さよならジョジョ先生―改稿版―   作:パラレル。

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第拾八話 侵入者を討て!!その⑥

校庭でのセルリーとの戦いはかなりの長場となっていた。というのもセルリーが誰も近づけられないほど高くにいるため、攻撃が届かないのだ。かといって、飛び道具を投げても、それが急に穴だらけになり、威力を打ち消されてしまう。

これにより、長期戦となってしまい、承太郎達にしたら悪戦苦闘だった。各々疲労が溜まっている顔つきが多くなり始めた。対照的にセルリーはまだ余裕で飛んでいました。

 

 

「んふふ。いい表情ね・・・ゾクゾクするわい。このセルリー・シチューの好きなものの一つは『地べたに這いつくばる野郎どもの姿』なのよね。まあベストとは言えないけどこれはこれで・・・イイわね・・・」

 

 

セルリーは優雅に空中を舞いながらそんなことを言うが、承太郎達には別に彼女の嗜好など知ったこっちゃないと思っていた。

しかし、セルリーはそんなことに気を止めることなく、承太郎に向かって急降下した。

 

 

「承太郎~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!まずはてめーからだッ!!そのデケェ図体をボッコボコに空いたチーズみてぇにきれいな風穴を空けてやるわいッ!!」

ズグ~~~~~~~~~ン

 

 

高速に移動して承太郎のところへ向かうセルリーに彼はスタンドを出し、構えて迎え入れた。しかし、突然彼女のスタンドの翼にある骨のような突起物から『何か』が発射されたのをほぼ無意識で感じ取り、その瞬間に『時』を止めた。

『時』を止めている間に自分に飛んできた『何か』を調べる承太郎。そして、その『何か』の正体に彼はようやく気付いた。

 

 

(『空気』・・・か?否、間違いないッ!『空気』だッ!!空気を弾丸のようにして飛ばしていやがるのか・・・なんて奴だ)

 

 

見ると、透明で見えにくいが丸っこいものが空中で止まっていた。このようなものに酷似しているものを承太郎は知っている。それはかつて杜王町で確認され、調査された『猫草』の『空気弾』だ。

そのことを思い出して、彼女の能力が『空気を飛ばす』ものだと理解したとき、まだ継続して『時』を止められるのを実感したので、彼女に向かってスタンドのラッシュを浴びせた。

 

 

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・』

「『時』は動き出す・・・」

ベゴォォオオオオン

「うげぐううッ!!」

 

 

時間静止中数秒間にたたき込まれたラッシュを食らい体勢を崩し、よろめくセルリーだが、地面に激突することはなく、体勢が崩れながらも上昇した。

 

 

ブシュウウウウウ

「何ッ・・・!??ぶほッ」

「父さんッ!!大丈夫?父さん」

「ぐぼ・・・くそ・・・奴の能力は『空気を飛ばす』だけではなかったのか・・・」

 

 

セルリーにラッシュを与えた承太郎だが、右肩から斜めにまるで『かまいたち』にあったかのような切り傷をつけられる。

その傷から出血し、肘を地に着いてしまった承太郎に徐倫は心配で寄り添いに来た。

傷自体はそこまで深くなく、重傷といったものではなかった。それで徐倫はほっとするが、“スタープラチナ”の『時止め』ラッシュを食らったにもかかわらず瀕死にすらなっていないセルリーを見つめる。

セルリーの顔面は“スタープラチナ”の拳を食らって残った痕と鼻血を出していて、目は血眼になっていた。

 

 

「あたいのスタンドの“ストーム・ライダー”は大砲を仮に撃ち込まれても傷一つつかないほどの防御力だから、てめーの“スタープラチナ”のラッシュも痛くもかゆくもねぇわい。だけど、唯一の弱点である顔面に攻撃しやがって~~~~~~~。よくも!よくも!よくも!よくもッ!~~~よくもやってくれたなぁぁぁ。怒ったわいッ!!もう二度とてめーらの射程制空圏には入らないぜッ!!!あたいのスタンドの『風のブレード』と『弾丸』でブチ殺してやるわいーーーーーーーーッ!!!」

 

 

承太郎の攻撃でかなりの度合いで憤り、大きく翼を広げてひとはばたきするセルリー。そのひとはばたきで生成した『風のブレード』が地上にいる承太郎達に降り注いだ。

そのブレードは目には見えないが轟々とした風切り音でおおよその位置をつかまれて全弾かわされる。

 

 

「ちょこまかちょこまか逃げ回ってんじゃねぇわいッ!!!」ズバババーーーーーーーーーーーッ

 

 

『風のブレード』をかわされて憤激したセルリーはがむしゃらにブレードを生成し、空気と地面を切った。

あまりにも向こう見ずに攻撃してくるので、夕立の如く降ってくる『風のブレード』の1つ1つがどこにあるのか分からなくなってしまった。だがそれはあびるの“ラヴマシーン”がドーム状に集約して、承太郎達の身を守った。

 

 

「くそッ!!無鉄砲に放ちやがってッ!!どうします承太郎さん・・・このままでは共倒れだッ!!」

 

 

ブレードや弾丸が“ラヴマシーン”に当たり、アナスイが話している間もその衝撃音はしている。次々と包帯を重ねてガードはしているがいつまで持つか分からない。

そんな状況下で望はこの打開策を練り上げた。と同時に一つの結論に至った。

 

 

 

「一つだけ方法はあります。もはやこれしかありません。しかし、何より『一度』しかありません。たった『一度』・・・それが失敗してしまったら、彼女は更に距離をとられて、我々の敗北となります。賭けますか?」

 

 

望の提案に皆は黙って少し悩んだ後、こくりと頷き同意を示した。

『やらなければ勝てない』という思いを感じ取った望はその策の具体的な説明をした。

全員が作戦を理解した時、ドーム状の包帯を解いた。包帯を解いた時にはさすがに無意味と思ったのかセルリーは攻撃をやめていて、承太郎達の目が合って睨んでいた。

 

 

「おい女。そこで余裕ぶっこいているようだが、今からお前をやっつけてやるぜッ!!」ギラーーーーーーン

「あぁ!??何言ってやがんだてめー。この距離だぞッ!!10メートルはそこそこあるんだぞッ!!どうやって近付いてくるんだよ!?えぇ!?」

「ふっ。あぁ確かにな・・・だが勘違いするな。“お前が来るんだよ”」

「はぁ?」

 

 

承太郎はセルリーに睨みながら宣戦布告を決めるが、セルリーには言ってることが理解できず、今の状況は自分が絶対的有利であることをさんざん言うと同時に承太郎の何か違和感のある台詞に何の意味があるのか分からず、終いに苛立ちを覚える。

血眼になってニヤついている承太郎を凝視するセルリーだが、その時自分に向かってくる2つの何かに気付いた。

 

 

「“ストーン・フリー”ッ!!」

「“ラヴマシーン”ッ!!」

 

 

その二つ―糸の状態の“ストーン・フリー”と“ラヴマシーン”が近付いてくるのにセルリーは気付いて、『風のブレード』でなぎ払おうとするが、突如降ってきた落雷を浴び、ひるんだスキに何か黒いインクのようなものに捕らえられてしまう。

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・なんとか奴を・・・止められた・・・ようですね・・・」

「このガキィ、貴様ッ!!!よくもッ!!こんな変なものであたいを止められるとでも思ったかぁーーーーーーーーーっ!!!」

『変なものとは失礼な人ですね。私の『絵』を変なものとイコールさせないでよ』

「やかましいわいッ!!そんな小細工があたいに通用するかぁーーーーーッ!!!」

 

 

さっきの落雷はもちろんさきほど目が覚めたばかりのエンポリオの“ウェザー・リポート”のものであり、次のものは“イマジネーション”のインクのものだ。

エンポリオと近くに留まっている“イマジネーション”に悪態をつくセルリーは“ストーン・フリー”と“ラヴマシーン”のことも念頭におきながら風を使ってスタンドの突起物だけだがインクを削り取り、照準を二人に合わせた。

 

 

「おっと・・・やめた方がいいぜ。痛い思いしたくなかったらなぁ」

「・・・っ!!?貴様は・・・アナスイッ!!!」

 

 

今まさに『風の弾丸』を撃とうとするが、背後から“イマジネーション”のインクを足場としてアナスイがやって来て、彼女に忠告を聞かせた。

しかし、アナスイの忠告を無視して、セルリーは弾丸を発射しようとした。しかし、弾丸は発射されることはなく、代わりに突起物が膨らんだかと思うと、破裂して破損した。

 

 

「うっぎゃぁぁぁあああああああああああ!!!」

「“ダイバー・ダウン”・・・既にてめーに潜らせておいたのさ。てめーが弾丸を放とうとする時、発射口を閉じさせて破裂させるようにしてもらった」

 

 

強烈な痛みがセルリーを襲うがそれだけじゃない。空気が入った突起物が勢いよく破裂したことにより、その空気圧で下方へ下がってしまった。

アナスイが仕掛けた罠によって裏目に出てしまい、あっけなくセルリーの首に“ストーン・フリー”の糸と“ラヴマシーン”の包帯が巻き付いた。

 

 

ビッッシィィィィィ

「ぐぇぇっ・・・!!!この・・・肝っ玉のちーせー下衆がぁ~~~~~ッ!!!」

「よしッ!!捕らえたッ!!」

「さて・・・後はこっちに来なさいッ!!」

グ~~~~~~~~~ン

 

 

糸と包帯が首に巻き付けられて苦しみながらセルリーは彼らをかすれた小さい声でけなすが、それをお構いなしで徐倫とあびるは自分のスタンドを手繰り寄せて、セルリーをスタンドの中から引きずり出すのに成功した。

重力と糸と包帯の張力でくせっ毛のある藍色の長い髪をなびかせながら急降下するセルリーだが、まだ余裕の表情を浮かべていた。

 

 

「げーへへへへへへッ!!!ばかめッ!!あたいを地面に叩き付けるのか?それともスタンドでリンチにするのか?ムダだわい。ムダムダ。地面だろうが拳だろうが激突する前にスタンドを再発動できないとでもッ!??大間違いだよバカ共めッ!!!」

 

 

スタンドは射程距離外でもちろん消えている。このまま落下しても再びスタンドの中には入れる自信を持つセルリーだが、その自信をボキボキにおるほどの光景を見てしまった。

彼女の真下にはスタンドを真正面に出現させている望がいた。しかしただそこにいるわけではない。光っているのだッ・・・“ミニット・エンジェル”の両手の指が・・・。

その光はまるでさっきまで彼女が放っていた弾丸のように圧縮しているのをセルリーは実感した。

 

 

「さて・・・それじゃあどっちが早いから勝負といきましょうか・・・」

「糸色望・・・貴様――――――――――ッ!!!」

 

 

十カ所に光る光明を見て、ここで初めてセルリー自身は戦慄し、助かるために急いでスタンドを出現させるが、望の方が早かった。

 

 

「くらいなさいッ!!!光の弾丸ッ!!“天使の小型弾(エンジェル・ライフル)”ッ!!」ドバドバドバドバドバドバドバ

「ぐがぁぁぁぁぁぁぁ・・・・!!!」ギャァァァンン

 

 

発射された弾丸は超高速で空中を滑空し、セルリーの頭部、胸部、腹部を貫通した。

頭部に食らった弾丸が致命傷となり、スタンドの動きが停止し、灰になるように消滅した。

 

 

ドチャァァッ

 

 

鈍い音とともに地面に落下した彼女はその傷口からどくどくと血が出始めて、終いに息をしなくなった。彼女の体から生命が抜けたように灰が巻き上がった。

トドメをさした望はその後ぐったりした。それは人を殺めてしまったという負い目からではなく、一つのことをやり遂げて安堵したからだ。

もちろん、望だけではない。この場にいるものは皆そうした。なぜなら彼らはセルリーを倒すために残っているすべての力を出したからだ。

失敗への不安感と緊張から抜けて、肉体的にも精神的にも疲弊した彼らはそのまま動けなかったし、動こうとは思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって宿直室。セルリーが倒される同時期に霧とリーダーであるスコッチの闘いは終結していた。

 

 

「数分前に言ったよな。『俺の前に立つことは死を意味する』ってな・・・()()()()()()()()()

「う・・・ぐぐぐ・・・」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

その場で立っていたのはスコッチの方だった。彼の体にはかすり傷一つたりとも負ってはおらず、息も乱れていなかった。

対して霧はボロボロで体中切り傷だらけだった。一番ひどいのは脚部で、太ももからばっさりと切断されていて、血がドクドク出ている。

脚をばっさり切られた霧は上体を起こせずうつぶせの状態でスコッチを見ていると彼は彼女の背中を足で踏みつけて押さえた。

 

 

「これからお前の首をスパンっとぶった切るからよ。覚悟しろよ。おれの流儀で『狙った敵は必ず殺す』っつうのがあるからあえてやらせてもらう。お前が生きてしまうという恐れをなくしたいからなぁ・・・おれは・・・」

「先・・・生・・・」

 

 

うつ伏せになっている霧に聞こえやすいように首を近づけたスコッチはそのままの姿勢でスタンドの腕を振り上げて彼女の首を切るポーズを取り始めた。

苦し紛れに霧が言った言葉を無残に切り捨てるように彼のスタンドの手刀を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メギ  マギ  バギ

「・・・ッ!!こ・・・これは・・・ッ!??まさかッ!!」

 

 

力が抜けてぐったりしていた望だが、校舎の外観が崩れ始め、ボロの校舎になっているのを見て驚愕した。

これは望以外にもそれを見た者は誰でも驚いた。

 

 

「お・・・おいッ!これは一体どういうことだのぞ・・・ッ!??な・・・に・・・奴が“消えた”ッ!?」

 

 

承太郎はこの光景が何を意味するのかを望に聞こうとするが、彼は既にいなかった。

承太郎はそこに奇妙な疑問が生まれたが、彼がいないことに事態が悪い方向に進んでいるという胸騒ぎがするのですぐに考えるのをやめてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

望は誰にも気付かれないほど大急ぎで校舎に入り、宿直室へと向かっていた。

あの光景が正しければ・・・おそらく・・・と恐ろしい気持ちに望はなるが、すぐにその邪念を振り払って宿直室へ向かった。

 

 

その宿直室の前で見慣れない男がいた。

外国人と思えるような顔と身長と亜麻色の短髪。肌は少し荒れていて如何にもヤクザと言えるような相貌と身なり。直感で望はこいつが霧を殺した敵であると見なした。

その男―先程宿直室から出たばかりのスコッチは、唐突にやってきた望の存在を知ると、彼と向き合って宿直室の方へ指差した。

 

 

「糸色望だな・・・小森霧はおれが始末させてもらった。ひどく殺したから見ない方をおすすめするぜ」

「こ・・・の・・・この外道がッ!!よくも大切な生徒さんを・・・安らかに逝けるとおもわないでくださいッ!!!」

「『安らかに逝ける』か・・・面白いね~~~~~。・・・来なッ・・・お前の体を挽肉にしてそこからハンバーグを作ってやるよ」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

霧を殺された怒りで闘志がメラメラと燃えだし、スタンドを出す望。そして、スコッチも8の字を描くように手を動かしながらスタンドを発現させる。

 

 

スタンド名―「プレズントステイト・ディストラクション」

 

 

両者は睨み合いながらスタンドを自分の前に配置して、ゆっくりと・・・木にとまっているセミを虫網で捕まえるようにゆっくりと歩を進める。

そして、十分に近付くと両者は、急に血の気をフルにあげてスタンドが持つ最高のパワーをぶつけた。

 

 

「「オーーラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・!!!」」

 

 

常人なら即K.O.されるほどの威力とスピードを有するラッシュが叩き込まれる中、敵であるスコッチが若干押され気味だ。

そうこうしている内に、その差は徐々に広まり、最終的には“ミニット・エンジェル”のボディブローを食らうことになったスコッチ。ボディを食らった後は、全力で足を床につけ、その摩擦抵抗でこれ以上吹っ飛ばされるのを防いだ。

だが、望はその時間を無駄に使わず、スコッチがそうしている間にスタンドの指に光を溜める。

 

 

天使の小型弾(エンジェル・ライフル)ッ!!」ドバ ドバ ドバ

 

 

時を計らい三発の弾丸を撃ち込む望。それに気付く頃にはスコッチ自身が回避不能な距離まで弾丸が近付くが、その三発ともスコッチのスタンドにはじかれた。

否、”斬り裂かれた“と言えばいいか。

 

 

「・・・ッ!!?」

「おれのスタンド自体パワーはあまりない。10キロの錘をなんとか持ち上げられるほどのパワーしかない・・・・・だが、おれの“P・ディストラクション”の指はお前のスタンドの指の光弾のようにちと特殊でよ、物質をいともたやすく切れるんだ・・・こんな風になッ!!」

ズッパァァァアアアン

「・・・なッ!?うおおおおおあああああああああああ!!!」ズブシャアアアァァァ

 

 

天使の小型弾(エンジェル・ライフル)』を斬り裂いてその残骸を四方に散らばらして防御されるのを見て、望が驚愕している内にスコッチはうまく近付き、望の右腕をぶった斬ることに成功する。

傷口からの痛みと出血で苦しむ望だが、悶えながらも残った左手で弾丸を撃つが、すべて真っ二つにされて軌道から外させてしまう。

そして、もう一撃“P・ディストラクション”の攻撃を食らいそうになるが、後方に下がって回避する。

その後、スコッチは斬り落とされた望の右腕を拾い上げて望の方へ向かう。

 

 

「おれの能力は『結合を断つ』というもの。ものは必ず原子と原子、分子と分子に『くっついて』いる。分子間力とか共重合とか水素結合といったものがそれだ。おれはその『結合』をスタンドの指で全て『切る』ッ!!!」

 

 

そう言うと斬り落とされた望の腕の切断面をスタンドの指でいじくった後、望にそれを投げた。

望はそれを顔面すれすれでかわせたが、次の瞬間ほおが焦げてしまった。

その痛みにびっくりした後、望は焦げた箇所を手で覆うと、その手も焦げつき、終いにはその焦げ目から火の手が上がり、皮膚を焼いていった。

そして、その火は体中に回って大いに苦しむことになる望だった。

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

(まずいです!!このままでは・・・肺まで・・・内蔵まで火がぁぁぁ!!!)「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ドバドバドバ

 

 

身の危険を感じた望は力を振り絞って光弾を壁に発射させる。そして、水道管に穴を空け、その吹き出た水を被り、消火しようとした。

しかし、火が消えた代わりに、今度は皮膚の下で痛がゆい感覚に襲われる。

 

 

「うごおおおおおお!!何が・・・一体何が起こっているのですか!?」

「何が起こっているか理解できないだろう。だが深ぁ~~~く考えれば、分かることだ」

 

 

体中が変な痛みで蝕まれている望の肉体は悲鳴を上げ始め、血管から血が噴き出し、内部から燃えるような感じを覚え、とうとう膝から崩れてしまった。

痛がゆい感覚が今では激痛に変わり、悶え苦しむ望にゆっくりと近付きながらスコッチは声をかけた。

そして、望を素通りすると、さっき投げた望の右腕を拾い上げて語り出した。

 

 

「骨ってよ。リン酸カルシウムでできていて、人間にはとても大切って言われてはいるが、構成物質自体はとっても危険なものだぜ・・・カルシウムは空気中でものを燃焼させるほどの熱を発生させるし、黄リンは自然発火を起こすからなぁ・・・これでもう分かっただろう?理解しただろう!てめーの右腕の骨に含まれるカルシウムと黄リンを単体にして空気中にばらまき、てめーの皮膚も内臓もこんがり焼いたんだよッ!!そして今もなあああああああああああッ!!!」

 

 

スコッチはそう言った直後、切断面から火が出ている望の右腕を切断面を前にして投げた。そして、その切断面が望の胸にくっつき、そこを重点的に焼いていった。

胸を焼かれながらも投げられた腕を取り除こうとするが、接着剤でくっついたかのように全く抜けなかった。

 

 

「フフフ。残念。スタンドがつけた切断面はいろんな所にくっつけることができるのさ。取り除こうとしても無駄だ。完全にがっちりと結合しちまっているから、無理矢理引きちぎるぐらいでやらないとそれは抜けねぇぜ」

 

 

スコッチがそう言うそばで望はくっついた腕を抜こうとするが、途中で吐血して、倒れて力尽きてしまった。

 

 

倒れた望にスコッチが彼の首を落ちあげようとすると、マントになっていたまといが元の姿に戻り、手に持つジャックナイフでスコッチの首を刺そうとするが、一瞬速く行動した“P・ディストラクション”の斬撃を食らい、負傷してしまう。

 

 

「おれを暗殺できるとでも思ったか・・・暗殺はおれの十八番だ」

 

 

纏を返り討ちにしたスコッチは負傷した二人を見下ろし、不気味な笑みを浮かべる。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

(そろそろ承太郎達が来る頃合いだな・・・・・一人ずつだ・・・一人ずつ順番に暗殺してやる・・・必ず始末してくれる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

望が消えてから数分経ってから承太郎は彼を捜しに校舎をうろついていた。敵はまだいるかもしれない・・・潜んで隙あらば襲ってくるかもしれないので警戒していた。

そんな後、宿直室の前に糸色望が“無傷のまま”いた。

 

 

「大丈夫か?・・・敵はいたか?」

「いえ・・・いません・・・否、というより逃げたそうです。彼女を・・・小森さんを殺して・・・」

 

 

望を見つけた承太郎は自分に気付いた彼に尋ねるが、望は霧が殺されたことにくやし涙を浮かべていた。

望の証言で敵は近くに潜んでいるかもしれないので辺りを、正確に言うなら望に背を向けたまま見渡していた。

前もって言うが、今の望は望であって望ではない。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

(フフフ・・・成功したぜ。おれのスタンドは結合を断ち、結合を組み直すこともできる能力。ちょっくら顔面と声帯と髪を奴と同じように改造したんだよ~~~~~~~ん。そしてッ!!おれに背を向けた今がチャ~~ンス。糸色望やその側近の女と同じように、ミクロサイズの肉塊にしてやる~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!)

 

 

望に化けたスコッチが背を向けている承太郎に奇襲をかけようとし始めていた。ゆっくりゆっくりとスタンドを出現させて、殺気を殺しながら射程内に収めるように近付いていった。

そして、スタンドの手刀を繰り出し、承太郎の首をはねようとするスコッチだが、その手刀が首に届く前に“スタープラチナ”によってほおを殴られ、壁に叩き付けられる。

 

 

『オラァ~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!』ベゴォン

「ぶぶっっばっ!!」

 

 

スコッチが壁に激突した後、承太郎は後ろを振り返った。

 

 

「やはり敵だったか・・・やれやれだぜ。こぎれーな身なりだったから怪しんだが、予想は的中したと言うことか」

「んんぐぐ・・・おしかったのになぁ~~~~~ッ。やはり多少は傷をつけときゃよかったぜ~~~~~」

 

 

無傷が仇となり正体がばれたことに反省しながらスコッチはシュパパパと顔や喉、髪をスタンドで戻し、彼から奪った着物を脱ぎ去った。

素顔に戻したスコッチは鋭い目で承太郎と対峙した。

 

 

「お前はこう思っているだろう承太郎。望は始末された・・・と。あぁ・・・そうだぜ。お前も同じようにお前であることを知覚できないようにバラバラにしてやる・・・」

「な・・・ん・・・だ・・・と」

「おいおい。キャラに似つかわしくねぇ台詞だなぁおい・・・冷静でいられなくなるほど糸色望の死が恐ろしいかい」

 

 

望の死を聞かされて予想外に狼狽える承太郎を見て、半分あきれるスコッチ。

承太郎は微かに震えているが指を差し、スコッチに問いだした。

 

 

「“それは”・・・お前の能力では・・・ないんだな・・・?」

「・・・・・はぁ??」

 

 

承太郎の意味不明な問いにスコッチの頭に?マークが飛び交っていた。

スコッチは鋭い目承太郎が指差している方向が自分ではないことを知り、その先を探っていった。

その先は床を指していた。なぜそんなところをと疑問に思うスコッチだが、その意味が分かった途端、彼は青ざめた。

 

 

指されていたもの・・・・・それは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウジュル ウジュル ウジュル ウジュル

 

 

『肉片』だったッ!!

 

 

「な・・・何―――――ッ!!!」な・・・なんだこれはーーーーーッ!!!こ・・・これは・・・『肉片』ッ!??知らないぞッ!!!おれは知らないぞッ・・・こんなものは」

 

 

変な音を立てて、ミートボール並の大きさの『肉片』は床一面に・・・スコッチの背後に多数存在していた。

しかし、よく観察してみると、ただ存在しているわけではないッ!!集まっているのだッ!!パン生地や粘土を追加して大きくするように『肉片』自体が寄せ集まり、一体化し始めているのだッ!!それも急速にだ。まるで意思でもあるかのように何の変哲もない『肉片』が中心の『肉塊』に直進している。

その過程でいくつかの『肉片』はスコッチが脱ぎ捨てた望の着物を運びながら引き寄せられていた。そのときも承太郎とスコッチはただ目をひんむいて見ることしか出来なかった。

 

 

次第にその『肉塊』は形づくり、腕や脚が作られ、最終的に頸が出来上がり、一人の裸の男―糸色望がそこにいた。

そして、意識がはっきりした望は、まだ完全に傷口が治っていなくて、至る所の傷口に体から出ていった血が入り込んでいる最中に、そばにあった着物を着服し始める。

その後、奇妙なものでも見ているかのような目でじぶんを見ているスコッチと承太郎をじっと見た。

 

 

「何者だ・・・とても人間業じゃねえ・・・何者だーーーーーーーーーーーーーーッ!!!糸色望――――――――――――ッ!!!」

 

 

肉体を完全に修復した望に対してスコッチは冷静さを忘れてパニックに陥った調子で問い出す。

望は彼の問いに首をボキボキ鳴らせた後、腕を組みながら答えた。

 

 

「さあ・・・どうなんでしょうね?しかし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・」

 

 

 

 

To Be Continued・・・・・⇒

 

 

 

 

――プロフィール――

 

・セルリー・シチュー  年齢不詳(おおよそ30代前半)。女性。

 

非常に攻撃的で一度暴れ始めると止まらない。地に這いつくばる人を見ることが一番大好き。

 

“ワイルド・ドッグ”の幹部の中で五番目に偉い地位を持っているため実力はかなりある。

 

口癖は「~~~わい」。

 

スタンド名:ストーム・ライダー

 

【破壊力:A スピード:A 射程距離:C 持続力:A 精密動作性:E 成長性:C】

 

能力:スタンドの周りの空気を操る  スタイル:近中距離パワー型  分類:装着型

 

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