ガチャ
「全く、なんでユイニャが小町の忘れ物に付き合わされないといけないにゃ。ぶつぶつ。」
「あはは、ごっめーん。でも夜道に一人は寂しいし怖いじゃん?」
「まぁ、今日は片付け等々で少し遅くなったから仕方ないにゃ、一理あるにゃ。」
「えっへへー、さすが結衣奈パイセン、優しいっすー!」
「そう言われると悪い気はしないにゃ…にゃふ。それで、何を忘れたんだにゃ?」
「スマホー!」
「ふーん、小町のスマホって何色なんだにゃ?」
「んーとね、なんかこうバビっとした色してるんだー、見たらすぐ分かるよ。」
「バビ色承知にゃ。…ん?」
「あれ?ちまり?」
「ちまりだにゃ。更衣室の前で何してるのかにゃ、おーい、ちまりー。」
「は、はわわ…結衣奈さん小町さんん…。」
「どしたのそんな震えて。」
「ついにこの店に出たかにゃ?」
「ち、ちちち違いますよぉ…!ちょっと耳をすませてみてくださいぃ!」
「誰かいるの?」
「は、はい…。」
「むむ、どれどれにゃ…。」
…
『んぅ…お、お兄ちゃん…。』
『大丈夫か?…泉水。』
『だ、大丈夫じゃないよぉ…だ、だってこんな場所で…ひゃんっ?!』
『違うぞ泉水、こっちだ。』
『こ、こっち…?』
『そうだ、上手いぞ泉水。』
『…本当?えへへ…。』
…
「猥談か何かかにゃ?」
「そ、そんなはっきり言わないでくださいよぉ…!」
「だってイズミンの声がつややかすぎるにゃ。」
「そうですけどぉ…。」
「結衣奈、Y段ってなーに?」
「やらしい話のことにゃ。」
「やらしい話?ワイダン…?むむ、何のことだろー。ちまりは分かる?」
「えっ?」
「ワイダンって何?」
「わ、わいだん、ですか…?えーと、それはあれです、あの二階へ上がるためのあれのことじゃないでしょうか?」
「それ階段にゃ。…にゅふふ、ちまりはえっちな話は苦手な子供だもんにゃー。」
「…!そっ、そんなことありませんよぉ!私だってえっちな話くらい出来ます!」
「ふーん、じゃあ扉の向こうのイズミンは何してるか分かるのかにゃー?」
「ねぇねぇ、まだ声聞こえるよほら。」
…
『泉水、…こうした方がいいのか?』
『あ、うん…そうだね、…んぅっ!』
『ごめん、痛かったか…?』
『だ、大丈夫…はんっ!…ぁあっ!』
『こうだよ泉水、ほら。』
『あっ…!んっ、店長…。』
…
「これは完璧にゃ。」
「完璧だねぇ…。」
「は、はわわわ…。」
「まだドア開けてないのかにゃ?ちまり。」
「まだ開けてないです…私も忘れ物したので取りにいきたいんですけど…。」
「じゃあ開けるしかないにゃ、小町もスマホ忘れ物してるにゃ。」
「あっ、そうなんですか。」
「うん、でもイズミンと店長が取り込み中だし、待っとく?」
「で、でもでも夜も遅いですし…お父さんとお母さんが心配します…。」
「じゃあ、突撃する?取り込み中のところ。」
「だけど…ふぇぇ。」
「あーあー、ちまりが可哀想にゃ小町。いじめるのはよくないのにゃ。」
「あっ、ごごごめんちまりー!泣かせるつもりじゃ…。」
「ど、どうしましょう結衣奈さん、小町さん~!」
「むむむ、事が済むまで隠れて待とうかにゃ?」
「こ、事が済むって…!」
「まぁでもこのままじゃ何も出来ないよねー、物音立てて人が来ましたよアピールする?」
「あ、それいいアイデアにゃ。ちょっと大きめに会話してアピろうにゃ。」
「はい…わかりました。」
「…にしても小町、本当はワイダンが何か分かってるにゃ?」
「んー?」
「な、何でもないにゃ…。」
…
「あー!こんな時間に店に戻ってきたにゃー!」
「スマホ忘れちゃったなー!ちまりはー?」
「わ、私もですー!多分更衣室かとー!」
「そうなんだー!更衣室に急がなきゃー!」
…!ドタンバタン…!!
「…あからさまに慌てる音が聞こえたにゃ。」
「そうですね…。」
「大変だねぇ。」
「しかし結局イズミンと店長は何をしてたんだにゃ?」
「多分結衣奈の思ってる通りじゃない?」
「お、思ってる通りって…にゃにゃ。」
「そ、その話はもうやめましょうよぉ…。」
「て、ていうか小町とちまりはそういう話には疎いと思ってたにゃ、小町!猫かぶってたにゃー!?」
「猫なのは結衣奈でしょー?」
「その通りにゃ!にゃふー!」
「上手く丸め込まれてますね…。」
「ほらほら、早くいこーよ。」
「あ、まだ早いんじゃ…小町さん!」
「まだ早いにゃこま…!」
ガチャ
…!
「…あれ、結衣奈、小町、ちまり?」
「…!ふにゃー!店長!イズミンと何してるにゃー!」
「そーだそーだ、何してるの!」
「そ、そそそそそうですー!えっちなことはやめ…て…?」
「あり?三人ともどしたの?」
「おうお疲れ、どうした忘れ物か?」
ピコーンピコーン、ドゥーン
「あ、お兄ちゃーん!そこでPOW使わないでよー!」
「え、ここが使いどこだろ?ほらそっちの亀。」
「あっ、んー!やたー!」
「…何してるにゃ?」
「ん?倉庫から出てきた初代のマ○オブラザーズだよ、泉水とちょっとテストプレイしててな。」
「そ、そうなんだよー、これがなかなか難しくて…。」
「泉水は世代じゃないからな、マ○オは横スクロールだろ?」
「そうそう、だからほぼ初見で…ひゃんっ!?」
「あーあー、そこからはファイヤーボール出てくるから気を付けないと。」
「イズミンはどうやらゲームしてると変な声出るタイプなんだね。」
「なんだにゃ、心配して損したにゃ。」
「そうですよ、全く…。」
「あり、ちまりは何を心配してたのかにゃー?」
「…!そういういたずらは良くないですー!」
「まぁまぁ、ほら忘れ物探そうよ。」
「そうですね、私もスマホを…あ、ありました。」
「ん、私もあったー。ほら結衣奈、バビっと。」
「ほんとだ、バビ色にゃ。」
「バビ…?ですか?」
「せっかくだからほら皆もやろーよ!本当はテストプレイの後皆とやりたかったから内緒にしてたんだけどね。」
「帰りは俺が送ってくよ。」
「お、やるにゃー!」
「せっかくだし私も…、あ、お母さんに連絡しておきます。」
「ん、じゃああたしもー!」