校門で会った智恵先生と承太郎たちは彼女に2のへ組のクラスまで案内をしてもらっていた。
授業中のため、チョークの音と、教諭の声しか聞こえない。日本に馴染みの無い徐倫、エルメェス、アナスイ、エンポリオはまじまじとクラスの中の様子を見ている。
そうこうしている内にへ組のクラスの前へ到着した。ちなみに智恵先生は、用が済んだからともうその場にはいない。
そして、そこに着くや否や承太郎は戸の取っ手に手を伸ばす。
「よし、開けるぞ。準備はいいな」
徐倫たちに開けると告げた承太郎。
首を縦に振って、オーケーの合図を送った4人。
そして、クラスの戸が承太郎によって、勢いよく開いた。
そこで見た光景は・・・・・・・・
「死なせてくださァァァァァァァァァァい!!!」
「ダメですよ先生!!SPW財団の使者さんたちがもうすぐ来るんでしょう!!」
着物を着たメガネの男が同じくメガネをかけた少し長髪の少女に抑えられながら、天井に吊られているロープで自殺を図ろうとしていた。
「このままじゃあ木津さんが使者様病院送りにして世間から言われもないバッシングを浴びるに違いありません!!!!!もうおしまいだァァ!四方八方からたたかれるゥゥゥゥゥ!!!!!だからその前に、自ら死んでやるゥゥゥゥ!!!」
「早まらないでください先生!!」
言葉が出ない。色々と言いたい事があるが、声が出ない。そして、体が動かない。
しかし、そんな彼らの中で一人、一人は動けた。そして、行動した。
その一人はエルメェス。彼女は!!
「うっしゃあああああ!!!」
ドゴォォォ!!
「グゲボッ!!」
「先生ーーーッ!!」
その男を蹴り飛ばした!!
蹴られた男は壁に激突。メシャアアアという音とともに倒れてしまう。
男・糸色望はエルメェスに蹴り飛ばされたにもかかわらず、すぐに立ち上がる。
少々苦しそうな表情を浮かべるが。
「な・・・何をするだァーーーッ!」
「何をするだァァァ?てめぇこそ何やってんだ!あたしの前で自殺すんじゃあねぇ!!イヤな事思い出させやがって」
立ち上がった望を叱りつけるエルメェス。
エルメェスの言うイヤな事とは半年ほど前に獄中で“ハイウェイ・トゥ・ヘル”という“スタンド”を操るマックイイーンのヤツのことだ。
自分が自殺するとき対象者も同じ死に方をする能力で、彼女はそいつにやっとの思いで勝てたので、以来エルメェスは、自殺がトラウマになっていたのだ。
「あの・・・・その・・・・すいません。いやな事を思い出させてしまって・・・」
「わかりゃいいんだよ」
望はもうしわけない様子で、エルメェスに謝った。
そしていつの間にか、クラス内の空気が再び重くなった。
おそらく、彼らは彼女の家族か親しい人が自殺したんだと思っているのであろう。
しかし結果として、クラスが黙ってくれたので結果オーライだ。
「望先生でしたね。どうか私の顔に免じて彼女の無礼を許してくれますか?」
「いえ、はい。それでどちら様ですか?」
望はその顔つきに少しびっくりしたが、彼に質問した。
承太郎は腰をピシッとまっすぐにし、クラス内に響きわたるほどの声で言った。
「どうも。SPW財団から派遣されました空条承太郎だ。以後よろしく」
承太郎が自己紹介した後、エルメェスを除くほかの三人も教卓に近づいて、生徒の方へ向いた。
「そして、君たちから見て右側にいるのが順にアナスイ、エンポリオ、娘の徐倫、そして君たちの担任を蹴り飛ばした彼女、エルメェスだ」
「承太郎さん、さすがにもうやめてくれますか?」
他の四人について説明した承太郎。エルメェスに関しては、もはや傷口を抉っている。
そんな世界観が全く違う彼らを見て、生徒たちはどう思っているのだろうか。
一部の生徒の心の中を覗いてみよう。
(身長大きいなぁ、あと若いし何歳だろう?)
(同人誌の参考になりそう。ニヤリ)
(新しいカモが増えた)
(徐倫さん、メチャクチャかわいい!)
(キィィィィ!ネットアイドルの天敵!)
(ボ~~~~~~~~~)
普通、私欲、論外、意味不明
まあクラス平均してヘェ~~~~~ぐらいだ。
「そして私が、このクラスの担任の糸色望です」
「こちらこそ、糸しk「うお、これは」どうしたアナスイ?」
握手をしようと思っていた承太郎だが、アナスイが何かに気づいた声をあげたためそちらを向いた。
そんな彼の手には出席簿があった。
「承太郎さん見てくれ、コイツの名字と名前をくっつけると『絶望』になってるぞ。プクククク、ハハハハハハハハハ」
「えっ?何々?ブ、ブハハハハハハハハハハ、こいつは傑作だぜ」
「「「・・・・・・・・」」」
彼の名前にある発見をしたアナスイ。どこがつぼだったか爆笑しているアナスイとエルメェス。
そんな二人を情けなくなく思っている三人。
いやな事が起きなければいいが、と心のなかで呟くが、だめだった。
「うわーーーーー!!!私のいやなあだ名を早くも知ってしまうなんてぇ!!しかも笑われた!!笑われたよォーーーーー!!!絶望したッ!!自分の名前に絶望したァーーーーーーー!!!!」
と叫び、再び自殺しようとする。
先生ッ!!落ち着いてください!!と数名の生徒が彼を止めに入った。
承太郎はその様子を眺めていると、被っていた帽子を指で下げて呟いた。
「やれやれだぜ」
「アナスイ、エルメェス、人の名前には名付け親の子供に対する優しい想いが籠められている。だから、人の名前を見てそういうことをいうもんじゃあないぞ」
「「はいすいません(だからっておもっくそ殴らないでくださいよ)」」
なんとか望を落ち着かせて、アナスイとエルメェスに鉄拳制裁(本気で)をして、叱りつけた後、生徒たちの方へ向いた。
「まあなんだ、色々あったが、私達はしばらくこの学校のことを色々と調査する。何か我々に用がある者は話してきたまえ」
は~~~~~~いとのんきな声を上げて返事をする生徒たち。
ようやくクラス内の重い空気が軽くなったようだ。
が、“一部”は少し違った。特に、徐倫たち四人は違った。
彼らは今、承太郎を見て驚愕している。
彼は何をしているのか。
彼は出している!!!自分の“スタンド”、“
今更だが、“スタンド”とは、生命が作り出すパワーある『
多種多様の形態・能力を持っており、近距離型、遠隔操作型、自動操縦型といった性質を持った、一種の超能力である。
そのため、一般人には基本スタンドは視えない。
あらかじめ、スタンド使いがいるかもしれないと財団から聞いているので、感づかれないように用心していたが、承太郎のせいでする必要がなくなった。
これじゃあ自ら“君と同じ人間だよ”と言っているのと同じだ。
しかし、承太郎も馬鹿ではない。
承太郎がなぜ“最強のスタンド使い”と呼ばれているかと言うと、スタンドの性能だけでなく、自身の冷静な判断力があるからである。
人は誰しも共通の趣味をを持っていたら、何らかの反応を見せる。
承太郎はそこをついたのである。自身とスタンドの洞察力で見極めてスタンド使いをひとまず見つける作戦のようだ。
承太郎はある程度観察したら、教室を出た。それにつられて徐倫達も出た。
「父さん、スタンド使いは何人いたの?」
「ざっと六人だ、まさかそこまでいたとは」
教室を出て数分経ったときに徐倫は口を開いた。
その数に皆驚いた。
“矢”でもない限り、1クラスにあれだけいるのはありえないと正直驚いている承太郎。
やはり、裏に“何か”あると実感した彼ら。だが、
「そういえば承太郎さん、彼らがSPたちを半殺しにしたスタンド使いだとはまだ分かっていません。いったいどうするつもりですか」
「心配ない、今から言う六人が単独で我々のところにきたときに、その対処は考えよう」
いくらスタンド使いだって、“良いヤツ”と“悪いヤツ”もいる。
エンポリオは、彼らがもし“良いヤツ”だった場合を考えたら、心配してきたが、承太郎もそこまで冷酷ではない。
「但し、その中の一人には、今日の昼休みに屋上にくるよう誘うつもりだ」
「何故一人なんですか?全員を呼べばいいと俺は思いますが」
六人のうち一人を呼ぶと決めた承太郎の意図が全くよめないから問うアナスイ。
その質問に承太郎は腹を空かした野獣の如く恐ろしい眼で睨んだ。
「いや、これはいい大人として最初に“あの担任”とただ話がしたい。ただそれだけだ、アナスイ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
最強のスタンド使い・空条承太郎は、謎のスタンド使い・糸色望を
To Be Continued・・・・・⇒
次回予告
望 『いったい何のようですか?』
承太郎 『抜きな。てめーのスタンドを』
望 『戦わざるを得ない、という訳ですか』
承太郎 『午後の授業には出れるように手加減するからよ』
望 『しょうがないですね』
承太郎 『こいつはいったい!?』
??? 『スタンド使いは一人ではありません!!』
望 『久々に本気を出しますか』
『第伍話 『秒速の天使≪ミニット・エンジェル≫』と『ウォーアイニー』その①』