、気づきを他人に与えられているのは論外。だが考察力はそれなりにあるようだし、現時点では及第点といったところか)

 

 それともう一つ。彼の個性の使い方で、気になっている点があった。

 オールマイトから個性を引き継いだ時点で最初に教えられるものだと思っていたが、緑谷出久がまるでやっている様子がないところをみると教えられていないのかもしれない。

 オールマイトはかなり感性でやってのけてしまう天才肌のタイプなのでこう言う点は苦手分野なのだろう。

 

「もう一つ、いいですか」

「は、はい」

「あなたが身に余る個性をもっていることは今まで見てきてわかりました。私もそうですが、本来増強系は肉体の強化が行われるため、自身が産んだ衝撃に対しての反動にも耐えることができます。しかし、緑谷くんはできていない」

「そう、ですね。すみません……」

「私の印象ですが、今の緑谷くんは軽自動車のベースにジェット機用のエンジンを積んでアクセルをベタ踏みしているように思えます」

「確かに、そんな感じです……規格に合っていないってことですよね」

「ええ、その通りです。緑谷くんは自分の個性をどう捉えていますか?」

「どうって……えっと、この個性を使うと電子レンジの中にいれた卵が爆発しちゃうみたいな、そんな感じです。なのでワット数を下げるとかそういうイメージ練習はしているんですけどうまくいかなくて……」

「なるほど。内側から爆発するイメージですか」

「はい、それで自傷してしまうんです」

 

 内側からの爆発と家電製品のイメージを持っているなら話は早い。

 それならば、すぐにでも理解できそうだ。

 

「まずはその自爆をしないようにしなければなりませんね。まずはその技術を学ぶ必要があります」

「調整が難しくて……僕の肉体が追いついていないっていうのもあるんですけど」

「緑谷くんほどの破壊力を持つ個性の場合、自爆することと肉体の強さはそれほど関係は在りません」

「えっ、でも……オー……お師匠様には身体を鍛えろって言われましたけど」

 

 オールマイトと言おうとしたあたり、本当に咄嗟のことに弱い性格だとわかる。ただこのままだと口を固くする訓練まで視野に入れなければいけなくなってくるので、早々にオールマイトに進言しておかなければならないと改めて認識する。

 だが今は無視して本題を進めていく。そんなことに時間を費やすほど余裕はないのだ。

 

「いいですか。いくら人体を鍛えたところで何十トンもの反動に耐えられるわけがないでしょう。増強型のベースはあくまでも人体なのですよ」

「それはそうですけど……」

 

 これは私見だが、オールマイトはワン・フォー・オールを力の結晶と呼んだが、細かく分析していけば乗算的な強化と加算的な強化の複合型の強化個性なのではないかと予測している。乗算型の強化でベースとなる肉体の強化を行い、加算型で一定の値まで一気に底上げをする。故にオールマイトに比べて貧弱な緑谷出久の肉体であっても一定以上の破壊力を生み出せるというわけだ。

 ただ緑谷出久の場合、加算型の強化値が大きすぎて反動で肉体の耐え得る許容量(キャパシティ)をオーバーし、自傷しているのだ。

 しかし、この現象は単純に肉体が追いついていないだけではない。

 

「いくら増強したからと言って肉体は肉体です。反動の影響を小さくすることはできても反動が無くなることはありません。それはどんな増強型の個性であってもかわりません」

「物理現象ですから、そうですよね……」

「もっと君にとってわかりやすく言いましょう。例えば、オールマイトはあなたと同じような個性の使い方をしていると思いますか?」

「ええええ、ええとそれは?」

「だからなぜ動揺するのですか……。一番周知されている例を挙げただけです。彼の個性は不明ですが素の力であんな怪力が出せるわけないでしょう」

「え、えっとつまり……?」

「増強型の個性だと仮定しての話です。彼の肉体もかなり大柄で強靭なものですが、人外というレベルではないですし、もっというのならば異形型ではなく人型の枠からでていません」

「え、ええ。はい」

「その点を考慮して考えてみて下さい。彼の繰り出すビルをも簡単に破壊する甚大なパンチの反動をいくら強化された肉体だからと言って耐えることができると思えますか?」

「えっと、つまり……なにか肉体の強化以外で反動を緩和しているってことですか?」

「必然的にそうなりますよね。私が思うに、たとえオールマイトであっても今の緑谷くんと同じ個性の使い方をしていたら半分の力も出せないのではないかと思っています」

「……そうか、考えれば当たり前の話だ。オールマイトも人間だ。肉体の強化と言えども人体である以上限界は存在する。ワン・フォー・オールはオールマイトを含めて何人分もの力が詰まっている。ということは反動も同様に比例して大きくなる。人体一つで耐えられるようなものでは最初からなかったんだ。ならどうすればいい? オールマイトは力を緩めて使っていた様子はないし、道具も使っていなかった。ということはつまり力を緩めずにそれでいて反動を受けない方法が……いや受けない方法はないと狩人先生は言っていた。それに技術を身に着けろって。ということは反動を受けて且つ反動の影響を受けないやり方が――」

 

 唐突にやたらと早口で私にもほとんど聞こえないような小声で考えに再び没頭し始めた。次第に僅かな声も無くなっていったが口元だけが動いている。読唇術を使えば簡単に彼が何を呟いているのがわかってしまうので、本当に情報漏洩の危機をオールマイトに訴えないといけないと固く心に誓ったのだった。

 しばらく考え込んでいたと思ったら緑谷出久は、はっと顔を上げて何かに気付いたようだった。

 

「そうか、アース……アースだ! 過剰な反動をそのまま内側にとどめてしまうから爆発してしまう。ならば受けた反動を肉体で受け止めるのではなくどこかに力を逃がしてしまえばいい、そういうことですよね!」 

 

 やはり、考察に関してはなかなかどうして鋭いものがある。

 この短時間でそこまで行きつけるのは、普段から思考をする癖がついていなければ難しいはずだ。

 

「そう、正解です。といっても増強系の個性持ちは意識的にせよ無意識的にせよ行っていることですので特別に珍しいことではありません。ですが、緑谷くんの場合なにぶん威力が大きいので反動も必然的に大きくなる。一般的な増強系の力の逃がし方では間に合わないでしょうけどね」

「な、なるほど。となると、どうやればいいんだろうか――」

 

 緑谷出久は、まだ独り言と共に考え耽っているようだったがそろそろ次の授業が差し迫っている。

 私が大きく拍手を打つと、緑谷出久はびくりと身体を跳ね上げながら私の顔を見返した。

 

「考えるのは教室でもできるでしょう。答えを言うのは簡単ですが、考えることも訓練の一環。なので私から言えるのはここまでです。それでもわからないときはあなたのお師匠様とやらに訊いてみるのも手だと思いますよ。私より緑谷くんのことを理解してくださっていると思いますので」

「あ、は、はい! ありがとうございます!」

「時間を取らせましたね。……同じ増強型の個性持ちからのアドバイスだと思ってください。さあ、戻りましょう」

 

 緑谷出久は軽く礼をして私に背を向けて体育館の出口へ向かって駆けていく。あの小さな背中に平和の象徴という重圧がいずれ圧し掛かるのかと思うと、少しだけ同情を覚えた。平和の象徴など、本来一人の人間が背負えるような代物ではない。憧れだけでも、思想だけでも、力だけでも担うことのできない大きな称号。緑谷出久は能力だけでなく、オールマイトの課せられた強者の義務(ノブレス・オブリージュ)も同時に引き継いでいかなければならない。

 清濁併せ呑む度量と心をこれから培っていかなければ、社会矛盾や自己矛盾に苛まれ自身を壊してしまうだろう。その心の成長は肉体以上に長い年月が必要なのだ。ならばせめて、身体だけでも先に憂いを失くさなければならない。私がその一助になるかはわからないし、助力になっても僅かなものでしかないかもしれない。

 それにオールマイトのためにも、先の憂いを失くしてあげたいと思う。緑谷出久の大成こそ、オールマイトが唯一心休まる瞬間なのだろうから。

 それにしても――。

 

「私からかかわっていくなんて。らしくない、お節介だな」

 

 誰もいなくなった体育館で小さく独りごちたその言葉は誰に聴かれるわけでもなく溶けていったのだった。

 一息をつきたいが、次のことに取り掛からなければならなそうだ。

 

「さて、そろそろでてきたらどうですか」

 

 柱の陰から感じる気配に声をかけると、爆豪勝己と轟焦凍が姿を現したのだった。

 

 

◇◆◇

 

 

「え、私そんなことしてたの!?」

 

 放課後、仮眠室でオールマイトに授業後のことを話すとなぜか驚かれた。

 

「いや、まあ、確かに。そのまま放っておくと痛いからこう脚から地面に分散させたりもう一個の手に移してどっかやるみたいなことしてたけども!」

「それを言ってるんです」

 

 やはりオールマイトは天才肌だったようで、無意識的にあの超反動を対処していたらしい。

 

「そうかそうか。緑谷少年には悪いことをしたな。もっと先に教えてあげるべきだった……君の方が緑谷少年の先生をやっているなぁ」

「無意識にやっていたのなら教えられませんからしかたありませんし、彼の先生をやったつもりもありません。あとはオールマイトに聞くように仕向けておきましたから相談に来ると思いますので後はお願いします。それに、正直なところ調整ができてない現段階ではあまり意味のないものかもしれませんけれどね。今のゼロか百かの状態では反動の分散にも限界がありますし、肉体の強化が先決というのもわかります」

「そうなんだよねぇ。過剰な力であることに変わりはないわけだし。なにかきっかけがあればいいんだろうけど」

「ただ、調整ができたときに五%や十%程度でしか出力できずもたつかれては敵わないので少し余計なお節介をしました」

 

 すると、オールマイトは微笑を浮かべつつ私に優しい視線を送ってきた。

 

「どうしたんですか?」

「いや、嬉しくてね」

「嬉しい?」

「それは、ヒーローの本質だからさ」

 

 それ、が何を指しているのかよくわからなかったが、オールマイトが嬉しそうにしているのなら特に言及する必要もないだろう。

 それにもう約束の時間も差し迫っている。私はおもむろに立ち上がった。

 

「このあと、生徒達に呼び出されているのでそろそろ失礼しますね」

 

 爆豪勝己と轟焦凍から放課後に体育館γ前に来てほしいと言われていたのだった。

 

「お、前に言ってたアレかな?」

「さあ、わかりません。ですがなにかしら回答をきかせてくれると思いますよ」

 

 私は仮眠室を後にし、体育館γへと向かったのだった。

 

 




【聖歌の鐘】
特殊な狩道具。
音色が次元を跨ぐ神秘の鐘を模して作り出されたもの。
この小さな銀色の鐘は、遂に音色は次元を跨がないが
聴くものすべてに生きる力と、治癒の効果を及ぼす。

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