その未来にあるもの   作:spirits77

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聖杯の存在

橘達は屋上に向かっていた

なぜかと言うと、朝倉たちを探し回っていた時、

近くにいた生徒から屋上に変な光が発生したとの報告があったからだ、

それが朝倉じゃない可能性もあるが、

今は一刻を争う時、少しの可能性も信じていくことにした

 

 

しかしそんな2人を遥か上空から見下ろす男が。

 

「標的設定完了」

 

そのままマッハの勢いで学校へ急降下する

 

 

 

屋上につながるドアを開けた橘

それと同時に屋上に凄まじい閃光が走る

あまりにも眩しすぎたので、橘達は反射的に目を瞑ってしまう

しかもそのまま数十秒目を開けることが出来なかった

 

「くっ……」

 

やっとの事で片目を開けた橘、

そこに屋上というものは残っておらず、下の校舎にも大穴が開いていた。

そして上空に人の気配を感じる

見上げてみると2人の人影が見えた、

しかし光の逆光でなかなかそれが誰なのか判明しなかった

 

「あれは…?」

 

正体はすぐに分かった、

何故なら腕に腕章を付けていたからだ

1人は朝倉。

 

 

そう決めつけていた橘だったが、

またもや自分の目が間違っていることに気づいた

 

 

腕章を付けているのは竣であった

何故付けているのか、それはすぐに分かることになる。

橘はその数秒後、屋上の隅に横たわる朝倉の姿を発見する

 

「会長!」

 

すぐさま朝倉の元へ駆け寄る

 

「大丈夫ですか!?」

 

すると朝倉は目を開けて、

少し苦しそうに話し始める

 

「ええ、平気よ…あいつを止めて頂戴」

 

「そ、曽谷をですか?」

 

「そうだ…あいつは危ない…」

 

「そんなに強い敵なのですか!?」

 

「違う、あいつが強すぎる…力が体を超えている、もう8割方暴走状態だ…」

 

気がつくと横に星崎も来ていた、

そしてすぐさま回復魔法を唱える。

みるみるうちに朝倉の傷は消えていき、立ち上がれるほどになった

 

「礼を言う、助かった2人とも」

 

 

 

「はあぁぁぁぁっ!」

 

上空から気合いを入れる声が聞こえたかと思うと、

力同士がぶつかり合う音と強烈な突風が吹き付ける

 

必死にガードする橘達だったが、

ついには下の校舎が一部壊れてしまう、

身動きの取れない3人はそのまま巻き込まれて下に落ちてしまうかと思ったその時…!

 

 

「…………こ、これは?」

 

「バリア…」

 

「一体誰が?」

 

すると背後から大きな羽根の生えた女性が現れる

そしてその女性は名乗った

 

「私は名前は…ルシファー」

 

ルシファーと名乗ったその女の子に、

橘達は全員見とれていた。

年齢は分からないが、整った顔にスレンダーな体つき、

それでいて胸は大きい、露出の高い服を着ていて上胸が少し出ている

 

「る、ルシファー?」

 

やっと声を絞り出して橘が聞き返す

 

「ええ、そうよ」

 

ルシファーは右手を前に翳している

そこからバリアを作り出して橘達を守った

 

「ど、どうして私たちを助けたの?」

 

「あなた達、竣の知り合いでしょ?」

 

「そうだけど…」

 

「私はいつも彼が作る料理を食べているの」

 

作らせている、作ってもらっているということは伏せ、

都合の良いところだけしれっとした顔で伝えるルシファー

しかし、橘と星崎は違うことで驚いているようだ

朝倉はニヤニヤしている

 

「え、じ、じゃあ…あなたと曽谷君は…そ、そういう関係?」

 

星崎が聞く

 

「関係もなにも……私と彼は………________

 

次の言葉が聞こえる前にルシファーのバリアが破れてしまう

何故かと言えば、

ルシファーの気がそぞろになっていたこと、

そして竣と対峙している者の力が想像以上に強いということ。

 

「今は話している場合ではないわ、彼を止めないとね」

 

朝倉が立ち上がり明らかに劣勢となってしまった、

竣の姿を見つめる

 

「暴走しているとはいえ…それほど強い彼をも強い相手……」

 

すると次の瞬間竣が相手に吹き飛ばされ、

そのまま追撃を喰らう

竣は学園の寮に激突し、その衝撃で寮の半分が崩れ落ちた

 

「な………あいつ…!」

 

橘の目が怒りに染まっていく、

我慢が出来なくなったのだ、この学校がこれ以上壊されることに。

生徒会の中で一番学校の環境に対してうるさかった橘

だからこそ、環境に対する情も深かった

 

「私があいつを倒してやるわ!!」

 

その相手に向かっていった橘

しかしその相手の顔を見ると動きが止まる

 

「…………?」

 

何か見覚えがあるような顔をしているのだが、

それを思い出すことができない

 

敵の顔は仮面のようなもので覆われていた

見えているのは見事なまでに割れた腹筋だけだった

それと黒ずんだオーラも少し見えている

そしてその男が声を発した

 

「対象変更、攻撃開始」

 

ロボットのような口調でそう告げると、

橘の目の前から姿を消した

 

「ど、どこよ!」

 

気づくとその男は橘の前には居なかった

慌てて下を見ると朝倉とルシファーの前に男は立っていた

星崎は負傷した竣の元へ行っている

 

 

 

いきなり目の前に現れた男

しかし2人とも驚きはしていなかった

ルシファーはつまらなそうな、朝倉は少し興味深そうに見ている

そしてその男は再び声を発する

 

「どちらが先に殺されたい」

 

その声を聞いた朝倉が少し驚いたような顔をした

その男の正体が分かったからだ

 

「あなた、鴨居ね」

 

「………………」

 

その男は喋らなかったが、

明らかに動揺した雰囲気が漂ったのを2人は感じ取った

 

「どうしてこうなったのかは知らないけど、学校壊すのは生徒会役員として失格よ」

 

「もう俺にそんな物は必要ない」

 

すると腰を指していた剣をとる

金色に輝く綺麗な剣であった

 

「私の名は鴨居ではない………我こそは神威」

 

ルシファーが呆れたように言い返す

 

「はぁ……読み方変わらないじゃない」

 

そう、文字にしないと分からないのだが、

この時神威は「かもい」を2回繰り返しただけである

 

「まぁ何でもいいわ、あなたがやるの?」

 

ルシファーは朝倉にどちらか戦うのか聞いた

 

「なら、私がやろう」

 

すると朝倉は一歩前に出る

神威と朝倉の間に緊張感が走る

 

だが、神威は剣を構えただけで一向に攻撃してこない

怪訝に思うが、罠かもしれないので距離は変えずにそのまま聞いてみる

 

「攻撃しないのか?」

 

すると神威が口を開く

 

「邪魔をするなら斬るそれだけだ。我は今無駄な戦いをするつもりはない」

 

「そうか、ならとっとと立ち去ってもらえるか」

 

すると神威はフッと笑ったような感じがした

 

「我を倒せるのは今が最後の契機だ」

 

「なぜ?」

 

「聖杯………とだけ言っておこう。倒したいのならいつ何時でも来るが良い、粉微塵にしてやろう」

 

そういうと神威は剣をしまう

そして上空へ浮かび上がる

 

 

上空にいた橘は慌てて身構えるが、

神威は眼中にないといった様子で、そのまま超高速で飛び去っていった

 

「な、なんだったの…?」

 

橘は少し気が抜けたような顔で、

下にいる朝倉の元へ降りる

 

 

朝倉たちは何やら話していた

 

「貴女は聖杯について知っているの?」

 

「ええ、知っているわ。天使族なら誰でも…聖杯はある場所に保管されている力よ。もし、神威がその聖杯を使い力を増そうとしているのなら愚かな考えね、聖杯には三つの鍵となる存在と聖杯が必要なの」

 

「三つの存在?」

 

橘はなにやら重要な事だと思うと、

すぐさまメモを取る癖がある。今回も気づかないうちにメモを取っていた

 

「三つの存在、それは聖杯を昔守っていた守り神の上半身、下半身、そして魂。その3つを聖杯に揃える事で、聖杯は初めて機能するわ」

 

「その3つは今どこに?神威はまずそれを狙うはずよ」

 

「場所は後で詳しく教えるわ、その3つと聖杯はそれぞれとても強い銃士が守っているわ、上半身にはアトス、下半身にはポルトス、魂にはアラミス、聖杯にはダルタニアンが」

 

「とにかく、その3つのどこかに行ってこの事を説明しないといけないようだな」

 

「その通りよ、まず全員で話し合う場所が欲しいわ」

 

そう言って橘を見るルシファー

しかし橘にもその場所がどこか分からなかった

何故なら、学校は8割以上崩壊しており生徒の負傷者数も3桁に登っている、

寮も先ほど竣が激突した事により半壊、寮にいた生徒も負傷している。

学校で話し合う場所など無かったのだ。

 

するとそこに星崎と竣がやってきた

 

「み、皆さんご無事ですか?」

 

星崎が心配そうに尋ねる

3人とも大丈夫だと返事をする

 

「いてて……何があったのかよく覚えてないな…」

 

そして竣は神威と戦っていた時の事をあまり覚えていないようだ

なにせ暴走状態、記憶も何も飛んでいるのだろう。

しかしそんな竣にさらに不幸が重なる

 

「とにかく、付いてきて」

 

全員揃った事を確認して、

ルシファーはある方角へと飛び立った

慌てて他のみんなも追う。

竣は飛べないので、またもや朝倉がお姫様抱っこをしている

しかし今の竣は疲れていて、とても抵抗する気力も無かった

 

そしてルシファーがある建物の前に降りる

 

「ここなら、安心よ」

 

そう言った先にあったのは……

 

「ここって………俺の家!!?」

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