さよならジョジョ先生―改稿版―   作:パラレル。

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第九話 『オレンジミント』と『サムライハート』その②

「“オレンジミント”!!」

「“ウェザー・リポート”!!」

 

 

奈美とエンポリオは自分の近くにスタンドを出現させ、相手をじっと見る。

エンポリオが操る“ウェザー・リポート”の姿は、顔にマスクをしていて雲のようにふんわりしている人型のスタンドだ。

対して奈美の“オレンジミント”は口に酸素マスクをしており、そこから6本の管が髭のように出ていて、手には分厚い手袋を嵌めている人型だ。

 

スタンドを一通り観察した後、奈美はエンポリオに向かって突進していく。

 

 

「先手必勝!!スタンドの拳を叩き込んで・・・・・・げふ!!!」

 

 

“オレンジミント”の拳を叩き込もうとする奈美だが、その前に彼女の顔面に“ウェザー・リポート”の拳が当たる。

軽く吹き飛んだ後、その痛みに悶える奈美。

 

 

「痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!痛い、痛いようぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!うわーーーーーーーーーーーん!!」

ジタバタジタバタジタバタジタバタ

 

 

あまりの痛みにそこら中を転げ回っている奈美。その姿は傍から見ると玩具を買って貰えずに駄々をこねる子供の様だ。

そんな彼女に尽かさず“ウェザー・リポート”を叩き込もうとするエンポリオ。高くジャンプして頭蓋骨を陥没する勢いで拳を振り下ろす。

じたばたしている奈美が気付いた時にはもうすぐそこに拳があった。そして、頭蓋骨が軋む音が不気味に・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳴る事はなかった。

 

 

「あっぶな~~~~~~い!」スルゥゥゥゥゥゥゥ

「何!?」

 

 

30センチ程の差しかないのに彼女はその拳を避けたのだ。一体何が起こったのか、エンポリオはそう思ったが、答えはすぐに分かった。

 

 

「僕のスタンドが弱体化しているッ!!あれほどの勢いで殴ったのに亀裂一つ付いていない!!」

 

 

そう、“ウェザー・リポート”のパワーとスピードは承太郎の“スタープラチナ”に張り合える程なのに、地面が殆ど割れておらず、普通に避けられたのだ。

避けるなら色々と考えられるが、地面が割れてないのは明らかにおかしい。だからそう考えた。

離れた奈美を見ると、クスクス笑っているのだ。間違いなくこの事象は彼女が行ったものだ。

 

 

「ハハハハハハ。そう、君は弱体化したの。これが“オレンジミント”の能力!!私のスタンドの表面には『普通アレルゲン』っていう抗原があるの。あっ、抗原って言っても分からないか」

「いえ、“ウイルスや細菌の様な異物”の事でしょう。そしてアレルゲンは“アレルギーを引き起こす”抗原でしたよね。本で読みました」

「あら、そう。説明有難う。そして、それが皮膚に接触すれば、そのアレルゲンによって体を侵されてステータスが人並みになるのよ。しかも、生物、スタンド問わず無差別にね」

「ぐ・・・だからあえて殴られたんですか」

Exactly(その通りよ)。只、そのアレルゲンは何らかの強い衝撃が無いと飛び散らないのよ」

 

 

完全に彼女の策に嵌ってしまったエンポリオ。“ウェザー・リポート”のステータスが人並みに落ちてしまって、自慢の接近戦も使えなくなった。こればっかりはアナスイもエルメェスも驚愕している。

 

 

「な・・・なんつう能力だ。俺の場合、能力でカバー出来るが、それでも苦戦するぜ」

「あたしらの様なパワー型には圧倒的不利だぜ」

「フフ。これが奈美ちゃんの実力。殆どのスタンド使いを震え上がらせる力を持っている。けど、『弱点』がかなり大きいのよね。」

 

 

長所は多くて、短所も多い。そんな能力を持つ奈美だが『弱点』を知られれば、一気に相手側のペースになる。千里はそう思っている。

しかし、その事を知らないエンポリオたちは、見せ掛けの脆い壁を分厚い鉄壁と誤認している。要は、早期決着。彼らに見破られる前に奈美はエンポリオを倒さなければならない。

 

 

「私のアレルゲンの射程距離は十数メートルだけど、どうする?このまま闘うか、それとも一旦離れるか」

 

 

アレルゲンのため全身に痒みを憶えるエンポリオ。スタンドにも自分にもぶつぶつと体が腫れている。

彼がとった行動は彼女が言った後者の方、“一旦離れる”。

そして、全速力でエンポリオは彼女から離れた。しかし、奈美は彼を追い掛ける。

 

 

「逃がす訳ないでしょ!!このまま君をぶっ倒す!!」

「くっ・・・やっぱり無理ですか」

 

 

エンポリオより奈美は年上だ。そのため彼女がエンポリオに追い着けない筈はない。彼女の射程距離内に入った所で尽かさず“オレンジミント”を叩き込んだ。エンポリオは一旦走るのを止めて、奈美と交戦する。

パワーとスピードは互角のため決着は早々着かないが、“オレンジミント”の蹴りで“ウェザー・リポート”の拳の一つを蹴り飛ばし、怯んだ所を尽かさず追撃の蹴りをエンポリオに食らわせる。

 

 

「ちょっと詰めが甘いね!」ドゴドゴドゴドゴ

「ぐほぉ・・・・・!」

「トドメの一ぱぁぁーーーーーつ!!」バッキーーーーーン

 

 

奈美がトドメにエンポリオを思いっきり蹴り飛ばした。しかし、蹴り飛ばした方向が悪く、何かにぶつかることなくアレルゲンの射程距離の外に吹っ飛んだ。

そのおかげで、力を取り戻したエンポリオだが、まだそこら中にアレルゲンがあるだろう。と思い奈美をアレルゲンの無い場所に誘うとしていた。近付かなければ攻撃できない奈美は仕方なくそちらに向かった。

今の“ウェザー・リポート”のパワーなら奈美を再起不能にすることはできると風に吹かれながらエンポリオはそう思った。

エンポリオの遣る事はただ一つ。弱体化する前に奈美を倒す、それだけだ。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

一瞬のミスが命取りになるこの場、風が吹き荒れ、二人の髪は揺らぐ。

奈美は隣にスタンドを出して近付く。そんな彼女の額には緊張の汗が流れていた。エンポリオも同様だ。

不思議と辺りの音が何もしない。全くの無音。見ている三人も黙っている。

静寂を破ったのは奈美がエンポリオと2メートルの差まで近付いた時、“ウェザー・リポート”が奈美のどって腹に拳を叩き込んだ音だ。

バッシィィィィィィィィン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ~~~~。危なかった」

「な・・・・・」

バァァァーーーーーーーーーーーーン!!

 

 

何と、奈美はエンポリオのスタンドの拳を自分のスタンドの手で受け止めたのだ。つまり、もう“弱体化”が始まっていたという事だ。

 

 

「ど・・・どういうことですか?」

「フフ・・・。残念。“天候”が私の味方をしてくれたのよ。」

「ま・・・まさか、今の風で・・・」

「そう!!今の風でアレルゲンが空気中を舞ってくれたお陰で君が知らない内にアレルゲンが君のスタンドに接触したからっよっと!!」

 バキッ!

「ぐわああああああああああ!!!」

 

 

奈美のスタンドに自分の脚を蹴られて痛みを感じるエンポリオ。持続力も人並みに落ちたため自分の脚を擦る最中にスタンドが引っ込む。

痛みに耐えながら、奈美を睨むが急に視界がぼやけてきた。否、体がだるくなってしまったと言った方がいいか。

 

 

「フフ。そろそろ始まった様ね。“アナフィラキシーショック”が」

「“アナフィラキシーショック”!!そんなまさか!!」

 

 

“アナフィラキシーショック”とは、同じ抗原が再び体の中に入った時、腹痛や嘔吐、蕁麻疹といった症状を引き起こす“アナフィラキシー”の中で症状が全身に現れて、急激な血圧低下や意識低下を引き起こす症状のことである。つまり、“オレンジミント”のアレルゲンは“アナフィラキシーショック”を引き起こすものなのだ。

 

 

「君が射程距離外へ逃れたことは敗北に繋がっていたのよ。このまま意識がなくなるのを待つか殴っておくか悩みどころねぇ・・・・。でも、これだけは言わせてもらうわ。普通が最も、最も、もーーーーーーーーーーーーーーーーーっとも恐ろしいってね」

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

 

普通が最も恐ろしい、エンポリオにはその言葉が深く突き刺さった。パワーやスピードが並でもここまでの事を遣って退ける彼女の言葉と行動に感銘を受ける。

 

 

「素晴らしいですね。奈美さんここまで・・・僕を・・・追い詰めるなんて・・・」

「フフ、まだ元気そうね。これは直接倒さないとね」

「普通って恐ろ・・・しいですね」

「今更知ったって遅いのよ!!普通を舐めっきてそこんとところ予想しなかった君の敗北なのよ!!」

 

 

エンポリオに拳を叩き込もうとする奈美。しかし、そんな時でもエンポリオの笑いとまだ諦めていない眼は消えずに。

 

 

「ホント・・・“普通”って恐ろしいですね・・・」

「は!?何笑・・・・・・・・・・・・・がっ!!」

 

 

そう言い奈美は急に殴るのを止めて首元を押さえて苦しそうだ。そして、千鳥足になりプルプル震え始めていて、立っているのがやっとのようだ。

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

 

「が・・・・・・が・・・・・・・・なっ・・・・・・・・・・・・何を・・・・・・・・・・・した・・・・・・・・・の・・・・・・?」

「貴女は恐ろしく強い・・・でもね大きな『弱点』があります。それは・・・・・『人並みにしてしまう』ことです!!」

「「・・・・・・!!」」

「「・・・・・・??」」

 

 

エンポリオが言った『弱点』は本当の様だ。アナスイとエルメェスは言っている事が分からない様だが、千里と奈美は額に汗を流した。

 

 

「つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!ということです」

ドーーーーーーーーン

 

 

分かりやすく説明するなら一直線上にある点Aを普通とするとAより前へ進んでいるものは引き戻され、Aより遅れているものは引き寄せられているのだ。

つまり、弱い、苦手なところが強くなるということ!これが彼女の『弱点』だッ!!

 

 

「パワー、スピードは確かに高いけど精密動作はかなり悪いんだ・・。特に能力を使う時にね。言ってなかったけど、僕の能力は、『天候と空気を操る能力』。普段は広範囲で、大雑把な微調整は出来ないんだけど、貴女のお陰でそれが出来ます。今、貴女の頭の周りの“酸素”を抜きました。もうすぐ貴女は窒息するでしょう」

「ごは・・・・・・・・・・・・・あっ・・・・・・・・・・・・・・あっ・・・・・・・・・・・ぐはう・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

奈美はふらつく足で後退して呼吸をしようとするが、調整が出来る“ウェザー・リポート”の能力に万事休すだ。そして、奈美は白目を向いて、仰向けに倒れた。倒れた彼女の口からは泡が吹いている。

倒れたのを知った直後、能力を解いたエンポリオ。アレルゲンが消えたことで、体が自由に動けるほどすこぶる快調になったので、念のためにエンポリオは、彼女が呼吸するように一発彼女を蹴った後、一言置いて仲間の所に向かう。

 

 

「策士策に溺れるとは正にこのことですね、“普通さん”」

 

 

 

 

日塔奈美・・・・・再起不能(リタイヤ)

 

 

 

 

「よくやったじゃねぇかぁ」

「えぇ!?そうかな」

「上出来だよ!上出来!!まさかあんな突破口があったなんてよ」

 

 

エンポリオはアナスイとエルメェスに目一杯褒められていた。

今、千里が気絶した奈美を回収している時にエンポリオは二人から頭をわしゃわしゃと掻かれている。

 

 

「それにしてもよぉ、何処で『弱点』が分かったんだ?」

「彼女に蹴り飛ばされた後だよ。ふとその考えに到達して、彼女を一撃で倒すためにわざと“天候を操って”アレルゲンを飛ばして挑んだんだ。まぁ“アナフィラキシーショック”は予想外だけど」

「いや、滅茶苦茶計算してんじゃねぇか。すごいぜ」

 

 

あの天候は、奈美は偶然だと思っていたが本当は必然だった。そのことに驚くエルメェス。聞いたアナスイもたまったもんじゃない。この闘いの一番の策士はエンポリオだった。

そんなことをわいわいがやがや話している三人に対して、この場で一人になった千里は、気絶した奈美を無事運び終えた後、彼らを睨む。

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

(まさか、蹴り飛ばした時から勝敗が決まっていたなんて、なんてヤツなの・・・・・・・・・。だ・け・ど・、)

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

(私は、奈美ちゃんみたいに甘くは無いスタンド使い。私とこの“私の人生を狂わせた最凶のスタンド”さえあれば次の相手、否、全員皆殺しに出来るッ!!)

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

そう殺気立たせながら、背後の影を濃くする千里。自分の手には制服に忍ばせていた愛用のスコップを取り出し、背後の影からは右手に日本刀、左手に斧が浮かび上がって、彼女は彼らの方へ向かう。

 

 

(私は元々、貴方達をブチ殺せばそれでいいの。先生は許してくれないと思うけど、それでもいい。この呪われた人生の中で満たしてくれることといえば、もうこれしかない!だから安心して死になさい。血液一滴残らず、食らい尽くしてやるッ!!!)

 

 

 

 

To Be Continued・・・・・⇒

 

 

 

 

 

 

 

 

番外編

 

 

夜、東京の港のある倉庫の中、ある組織はそこで待っていた。

何人もの屈強な男たちがいる中、その組織のNo.3がその男たちに身を固められ、台に座っていた。

 

 

「おい、いつまで待ちゃあいいんだ?俺を“クビナガ竜”にさせてぇのか奴さんは。おいお前、今何時だ?」

「午後11時15分です。“ミスタ”さん」

「おいおいおいおい。15分ってお前、普通15分遅れてるって社長さんとかが怒って帰る位のもんだぞ」

「それでは、本部に帰りますか?」

「んな訳ねーだろ!“おいしい取引”をするんだぞ、此処まで来て諦めてたまるか」

 

 

そのNo.3は部下に時刻を聞いた。どうやら取引相手がまだ来ていないとの事。その取引を成功すると彼らには何かと良い事があるらしく、そこまでして待つ価値があるらしい。

 

 

そうこうしていると倉庫の扉が少し開き、一人の白衣を着た男が遣って来た。その両手には大きめのトランクバックが抱えられていた。

その男が彼らに近付くと男達は道を開けて、No.3の所へ行かせる様にした。

 

 

「すいません、ミスタさん。研究所の警備が厳重過ぎて持ってくるのに手間取りました」

「おお、すまねえな。ワザワザご苦労さん。で、そのバックの中に例のブツが?」

「はい、日本政府にも極秘の研究材料をこの度入手する事に成功しましたので、3億円、全額払って貰いますよ」

「おいおい大丈夫かよ、それって研究所の連中全員裏切ったことになるぞ」

「フフ、金になるのにあの“最重要責任者”ときたら、『この研究は人道を大きく外れる』とかぬかしていやがるんですよ。馬鹿馬鹿しい。私を『悪』と言うならば、そいつは『ゲロッ糞な悪』ですよ。なんせ“極秘に研究している”んですからね」

「・・・・・」

 

 

研究所の人達を敵に回したその男は自分は悪なら奴らはもっと悪だと言い放っているがNo.3の“ミスタ”は言葉に出来ないほどコイツが悪だと思った。

しかし、そこで口にしても、自分達の行いも根っからの『悪』なので全く説得力はなかった。

兎に角、そいつのトランクバックを貰い、中身を確認したミスタ。そのトランクの中身を見て驚く。その中身は・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんじゃこりゃ」

 

 

入っていたのは、小さい“肉片”が入った試験管1本だった。

 

 

「これでも頑張ったものですよ。さっ、3億払ってくだ・・」

「ふざけてんじゃねぇぞ!!」

「ヒイイ!な・・何ですか!?」

 

 

ミスタはその男の胸倉を掴んで怒鳴った。あんなだけ大きいバックなのに試験管1本しか入っておらず、それで3億円も払うなんてぼったくりにもほどがあるからだ。

 

 

「なんだこの“肉片”は!!俺達、“パッショーネ”はものすごーーーーい特効薬があるって聞いたんだが!?」

「それが特効薬なんです。まず、拳銃を下ろして聞いてください」

 

 

ミスタは怒ってその男に拳銃を向けるが、その男の説得で一応下ろして話を聞いてみることにした。

 

 

「元々この肉片は、とある遺体から削り取ったもので、その肉片がたった一晩周りにあるだけで、不治の病が治り、失明した者は再び視えるようになったんです」

「嘘だろ・・・・・」

「それが嘘じゃないんです。後、取り扱いには必ず手袋をしてください。この肉片は生命が宿っている物に喰らいつきどんどん増殖していくんです。それで、数名が亡くなっています」

 

 

ミスタや周りにいた男達も驚愕していた。その肉片にそんな力があることが信じられないが、ミスタはそのような事を幾つも経験しているため、真実なんだなと思った。

 

 

良し(ベネ)、分かった。3億だな、おい持って来い!」

 

 

部下の男に指示し、握った拳銃をしまい、三個の3億円が入ったトランクと試験管が入ったトランクを取引をした。

 

 

 

 

 

本部であるイタリアへブツを運ぶ“パッショーネ”の船。その甲板でミスタは肉片が入った試験管を目の高さ位まで持ち上げて、眺めていると、部下の男の一人が遣って来た。

 

 

「No.3、いいのですか?あの男の言葉を信じて」

「問題ない、これは“ジョルノ”の命令だ。もし嘘なら、そん時は『そん時』だ」

 

 

ミスタはそう肉片を睨みながら言うが、あの男とはもう一生会えないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、とある住宅街でその男は惨殺されていた。

至る所に斬られた痕があり、しかも、胴を全部バッサリと斬られている。

その惨死体は手に三つのトランクバックを持っており、中身は空っぽだが、警察はその中に現金等が入っていたと推測した。

指紋も残っておらず、目撃証言もないため、警察はその捜査を打ち切ってこの事件は迷宮入りとかした。その影にスタンド使いがいるとも知らずに・・・・・・・・・・

 

 

そしてこの事件は、承太郎達が2のへ組に来る2日前の出来事だ・・・・・・・・・・

 

 

 

 

次回予告

 

千里 『私のスタンドは・・・・・』

 

エルメェス 『何つうスタンドだ!!』

 

千里 『私の青春を破滅させたし・・・・・』

 

アナスイ 『どんどん成長しているぞッ!!』

 

千里 『先生と晴美へ導いてくれた・・・・・』

 

エルメェス 『倒せるのかこんな奴!!』

 

千里 『はてさて一体・・・・・』

 

アナスイ 『こいつ!様子がおかしいぞ!!』

 

千里 『悪魔なのか天使なのか』

 

エルメェス 『なんなんだこいつは!!』

 

千里 『どっちなんだろうね・・・・・』

 

エルメェス 『化け物かこいつはッ!!』

 

千里 『うなああああああああああああああああああああああ!!!』

 

 

『第拾話  オレンジミントとサムライ・ハートその③』

 

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