~休憩中。
「なぁ南海、悪かったって。」
南「だから別に怒ってへんよ、もう。」
「じゃあもうそんなそっけない態度とらないでくれよ~…ごめんってば。」
南「…何回か店長には言ってたはずなんやけどなぁ。」
「仕方なかったんだよ、あの時南海は休みだったし、わざわざ呼ぶわけにもいかなかったんだから。」
南「ええよもう、店長はそういう風にウチのこと思ってたんやなって思うことにするから。」
「違うって~ごめんてば…。」
薫「…店長、ちょっと。」
「え?あぁ。」
…
薫「どうしたんですの?あの温厚な南海さんを怒らせるなんて。」
「あぁ、それがこの前薫子含めて三人で温泉が舞台の作品世界に行っただろ?」
薫「そういえばありましたわね。」
「その話を南海にしたら、ウチも行きたかったなぁって言っててさ。」
薫「南海さん温泉好きですものね、私も南海さん抜きで行くことに若干抵抗はありましたが…。」
「その時、俺南海が温泉好きなのすっかり忘れててな、なんでだ?って聞いちゃったんだよ。」
薫「殿方の風上にも置けませんわね。」
「そ、そこまで言うことなくないか?」
薫「女性の好きなものを忘れるなんて…はぁ、なってませんわね店長。」
「ぐっ…返す言葉もございません…。」
薫「それで?南海さんは何と仰ったんですの?」
「店長なら分かるやろ?って言われて、なんだ最近疲れてんのか?って言っちゃって。」
薫「…店長、それでも12人の女子高生を雇ってる主なんですの?デリカシーがなってませんわね。」
「むむ…どうしよう、南海と仲直りするには…。」
薫「そもそも南海さんが一番怒ってる理由はお分かりですの?」
「え?仲間外れにされたことか?」
薫「…違いますわ!もう、本当になってませんわね!一回私と恋愛シミュレーションゲームでもやってみませんこと?」
「恋愛シミュレーションゲームは実際の恋愛をシミュレートしてる訳じゃないぞ。」
薫「お黙りなさい。」
「ぐっ…。」
薫「はぁ…、そうでなくても今回に関しては南海さんが可哀想ですわ。例え選択岐が出なくても分かりそうな答えですもの。」
「む、むむ…そうなのか…。」
薫「どうします?私が答えを教えても宜しいのですが…店長自身で仲直りしてほしいものですわね。」
「わかった…もっかい話してくる。」
薫「…ふふ、それが賢明ですわ。」
…
「なぁ南海。」
南「どうかしたん、ウチのことなんてなーんにも分かってない店長?」
「ぐ…まだ怒ってらっしゃる…。」
南「別に怒ってないって言うてるやん、店長もしつこいなぁ。」
「南海、ごめん。俺が悪かった。」
南「…。」
「南海が温泉好きなのは分かってたんだけど…あの時は俺の配慮が足りなかったよ。」
南「…。」ツーン
「南海がいる時にあの作品の話をすればよかったよ。タイミングが悪かったかな。」
南「店長、違うんよ。」
「?」
南「ウチ、行けなかったことに怒ってるんやないねん。」
「お、おう。」
南「何でウチが怒ってるか分からないん?」
「(…薫子ー!)」チラッ
薫「(…。)」ゴゴゴ
「(めっちゃ見てる…。)」
薫「(大事なのは相手の気持ちになって考えることですわ…南海さんとの会話を思い出してください。)」
「…。」
「…!」
「南海。」
南「ん?」
「ごめん、忘れてたことだったな。」
南「…どういうこと?」
「南海が温泉好きだってこと。一瞬でも忘れててごめんな。」
南「…ウチ、傷ついたんやで?どうしてくれるん?」
「あ、うーん…許してほしいって謝るしか…それとも今度行くか?温泉旅行。」
南「…!」パァァ
南「…、え、でも誰と行くん?」
薫「そこは私にお任せください。」
「か、薫子?」
南「薫子さん?」
薫「二条院家が運営する施設で申し訳ありませんが、一泊二日で最高級の宿を手配致しましたわ♪二名の予約で。」
「二名?」
薫「もちろん、店長と南海さんですわ。」
「は、南海と?」
南「そ、それは流石にあかんとちゃうやろか?」
「そうだよ、流石に二人きりは…。」
薫「あら店長、何かやましいことでもあるんですの?」
「いや別にないけどさ…。」
薫「仲直りですわ、ゆっくりしてきてください!」
南「…店長?」
「うーん…、まぁいいか。南海はそれでいいか?」
南「店長がいいなら…構へんよ?」
薫「一件落着ですわね、店長。分かりました?」
「うん?」
薫「乙女心は、複雑ですのよ?」
「…ああ、サンキューな。」