時刻は午前9時をまわった頃、学校付近の路地で見た感じ怪しさ丸見えの集団が行動していた。
あまり足音を立てずに行動し、その集団のリーダーらしき男は後ろの二人の仲間に止まれの合図を送り、敷地内を覆う柵に手を当てた。
「いいか。今から俺の“能力”でこの柵を一瞬で穴を開ける。開けたら侵入してバラバラに分かれて散れ。いいな・・・」
その男、スコッチ・ウイスキーは、後ろにいる二人の仲間に伝えた。その二人は彼の顔を見て頷いて返事をする。
そして、返事を受け取ったスコッチはすぐさま“能力”で人が数人同時に入れるほどの風穴を一瞬で開けてその場にいる全員で学校内に侵入した。
かくして、運命の血戦の火蓋が切って落とされた。
「・・・!!侵入者がやって来ました!!北西15度の柵に巨大な穴を開けられました!!」
「何ッ!?敵だとッ!?数は!?」
「穴の大きさからして複数人です」
スコッチ達が侵入した同時期に学校の設備を操るスタンド使い、小森霧はそのことを感知して、宿直室にいる皆に伝えた。
その情報を聞いて承太郎は、数の特定を彼女に聞いたが、そこまで正確な数は霧には分からなかった。しかし、その後その場にいたあびるが彼に話した。
「承太郎さん。私のスタンドが踏まれた感覚ですと、敵は敷地内に3人います」
「なるほど。敵は一まず3人か・・・」
あびるが敷地内全域に伸ばしていた包帯で侵入者の数を特定する事に成功して承太郎に伝えた。数を断定できて気合を入れる承太郎。
その時、望が宿直室の戸を力一杯開けて、部屋にいる皆に決まり文句を言った。
「それでは討伐と行きましょうか・・・健闘を祈りましょう」
「お互いにな」
望の決まり文句に承太郎も決まり文句を返した。その言葉に面白可笑しくなりフフッと笑う望は、部屋を出る前に晴美に向かって話した。
「藤吉さん。至急へ組の皆さんにこの事を連絡して下さい」
「もうしてあります」
「そうでしたか。失礼・・・」
へ組の生徒に侵入者の事をスタンドを使って知らせるように言ったが、もう彼女は済ませているので、余計な事を言ってしまったと思って謝った。
そして、そんな二人の会話を聞いていた徐倫はある事が気になった。
「ねぇ?何故へ組に伝える必要があるの?」
徐倫は生徒達の混乱をなるべく避けておきたいのが、下手したら混乱を煽る可能性があるかもしれないへ組の生徒に伝える必要が本当にあるかを思っていたが、望はその彼女の疑問に自身ありげに言った。
「使えるスタンド使いは多い方がいいでしょう?それに、戦いが長引けば他の生徒達がパニックになってしまいます。その為に必要最低限増員した方がいいのですよ。心配しなくてもそんな情報を漏らす生徒はへ組にいませんから」
「確かに理に適っているわね・・・でも後者はどうだろうね」
あくまで望は敵の撃退の為に使えるものは全て使う気だ。それは早期解決と安全を考えての手段だ。
徐倫がその事を理解した時、望は駆け足で部屋を出て、廊下を爆走して敵を捜しに行った。
望が部屋を出た後、それにつられて霧以外のスタンド使いも部屋を飛び出し二手に分かれた。
一つは承太郎、千里、晴美の3人、もう一つは徐倫や可符香達7人。そう二手に分かれた後、共に行動している千里と晴美に承太郎は質問した。
「すまんが・・・徐倫達は大丈夫だと思うが彼女達は如何なる時でも自分のベストを出さないと死ぬ程の命を賭けた戦闘経験は豊富か?」
自分達はプロの殺し屋を相手するので、今までのような戦いとは違う為かつてエジプト道中で襲い掛かってきた刺客達の戦いのような戦いは豊富なのかと承太郎は聞いた。
その質問に千里は何やら興奮気味な状態で答えた。
「御心配なく。私達は学校の特別任務でそういうやり取りは慣れています。特に、可符香ちゃんは先生と共に『計画』を取り仕切っている為、暗殺、資金調達、このようなイレギュラーな事態の対処の思案なんて、お茶の子歳々ですよ。」
へ組のスタンド使いは大体学校側の任務でそういう血生臭いことはある程度している千里はと答える。
しかし、何だが千里が説明すると必要以上に意味深に聞こえるのは気のせいだろうか・・・・・・・・
承太郎はそんな事を思って走りながら人指し指と親指で帽子のつばを押し、深く帽子を入れた。
「やれやれだぜ」
暫く承太郎達は廊下を走っていると前方に望が何やら辺りをキョロキョロしながら立ち尽くしていた。
「如何した望」
「・・・!!承太郎さんですか・・・・・気を付けて下さい。敵が近くにいます」
「何ッ!?」
異様に辺りを気にしているので彼に聞いた承太郎。望の行動の理由は敵の襲撃を受けているからである。
それを聞いた三人は驚き、望と同じ行動をとる。一向に姿を見せないことから同化型と推測している承太郎に望が続けて話した。
「それと承太郎さん。どうやら敵に我々の情報が伝わっているようです。そのスタンドが“電気”に同化して偵察していたらしいのです」
「“電気”!?今“電気”と言ったのか?」
「はい、そうですが・・・最終的にあのコンセントの中に逃げ込みました」
「なるほど・・・」
望の今の発言によって千里と晴美は不思議そうにそのコンセントを見ている中、承太郎はある確信を持って、周りの3人、否4人に伝えた。
「君達、コンセントの様な電気が通っている所の近くに近付くな。スタンドに引きずり込まれて死ぬぞ」
「承太郎さん。そのスタンドの事を知っているんですか?」
「ああ知っているぜ・・・・・二度と会いたくはなかったんだがな・・・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
承太郎に忠告されて、襲撃しているスタンドの事を知っているのかを晴美は聞いた。
そして、承太郎はそれを肯定し、帽子のつばを軽く押し付けヤクザも恐れおおのく程の眼光を飛ばした。
「覚悟はいいか?顔面の形がぐちゃぐちゃになって誰だか分かんなくなる位殴られるよう・・・・・ええ、“音石”」
承太郎が“音石”と言った途端、廊下の蛍光灯の1つから電気が異常に漏電して、そこからパキケファロサウルスの様な頭と尾を持った人型のスタンドが出てきた。
そいつがこの敵の、“
『まさかここにあんたがいるとは思っていなかったんだよ、承太郎・・・さん』
この敵の名は“音石明”。スタンドは電気に同化する“レッド・ホット・チリ・ペッパー”。ウルトラスーパーギタリストの男だ。
13年前に杜王町で承太郎とそこの住人のスタンド使いと一悶着あり、長い間刑務所に入れられたスタンド使いだ。
「久しいな・・・お前・・・13年前のことまさか忘れた訳ではないだろうな・・・・・」
『ち・・・違うんだよ!俺はアイツに雇われたが、俺は何もしらねェーーーーーッ!!知らされてねぇんだァアアアアア!!』
承太郎の嚇しに怯える“チリ・ペッパー”。その約束、「今度スタンドで悪事をしたら、徹底的に叩きのめす」ということを音石もちゃんと覚えていた。
しかし、怯えるが、戦う意志はあるらしい。“チリ・ペッパー”は再び蛍光灯の中に戻り、承太郎達の周りのケーブルを通って疾走し始めた。
『まあ・・・いい、承太郎。此処で会ったのも何かの縁だなあ。本当はやりたくはなかったが、しょうがねぇ。テメェも此処で死ね!!』
「くっ・・・・・至る所から奴の声が聞こえるんですけど・・・・・」
「奴の速度は光速、遅くて音速だ。私の“スタープラチナ・ザ・ワールド”を使用しなければ流石に捕らえられない」
音石のスタンドのスピードは音速を軽く超えるため、至る所から声が聞こえてきて、不安になる晴美だが、承太郎はそんな彼女を励まし、気合いを入れさせた。
「神経を尖らせろ。少しでも奴の姿を見たら、透かさず私に言うんだ」
「「「了解!!」」」
“チリ・ペッパー”の移動速度にめげず、承太郎のアドバイスで全員、五感を日常時よりも使い、“チリ・ペッパー”が出てくる一瞬の隙も逃がさず、目を配っていた。
勝負は刹那よりも短い一瞬。全員が汗をかき、心臓の鼓動が異常に速くなる中、望の頭上に位置する蛍光灯からひょっこりと“チリ・ペッパー”が出てきた。
〔ククククク。誰も気付いてねェな。承太郎の「時止め」は厄介だが、発動するまで多少の時間は掛かる。それに杜王町の時と違ってここは大都会。誰も、承太郎も見た事がない程のスピードは出せるに違いねぇ。殺ってやるぞ。位置からして先ずは糸色望!!てめぇからだッ!!〕
承太郎達はまだ気付いておらず、望に狙いをつけていることを察知していない。
そして、“チリ・ペッパー”は膨大な電力を吸い上げ、勢いよく飛び出した。
「・・・ッ!!望、上だッ!!上にいるぞッ!!」
『今更気付いてももうおせーんだよッ!!承太郎!!』
“チリ・ペッパー”が出て来たことで承太郎は反射的に察知したが、今の目も開けられないほど輝いている“チリ・ペッパー”の行動の方が如何せん速かった。
(まずい・・・・・間に合わない!)
〔さあ、糸色望。このまま肩甲骨をブチ割ってサンマの開きのようにしてくたばりやがれッ!!〕
望も“チリ・ペッパー”の方に向くがその時には奴の手刀が望の目先1メートル程の距離だった。
承太郎も千里も晴美も反応が遅れた為、あと一歩のステップが足りなかった。
0.1秒経ったら望が殺される。誰もがそう思った。
しかし、現実はそんなに残酷ではなかった。
ガシィィッッ
『・・・・・・・・』
『な・・・何ッ!!こ・・・こいつ何時の間にッ!!』
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
何と望のスタンド“ミニット・エンジェル”が“チリ・ペッパー”の手刀を左手で止めたのだ。誰もが驚愕した。“ミニット・エンジェル”がそこまで素早く精密な動きが出来たことに。
否、それだけじゃない。望の一瞬もブレない強い精神もだ。
『先生に危害を加えさせない。それが“この私”の存在意義、デス』
ボギャギャァァァアアアッ
『うげぇええええええ!!!』ゲキッ バキッ
“ミニット・エンジェル”に殴られ、スーパーボールのように“チリ・ペッパー”は床を跳ね、壁に激突した。
その後、突然の一面で固まってしまった承太郎達は我に返り、望に寄っていった。
「大丈夫か?」
「ええ何とか・・・“天使さん”がやってくれなかったら、今頃三途の川でしょうね」
「・・・??お前がやったんじゃねぇのか?」
「いえ、実はというと私のスタンドは自我を持っていまして、よく勝手に行動する事があるんですよ。今回はそれで助かった訳ですよ」
「なるほど。そういうことか・・・変わったスタンドだな」
つまりは、あの一瞬の反撃は望の意識下でやった訳ではなく、“ミニット・エンジェル”の自己判断によるものだったらしい。
とてもユニークなスタンドだと承太郎が思っている時、殴り飛ばされた“チリ・ペッパー”が起き上がった。
『く・・・くそーーーッ。ちっ、ここは一度、逃げるかぁーーーーーーッ!!』バチバチバチ
「あっ!!あいつが逃げましたッ!!」
あろう事か“チリ・ペッパー”は逃げの手を選び、コンセントの中に入り込んだ。それに気付いて追い掛けようとする千里だが、承太郎はそれを止めた。
「よせ、木津。追うだけ無駄だ」
「ですが、それでは奴を逃がしてしまいます。」
「おい木津。誰があいつを“逃がしてやる”っと言ったよ」
「えっ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
承太郎に“チリ・ペッパー”を追跡するのを止められ、反論しようとする千里だが、承太郎の台詞を聞いて、何か策があるのかと思った。
「お前等。何か忘れてねぇか?ここが一体何処なのかを・・・」
今の承太郎の顔は何やら勝ち誇っているようなものだった。
〔ちくしょう~~~~~。あのスコッチって奴。ぶっ殺してやりてぇ・・・・・だが、今は俺の所に戻すことだけを考えよう〕
“チリ・ペッパー”は今、ケーブルを通り、承太郎達から逃走中。その時、承太郎の事を知らせてくれなかったスコッチに殺意を向けていた。ちゃんと言ってくれていれば、何かしらの対策を考えてられた筈なので、こんな撤退を余儀なくされる事はなかった。
しかし、今は逃げる事に専念するようにした。余計な事は後で幾等でも考えられるからだ。
そういう考えで逃げていると妙に眩しい光明が目の前を差し掛かった。そして、視界が良好になった時、目の前に映っていたものは・・・・・
「よう、音石。さっきぶりだな」
『げっ!!』
承太郎だった。
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・オオーーラァアア!!』
ドゴォォオオオオオオオン
『ぷげあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!』
問答無用に殴り飛ばされ、“チリ・ペッパー”は4人に囲まれてしまった。そして、望は倒れた“チリ・ペッパー”に着ていたマントをかけると、“チリ・ペッパー”の体がどんどんぺらぺらになってきた。
『な・・・なんだこれは!!』
「これは私の能力です。布化してあげたんですよ」
『ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!』
自身の身体がぺらぺらしていることに驚いていると、かけられていたマントが少女、まといになり、彼を見下げていた。
“チリ・ペッパー”は恐れおおのき、もがくも上手く動けない状況下で承太郎は事の成り行きを説明した。
「お前も如何してこうなったか気になっていると思うが、簡潔に言うとだな、お前が通っていたケーブルの回路をだな、この“学校に取り憑いているスタンド”で俺達がいた所に戻させるようにコースを捻じ曲げ、俺の手前にケーブル線を突き出させ、お前が来るのをスタンバイしていたということだ。理解したか(ドゥーユーアンダスタン)?」
『そ・・・そんなことで・・・』ガーーーーーーーーン
「愚かだな音石。お前も偵察をして知っている筈なのに引っかかるとは。よっぽど無我夢中だったんだな」
『もう・・・返す言葉もねーよ』
事の成り行きを言われ、音石自身の失態をグチグチと告げられた為、音石はとうとう心が折れてしまった。
それを見て、承太郎は笑いを堪えて、望に話しかけた。
「まあこれで、本体の方も布化しているから逃げれまい。後は本体の居場所さえ知ればいいってことか・・・・・何だか楽過ぎないか望?」
「ははは。もうこれは笑うしかありませんね」
「「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・」」
音石明 布化されて一旦
場所は、承太郎達とは違う廊下。スコッチ・ウイスキーは慎重に行動していた。プロであるからどんな所でも敵地ならそういう行動をすると、肝に銘じているからだ。
(旦那らはいいとして、音石明。以前承太郎とやりやって、トラウマになっていると言っていたが、大丈夫だろうか。だが他に強いスタンド使いいなかったし、ああでもしないと、手伝ってくれないからなあ。後でゼッテェー怒られるだろうなぁ)
そう思いながらスコッチは壁に寄り添って、進んでいると、後方から彼目掛けて換気扇の羽根が飛んできた。
スコッチはそれを即座に反応し、自身のスタンドでそれを真っ二つに切り裂いた。
彼のスタンドはかの暗殺ロボット映画の人型ロボットを連想させる姿をしていて、その堂々しさで周りが殺伐とした雰囲気を醸し出している。
「くそ、どっから飛んできた」
彼がそう愚痴った時、また後方に、今度はナイフやフォークが大量に飛んできたが、それを1つ1つスタンドの鋭い指で切り裂き、全て防いだ。
『流石にこんなものでは倒せませんか・・・まあジワジワと攻めていきましょう』
少し息があがったスコッチに、スピーカーから霧の声が聞こえてきて、知らぬ間にモップやら何やらが宙に浮き始めた。その光景を見て、スコッチはある決断をする。
(ちっ、面倒だぜッ。こりゃ承太郎に辿り着くには、骨が折れる・・・。だからまずはヤツを殺る、“コモリキリ”!!承太郎はその次でも構わん!!)
スコッチはそう決断した時、こそこそと行動するのは止め、障害物を薙ぎ払いながら疾走し始めた。
「必ずてめぇを見つけ出し、八つ裂きにしてくれるッ!!“コモリキリ”!!」
スコッチが廊下を疾走する少し前、徐倫達の班はグラウンドにいた。体育の授業はやっておらず、彼等以外ひょっこ一人いなかった。
少し辺りを見渡していると、下足場からへ組の生徒が次々と遣って来て徐倫達と合流した。
「来たな。ざっと6人の増援かぁ」
「頼もしいじゃないのあんた達。助かるわ」
「いや、自分の命くらい自分で護らなければならないし、何より学校を荒されるわけにはいかないのよ」
彼等の元に合流した生徒達に感心するアナスイと徐倫。それで照れる生徒も中にはいるが、そんなことは当然だからとあびるは徐倫たちにちゃんと説明した。
一通り集まった所で、金髪の女子生徒が発言した。
「一つ思うんだけど、侵入者って一体どんな奴なの?それが分からなかったら意味はないんだけど」
「どんな奴って・・・兎に角、怪しい奴は全員敵だッ!!」ドン!
「いや滅茶苦茶過ぎるわよ!!ゴミの中から金目の物を探しあげるみたいに何時間もかかるじゃないの。訴えるわよ!!」
「あーあー、“カエレ”ちゃん落ち着いて」
金髪の子、出席番号21番“木村カエレ”は、侵入者の主な特徴などを開くが、徐倫の曖昧な返答に苛立ち、暴走しかけるが、奈美に止められた。何とか彼女を押え込み、一段落した後、可符香はあらぬ方向を向いて徐倫に話しかけた。
「ねぇ。徐倫さん。“怪しい奴は敵”って言ったのよね」
「ええ、そうよ」
「そんな人いるんだけど。ほら」
「えっ?」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
可符香の一言で徐倫、否、全員が可符香の方へ向く。すると、本当に十数メートル先に怪しい男が一人いた。
教師としては派手過ぎる衣装に身を包んでいる為、敵だとすぐに分かった。
つかつかと歩むその男にエルメェスが一番前に出て来て、大声で話した。
「おい!てめぇ!分かってることだが、敵でいいんだな!!あたしらにぶっ殺されるために姿を現した訳だなぁ!!敬意を表するから名を名乗りな!!」
エルメェスは大声でその男に話しかけたが、その男は何も喋らない。そして、彼女達の前方2、3メートル程で立ち止まり口を開いた。
「“パルチェ・・・・・トミート”・・・と言う者だ。君達に殺されに来たのではない、殺しに来たのだよ」
「はっ!ほざけやがって!殺れるもんなら殺ってみろ!!」
「・・・・・では」
男、“パルチェ・トミート”は、自分の目的を言い、宣戦布告を告げる。エルメェスはその余裕のあるパルチェの仕草を見て、彼を挑発し、パルチェもそれにより異様な動作をする。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
その動作をしているパルチェから等身大の壺を持った妖精のようなスタンドが出て来て、目の前に置いた。
「なんなんだこいつは・・・・・!?頭おかしいんじゃねえか?わざわざ弱そうなスタンドを自分の前に出すなんて・・・」
「油断しないでよエルメェス」
「分かってるよそんなこと」
パルチェのスタンドを見て、エルメェスは気が抜けるが、見かけ倒しに騙されないように徐倫に注意されるが余計なお世話だった。
そして、エルメェスが“キッス”を出して、パルチェと対峙していると、パルチェは何やら話しかけてきた。
「そういえば、君・・・・・何て言ったっけ・・・・・名前・・・」
「ああ!?ふん。冥土の土産に教えてやるッ!!あたしは、“エルメェス・コステロ”だああッ!!」ドン
「ほおお・・・・・それは有難い事だ」
彼の質問にエルメェスは彼に近付きながら答えた。エルメェスの名前を聞いたパルチェは何故かニヤついていた。
そして、事件は急に訪れた。
「むんぐ!??・・・・・ぶぼはあああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
「・・・!?なんだなんだ!?」
「エルメェスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
何とエルメェスは走るのを止めて、何やら半透明なものを吐き出して倒れた。その吐き出されたものはパルチェのスタンドの壺の中に入り込んでしまった。
アナスイを含む数人は何が起こったのか解らず、立ち尽くしてしまい、徐倫、あびる、奈美の3人は倒れたエルメェスを抱き起こすが、既に死んでいて、脈がなかった。
「一体・・・一体どうなってるのよ!!」
「原因はあのエルメェスさんの口から出て来た半透明なものと何か関係があるの?」
「・・・こんな芸当が出来るのは・・・」
脈の止まったエルメェスに奈美は混乱し、あびるはさっき起こった事を思い返し、エルメェスがこうなった原因を探って、彼女の口から出たものとの関係性を推測し始めた。そして徐倫は、これは十中八九パルチェの能力だと思い彼を睨んだ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
睨んだ先の彼の顔は途轍もなく、まるで人が失敗する所を見ているかのように嘲ていた。
「ようこそ・・・クイズショーへ・・・たんと・・・味わいなさい」
「貴様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
パルチェの発言が遠まわしに自分の思っていた通りのことだったと徐倫は理解した。
そして、その怒りの叫びは、更に彼の顔を歪ませた。彼等の愚かさと痛快な反応で。
「さて、あと12人。次は誰が、この“クイズパレード”の餌食になるのかな?」
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次回予告
??? 『すいません、すいません』
承太郎 『さて、トドメだぜ。音石』
音石 『落ち着け・・・・・落ち着くんだ』
??? 『この先北東方面、1キロに』
音石 『心を滑らかに・・・しなやかにするんだ』
パルチェ 『俺の“クイズパレード”は絶対に逃がさない』
音石 『勝負は一瞬!!油断している今がチャンスだッ!!』
音石 『一番この中で弱いテメェだけでもォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
『第拾伍話 侵入者を討て!!その③』